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決戦の日は日曜日だった
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その日は日曜日でギルは休日だった。孤児院のリビングでミアがギルに声をかけた。
「ちょっといいですかギルー? ファナさんから野菜を貰ってばかりだからお返ししようと思いますの。パウンドケーキはどうでしょうか?」
「ふむ、いいと思うぞ。あれなら今から俺が持って行くぞ」
「ありがとうございます、ギル」
ギルはパウンドケーキの入った袋を片手にブラウン家まで歩き出す。ちょうど今日はサーキスと話をしたかったところだ。
元バレンタイン寺院の人間に訊きたいことが一つあった。自分のこれからの決意と重なるものがあった。
パディの病院を通り過ぎてしばらく歩くと畑道に入る。見渡すばかりの畑はブラウン家によって大部分が耕され、今は土地の三割ほどにキャベツが残っている。今日は畑で仕事をしている人間はいなかった。
ブラウン家に着いたギルは玄関で大声を上げた。
「おーい! サーキス、ファナ! いるかー⁉」
サーキスがギルを迎えた。
「おうギル! 何だ今日は?」
「ミアからファナに野菜のお返しだと。パウンドケーキだ。取っておけ」
「サンキュー! 二人とも喜ぶぜ! 今はばあちゃんとファナは出かけてるところだぜ! ばあちゃんがたまにお前の話をするぜ。『サーキスの友達はいっつも偉そうだねえ。お父さんと大違い! ちょっと礼節をわきまえるように言いな!』って。ま、無理はわかってるが一応、お前には伝えたぜ!」
「俺はあのばあさんに好かれてないようだな…。気をつけよう…」
「それからギル! 畑に恒常的な保護の呪文を唱えてくれないか? できればありったけ! なんか土の栄養価が足りない感じがするってばあちゃんが言ってたんだ。頼むぜ!」
「近所付き合いだ。これでばあさんのご機嫌が取れるならお安いご用だ。さてやるか…」
ギルとサーキスは畑に呪文を唱えて廻る。サーキスが機嫌よく言う。
「助かるぜ! 俺の呪文は少なくなってるからな! 持つべきものは兄弟だぜ!」
畑を移動する合間にギルが質問した。バレンタイン寺院の人間にどうしても訊いておきたいことだった。
「いきなりだが、もしも俺の母さんが生き返る方法があると言ったらどうする? それもかなりの禁じ手を要求されるとしてだ…」
「ハッ! やめろよ、そういうの! 俺も似たようなことをパディ先生に言ったぜ! 肺炎で死ぬ寸前の親っさんの奥さんを違う方法で殺して、パディ先生の目の前に連れて行って蘇生してらう、そしたら肺炎も治してもらえるよねって。
そしたらパディ先生マジギレされてよ…。怖かったー…。『その方法を使えば、色々な人を助けられるかもしれない。パディ先生が治せない病気も千年後には治せるようになるかもしれない。しかしそれは生きていると言えるのか? 命はそんなに安っぽいものじゃない』みたいなことを言われたぜ…」
ギルが相槌を打つ。
「ふーむ…」
「だけどよ、俺がそのことを言わなかったら、ギルにパディ先生を殺してもらって一旦心臓を止めるっていうアイデアは生まれなかったわけだ。俺は何重にもあのおっさんの命を救っているわけだぜ!
ほんとマジで感謝しろっての。そんな俺をがみがみ怒りやがって。先生は毎日、俺をお祈りしていいぐらいのレベルだぜ! 感謝の気持ちもありゃしねえ!」
サーキスの言葉が愚痴っぽくなったと思ったが、話がギルの母のことに戻る。
「結果を言わせてもらうと、お前の母ちゃん…、奥さんの死がなかったら、俺は医療に関心はなかった。俺は医者にもなってない。先生も親っさんも助からなかった…。お前には申し訳ないけど、奥さんの存在は俺たちの今をより良くしてると思う…」
畑への肥料的な呪文が終わるとサーキスが思い出したように言った。
「そうだ! 俺たちの子供の絵があるんだ! ファナのお腹を透視してちょこちょこ描いてるんだよ!」
サーキスが大急ぎで家に戻ってスケッチブックを取って来る。そしてそれをギルに開けて見せた。
「ほらこれ! 子供がどんどんでかくなっていってるんだぜ!」
サーキスが描いた胎児の絵。彼がページをめくると初めは人間には見えない生き物が徐々に人の形を作って行く。これにはギルも感嘆の声をあげる。
「おおー! これはすごいぞ! 勉強になる!」
「だろーっ⁉ …しかしなあ、ファナの子って逆子なんだよー。このままじゃ自然に産めなくて帝王切開ってのになるらしい…。俺がファナの子を取り出すことになるんだぜ! いやもうまいったなあー!」
サーキスは照れ笑いをしてこの上なく嬉しそうだ。サーキスはスケッチブックを最初のページに戻してまた一から説明を始める。人生絶頂という顔だ。
(幸せいっぱいの顔だな…。こいつのこんな顔は見たこともない…。…いや、母さんとケーキを作っていた時もこんな顔だったか…)
子供の頃のギルは自分の母親がサーキスに盗られるのではないか、そんなことばかりに恐れを抱き、彼の表情まで観察する余裕はなかった。そう思い返す。
(母を愛してくれたことに感謝する)
サーキス、そして幸せを求めて生きる人々を、踏みつぶして自分の欲を満たそうとするカスケード寺院。ギルはやはりこのことはサーキスに告げるべきではないと再確認した。
単細胞のこの男にカスケードの野望を教えれば、サーキスは単身、寺院へと乗り込むだろう。そうなれば敵の思うつぼ。こちらの対抗策も少なくなる。
「ワンワンワン」
そんな二人の背後で犬のレオが遠慮がちに鳴いた。サーキスは彼の散歩を忘れていたようだ。
「あのなギル…。今から家族の飯を作らないといけないんだ。お願いばっかりで申し訳ないけど、レオの散歩頼めない?」
「ああ、いいぞ。連れ帰ってガキどもにも会わせてやろう」
サーキスの犬は孤児院の子供にも人気があった。レオのリードを握るギルが言う。
「さあ、名犬。家を覚えているなら俺様をみごとに引っ張ってみせろ! サフランやジョセフが待っているぞ!」
「ワンワン!」
「頼んだギルー!」
利口なレオは道を間違えずにギルの家まで歩いて行った。道中、ギルはレオに言った。
「貴様は先代と比べてかなりお利口だな。昔は先代のレオもお前のご主人も頭が悪かった…」
ギルはレオのリードに引っ張られながら当時のことを思い出す。バレンタイン寺院ではサーキスは他の僧侶とはあまり絡まず、よく一人で遊んでいた。犬のレオを前に最強の僧侶ごっこという遊びをたしなんでいた。
少年時代のギルはそれをたまに端から眺めていた。
「パンチ、キック! ヘッドロック、アームロック! 尻尾も関節技だ! 何⁉ 尻尾には関節技が効かないだと⁉ ぐわー!」
子供のサーキスが空想のモンスターと戦っているようだが、結局敗北したらしい。サーキスが地面に顔を伏せる。
「ぐふ、やられた…。レオ、仲間を呼んで来てくれ…」
犬のレオは一歩も動かずにその場で糞を始めた。
「レオ、うんこしてる場合じゃないよ、俺、死ぬ…」
「あいつらアホだったな…」
ギルが家に着くと家の前にレナードとサフランとジョセフが遊んでいた。
「あ、レオだ!」
レオを見つけた三人は彼の頭や顎をなでてかわいがる。そしてしばらくして三人はギルに思い出すように言った。
「さっきね、知らないおじいさんがギルがいないか訊かれたよ」
「背が高くて白髪とヒゲがすごい長い人だった! ちょっと怖かった」
「手紙をもらったよ。『ここの主にやってくれ』って言われたよ!」
封筒には『パラディンへ』とだけ書かれていた。
(嫌な予感がする…)
ギルは不安を悟られないように子供たちに言った。
「お前たち。今から特別任務を与える。このレオを適当に散歩させてサーキスの家まで返して来い。崇高な任務だぞ! 失敗は許されないぞ!」
「わー! 僕がリード持ちたい!」
「私がやりたい!」
「順番だよ、順番!」
「ワンワン!」
子供たちが行ってしまうとギルは手紙の封を切った。
『久しぶりだ、パラディン。あの日の決着を付けるぞ。街の北の林を抜けた所に草原がある。カレンジュラの街外れに似たような場所だ。ワシはそこで待っている。
仲間も好きなだけ連れて来ていい。装備も貴様の最高の物を用意して来い。
ワシを存分に楽しませろ。
時間はあえて定めはしないがなるだけ早く来い。街を焼け野原にしたくなければ。
ガドラフ』
「最悪の奴が現れた…」
ギルは家に走り帰って自室に戻り、天井に向かって言った。
「シム、来てくれ! ガドラフが現れた!」
「ちょっといいですかギルー? ファナさんから野菜を貰ってばかりだからお返ししようと思いますの。パウンドケーキはどうでしょうか?」
「ふむ、いいと思うぞ。あれなら今から俺が持って行くぞ」
「ありがとうございます、ギル」
ギルはパウンドケーキの入った袋を片手にブラウン家まで歩き出す。ちょうど今日はサーキスと話をしたかったところだ。
元バレンタイン寺院の人間に訊きたいことが一つあった。自分のこれからの決意と重なるものがあった。
パディの病院を通り過ぎてしばらく歩くと畑道に入る。見渡すばかりの畑はブラウン家によって大部分が耕され、今は土地の三割ほどにキャベツが残っている。今日は畑で仕事をしている人間はいなかった。
ブラウン家に着いたギルは玄関で大声を上げた。
「おーい! サーキス、ファナ! いるかー⁉」
サーキスがギルを迎えた。
「おうギル! 何だ今日は?」
「ミアからファナに野菜のお返しだと。パウンドケーキだ。取っておけ」
「サンキュー! 二人とも喜ぶぜ! 今はばあちゃんとファナは出かけてるところだぜ! ばあちゃんがたまにお前の話をするぜ。『サーキスの友達はいっつも偉そうだねえ。お父さんと大違い! ちょっと礼節をわきまえるように言いな!』って。ま、無理はわかってるが一応、お前には伝えたぜ!」
「俺はあのばあさんに好かれてないようだな…。気をつけよう…」
「それからギル! 畑に恒常的な保護の呪文を唱えてくれないか? できればありったけ! なんか土の栄養価が足りない感じがするってばあちゃんが言ってたんだ。頼むぜ!」
「近所付き合いだ。これでばあさんのご機嫌が取れるならお安いご用だ。さてやるか…」
ギルとサーキスは畑に呪文を唱えて廻る。サーキスが機嫌よく言う。
「助かるぜ! 俺の呪文は少なくなってるからな! 持つべきものは兄弟だぜ!」
畑を移動する合間にギルが質問した。バレンタイン寺院の人間にどうしても訊いておきたいことだった。
「いきなりだが、もしも俺の母さんが生き返る方法があると言ったらどうする? それもかなりの禁じ手を要求されるとしてだ…」
「ハッ! やめろよ、そういうの! 俺も似たようなことをパディ先生に言ったぜ! 肺炎で死ぬ寸前の親っさんの奥さんを違う方法で殺して、パディ先生の目の前に連れて行って蘇生してらう、そしたら肺炎も治してもらえるよねって。
そしたらパディ先生マジギレされてよ…。怖かったー…。『その方法を使えば、色々な人を助けられるかもしれない。パディ先生が治せない病気も千年後には治せるようになるかもしれない。しかしそれは生きていると言えるのか? 命はそんなに安っぽいものじゃない』みたいなことを言われたぜ…」
ギルが相槌を打つ。
「ふーむ…」
「だけどよ、俺がそのことを言わなかったら、ギルにパディ先生を殺してもらって一旦心臓を止めるっていうアイデアは生まれなかったわけだ。俺は何重にもあのおっさんの命を救っているわけだぜ!
ほんとマジで感謝しろっての。そんな俺をがみがみ怒りやがって。先生は毎日、俺をお祈りしていいぐらいのレベルだぜ! 感謝の気持ちもありゃしねえ!」
サーキスの言葉が愚痴っぽくなったと思ったが、話がギルの母のことに戻る。
「結果を言わせてもらうと、お前の母ちゃん…、奥さんの死がなかったら、俺は医療に関心はなかった。俺は医者にもなってない。先生も親っさんも助からなかった…。お前には申し訳ないけど、奥さんの存在は俺たちの今をより良くしてると思う…」
畑への肥料的な呪文が終わるとサーキスが思い出したように言った。
「そうだ! 俺たちの子供の絵があるんだ! ファナのお腹を透視してちょこちょこ描いてるんだよ!」
サーキスが大急ぎで家に戻ってスケッチブックを取って来る。そしてそれをギルに開けて見せた。
「ほらこれ! 子供がどんどんでかくなっていってるんだぜ!」
サーキスが描いた胎児の絵。彼がページをめくると初めは人間には見えない生き物が徐々に人の形を作って行く。これにはギルも感嘆の声をあげる。
「おおー! これはすごいぞ! 勉強になる!」
「だろーっ⁉ …しかしなあ、ファナの子って逆子なんだよー。このままじゃ自然に産めなくて帝王切開ってのになるらしい…。俺がファナの子を取り出すことになるんだぜ! いやもうまいったなあー!」
サーキスは照れ笑いをしてこの上なく嬉しそうだ。サーキスはスケッチブックを最初のページに戻してまた一から説明を始める。人生絶頂という顔だ。
(幸せいっぱいの顔だな…。こいつのこんな顔は見たこともない…。…いや、母さんとケーキを作っていた時もこんな顔だったか…)
子供の頃のギルは自分の母親がサーキスに盗られるのではないか、そんなことばかりに恐れを抱き、彼の表情まで観察する余裕はなかった。そう思い返す。
(母を愛してくれたことに感謝する)
サーキス、そして幸せを求めて生きる人々を、踏みつぶして自分の欲を満たそうとするカスケード寺院。ギルはやはりこのことはサーキスに告げるべきではないと再確認した。
単細胞のこの男にカスケードの野望を教えれば、サーキスは単身、寺院へと乗り込むだろう。そうなれば敵の思うつぼ。こちらの対抗策も少なくなる。
「ワンワンワン」
そんな二人の背後で犬のレオが遠慮がちに鳴いた。サーキスは彼の散歩を忘れていたようだ。
「あのなギル…。今から家族の飯を作らないといけないんだ。お願いばっかりで申し訳ないけど、レオの散歩頼めない?」
「ああ、いいぞ。連れ帰ってガキどもにも会わせてやろう」
サーキスの犬は孤児院の子供にも人気があった。レオのリードを握るギルが言う。
「さあ、名犬。家を覚えているなら俺様をみごとに引っ張ってみせろ! サフランやジョセフが待っているぞ!」
「ワンワン!」
「頼んだギルー!」
利口なレオは道を間違えずにギルの家まで歩いて行った。道中、ギルはレオに言った。
「貴様は先代と比べてかなりお利口だな。昔は先代のレオもお前のご主人も頭が悪かった…」
ギルはレオのリードに引っ張られながら当時のことを思い出す。バレンタイン寺院ではサーキスは他の僧侶とはあまり絡まず、よく一人で遊んでいた。犬のレオを前に最強の僧侶ごっこという遊びをたしなんでいた。
少年時代のギルはそれをたまに端から眺めていた。
「パンチ、キック! ヘッドロック、アームロック! 尻尾も関節技だ! 何⁉ 尻尾には関節技が効かないだと⁉ ぐわー!」
子供のサーキスが空想のモンスターと戦っているようだが、結局敗北したらしい。サーキスが地面に顔を伏せる。
「ぐふ、やられた…。レオ、仲間を呼んで来てくれ…」
犬のレオは一歩も動かずにその場で糞を始めた。
「レオ、うんこしてる場合じゃないよ、俺、死ぬ…」
「あいつらアホだったな…」
ギルが家に着くと家の前にレナードとサフランとジョセフが遊んでいた。
「あ、レオだ!」
レオを見つけた三人は彼の頭や顎をなでてかわいがる。そしてしばらくして三人はギルに思い出すように言った。
「さっきね、知らないおじいさんがギルがいないか訊かれたよ」
「背が高くて白髪とヒゲがすごい長い人だった! ちょっと怖かった」
「手紙をもらったよ。『ここの主にやってくれ』って言われたよ!」
封筒には『パラディンへ』とだけ書かれていた。
(嫌な予感がする…)
ギルは不安を悟られないように子供たちに言った。
「お前たち。今から特別任務を与える。このレオを適当に散歩させてサーキスの家まで返して来い。崇高な任務だぞ! 失敗は許されないぞ!」
「わー! 僕がリード持ちたい!」
「私がやりたい!」
「順番だよ、順番!」
「ワンワン!」
子供たちが行ってしまうとギルは手紙の封を切った。
『久しぶりだ、パラディン。あの日の決着を付けるぞ。街の北の林を抜けた所に草原がある。カレンジュラの街外れに似たような場所だ。ワシはそこで待っている。
仲間も好きなだけ連れて来ていい。装備も貴様の最高の物を用意して来い。
ワシを存分に楽しませろ。
時間はあえて定めはしないがなるだけ早く来い。街を焼け野原にしたくなければ。
ガドラフ』
「最悪の奴が現れた…」
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