双子の最愛も、わからない時はわからない。

シュガーコクーン

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日常

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「あっ! ごめんなさい!」

 男子の間で可愛いと評判の女子が双子とぶつかった。

「「ん? いーよ」」

 双子は軽く言いすぐに離れようとしたらしいが、女子の方は何故か引かなかった。いや、違うか。魂胆は見え見えである。

「うっかりしてて……。淳平君、大丈夫?」
「うん、大丈夫だから」

 またね、と手を振って歩こうとしている淳平を、尚も引き止めようとしている。

「でも、一応。保健室行こう?」
「「行かない」」










 こんな廊下でのやり取りを俺は教室で聞いていた。


「相変わらずすげーな、双子見分けられますよアピ」
「な」

 あんなに寄ってたかってしたって意味がないだろうに。

「「酷い」」
「何が?」
「聞いてたくせに」
「助けてよ」
「むりー」

 双子がうんざりしているが、こっちもうんざりだ。

 双子はいつもひっつき虫なのに、その度合いが更に上がるのだから。


 ひっつき虫に引っ付かれる俺を見て、圭吾は笑う。

「お前らホント仲良しな」
「それは否定しない。けどこんなくっつかれるのは邪魔だぞ? 行動しづらい」
「そりゃそーだろ。見りゃわかる」

 頷く。だろうな。

「でもそろそろ、お前ら3人付き合ってるってバレそうなもんだけどな」
「本気にされるわけないじゃん。本当だとわかってくれるお前が別なの」
「そーかぁ?」
「「そうだよ」」
「そうちゃんの友達が圭吾でよかったって思うもんね」
「ね。理解してくれないおバカさんならどうしてたかわかんないもんね」

 友達が圭吾でよかったって、こういう時特に思う。

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