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仲間
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「同じとこなのに、知らないってありえる?」
「何をですか」
「おれたちのこと」
呆れた視線を向けられた。酷く心外。
「有り得るわけないですよ」
「うっわ、自意識過っ剰~」
「うるさい、事実でしょう」
「まあそーだけど。なに。零一急にどーしたの?」
おれは目の前で倒れているやつらに目を向ける。
「こいつら見て思っただけ……」
「ん? コイツら?」
「うん。それではるちゃんのことなんとなく思った」
片方は首を捻り、片方は少しの間の後、頷いた。
「あの電撃告白のした方のことですよね?」
「はるちゃん」
「うえ!? あの子同じ高校なの~!?」
「……私達のことを知らないような素振りの子でした。本当に同じ高校なのですか?」
2人の反応に頷く。だよね。おれもそう思った。
だけど決定的な証拠をみてしまった。納得するしかない。
「でも本当だった。生徒手帳も見た」
「え~。じゃあはるちゃん知らないフリしてたってわけぇ?」
「本当に知らなかったと思う」
「どうしてですか?」
仲間だから。
「興味ないことは頭から抜けてくような子だから……」
おれと同じ。同類。だから類友で親友。
「類友でしたか。やけに打ち解けるのが早いと思っていたのですよ」
納得したように軽く何度も頷かれる。
おれが思うのはいい。他人から肯定されるのはいや。なんか違う。
おれは眉を寄せた。
「…………このぽややんが倍増はいやだな~」
ぽややん。
「心外」
ドカッ。
突然鈍い音がした。転がっているのを蹴った音だとはわかる。だけどその珍しさにそちらを向く。
「……あ?」
「珍しい」
「本当~」
「ストレスですか?」
「それ以上死にかけにすると朝まで残ってしまうからやめようね」
仲間で口々に言ったから、白夜は鬱陶しそうに舌打ちをした。
「うっせ」
眉間に皺を寄せ、不機嫌なオーラが出まくっている。でも仲間たちは慣れたもので一切構わない。
「最近機嫌がよろしくないようですね」
「ね、ずっとイライラしてて見てるこっちがイヤだよねぇ」
「ストレスは体に悪いよ?」
聞いてるだけのおれでもやかましいと思った。白夜は尚更だろう。
でも邪険に仕切れなくて、言葉に詰まってる。白夜は項垂れるようにため息を吐き、もう一度転がっているやつを蹴る。完全に八当たり。
「…………うっせ」
何にも言ってないおれが睨まれた。
「何をですか」
「おれたちのこと」
呆れた視線を向けられた。酷く心外。
「有り得るわけないですよ」
「うっわ、自意識過っ剰~」
「うるさい、事実でしょう」
「まあそーだけど。なに。零一急にどーしたの?」
おれは目の前で倒れているやつらに目を向ける。
「こいつら見て思っただけ……」
「ん? コイツら?」
「うん。それではるちゃんのことなんとなく思った」
片方は首を捻り、片方は少しの間の後、頷いた。
「あの電撃告白のした方のことですよね?」
「はるちゃん」
「うえ!? あの子同じ高校なの~!?」
「……私達のことを知らないような素振りの子でした。本当に同じ高校なのですか?」
2人の反応に頷く。だよね。おれもそう思った。
だけど決定的な証拠をみてしまった。納得するしかない。
「でも本当だった。生徒手帳も見た」
「え~。じゃあはるちゃん知らないフリしてたってわけぇ?」
「本当に知らなかったと思う」
「どうしてですか?」
仲間だから。
「興味ないことは頭から抜けてくような子だから……」
おれと同じ。同類。だから類友で親友。
「類友でしたか。やけに打ち解けるのが早いと思っていたのですよ」
納得したように軽く何度も頷かれる。
おれが思うのはいい。他人から肯定されるのはいや。なんか違う。
おれは眉を寄せた。
「…………このぽややんが倍増はいやだな~」
ぽややん。
「心外」
ドカッ。
突然鈍い音がした。転がっているのを蹴った音だとはわかる。だけどその珍しさにそちらを向く。
「……あ?」
「珍しい」
「本当~」
「ストレスですか?」
「それ以上死にかけにすると朝まで残ってしまうからやめようね」
仲間で口々に言ったから、白夜は鬱陶しそうに舌打ちをした。
「うっせ」
眉間に皺を寄せ、不機嫌なオーラが出まくっている。でも仲間たちは慣れたもので一切構わない。
「最近機嫌がよろしくないようですね」
「ね、ずっとイライラしてて見てるこっちがイヤだよねぇ」
「ストレスは体に悪いよ?」
聞いてるだけのおれでもやかましいと思った。白夜は尚更だろう。
でも邪険に仕切れなくて、言葉に詰まってる。白夜は項垂れるようにため息を吐き、もう一度転がっているやつを蹴る。完全に八当たり。
「…………うっせ」
何にも言ってないおれが睨まれた。
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