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幸せな日常
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「あっ! ごめんなさい!」
男子の間で可愛いと評判の女子が双子とぶつかった。
「「ん? いーよ」」
双子は軽く言いすぐに離れようとしたらしいが、女子の方は何故か引かなかった。いや、違うか。魂胆は見え見えである。
「うっかりしてて……。淳平君、大丈夫?」
「うん、大丈夫だから」
またね、と手を振って歩こうとしている淳平を、尚も引き止めようとしている。
「でも、一応。保健室行こう?」
「「行かない」」
こんな廊下でのやり取りを俺は教室で聞いていた。
「相変わらずすげーな、双子見分けられますよアピ」
「な」
あんなに寄ってたかってしたって意味がないだろうに。
「「酷い」」
「何が?」
「聞いてたくせに」
「助けてよ」
「むりー」
双子がうんざりしているが、こっちもうんざりだ。
双子はいつもひっつき虫なのに、その度合いが更に上がるのだから。
ひっつき虫に引っ付かれる俺を見て、圭吾は笑う。
「お前らホント仲良しな」
「それは否定しない。けどこんなくっつかれるのは邪魔だぞ? 行動しづらい」
「そりゃそーだろ。見りゃわかる」
頷く。だろうな。
「でもそろそろ、お前ら3人付き合ってるってバレそうなもんだけどな」
「本気にされるわけないじゃん。本当だとわかってくれるお前が別なの」
「そーかぁ?」
「「そうだよ」」
「そうちゃんの友達が圭吾でよかったって思うもんね」
「ね。理解してくれないおバカさんならどうしてたかわかんないもんね」
俺達4人は、親友として通っている。俺は別にそれでいい。万人の理解なんて必要としていないのだから。
ただ、言わせて貰えるのなら。
圭吾という親友と淳平と亮平という一心同体な双子の恋人と共に過ごす日常は素晴しいのだと言いたい。自慢したい。
あと、親も双子を俺の親友だと認識しているので高校を卒業するまでに2人は俺の恋人なのだと告白したい。
男子の間で可愛いと評判の女子が双子とぶつかった。
「「ん? いーよ」」
双子は軽く言いすぐに離れようとしたらしいが、女子の方は何故か引かなかった。いや、違うか。魂胆は見え見えである。
「うっかりしてて……。淳平君、大丈夫?」
「うん、大丈夫だから」
またね、と手を振って歩こうとしている淳平を、尚も引き止めようとしている。
「でも、一応。保健室行こう?」
「「行かない」」
こんな廊下でのやり取りを俺は教室で聞いていた。
「相変わらずすげーな、双子見分けられますよアピ」
「な」
あんなに寄ってたかってしたって意味がないだろうに。
「「酷い」」
「何が?」
「聞いてたくせに」
「助けてよ」
「むりー」
双子がうんざりしているが、こっちもうんざりだ。
双子はいつもひっつき虫なのに、その度合いが更に上がるのだから。
ひっつき虫に引っ付かれる俺を見て、圭吾は笑う。
「お前らホント仲良しな」
「それは否定しない。けどこんなくっつかれるのは邪魔だぞ? 行動しづらい」
「そりゃそーだろ。見りゃわかる」
頷く。だろうな。
「でもそろそろ、お前ら3人付き合ってるってバレそうなもんだけどな」
「本気にされるわけないじゃん。本当だとわかってくれるお前が別なの」
「そーかぁ?」
「「そうだよ」」
「そうちゃんの友達が圭吾でよかったって思うもんね」
「ね。理解してくれないおバカさんならどうしてたかわかんないもんね」
俺達4人は、親友として通っている。俺は別にそれでいい。万人の理解なんて必要としていないのだから。
ただ、言わせて貰えるのなら。
圭吾という親友と淳平と亮平という一心同体な双子の恋人と共に過ごす日常は素晴しいのだと言いたい。自慢したい。
あと、親も双子を俺の親友だと認識しているので高校を卒業するまでに2人は俺の恋人なのだと告白したい。
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