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お角違いでも何でもいいから取り敢えず案を欲した休み時間

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「恋人に好きって伝えるにはどうしたらいいと思う?」
「普通に好きって言えば?」
「普通にって何」
「普通は普通でしょ」
「その普通を教えてくれ」

 全く答えになっていない答えを返してくれた圭吾をじとっと睨め付ける。そんな俺を圭吾も睨め付ける。

「いやいやいや、完全なる人選ミスですよ、宗介さん」
「じゃあ誰に聞けと」
「そこは自分で考えてー」

 圭吾が唇を突き出す。

「とりあえず俺は論外だって。恋愛感情ないのにアドバイスできるってホンキで思ってんの?」
「できるかもだろ」
「できませんー」

 伸ばし口調が地味に苛ついたのでとりあえず圭吾の肩をばしばしと叩いておく。

 俺だってお角違いだとは思ったけど。友達いないから。こんなこと聞けるのは親友の圭吾だけだから。


「つかあの双子クンだよね?」
「あ? ああ、うん。言ってなかったっけ?」
「うん。言われてない。まあ双子の態度が甘過ぎて丸分かりだったけど」
「マジ?」

 周りにバレバレなのは恥ずかしい。

 両手で顔を覆いかけた。しかしその後の圭吾の言葉でやめた。

「まあ周りは気づいてないと思うけどさ」
「そうなの?」
「うん。まあ同性だし、周囲は珍しく双子が懐いたヤツくらいの認識じゃね?」
「マジ? それ本当だと信じていいのか?」

 手を振ってカラカラと笑われる。

「マジマジ。付き合ってると思われてたら女子の猛撃があるっしょ。ないからダイジョーブ。まあ双子の友達認定されて質問攻めはこの先あるかもしれねーけど」

 確かにと頷く。

 そうだよな。同性同士というのはマイノリティーだ。この高校という狭い世界で生きている高校生はその可能性を考えもしない。全てのことの基準は自分だ。

 なお、腐女子は別である。




「好きって言ってないん?」
「好きだって自覚したのイエスタデイ」
「照れてる」
「照れてない」
「いやそれこそ俺には丸分かりー」

 ムカついたので圭吾の肩をまたしてもバシバシと叩いておく。

「なんかもうどのタイミングで言えばいいのか分からん」
「えーー。………………双子が好きって言ってくれた時に素っ気なく気にしていないフリしながら俺もって返したら」
「他」
「知らん」
「……………………」
「無言でも知らない。俺は頑張ったって。後は自分でがんば!」

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