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特別編
特別編⑧ 『私は……』(後編)
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私が案内されたところは――そのお店は、私の心を鷲掴みにした。
『色褪せぬ童話』という名前のファンシーショップ。
常々行って見たいと思っていた店で私は買い物を堪能した。
(私は淑女、私は淑女よ!)
そう心のなかで唱えていないと歓喜の声をあげてしまいそうで、私は、『ああっ、こういった子供向けの可愛らしいのも悪くないわね』といった感じで大人の女性を気取ろうとするが、次々視界に入ってくる、可愛いデザインのグッズの洪水に、口元が緩むのを抑えきれなかった。
お金はあるのだが、いかんせん今は旅の身だ。そんなに買っても置く場所もないし持ち運べない。
私はこれまでの買い物の中でも一、二を争う程真剣に考え抜き、うさぎの形のレリーフが掘られたカップとコースターをいくつか買うに留めた。……断腸の思いで。
もしも、ここにメイが居てくれたのであれば、もっと楽しかっただろうにと残念に思いながらも、私は久しぶりの買い物で大いにストレス発散ができたのだった。
そして、少し休憩しましょうという提案を受けて案内されたのは、かなり小洒落た喫茶店。その名も、<罪なる甘味>というお店だ。
そこで、私と他の女性陣が奥の席に皆で座る。
おもえば、こんな風に、沢山の同年代の同性と行動を共にしたのはいつ以来だろうか?
「いやぁ、お姉さん、あのお店であそこまで鬼気迫る表情で商品を見ている人を初めて見たねぇ」
私が身分は気にせずに話して欲しいとお願いしたとはいえ、金色の髪で年上風を吹かす女性の名は、パメラ。こう見えても、女神リーシス様に使える神官様なのらしい。
すごく耳障りの良い声が特徴的で、話していると心安らぐ感じがする。きっと、それも神官としての努力の成果なのだろう。
「まぁ、田舎からのお上りさんでも、もう少し自重するわよ」
チクリと人の痛いところを冷静に突いてくるのは、イルリア。
けれど、陰湿な感じが全く無いので、不快な感情はまるで抱かない。そして、私と同い年なのだが、随分と落ち着いているように思える。
いや、違う。私と『同じように』落ち着いているように思える。
そう、忘れてはいけない。私はこれでも貴族の生まれで、街を治めていたのだ。それが素の私ではないとしても、少しは落ち着きのある出来る女性であるところも見せないと。
「まっ、待ってください! 確かに少し取り乱しましたが、私はこれでも……」
「いや、その、マリアさん。流石に、お店の人が声をかけても気づかないほどの真剣さでカップを選んでいるのは、少しとは言えないかと……」
黒髪に茶色の目の大人しそうな女の子――リリィが、申し訳無さそうに私に言ってくる。いや、そんな風に言われると、余計に堪えるんだけれど……。
「まっ、まぁ、その話はもういいじゃあないですか。ほらっ、注文したものが届きましたよ」
落ち込む私をフォローしてくれたのは、メルこと、メルエーナ。
栗毛色の髪の大人しそうな女の子なのだが、非常に人当たりがよくて、一番私に気を使ってくれている女の子だ。
「わぁ!」
私は思わず声を上げてしまった。
運ばれてきたのは、『プリンアラモード』というデザート。大きく造形が美しいガラスの器に、プリン、つまりはカスタードプテイングと新鮮なフルーツと生クリームを見目美しく装飾した芸術。
『洗練されたもの』という意味の、アラモードと名付けるのも納得の出来だ。
そして、そこで皆の視線が集まっていることに気が付き、私は今更ながら、コホンと小さく咳払いをし、静かにする。いや、もう手遅れなのは自分が一番分かっているのだが……。
そんな私を皆、生暖かく見守ってくれて、私は悲しくなったが、それでもプリンアラモードは絶品だった。
この街に住む皆は分かっていないようだが、貴族だってこんな洗練されている上に、流行を取り入れた甘味を味わうことなどできないのだ。ましてや、エルマイラム王国の首都から離れた地域に住む私のような辺境貴族は!
そして、やがて私の食事が終わると、皆の視線が私に集まる。
さて、気を抜きすぎていたために、恥ずかしいところを見せてしまった私だが、流石に気がついてはいる。
彼女たちが、ただの親切心だけで私のストレス発散に付き合ってくれたわけではないことは。
「さて。それで、皆さんは私に何を訊きたいのかしら?」
私の言葉に、皆の表情が強張る。
うん。こういう態度こそが私には似合うはずだ……と思いたい。
「そう。それなら単刀直入に聞きたいのだけれど……」
イルリアが何の躊躇もなく、話しかけてきた。
「ねぇ、マリア。貴女、ジェノの事をどう思っているの?」
その問いかけに、私は驚いた。ただ、顔には出さない。どうだ、私だって交渉事は得意なのだ。
「どうとは? 彼は私の幼馴染で、久しぶりに再会したばかりなのだけれど?」
「そういった腹の探り合いをするつもりはないわ。言ったでしょう? 単刀直入だって」
こちらをじっと睨むイルリアに、私は口元を綻ばせる。
「そうね。たしかにそう言っていたわね。でも、私がその質問に答えなければいけない理由ってあるのかしら? いえ、もちろん今日、私のストレス発散に付き合ってくれた事には感謝しているわ。でも、ジェノをどう思おうが、それは私の自由じゃあないの?」
「それじゃあ困るのよ。あいつには、もう付き合っている娘が……彼女がいるんだから、変な粉掛けをされると迷惑なの」
「えっ? 彼女? 誰が?」
それまでのクールな態度もどこへやら。あまりに驚きが大きくて、私は再び素に戻ってしまう。
だって、あのジェノよ。
幼い頃とはいえ、私があれだけ積極的に好意を伝えようとしても反応のなかったあの男の子が。
再会してからも、全然女っ気がありそうには見えなかったのに、彼女がいる?
「ここにいるわよ」
イルリアはそう言うと、メルエーナを指さす。
「えっ? えっ? メルエーナ。貴女が、ジェノの彼女なの?」
私の問いに、メルエーナは顔を真っ赤にしながらも、私の目を見て、
「はっ、はい! かっ、彼女、です……」
そう断言した。
「えええっ! 本当に? あのジェノに……彼女が……。ねぇ、どうやって彼女になったの? やっぱり推し続けた? それともなにか奇抜な方法を……」
もう驚きで私の喋るスピードはどんどん上がってしまう。
「ちょっ、ちょっと! メルが思考停止しているじゃあないの! なんなの? 貴女もジェノに気があったんじゃあないの?」
肩を掴まんばかりに向かいの席に座るメルに詰め寄る私の肩を、イルリアが両手で抑える。
「えっ? それは気はあったわよ。私の初恋の男の子だもの。再会してみたら、すごく格好いい男性になっていたし。でも、私は貴族。それを忘れてはいないわ」
そう言って、私は小さくため息をつく。
「もしも、もしもよ。何かしらの奇跡が起きて、ジェノが私と遜色ない身分になってくれたならばと考えたことはあったし、そういう働きかけもしようとしたこともあるわ。でも、分かっているの。
やっぱり、身分の壁は超えられないんだってことは。だから、ジェノにもう良い娘がいるのならば、私は潔く身を引くわよ」
なるべく辛気臭くならないように、私は苦笑する。
「もしも、ジェノが実家に今でも居て、ルディス商会の援助を対価にしてくれるのであればなんて思ったけれど、彼は自分一人の力で未来を切り開こうとしているのでしょう?
それなら、私は彼の邪魔しかできない。それくらいは貴族世界でしか生きたことのない私でもわかるから」
「……マリアさん……」
メルが申し訳無さそうな顔をしているのを見るのが辛くて、私は微笑む。頑張って。
「こらっ。諦めているとは言っても、失恋にはそれなりのショックがあるんだから、そんな顔しないでよ。もしも、『それでいいんですか?』なんて言ったら、全力で貴女の敵になってしまうわよ、私は」
「……そうですね。分かりました」
メルエーナはしっかりと気を引き締めた表情に変わった。
うん。そういう顔をしてくれたほうが救われる。泣かないでいられる。
少なくとも、自分の宿の部屋に戻るまでは。
本音を話し合ったおかげか、私とメル達はそれから楽しく話をすることができた。
そして、その時間は楽しかった。
うん。本当に楽しかったと思える。
……この日のことを私は忘れない。
私の初恋の終わりの日として……。
そうだ、忘れない。
自分自身の気持ちを全く理解せずにいた日の、『戯言』として。
だって、仕方がないじゃあない。分かっていなかったんだもの!
ジェノはこれからも私を魅了するのだもの!
好きにさせようとするんだもの!
そして何よりも、ジェノとの彼女が、メルが、あの女だとは知らなかったんだもの!
だから、だから、また私は……。
『色褪せぬ童話』という名前のファンシーショップ。
常々行って見たいと思っていた店で私は買い物を堪能した。
(私は淑女、私は淑女よ!)
そう心のなかで唱えていないと歓喜の声をあげてしまいそうで、私は、『ああっ、こういった子供向けの可愛らしいのも悪くないわね』といった感じで大人の女性を気取ろうとするが、次々視界に入ってくる、可愛いデザインのグッズの洪水に、口元が緩むのを抑えきれなかった。
お金はあるのだが、いかんせん今は旅の身だ。そんなに買っても置く場所もないし持ち運べない。
私はこれまでの買い物の中でも一、二を争う程真剣に考え抜き、うさぎの形のレリーフが掘られたカップとコースターをいくつか買うに留めた。……断腸の思いで。
もしも、ここにメイが居てくれたのであれば、もっと楽しかっただろうにと残念に思いながらも、私は久しぶりの買い物で大いにストレス発散ができたのだった。
そして、少し休憩しましょうという提案を受けて案内されたのは、かなり小洒落た喫茶店。その名も、<罪なる甘味>というお店だ。
そこで、私と他の女性陣が奥の席に皆で座る。
おもえば、こんな風に、沢山の同年代の同性と行動を共にしたのはいつ以来だろうか?
「いやぁ、お姉さん、あのお店であそこまで鬼気迫る表情で商品を見ている人を初めて見たねぇ」
私が身分は気にせずに話して欲しいとお願いしたとはいえ、金色の髪で年上風を吹かす女性の名は、パメラ。こう見えても、女神リーシス様に使える神官様なのらしい。
すごく耳障りの良い声が特徴的で、話していると心安らぐ感じがする。きっと、それも神官としての努力の成果なのだろう。
「まぁ、田舎からのお上りさんでも、もう少し自重するわよ」
チクリと人の痛いところを冷静に突いてくるのは、イルリア。
けれど、陰湿な感じが全く無いので、不快な感情はまるで抱かない。そして、私と同い年なのだが、随分と落ち着いているように思える。
いや、違う。私と『同じように』落ち着いているように思える。
そう、忘れてはいけない。私はこれでも貴族の生まれで、街を治めていたのだ。それが素の私ではないとしても、少しは落ち着きのある出来る女性であるところも見せないと。
「まっ、待ってください! 確かに少し取り乱しましたが、私はこれでも……」
「いや、その、マリアさん。流石に、お店の人が声をかけても気づかないほどの真剣さでカップを選んでいるのは、少しとは言えないかと……」
黒髪に茶色の目の大人しそうな女の子――リリィが、申し訳無さそうに私に言ってくる。いや、そんな風に言われると、余計に堪えるんだけれど……。
「まっ、まぁ、その話はもういいじゃあないですか。ほらっ、注文したものが届きましたよ」
落ち込む私をフォローしてくれたのは、メルこと、メルエーナ。
栗毛色の髪の大人しそうな女の子なのだが、非常に人当たりがよくて、一番私に気を使ってくれている女の子だ。
「わぁ!」
私は思わず声を上げてしまった。
運ばれてきたのは、『プリンアラモード』というデザート。大きく造形が美しいガラスの器に、プリン、つまりはカスタードプテイングと新鮮なフルーツと生クリームを見目美しく装飾した芸術。
『洗練されたもの』という意味の、アラモードと名付けるのも納得の出来だ。
そして、そこで皆の視線が集まっていることに気が付き、私は今更ながら、コホンと小さく咳払いをし、静かにする。いや、もう手遅れなのは自分が一番分かっているのだが……。
そんな私を皆、生暖かく見守ってくれて、私は悲しくなったが、それでもプリンアラモードは絶品だった。
この街に住む皆は分かっていないようだが、貴族だってこんな洗練されている上に、流行を取り入れた甘味を味わうことなどできないのだ。ましてや、エルマイラム王国の首都から離れた地域に住む私のような辺境貴族は!
そして、やがて私の食事が終わると、皆の視線が私に集まる。
さて、気を抜きすぎていたために、恥ずかしいところを見せてしまった私だが、流石に気がついてはいる。
彼女たちが、ただの親切心だけで私のストレス発散に付き合ってくれたわけではないことは。
「さて。それで、皆さんは私に何を訊きたいのかしら?」
私の言葉に、皆の表情が強張る。
うん。こういう態度こそが私には似合うはずだ……と思いたい。
「そう。それなら単刀直入に聞きたいのだけれど……」
イルリアが何の躊躇もなく、話しかけてきた。
「ねぇ、マリア。貴女、ジェノの事をどう思っているの?」
その問いかけに、私は驚いた。ただ、顔には出さない。どうだ、私だって交渉事は得意なのだ。
「どうとは? 彼は私の幼馴染で、久しぶりに再会したばかりなのだけれど?」
「そういった腹の探り合いをするつもりはないわ。言ったでしょう? 単刀直入だって」
こちらをじっと睨むイルリアに、私は口元を綻ばせる。
「そうね。たしかにそう言っていたわね。でも、私がその質問に答えなければいけない理由ってあるのかしら? いえ、もちろん今日、私のストレス発散に付き合ってくれた事には感謝しているわ。でも、ジェノをどう思おうが、それは私の自由じゃあないの?」
「それじゃあ困るのよ。あいつには、もう付き合っている娘が……彼女がいるんだから、変な粉掛けをされると迷惑なの」
「えっ? 彼女? 誰が?」
それまでのクールな態度もどこへやら。あまりに驚きが大きくて、私は再び素に戻ってしまう。
だって、あのジェノよ。
幼い頃とはいえ、私があれだけ積極的に好意を伝えようとしても反応のなかったあの男の子が。
再会してからも、全然女っ気がありそうには見えなかったのに、彼女がいる?
「ここにいるわよ」
イルリアはそう言うと、メルエーナを指さす。
「えっ? えっ? メルエーナ。貴女が、ジェノの彼女なの?」
私の問いに、メルエーナは顔を真っ赤にしながらも、私の目を見て、
「はっ、はい! かっ、彼女、です……」
そう断言した。
「えええっ! 本当に? あのジェノに……彼女が……。ねぇ、どうやって彼女になったの? やっぱり推し続けた? それともなにか奇抜な方法を……」
もう驚きで私の喋るスピードはどんどん上がってしまう。
「ちょっ、ちょっと! メルが思考停止しているじゃあないの! なんなの? 貴女もジェノに気があったんじゃあないの?」
肩を掴まんばかりに向かいの席に座るメルに詰め寄る私の肩を、イルリアが両手で抑える。
「えっ? それは気はあったわよ。私の初恋の男の子だもの。再会してみたら、すごく格好いい男性になっていたし。でも、私は貴族。それを忘れてはいないわ」
そう言って、私は小さくため息をつく。
「もしも、もしもよ。何かしらの奇跡が起きて、ジェノが私と遜色ない身分になってくれたならばと考えたことはあったし、そういう働きかけもしようとしたこともあるわ。でも、分かっているの。
やっぱり、身分の壁は超えられないんだってことは。だから、ジェノにもう良い娘がいるのならば、私は潔く身を引くわよ」
なるべく辛気臭くならないように、私は苦笑する。
「もしも、ジェノが実家に今でも居て、ルディス商会の援助を対価にしてくれるのであればなんて思ったけれど、彼は自分一人の力で未来を切り開こうとしているのでしょう?
それなら、私は彼の邪魔しかできない。それくらいは貴族世界でしか生きたことのない私でもわかるから」
「……マリアさん……」
メルが申し訳無さそうな顔をしているのを見るのが辛くて、私は微笑む。頑張って。
「こらっ。諦めているとは言っても、失恋にはそれなりのショックがあるんだから、そんな顔しないでよ。もしも、『それでいいんですか?』なんて言ったら、全力で貴女の敵になってしまうわよ、私は」
「……そうですね。分かりました」
メルエーナはしっかりと気を引き締めた表情に変わった。
うん。そういう顔をしてくれたほうが救われる。泣かないでいられる。
少なくとも、自分の宿の部屋に戻るまでは。
本音を話し合ったおかげか、私とメル達はそれから楽しく話をすることができた。
そして、その時間は楽しかった。
うん。本当に楽しかったと思える。
……この日のことを私は忘れない。
私の初恋の終わりの日として……。
そうだ、忘れない。
自分自身の気持ちを全く理解せずにいた日の、『戯言』として。
だって、仕方がないじゃあない。分かっていなかったんだもの!
ジェノはこれからも私を魅了するのだもの!
好きにさせようとするんだもの!
そして何よりも、ジェノとの彼女が、メルが、あの女だとは知らなかったんだもの!
だから、だから、また私は……。
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