双子の最愛も、わからない時はわからない。

シュガーコクーン

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悶える夜

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 不機嫌になった俺を宥めるように言葉を重ねる双子にこれは好機だと、朝電車の中で双子に囁かれたことに対する疑問をぶつける。

「そんなに関わったことないのに、俺の、好きなとこ、あんなに挙げられるなんておかしくないか?」
「「ああ」」

 輝かんばかりの微笑×2でとことん説明され、電車から降りた後も疲労困憊の中家へと帰った。






 玄関で靴を脱ぎ手洗いうがいを済ませ早々に部屋へと行く。いつもなら制服を着た状態でベッドに上がったりなんてしない。しないのだが、今だけは許してほしい。

 枕でみっちりと自分の口を塞ぐ。

「うわーーー! わーーーーー!!」

 何だったんださっきの双子は。


 それはそれは丁寧に朝の言葉を解説された。LINEのグループトーク画面で。そのため見返そうと思えばできてしまうというこの状況。いや、俺がこんな満員電車の中で言うなと言ったんだが。

 文章だったせいで余計に恥ずかしかった気がする。

 双子とのトーク画面を開く。


 なんとなく見返して、もう一度枕に顔を埋める。

「うわーーーーーー!!」

 悶え終わり、息苦しさを整えるために枕を離す。それでも起き上がる気力はないのでうつ伏せのまま、顔だけ横に向ける。


 顔が熱い。

 自覚できてしまう自分が恨めしい。


「なんなんだよ」

 こんなに自分のことを見てくれるなんて。

 中身をちゃんと知ってくれるなんて。


 自分を好きになってくれるなんて。



 言葉も態度も惜しまないなんて。




 あんなに犬のように無邪気に笑うなんて。





 俺の言葉で照れるなんて。







 好きになってしまうだろう。









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