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ユリウス・バレンタイン(1)
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日も暮れた夕方、青い屋根の病院の前にマントを羽織った一人の中年がたどり着いた。
彼はユリウス・バレンタイン。巨体の背を曲げ、痛みが続く腹を押さえている。ここまでたいへんな旅路だった。まさか自分が腹の治療のためだけにここまで旅をさせられるとは思ってもいなかった。
辺りは薄暗くなっているが、玄関にはまだ診療中と書いてある。病院の中に灯りが見えた。
「こんな時間にすみません…。まだ診察、大丈夫でしょうか…」
玄関をくぐったユリウス・バレンタインはおずおずと言った。カウンターに座る金髪ツインテールの看護師のような女性が対応した。
「こんにちは! では、とりあえず問診票だけ書いてもらえますか?」
ユリウスの髪とひげは伸び放題、何日も風呂に入っていなかったため体臭がひどい。受付のリリカはそんな彼を邪険にしなかった。
(遠方からいくつも病院をめぐって最終的にここに来たのね…。わらにもすがる思いで…。でも、ちょっと怖い顔よね。頬に傷もあるし。だけどどこかで見たような…)
ユリウスは座席に座って問診票を書いた。名前の欄にはスプリウス。ローマを出てからはずっとこの偽名を使っている。年齢は四十六歳。住所は空欄、職業は無職。症状はしばらく前から腹が痛くなったとだけ記す。
「すみません、書き終わりました」
リリカが応える。
「ありがとうございます。少々お待ちください」
リリカは問診票を手に診察室へ移動。しばらくしてまたカウンターに戻って来た。
「スプリウスさん、少しお待ちくださいね。すぐに呼ばれると思います」
少しして診察室の扉が開いて眼鏡をかけた医者が現れた。
「スプリウスさーん! どうぞー!」
診察室の中へと歩きながらもユリウスに不安がまとわりつく。
(ここでも治してもらえなかったら…。だが、ここの病院は名医と言う…。看護師さんも落ち着き払っているんだ…。大丈夫なはずだが…)
腹を押さえてうなだれているユリウス。彼に向かって青年の弾けるような声がした。
「親っさん! 俺だよ! サーキスだよ!」
ユリウスは驚いて顔を上げた。看護師の服装だが、金髪の青年は笑顔を見せながらも涙している。
「サ、サーキス…」
数年ぶりに会う弟子は大人びた顔をしていた。この状況に頭の回転が追いつかないが、サーキスが自分に飛びついて来た。
「親っさん!」
「ワ、ワシは夢でも見ているのか…」
「親っさーん! 会いたかったよー!」
サーキスが号泣している。
「俺、親っさんを探すのやめちゃった…。で、ここで働いてたんだ…」
ユリウスはサーキスの頭をなでた。
「いいんだ…。ワシなんか探す価値もない…」
「親っさんはきっとそう言うと…思ってた…! 何度も、何度も、想像したよ…! ああーっ!」
サーキスの頭をなでながらユリウスも涙を流す。脇でそれを眺めながらパディももらい泣きをしてしまう。
「そ、そうだ」
パディは椅子から立ち上がると二人に水を指さないように迂回してカウンターの方へ歩いた。
「リリカ君、来て来て!」
涙の跡を残したおかしな表情のパディに言われて、リリカは診察室へと移動。抱きしめ合うサーキスたちにパディが説明する。
「あの人、サーキスの師匠だったみたい。ギル君のお父さんだね」
「嘘っ!」
リリカは両手で口を押さえた。意味を理解したリリカは二人の熱い抱擁が光って見えた。
「親っさん!」
「サーキス!」
まるで本当の親子のような再会。パディとリリカはその美しい光景に涙を流すばかりだった。
それからしばらく時間が経ってユリウスに抱かれたサーキスがこんなことを言い出した。
「臭い…」
ユリウスの胸を突いて距離を取るとサーキスが言った。
「親っさん、臭いぜ!」
「ごめん…」
「体を綺麗にしてから病院に来いよ! マナーだぜ! マナー!」
「腹が痛くて気がまわらなかった…。サーキスごめん…」
パディとリリカが吹き出した。
「ぷふっ!」
「あはは!」
パディたちは思った。
(何か想像した通りの人だ! おかしい!)
サーキスがユリウスを紹介する。
「こちらは俺が探してた師匠。えっと名前は…」
「私はスプリウスと申します。サーキスがお世話になっているようで…。こんな不肖の弟子を世話していただき本当にありがとうございます。本当にすみません…。ご迷惑をおかけしております…。私も体を洗いもせずにこんな時間にお訪ねしてしまい、申し訳ありません…」
(謝ってばっかりだわ! イメージ通りだわ! こんな感じって思ってた!)
「えっとね、親っさん。そっちのお医者さんがパディ先生で、あっちが先生の助手をやってるリリカ。俺はここで僧侶兼看護師をやってるよ」
「聞いたことがない職業だ…」
「でよ。親っさんはたぶんずいぶん前から腹が痛くて、あちこち病院を廻ってどこも治せなくて、噂でライス総合外科病院の名前を聞いてはるばるここまでやって来たって思うんだけど?」
「そ、その通りだ! 何でわかった⁉」
「まあ、俺のレベルになればな! 病気の治療ってのはアレだぜ。医者任せにしちゃいけない。患者側が治りたい、病気を治したいという意思や努力が必要なんだぜ!」
パシッ!
サーキスの長い能書きが続く前にリリカが彼の頭をはたいた。
「スプリウスさん、診察の前にお風呂に入りましょうか? さあ、こちらです」
*
風呂から上がったユリウスが診察室のベッドで横になっている。病院の貸出用のパジャマにパディの私物のセーターを着込んでいる。セーターはサイズが合っておらず、大きく伸びている。
「すみません、先生のセーターをこんなふうに…」
「いえいえ! じゃあサーキス、宝箱を頼むよ」
「おう。お腹の下の方だったな。…いいか、親っさん。これから宝箱を使って腹の中を視るぜ。宝箱の呪文は僧侶はみんな宝箱解除用って思ってるけど、実は何でも透視ができるんだぜ。発見したのはパディ先生だぜ。こんなのは信仰心が高い人は全然気づかないらしいぜ」
「本当か⁉ これは驚いた!」
毎回おなじみの説明を終えるとサーキスが呪文を唱える。そして腹部をおもむろに見ながらサーキスはたじろぐ。
「えっと…。大腸にうんこが詰まってる…。硬そうに見える…。うんこの行列ができてるよ…。渋滞してる…」
その病に心当たりがあるのかパディがユリウスに訊いた。
「スプリウス…さん? 便秘がひどいんじゃありませんか?」
「は、はい…」
パディが服をめくってユリウスの腹をあらわにする。腹はあからさまに張っていた。パディが質問を続けた。
「スプリウスさんは一週間ぐらいお通じがないのでは?」
「は、はい…。食欲も全くありません…。嘔吐があります…。便秘はもっと前からひどかったです。これは一体…」
「糞便性腸閉塞ですね。便が石のように硬くなって肛門から出なくなって大腸に滞在してる…。命に関わる病気です。ここに来てもらって本当によかった。すぐにでも手術をしましょう。お腹を切って便を取り出したいと思います…」
ただ黙って耳を傾けるユリウスにパディは不安を覚える。
「あの、スプリウスさん大丈夫ですか?」
ユリウスは顔をサーキスの方に向けると穏やかに笑った。覚悟はできているという顔だ。
「お任せします。よろしくお願いします」
「親っさーん!」
サーキスが茶々を入れる。
「親っさんはなんか死ぬ気でここに来てるみたいだけど、大船に乗った気分で大丈夫だぜ! ここにいるのは世界一のお医者さんだぜ! パディ先生にかかったらこんなの楽勝だぜ!」
サーキスの言葉にパディは目の前にいる患者のことも忘れて怒鳴った。
「また言ったな⁉ 楽勝という言葉は二度と使うなと言っただろ⁉ 簡単な手術なんかないと何度言ったらわかるんだ⁉ 慢心が一体何を引き起こすか、君ならわかるはずだぞ⁉」
サーキスは黙り込んで下を向いた。すでに半べそをかいている。
「ふふ…、ははは!」
ユリウスが笑った。
「ははははは! サーキスは変わらないな! ワシは嬉しいぞ! いい師匠を持った! 先生、こんな奴ですみません。どんどん叱ってやってください!」
彼はユリウス・バレンタイン。巨体の背を曲げ、痛みが続く腹を押さえている。ここまでたいへんな旅路だった。まさか自分が腹の治療のためだけにここまで旅をさせられるとは思ってもいなかった。
辺りは薄暗くなっているが、玄関にはまだ診療中と書いてある。病院の中に灯りが見えた。
「こんな時間にすみません…。まだ診察、大丈夫でしょうか…」
玄関をくぐったユリウス・バレンタインはおずおずと言った。カウンターに座る金髪ツインテールの看護師のような女性が対応した。
「こんにちは! では、とりあえず問診票だけ書いてもらえますか?」
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(遠方からいくつも病院をめぐって最終的にここに来たのね…。わらにもすがる思いで…。でも、ちょっと怖い顔よね。頬に傷もあるし。だけどどこかで見たような…)
ユリウスは座席に座って問診票を書いた。名前の欄にはスプリウス。ローマを出てからはずっとこの偽名を使っている。年齢は四十六歳。住所は空欄、職業は無職。症状はしばらく前から腹が痛くなったとだけ記す。
「すみません、書き終わりました」
リリカが応える。
「ありがとうございます。少々お待ちください」
リリカは問診票を手に診察室へ移動。しばらくしてまたカウンターに戻って来た。
「スプリウスさん、少しお待ちくださいね。すぐに呼ばれると思います」
少しして診察室の扉が開いて眼鏡をかけた医者が現れた。
「スプリウスさーん! どうぞー!」
診察室の中へと歩きながらもユリウスに不安がまとわりつく。
(ここでも治してもらえなかったら…。だが、ここの病院は名医と言う…。看護師さんも落ち着き払っているんだ…。大丈夫なはずだが…)
腹を押さえてうなだれているユリウス。彼に向かって青年の弾けるような声がした。
「親っさん! 俺だよ! サーキスだよ!」
ユリウスは驚いて顔を上げた。看護師の服装だが、金髪の青年は笑顔を見せながらも涙している。
「サ、サーキス…」
数年ぶりに会う弟子は大人びた顔をしていた。この状況に頭の回転が追いつかないが、サーキスが自分に飛びついて来た。
「親っさん!」
「ワ、ワシは夢でも見ているのか…」
「親っさーん! 会いたかったよー!」
サーキスが号泣している。
「俺、親っさんを探すのやめちゃった…。で、ここで働いてたんだ…」
ユリウスはサーキスの頭をなでた。
「いいんだ…。ワシなんか探す価値もない…」
「親っさんはきっとそう言うと…思ってた…! 何度も、何度も、想像したよ…! ああーっ!」
サーキスの頭をなでながらユリウスも涙を流す。脇でそれを眺めながらパディももらい泣きをしてしまう。
「そ、そうだ」
パディは椅子から立ち上がると二人に水を指さないように迂回してカウンターの方へ歩いた。
「リリカ君、来て来て!」
涙の跡を残したおかしな表情のパディに言われて、リリカは診察室へと移動。抱きしめ合うサーキスたちにパディが説明する。
「あの人、サーキスの師匠だったみたい。ギル君のお父さんだね」
「嘘っ!」
リリカは両手で口を押さえた。意味を理解したリリカは二人の熱い抱擁が光って見えた。
「親っさん!」
「サーキス!」
まるで本当の親子のような再会。パディとリリカはその美しい光景に涙を流すばかりだった。
それからしばらく時間が経ってユリウスに抱かれたサーキスがこんなことを言い出した。
「臭い…」
ユリウスの胸を突いて距離を取るとサーキスが言った。
「親っさん、臭いぜ!」
「ごめん…」
「体を綺麗にしてから病院に来いよ! マナーだぜ! マナー!」
「腹が痛くて気がまわらなかった…。サーキスごめん…」
パディとリリカが吹き出した。
「ぷふっ!」
「あはは!」
パディたちは思った。
(何か想像した通りの人だ! おかしい!)
サーキスがユリウスを紹介する。
「こちらは俺が探してた師匠。えっと名前は…」
「私はスプリウスと申します。サーキスがお世話になっているようで…。こんな不肖の弟子を世話していただき本当にありがとうございます。本当にすみません…。ご迷惑をおかけしております…。私も体を洗いもせずにこんな時間にお訪ねしてしまい、申し訳ありません…」
(謝ってばっかりだわ! イメージ通りだわ! こんな感じって思ってた!)
「えっとね、親っさん。そっちのお医者さんがパディ先生で、あっちが先生の助手をやってるリリカ。俺はここで僧侶兼看護師をやってるよ」
「聞いたことがない職業だ…」
「でよ。親っさんはたぶんずいぶん前から腹が痛くて、あちこち病院を廻ってどこも治せなくて、噂でライス総合外科病院の名前を聞いてはるばるここまでやって来たって思うんだけど?」
「そ、その通りだ! 何でわかった⁉」
「まあ、俺のレベルになればな! 病気の治療ってのはアレだぜ。医者任せにしちゃいけない。患者側が治りたい、病気を治したいという意思や努力が必要なんだぜ!」
パシッ!
サーキスの長い能書きが続く前にリリカが彼の頭をはたいた。
「スプリウスさん、診察の前にお風呂に入りましょうか? さあ、こちらです」
*
風呂から上がったユリウスが診察室のベッドで横になっている。病院の貸出用のパジャマにパディの私物のセーターを着込んでいる。セーターはサイズが合っておらず、大きく伸びている。
「すみません、先生のセーターをこんなふうに…」
「いえいえ! じゃあサーキス、宝箱を頼むよ」
「おう。お腹の下の方だったな。…いいか、親っさん。これから宝箱を使って腹の中を視るぜ。宝箱の呪文は僧侶はみんな宝箱解除用って思ってるけど、実は何でも透視ができるんだぜ。発見したのはパディ先生だぜ。こんなのは信仰心が高い人は全然気づかないらしいぜ」
「本当か⁉ これは驚いた!」
毎回おなじみの説明を終えるとサーキスが呪文を唱える。そして腹部をおもむろに見ながらサーキスはたじろぐ。
「えっと…。大腸にうんこが詰まってる…。硬そうに見える…。うんこの行列ができてるよ…。渋滞してる…」
その病に心当たりがあるのかパディがユリウスに訊いた。
「スプリウス…さん? 便秘がひどいんじゃありませんか?」
「は、はい…」
パディが服をめくってユリウスの腹をあらわにする。腹はあからさまに張っていた。パディが質問を続けた。
「スプリウスさんは一週間ぐらいお通じがないのでは?」
「は、はい…。食欲も全くありません…。嘔吐があります…。便秘はもっと前からひどかったです。これは一体…」
「糞便性腸閉塞ですね。便が石のように硬くなって肛門から出なくなって大腸に滞在してる…。命に関わる病気です。ここに来てもらって本当によかった。すぐにでも手術をしましょう。お腹を切って便を取り出したいと思います…」
ただ黙って耳を傾けるユリウスにパディは不安を覚える。
「あの、スプリウスさん大丈夫ですか?」
ユリウスは顔をサーキスの方に向けると穏やかに笑った。覚悟はできているという顔だ。
「お任せします。よろしくお願いします」
「親っさーん!」
サーキスが茶々を入れる。
「親っさんはなんか死ぬ気でここに来てるみたいだけど、大船に乗った気分で大丈夫だぜ! ここにいるのは世界一のお医者さんだぜ! パディ先生にかかったらこんなの楽勝だぜ!」
サーキスの言葉にパディは目の前にいる患者のことも忘れて怒鳴った。
「また言ったな⁉ 楽勝という言葉は二度と使うなと言っただろ⁉ 簡単な手術なんかないと何度言ったらわかるんだ⁉ 慢心が一体何を引き起こすか、君ならわかるはずだぞ⁉」
サーキスは黙り込んで下を向いた。すでに半べそをかいている。
「ふふ…、ははは!」
ユリウスが笑った。
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