22 / 46
リリカとパディ② ツインテの呪い(2)
しおりを挟む
その後もパディはフォードからガミガミと怒られる。慣れているのかリリカはカウンターで自分の仕事をこなす。しばらくしてリリカがフォードに病院の外へと連れ出された。
「はい。リリカちゃん、これ」
フォードがリリカに金貨を一枚手渡した。
「またこんなにたくさん!」
「いいんだよ。あのチュルチュル頭が困ってる時に助けてあげてよ。でないとご飯も食べられないでしょ? 悪いのはカスケード寺院なんだ。あそこさえなかったら、ここも繫盛してると思うんだけどねえ…」
「フォードさん。わかってるなら、あんなにパディ先生を責めなくてもいいじゃないですか」
「いーや! それとこれとは別だ! あいつなら逆境でも立ち向かえると思う! それにパディちゃんをいたぶるのは楽しいしね! ぐふふふふ!」
(あたしにわざわざお金をくれるぐらいなら最初から家賃をタダにしてあげればいい、なんて意見なんかしても無駄よね。フォードさんはただパディ先生を怒りたいだけなんだから…。ま、いっか)
「リリカちゃん、またあいつが珍しい物を作ったりしたらすぐに教えてね!」
「はい!」
フォードの言う通り、カスケード寺院の仕業で患者は少なかった。パディは初め、医療崩壊の方を懸念していたこともあって閑散とした病院を逆に楽観視していた。リリカの方が焦るくらいだった。
能天気な医者と安穏とした日々を過ごしていたが、事件は風呂場で起こった。裸のパディをリリカは見てしまったのだ。
「その、胸の傷は何ですか⁉」
パディが自分の心臓のことをとつとつと話すとリリカは泣きじゃくった。
「最近、たまに咳をしてるからおかしいと思ったんですが、そういうことだったんですね…」
「こほ…。え…? 本当だ、気がつかなかった…。もう心不全が進んだ傾向にある…」
パディはペストから人類を救って後継者にリリカが内科医として活躍すれば良いと考えていた。
「先生が助かる方法はないんですか⁉」
パディは心臓を止めて血液を流す機械を作ること、とりわけ器用さの高い、心臓に詳しい人間が手術すればどうにかなることをリリカに話す。すると彼女は何の迷いもなく晴れた笑顔でそれを目標として志す。
「先生をきっと助けます!」
(無知は力だ。しかし心強い…)
それからパディを手術できる人間を探して四年半。頼みの綱の僧侶は次々と病院から去って行く。
リリカは人工心肺装置の製作に金を惜しまなかった。そしてある日のことサーキスが現れた。
初めて会ったその日から異質な僧侶の登場に二人の目をくぎ付けにした。
ファナにサーキスを紹介すると彼女は理想に一致すると宙にハートを飛ばしていた。
リリカとファナはナタリー食堂を二人の遊び場所、語らいの場にしていた。
「サーキスは想像通りの人だったよ! ばあちゃんもサーキスのことをすっごく気に入ってる! 私、初対面でビビッときたもん!」
リリカはテーブルで酒を飲みながら無表情で思う。
(私も先生にビビッと来たわ…。でも何も起こらない…)
食堂のナタリーに心を許すリリカとファナはナタリーにも恋バナを語っていた。
「おやおや。ファナちゃんはサーキスのことが好きになったんだね! いいことだ!」
「うん! でもナタリーおばさん、誰にも言ったら駄目だよ」
「言わないよ。お客さんのプライバシーはちゃんと守るよ。でもね、外野から見て人間関係がもうわかりきってる人たちがいるじゃない? だから『ああしろ、こうしろ! ちゃんと気持ちを言え! もうじれったい!』とか思ったりすることがたまにあるよ。ここの仕事は面白いねえ!」
「すごいよ、おばさん! 私だったらもうベラベラしゃべって横やり入れてる! お客さんの人間関係も崩壊させてる! 私が食堂をやってたらとっくに潰れてるね! えへへ!」
ファナの言葉にリリカは酒を傾けて思った。
(えへへ、じゃないわよ…)
そしてファナの祖母フィリアが畑でサーキスとパディに助けられた翌日。フィリア自身がリリカを訪ねてナタリー食堂に現れる。
「いたいた。こんばんはリリカちゃん」
「おばあちゃんこんばんは」
白髪のフィリアがリリカの前で感にこらえない表情で語りだす。
「あたしはねー、すごく感動してしまってねー、あたしがファナの年齢だったら即、求婚してるところだよ! もうサーキスに夢中だよ!」
(おばあちゃんまでサーキスの虜になっちゃった…)
「でね、リリカちゃん! あたしじゃ無理なのはわかってるよ。それでうちの子はどうなんだい⁉ サーキスはファナ目当てでうちに遊びに来てるんだろ⁉」
(そうです)
「ど、どうでしょうか…」
「むむむ⁉ ファナに『サーキスのことどう思うー?』って訊くけど、あの子は笑ってばっかりで何も答えないんだよ! 人のことはすぐしゃべるくせに自分のことは話さない! なんともずるい子だよ!」
(それは同感です。そしてファナはサーキスにほとんど一目惚れです。ファナってそういうのが態度に出ないのよね。ファナってすごいわ…)
「あんたも口が堅いね! で、これが一番聞きたいことなんだけどさ…、リリカちゃんってサーキスとお似合いだけど、あんたはサーキスのこと好きじゃないよね⁉」
「はははは! それはないですよ! あたしはもっと大人の人が好きですもの! 年下なんかありえないですよ! 精神年齢が全く合いません!」
それからパディがカスケード寺院に殺されてサーキスが病院から逃げ出した。サーキスは思いとどまって病院に戻り、リリカが一安心しているとパディがノートに台本を書いていた。
「先生、新しい絵本ですか⁉」
「リリカ君、今度は名作のオズの魔法使いだよ! サーキスを主役のライオンにして勇気とは何か教えてあげるんだよ! これを読んだサーキスはきっと感涙にむせぶはず! もうここから絶対に逃がさないぞ、サーキスー!」
(絵本でサーキスを間接的に諭そうなんて先生ちっちゃい…。それとサーキス大好きなところも気持ち悪いわ…)
それからサーキスの思い付きがヒントで心臓を止める方法が見つかる。リリカは一旦は反対するが、結局泣きながらパディを殺して心臓を止めることを了承する。そしてその冬、とうとうパディが倒れる。二人はサーキスから生い立ちを聞き、サーキスがパディへの手術の決意をして執刀。手術は成功した。
そうしてリリカの長い闘いは終わった。
リリカには気がかりなことが一つ残っていた。というよりも彼女の最大の悩み事であり、関心事であった。
「先生はあたしのこと好きなのかな…」
リリカは自分から他人を好きだと言える性格ではなかった。友達が少ないこともリリカが率先して人と仲良くなりたいなどと口にしないからだ。
心を開くことが上手なファナやミアのことが羨ましい、そんなことを感じていた。
*
ナタリー食堂にはいつの間にか向かいに妊婦のファナが座っていた。彼女はおいしそうにオレンジジュースを飲んでいる。
リリカは昔話でもしようとファナに話題を振ってみた。
「ねえファナ。あんた、あたしのことをお姉ちゃんって呼ばなくなったわよね。昔はお姉ちゃんって呼んでたのに」
「うん。まあね。このオレンジジュースおいしいなあ。ナタリーおばさんおかわり!」
「あいよ。でもファナちゃんは大きくなったわよねー! ずいぶん前に身長もリリカちゃんを追い越したし。胸も。二人は見比べたらどう見てもファナちゃんの方がお姉さんだよね!」
ナタリーと二人は付き合いも長く、友達のように会話する。
「ほらほら! だってよリリカ! クスクスクス!」
「く、くそー…。あたしが成長しないのは何かの呪いかしら…」
「リリカは年をとっても永遠にそのままの姿かもしれないね! 逆に羨ましい!」
「何よそれ…」
「六十年後! 『あー、ワシはもうよぼよぼぢゃ…。リリカは今日もツインテールがキラキラ、お肌もツヤツヤしてて羨ましいのう…。出会った時とまったく変わらんわ…。ワシは先に逝くけれど、ワシの子供や孫のことを頼んだわ…。永遠に生きて若者たちを正しい道へ導いておくれ…』なーんてね!」
「何よ、あんたの妄想⁉ 何十年経ってもあたしはツインテールをしてるわけ⁉」
リリカの問いにナタリーが彼女の髪の毛を指差して答えた。
「わかった、リリカちゃん! そのツインテールだよ! ツインテールをしている間はあんたの時間の流れが止まってるんだよ! ツインテールの呪いだ!」
「んなわけないでしょ、ナタリーおばさん! それにあたしは二十四時間この髪型にしてるわけじゃないし!」
「きゃはははー!」
「はい。リリカちゃん、これ」
フォードがリリカに金貨を一枚手渡した。
「またこんなにたくさん!」
「いいんだよ。あのチュルチュル頭が困ってる時に助けてあげてよ。でないとご飯も食べられないでしょ? 悪いのはカスケード寺院なんだ。あそこさえなかったら、ここも繫盛してると思うんだけどねえ…」
「フォードさん。わかってるなら、あんなにパディ先生を責めなくてもいいじゃないですか」
「いーや! それとこれとは別だ! あいつなら逆境でも立ち向かえると思う! それにパディちゃんをいたぶるのは楽しいしね! ぐふふふふ!」
(あたしにわざわざお金をくれるぐらいなら最初から家賃をタダにしてあげればいい、なんて意見なんかしても無駄よね。フォードさんはただパディ先生を怒りたいだけなんだから…。ま、いっか)
「リリカちゃん、またあいつが珍しい物を作ったりしたらすぐに教えてね!」
「はい!」
フォードの言う通り、カスケード寺院の仕業で患者は少なかった。パディは初め、医療崩壊の方を懸念していたこともあって閑散とした病院を逆に楽観視していた。リリカの方が焦るくらいだった。
能天気な医者と安穏とした日々を過ごしていたが、事件は風呂場で起こった。裸のパディをリリカは見てしまったのだ。
「その、胸の傷は何ですか⁉」
パディが自分の心臓のことをとつとつと話すとリリカは泣きじゃくった。
「最近、たまに咳をしてるからおかしいと思ったんですが、そういうことだったんですね…」
「こほ…。え…? 本当だ、気がつかなかった…。もう心不全が進んだ傾向にある…」
パディはペストから人類を救って後継者にリリカが内科医として活躍すれば良いと考えていた。
「先生が助かる方法はないんですか⁉」
パディは心臓を止めて血液を流す機械を作ること、とりわけ器用さの高い、心臓に詳しい人間が手術すればどうにかなることをリリカに話す。すると彼女は何の迷いもなく晴れた笑顔でそれを目標として志す。
「先生をきっと助けます!」
(無知は力だ。しかし心強い…)
それからパディを手術できる人間を探して四年半。頼みの綱の僧侶は次々と病院から去って行く。
リリカは人工心肺装置の製作に金を惜しまなかった。そしてある日のことサーキスが現れた。
初めて会ったその日から異質な僧侶の登場に二人の目をくぎ付けにした。
ファナにサーキスを紹介すると彼女は理想に一致すると宙にハートを飛ばしていた。
リリカとファナはナタリー食堂を二人の遊び場所、語らいの場にしていた。
「サーキスは想像通りの人だったよ! ばあちゃんもサーキスのことをすっごく気に入ってる! 私、初対面でビビッときたもん!」
リリカはテーブルで酒を飲みながら無表情で思う。
(私も先生にビビッと来たわ…。でも何も起こらない…)
食堂のナタリーに心を許すリリカとファナはナタリーにも恋バナを語っていた。
「おやおや。ファナちゃんはサーキスのことが好きになったんだね! いいことだ!」
「うん! でもナタリーおばさん、誰にも言ったら駄目だよ」
「言わないよ。お客さんのプライバシーはちゃんと守るよ。でもね、外野から見て人間関係がもうわかりきってる人たちがいるじゃない? だから『ああしろ、こうしろ! ちゃんと気持ちを言え! もうじれったい!』とか思ったりすることがたまにあるよ。ここの仕事は面白いねえ!」
「すごいよ、おばさん! 私だったらもうベラベラしゃべって横やり入れてる! お客さんの人間関係も崩壊させてる! 私が食堂をやってたらとっくに潰れてるね! えへへ!」
ファナの言葉にリリカは酒を傾けて思った。
(えへへ、じゃないわよ…)
そしてファナの祖母フィリアが畑でサーキスとパディに助けられた翌日。フィリア自身がリリカを訪ねてナタリー食堂に現れる。
「いたいた。こんばんはリリカちゃん」
「おばあちゃんこんばんは」
白髪のフィリアがリリカの前で感にこらえない表情で語りだす。
「あたしはねー、すごく感動してしまってねー、あたしがファナの年齢だったら即、求婚してるところだよ! もうサーキスに夢中だよ!」
(おばあちゃんまでサーキスの虜になっちゃった…)
「でね、リリカちゃん! あたしじゃ無理なのはわかってるよ。それでうちの子はどうなんだい⁉ サーキスはファナ目当てでうちに遊びに来てるんだろ⁉」
(そうです)
「ど、どうでしょうか…」
「むむむ⁉ ファナに『サーキスのことどう思うー?』って訊くけど、あの子は笑ってばっかりで何も答えないんだよ! 人のことはすぐしゃべるくせに自分のことは話さない! なんともずるい子だよ!」
(それは同感です。そしてファナはサーキスにほとんど一目惚れです。ファナってそういうのが態度に出ないのよね。ファナってすごいわ…)
「あんたも口が堅いね! で、これが一番聞きたいことなんだけどさ…、リリカちゃんってサーキスとお似合いだけど、あんたはサーキスのこと好きじゃないよね⁉」
「はははは! それはないですよ! あたしはもっと大人の人が好きですもの! 年下なんかありえないですよ! 精神年齢が全く合いません!」
それからパディがカスケード寺院に殺されてサーキスが病院から逃げ出した。サーキスは思いとどまって病院に戻り、リリカが一安心しているとパディがノートに台本を書いていた。
「先生、新しい絵本ですか⁉」
「リリカ君、今度は名作のオズの魔法使いだよ! サーキスを主役のライオンにして勇気とは何か教えてあげるんだよ! これを読んだサーキスはきっと感涙にむせぶはず! もうここから絶対に逃がさないぞ、サーキスー!」
(絵本でサーキスを間接的に諭そうなんて先生ちっちゃい…。それとサーキス大好きなところも気持ち悪いわ…)
それからサーキスの思い付きがヒントで心臓を止める方法が見つかる。リリカは一旦は反対するが、結局泣きながらパディを殺して心臓を止めることを了承する。そしてその冬、とうとうパディが倒れる。二人はサーキスから生い立ちを聞き、サーキスがパディへの手術の決意をして執刀。手術は成功した。
そうしてリリカの長い闘いは終わった。
リリカには気がかりなことが一つ残っていた。というよりも彼女の最大の悩み事であり、関心事であった。
「先生はあたしのこと好きなのかな…」
リリカは自分から他人を好きだと言える性格ではなかった。友達が少ないこともリリカが率先して人と仲良くなりたいなどと口にしないからだ。
心を開くことが上手なファナやミアのことが羨ましい、そんなことを感じていた。
*
ナタリー食堂にはいつの間にか向かいに妊婦のファナが座っていた。彼女はおいしそうにオレンジジュースを飲んでいる。
リリカは昔話でもしようとファナに話題を振ってみた。
「ねえファナ。あんた、あたしのことをお姉ちゃんって呼ばなくなったわよね。昔はお姉ちゃんって呼んでたのに」
「うん。まあね。このオレンジジュースおいしいなあ。ナタリーおばさんおかわり!」
「あいよ。でもファナちゃんは大きくなったわよねー! ずいぶん前に身長もリリカちゃんを追い越したし。胸も。二人は見比べたらどう見てもファナちゃんの方がお姉さんだよね!」
ナタリーと二人は付き合いも長く、友達のように会話する。
「ほらほら! だってよリリカ! クスクスクス!」
「く、くそー…。あたしが成長しないのは何かの呪いかしら…」
「リリカは年をとっても永遠にそのままの姿かもしれないね! 逆に羨ましい!」
「何よそれ…」
「六十年後! 『あー、ワシはもうよぼよぼぢゃ…。リリカは今日もツインテールがキラキラ、お肌もツヤツヤしてて羨ましいのう…。出会った時とまったく変わらんわ…。ワシは先に逝くけれど、ワシの子供や孫のことを頼んだわ…。永遠に生きて若者たちを正しい道へ導いておくれ…』なーんてね!」
「何よ、あんたの妄想⁉ 何十年経ってもあたしはツインテールをしてるわけ⁉」
リリカの問いにナタリーが彼女の髪の毛を指差して答えた。
「わかった、リリカちゃん! そのツインテールだよ! ツインテールをしている間はあんたの時間の流れが止まってるんだよ! ツインテールの呪いだ!」
「んなわけないでしょ、ナタリーおばさん! それにあたしは二十四時間この髪型にしてるわけじゃないし!」
「きゃはははー!」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
白衣の下 拝啓、先生お元気ですか?その後いかがお過ごしでしょうか?
アーキテクト
恋愛
その後の先生 相変わらずの破茶滅茶ぶり、そんな先生を慕う人々、先生を愛してやまない人々とのホッコリしたエピソードの数々‥‥‥ 先生無茶振りやめてください‼️
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

病院の僧侶(プリースト) と家賃という悪夢にしばられた医者
加藤かんぬき
ミステリー
僧侶サーキスは生き別れた師匠を探す旅の途中、足の裏に謎の奇病が出現。歩行も困難になり、旅を中断する。
そして、とある病院で不思議な医者、パディ・ライスという男と出会う。
中世時代のヨーロッパという時代背景でもありながら、その医者は数百年は先の医療知識と技術を持っていた。
医療に感銘を受けた僧侶サーキスはその病院で働いていくことを決心する。
訪れる患者もさまざま。
まぶたが伸びきって目が開かない魔女。
痔で何ものにもまたがることもできなくなったドラゴン乗りの戦士。
声帯ポリープで声が出せなくなった賢者。
脳腫瘍で記憶をなくした勇者。
果たしてそのような患者達を救うことができるのか。
間接的に世界の命運は僧侶のサーキスと医者パディの腕にかかっていた。
天才的な技術を持ちながら、今日も病院はガラガラ。閑古鳥が鳴くライス総合外科病院。
果たしてパディ・ライスは毎月の家賃を支払うことができるのか。
僧侶のサーキスが求める幸せとは。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

魔法少女、令和の病院の命を救う
加藤かんぬき
ファンタジー
舞台は日本の地方都市にある中規模の総合病院。
その日、手術室で看護師の星山結月(ほしやまゆづき)は限界を感じていた。
目の前には交通事故にあった少年。救おうとする命がまた失われようとしていた。
もう無理、限界! そんな時に手術室の中に現れた魔法少女サフラン。彼女は死の間際だった少年を回復魔法であっさりと癒し、助けてしまう。
手術室看護師の星山結月の心まで救われる。
その日以来、魔法少女のサフランと星山結月ことユヅちゃんはコンビを組んで病院内の患者を次々と救って行く。
「基本的にあたしはサフランの魔法を見てるだけ! 虎の威を借る狐とはあたしのことよ!」
自己評価の低い看護師、主人公のユヅちゃん。それでも知恵と知識をしぼってサフランと力を合わせ、怪我人だけでなく、病人も魔法の応用で治して行く。
いたずら大好き、自由奔放なサフランに振り回されながら、ユヅちゃんは困難に立ち向かう。
少しほっこり、ほろりとした話を詰め合わせた医療コメディ。
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる