上 下
62 / 143
2章〜フォレスト王国王都〜

47、イケメンと手繋ぎっ!普通は嬉しいと思うんだけどね?私は嫌だぁっ!!

しおりを挟む
「お待たせー!」

 あれ、よく見たら三人共平民が着る服だ。…本人達の方が目立つから気づかなかった。

「じゃあ行くか!!」
「「「うん!」」」
「あ、フェアディ達もいい?」
「…俺としては、影に入っていてもらいたい」
「分かった。皆もそれでいい?」

 皆うなずいた。…皆絶対王都は興味あると思うんだよね。また明日、今度は四人だけで行こうかな。



「まずどこ行くんだ?」
「私まだ朝食べてないから屋台で食べたい」
「僕達も食べてないよ。だからまず屋台だね」

 広場には、沢山の屋台があった。そこで私達は果実水と串焼きを買った。

 …言ってもいいかな?うん。いいよね。じゃあ言わせてもらう。


 屋台、種類が少な過ぎるでしょーー!!!

 
 屋台、王都なんだからこっちの世界では凄いんだとは思うんだよ。思うんだけど、日本に比べて種類がなさ過ぎるっ!!

 ホットドッグもサンドウィッチもない。フライドポテトもない。私の好きなものがなさ過ぎる!!

 この悲しみ分かる!?いや、分からないよねぇ…。うん。もう開き直ろう。自分で作れるんだから。

 あ、でもな~。フライドポテトは油が…。いや、沢山魔物狩れば足りるか…?

 うん。多分いける!!いけなかったらその時にまた考える。

 決して考える事を放棄したわけではないよ!だって美味しい物は食べたもん。

 とりあえず串焼き食べよう。あっ、美味しい。これは味付がシンプルだけど、だからこそお肉の旨味がしっかり感じられる。

「外で食べると美味しいな!」
「だね」
「…他の屋台でも買ってくるから皆待ってろ」
「分かった。…ノークさん?」

 あれ、王様が狼狽えた。

「どうしたの?」
「いや、その呼び方…」
「いやいや、前のようには呼べないよ?呼んだら騒ぎだよね?」
「いや、それは分かってる。…戻ってもそう呼んでくれないか、リティア」
「?いいよ」
「ありがとう。じゃあ買ってくる」

 どうしたんだ、あの王様。いや、ノークさんか。

「ち、父さんは嬉しいだけだと思うから気にしないでいいと思うよ」
「そう?」

 王だからノークさんって呼ばれるのが新鮮なのかな?


 あっ、ノークさんが今度はソーセージを持って来た。

 やっぱり美味しいっ!!…でもケチャップ欲しい。後ついでにマヨネーズも。

 マヨネーズはソーセージには関係ないんだけどね。

 マヨネーズは手で混ぜるのはとっても疲れるから嫌なんだよねぇ。

 あ、錬金術で作れるかな?何かそういうイメージがあるんだよね。
 
「…ティア、リティア!」
「あ、ごめん。考え事してた」
「次どこ行く?」

 ん~。教会行くべきだとは思うけど、明日の方がゆっくり出来るよね。じゃあ、

「露店に行ってみたい!」
「じゃあ行こうか」

 よしっ!!ふふふっ。異世界の王都だよ?魔道具とかこれぞファンタジーっていう物を買いたい!いや、買うっ!!


「うわぁ~!」

 とっても賑わっている。薬草が売っていたり、装飾品を売っていたり、いろいろだ。

 !あっちはなんだろう!!

「リティア、迷子になっちゃうよ?」
「ふえ?」

 おう、ソークとロークに手を繋がれた。普通はイケメンに手を繋がれたんだから嬉しいんだろうけど、私は違うっ!!

 手が塞がってしまった!!これが私にとって問題なの~~!

「どっちか手、離して。これじゃ物取れない!」
「「嫌」」
「嫌!?えっ、何で?」
「離すとリティア絶対ふらふらどっか行くだろ」

 うっ。確かに、いろいろ気になって行ってしまいそう…。精神年齢大人なのに情けなよぅ。

 そうして私は言い返せずに、二人に手を繋がれた。

 ああぁ~、私の自由がぁ~!


 そしてノークさんにはは勿論、街の人達にも微笑ましげに見られている…!み、皆見ないで~!!

 


しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。

異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。 そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。 【カクヨムにも投稿してます】

裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい? とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。 犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。 異世界転生しちゃいました。 そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど チート無いみたいだけど? おばあちゃんよく分かんないわぁ。 頭は老人 体は子供 乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。 当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。 訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。 おばあちゃん奮闘記です。 果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか? [第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。 第二章 学園編 始まりました。 いよいよゲームスタートです! [1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。 話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。 おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので) 初投稿です 不慣れですが宜しくお願いします。 最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。 申し訳ございません。 少しづつ修正して纏めていこうと思います。

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

処理中です...