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父と娘
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「リンダ、イーサンと離婚など許さない。
騎士が約束を破りたくて破っているわけでないのはよく知ってるはずだ。
休みもろくに取れず疲れ果てていても、地域の住民を守るために働かなくてはならないのは知ってるだろう。
イーサンが結婚の時の約束を破ったのはよくないことだが事情が事情だ。もっと理解してやれ」
イーサンを家に帰し家族だけになったあと父がリンダを叱りはじめた。
リンダのなかで父の「もっと理解してやれ」という言葉が、すでにこなごなになっていたリンダの心をさらに砕いた。
リンダはこれまでにない、わきあがるような怒りを感じた。我慢に我慢をかさね騎士の妻としてがんばってきた。それにもかかわらず父は理解がたりないという。
怒りをなだめようとするが、なだめきれず怒りが爆発した。
「お父さんはいつもそういって私の気持ちをどうでもよいもの扱いした。私が寂しいと思うこと、一緒にいてほしいと思う気持ち、私の感情などちっぽけなことだ我慢しろって。
私はずっと我慢してきた。本当はお父さんを独り占めして一緒にいろいろなことをしたかった。ずっと一緒にいてほしかった。
でも仕事があるから、皆を守る仕事があるからって全部、全部我慢した。
自分の気持ちを大したことないとないがしろにされた私の気持ち、お父さんに分かる?
お父さんが私から去っていく背中をずっと見つづけてきて、今度は夫が私から去っていく背中を見つづけろというの?
どれだけ私は我慢すればいいの? 一生自分の気持ちはどうでもよいといわれる人生を送れというの?
私のことなんて愛してないから、そういうことが言えるのよ。
騎士だけがえらくて、私のようなちっぽけな女の子など我慢させればいいとしか思ってないんでしょう!」
リンダの心の悲鳴だった。
騎士の娘として我慢しつづけたリンダがずっと飲みこみつづけた言葉だった。
「お父さんは『すまない。仕事だから』といって、いつもどこかへ行ってしまう。
私の側にいるのがそんなに嫌だったの? 誕生日さえ一緒に祝ってもらえない。上手に裁縫ができたことをよろこんでもらえない。
一緒にたのしんでいても仕事だからとお父さんはいつもどこかへ行ってしまう。お父さんが家に帰ってきても、お父さんは体をやすめる必要があるからと近寄ることもできない。
私の好きな色は何か知ってる? 私が好きな食べ物は何? 私の誕生日おぼえてる?
お父さんは私の何を知ってるの。
ねえ、私のことを娘として愛してくれたことはある? 気にかけてくれたことはある? 娘の気持ちよりイーサンの方が大切なの?」
「そんなに俺に不満があるなら、いますぐここを出て行け! イーサンと離婚するような親不孝な娘はここにいなくていい。どこにでも好きな所へいけ!」
「あなた! 何てことを」
父のとなりにすわっていた母が、父の腕をにぎりリンダに言いつのろうとしていた父を止めた。
「分かった」リンダは静かな声でこたえるとカバンをもって家をでた。
リンダの名をよび追ってくる母を振り返ることなくリンダは歩きつづけた。
◆◆◆◆◆◆
「あなたにはがっかりしました」
リンダを追いかけた妻のアネットが家にもどるとマイケルを責めはじめた。
「リンダが軽々しく離婚を口にしたと思ってるの? 我慢して傷ついて、もう限界だったのに。
傷ついて憔悴している娘に我慢がたりない出て行けですか。
私もあなたと離婚したくなりました」
マイケルは妻が冷静に、そして普段よりも低い声で静かにいうのを聞き、妻が爆発寸前なほど怒りをたぎらせているのが分かった。
「リンダをイーサンと結婚させた時にあなたと離婚しておけばよかったと後悔してます。
そうしていればリンダは私の所へ安心して逃げこめた。離婚を口にするまで我慢せず私の所へこられた。
あの子は結婚してからつらそうにしていても、私には愚痴ひとつこぼしませんでした」
妻の目から涙がこぼれた。
マイケルは思っていたことを言おうとしたが口をつぐんだ。妻は怒りが大きければ大きいほど冷静な態度になる。冷静に話をしている時は最大限の怒りをかかえている。
ここでマイケルが何も考えずに口を開けばとんでもないことになるのは経験上よく知っていた。マイケルは必死に言うべきことを考える。
仕事で家をあけることが多い騎士の離婚率は高く、マイケルの同期で離婚経験者は半数ちかい。一度の離婚ですまず、二度、三度と複数回の離婚を経験している者もいる。
マイケルとアネットは離婚こそしなかったが、何度か離婚の危機はあった。
とくに子供が小さい時は、子供達とすごす時間をもっとつくってほしい。祝い事の日に休みをとってほしい。家族として過ごす時間をつくってほしいと言い合いになることが多かった。
仕事だけでなく、休息をとることや家での鍛錬などで家族とすごす時間が少なくなる一方のマイケルに、
「子供達はあっという間に大きくなるの。いまちゃんと時間をつくって一緒にすごさないと、あなたが一緒にすごしたいと思った時には子供達はもうこの家にいないわよ」
妻は口を酸っぱくしていった。
マイケルは周りからの助言で、離婚したくなければ出来るだけ妻の要望にこたえろを実践してきたつもりだ。
疲れていても家にいる時はかならず一緒に食事をし、子供達とあそんでやり、アネットの頼み事をひきうけてと出来る限りのことをやってきた。
長男のベンは騎士にならず剣をつくる鍛冶職人になり、熱心に働き周りからの評判もよく立派に育ってくれた。
リンダは針子として伯爵家でまじめに働きイーサンと結婚し落ち着いた。
仕事に家庭とうまくやってきたはずだ。
それにもかかわらず娘だけでなく妻まで離婚を口にする。一体これはどういうことなのだ。
マイケルは混乱していた。
リンダの離婚話だけでも頭が痛かったが、自身の離婚までふりかかっている。
「お、おれ、俺は、何を間違ったんだ?」
ようやくひねりだした言葉に妻が大きなため息をついたかと思うと、手で顔をおおい肩をゆらしている。しばらくすると嗚咽がもれた。
マイケルは途方にくれた。何が悪いのか、妻が何を求めているのか分からない。
マイケルが妻を抱きしめようとすると「さわらないで」と拒まれた。
マイケルが所在なく妻のそばに立ちつくしていると妻が冷静さを取りもどし顔をあげた。
「これ以上リンダにつらい思いをさせるわけにはいきません。
私達の離婚については後回しにしますが、リンダと二人でしばらく姉の所でお世話になります。
こちらから連絡するまで放っておいて下さい。それからイーサンにも、こちらから連絡するまでリンダの職場に押しかけたりして接触しないよう徹底させてください。
リンダと私に無理に接触しようとしたら、その時点で正式に離婚の申し立てをします。
明日から姉のところにいくので準備します」
妻がそのようにいったあと寝室へむかった。
マイケルは妻の後ろ姿をみながら「離婚」という言葉が自分に重くのしかかっていることを実感しはじめた。
騎士が約束を破りたくて破っているわけでないのはよく知ってるはずだ。
休みもろくに取れず疲れ果てていても、地域の住民を守るために働かなくてはならないのは知ってるだろう。
イーサンが結婚の時の約束を破ったのはよくないことだが事情が事情だ。もっと理解してやれ」
イーサンを家に帰し家族だけになったあと父がリンダを叱りはじめた。
リンダのなかで父の「もっと理解してやれ」という言葉が、すでにこなごなになっていたリンダの心をさらに砕いた。
リンダはこれまでにない、わきあがるような怒りを感じた。我慢に我慢をかさね騎士の妻としてがんばってきた。それにもかかわらず父は理解がたりないという。
怒りをなだめようとするが、なだめきれず怒りが爆発した。
「お父さんはいつもそういって私の気持ちをどうでもよいもの扱いした。私が寂しいと思うこと、一緒にいてほしいと思う気持ち、私の感情などちっぽけなことだ我慢しろって。
私はずっと我慢してきた。本当はお父さんを独り占めして一緒にいろいろなことをしたかった。ずっと一緒にいてほしかった。
でも仕事があるから、皆を守る仕事があるからって全部、全部我慢した。
自分の気持ちを大したことないとないがしろにされた私の気持ち、お父さんに分かる?
お父さんが私から去っていく背中をずっと見つづけてきて、今度は夫が私から去っていく背中を見つづけろというの?
どれだけ私は我慢すればいいの? 一生自分の気持ちはどうでもよいといわれる人生を送れというの?
私のことなんて愛してないから、そういうことが言えるのよ。
騎士だけがえらくて、私のようなちっぽけな女の子など我慢させればいいとしか思ってないんでしょう!」
リンダの心の悲鳴だった。
騎士の娘として我慢しつづけたリンダがずっと飲みこみつづけた言葉だった。
「お父さんは『すまない。仕事だから』といって、いつもどこかへ行ってしまう。
私の側にいるのがそんなに嫌だったの? 誕生日さえ一緒に祝ってもらえない。上手に裁縫ができたことをよろこんでもらえない。
一緒にたのしんでいても仕事だからとお父さんはいつもどこかへ行ってしまう。お父さんが家に帰ってきても、お父さんは体をやすめる必要があるからと近寄ることもできない。
私の好きな色は何か知ってる? 私が好きな食べ物は何? 私の誕生日おぼえてる?
お父さんは私の何を知ってるの。
ねえ、私のことを娘として愛してくれたことはある? 気にかけてくれたことはある? 娘の気持ちよりイーサンの方が大切なの?」
「そんなに俺に不満があるなら、いますぐここを出て行け! イーサンと離婚するような親不孝な娘はここにいなくていい。どこにでも好きな所へいけ!」
「あなた! 何てことを」
父のとなりにすわっていた母が、父の腕をにぎりリンダに言いつのろうとしていた父を止めた。
「分かった」リンダは静かな声でこたえるとカバンをもって家をでた。
リンダの名をよび追ってくる母を振り返ることなくリンダは歩きつづけた。
◆◆◆◆◆◆
「あなたにはがっかりしました」
リンダを追いかけた妻のアネットが家にもどるとマイケルを責めはじめた。
「リンダが軽々しく離婚を口にしたと思ってるの? 我慢して傷ついて、もう限界だったのに。
傷ついて憔悴している娘に我慢がたりない出て行けですか。
私もあなたと離婚したくなりました」
マイケルは妻が冷静に、そして普段よりも低い声で静かにいうのを聞き、妻が爆発寸前なほど怒りをたぎらせているのが分かった。
「リンダをイーサンと結婚させた時にあなたと離婚しておけばよかったと後悔してます。
そうしていればリンダは私の所へ安心して逃げこめた。離婚を口にするまで我慢せず私の所へこられた。
あの子は結婚してからつらそうにしていても、私には愚痴ひとつこぼしませんでした」
妻の目から涙がこぼれた。
マイケルは思っていたことを言おうとしたが口をつぐんだ。妻は怒りが大きければ大きいほど冷静な態度になる。冷静に話をしている時は最大限の怒りをかかえている。
ここでマイケルが何も考えずに口を開けばとんでもないことになるのは経験上よく知っていた。マイケルは必死に言うべきことを考える。
仕事で家をあけることが多い騎士の離婚率は高く、マイケルの同期で離婚経験者は半数ちかい。一度の離婚ですまず、二度、三度と複数回の離婚を経験している者もいる。
マイケルとアネットは離婚こそしなかったが、何度か離婚の危機はあった。
とくに子供が小さい時は、子供達とすごす時間をもっとつくってほしい。祝い事の日に休みをとってほしい。家族として過ごす時間をつくってほしいと言い合いになることが多かった。
仕事だけでなく、休息をとることや家での鍛錬などで家族とすごす時間が少なくなる一方のマイケルに、
「子供達はあっという間に大きくなるの。いまちゃんと時間をつくって一緒にすごさないと、あなたが一緒にすごしたいと思った時には子供達はもうこの家にいないわよ」
妻は口を酸っぱくしていった。
マイケルは周りからの助言で、離婚したくなければ出来るだけ妻の要望にこたえろを実践してきたつもりだ。
疲れていても家にいる時はかならず一緒に食事をし、子供達とあそんでやり、アネットの頼み事をひきうけてと出来る限りのことをやってきた。
長男のベンは騎士にならず剣をつくる鍛冶職人になり、熱心に働き周りからの評判もよく立派に育ってくれた。
リンダは針子として伯爵家でまじめに働きイーサンと結婚し落ち着いた。
仕事に家庭とうまくやってきたはずだ。
それにもかかわらず娘だけでなく妻まで離婚を口にする。一体これはどういうことなのだ。
マイケルは混乱していた。
リンダの離婚話だけでも頭が痛かったが、自身の離婚までふりかかっている。
「お、おれ、俺は、何を間違ったんだ?」
ようやくひねりだした言葉に妻が大きなため息をついたかと思うと、手で顔をおおい肩をゆらしている。しばらくすると嗚咽がもれた。
マイケルは途方にくれた。何が悪いのか、妻が何を求めているのか分からない。
マイケルが妻を抱きしめようとすると「さわらないで」と拒まれた。
マイケルが所在なく妻のそばに立ちつくしていると妻が冷静さを取りもどし顔をあげた。
「これ以上リンダにつらい思いをさせるわけにはいきません。
私達の離婚については後回しにしますが、リンダと二人でしばらく姉の所でお世話になります。
こちらから連絡するまで放っておいて下さい。それからイーサンにも、こちらから連絡するまでリンダの職場に押しかけたりして接触しないよう徹底させてください。
リンダと私に無理に接触しようとしたら、その時点で正式に離婚の申し立てをします。
明日から姉のところにいくので準備します」
妻がそのようにいったあと寝室へむかった。
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