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どれほど小さな星であっても星は暗闇をてらす
変なあだ名はやめてほしい
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ステラ・デュボワは恋人のアレックス・ホワイトと待ち合わせをしているカフェへいそいでいた。事務所をでる時間がすっかりおそくなり申し訳ないほどの遅刻になっている。
カフェにはいるとアレックスが大学の友人と一緒にいるのが目に入る。ステラはため息をつきそうになるのをこらえ、笑顔で二人のテーブルに近付いた。
「あっ! 一途ちゃんおそかったね。一途ちゃんに挨拶してから帰ろうと思ってまってた」
にこにことステラに挨拶するのは、アレックスの大学の演劇部、部長のチャールズだ。
移籍した大学でも演劇部にはいったアレックスはチャールズに気に入られ、チャールズはなぜかステラにも会いたがった。
「早く行けよ」
アレックスが不機嫌にいうと、チャールズが笑いながら「じゃあ、また明日。一途くん」手をひらひらとふり帰っていった。
ステラがコーヒーを注文したあと沈黙がおりる。
アレックスはステラが「一途ちゃん」とよばれるのを嫌っているのを知っている。きっと場をやわらげながらあやまろうと考えている最中だろう。
ステラが「一途ちゃん」、アレックスが「一途くん」とよばれるようになったのは、アレックスが演劇部の新入生歓迎会で酔っ払いニウミールにきた成り行きを話したからだ。
はじめてチャールズに会った時に、
「……一途ちゃん、背が高いね」なぜかがっかりしたような表情でいわれた。
一途ちゃんというのが何のことか分からなかったが、ステラの聞き間違えか、相手の言い間違えだろうとその時は思った。
背が高いとはよくいわれるが、背が高いことでなぜがっかりした顔をされたのかは謎だった。
アレックスがステラのことを小柄というはずはないので、勘違いしたとしてもがっかりされることとは思えない。
他の部員と会った時もがっかりしたような微妙な顔をされ、ステラがなぜだろうと思っていたら、「国を横断してというから……」とつぶやいた部員の言葉で、ようやくステラの容姿にがっかりしているのだと気付いた。
「そりゃそうよね。イリアトスからニウミールまで来たんだから、さぞ見目うるわしい女の子にちがいないと想像をふくらませるよね。アレックスの恋人がイザベラだったらみんな納得したはず」
ステラがそのようにいうとアレックスが、
「それをいうなら俺だって残念な容姿だし。それこそ『お前ら、自分の面みてから人のこといえ』だよ。あいつらが演劇部の貴公子、フーゴみたいな学園の女子全員がファンですみたいな顔だったら話は別だけど」と笑う。
ステラは彼らと毎日会うわけでもないので気にしていないが、人の顔をみてあからさまにがっかりされるのは気分がよくない。
「一途くんと一途ちゃんってあだ名、学園のフィールドホッケー部にいた十年に一度の『逸材くん』みたいで格好よくないか?」
――格好よいと思うの!? ステラは感覚のちがいに声がでそうになったがぐっとこらえた。
ステラがアレックスに一途ちゃんとよばれるのは嫌だといった時に、アレックスがしょんぼりしながら「俺の気持ちを否定されてるみたいでさびしい」といった。
ステラはそれ以上強くいえず、アレックスの大学の人達と頻繁に会うわけでもないので、そのことについて追求しないことにした。
「遅れてごめんね」
ステラがあやまるとアレックスがほっとしたように、それほど待っていないから大丈夫だといった。
仕事帰りに一緒にご飯を食べることになっていたが、帰り際に明日必要な書類の清書が間に合わないと事務員のシャーロットに泣きつかれた。清書するのを手伝ったので遅れてしまった。
食堂の閉店時間を考えると中途半端な時間になってしまったので、カフェで軽食を食べることにした。
アレックスが演劇部の話をする。アレックスは新しい大学で脚本を書くのではなく、チャールズについて演出の手伝いをしていた。
ステラが理由をきくと、すでに演劇部で誰が脚本をかくのか、演出は誰がするのか、主演になるのは誰かといったことは決まっているので、新参者はおとなしくしておくと殊勝なことをいった。
アレックスらしくないなと思っていたら、「さすがに卒業までの一年で下克上するのはきつい」といい、状況をくつがえす気があったことを知り、アレックスらしいと笑った。
「チャールズ、腹立つほどいい演出するんだよなあ。脚本自体は平凡でつまんないから、おもしろくない芝居になりそうだと思ってたけど、あいつの演出がすごかった」
大学の新学年を祝う会で発表された演劇部の芝居について、アレックスはチャールズの演出を絶賛した。
さきほどステラに一途ちゃんといったチャールズは、アレックスを大いに刺激する存在らしい。
イリアトスの大学ではアレックスの二学年上の先輩が良い脚本を書く人で、負けてはいられないと闘志をもやしていた。ニウミールでもアレックスは楽しい演劇活動を送れそうだと安心する。
アレックスと二人でステラの下宿先へ向かっていると、大家のソフィアと下宿先への通り道で鉢合わせた。ソフィアは近所に住む長女の家から帰ってきたところで、アレックスにお茶でもとすすめる。
ソフィアはアレックスに対しステラの母親がわりのように接しており、初めてアレックスを紹介したときにアレックスを質問攻めにした。
「ステラはアレックスと話してる時はイリアトス訛りになるから、ステラがあっちの出身なのを思い出すのよね」
イリアトスとニウミールは言葉にそれぞれ訛りがあり、ニウミールでイリアトスの訛りはあまり歓迎されない。
そのためステラは早々にニウミール訛りで話すようになり、いまでは誰もステラのことをイリアトス出身だと気付かなくなっている。
しかしアレックスは「あのイリアトス訛りかって覚えてもらいやすいだろう?」といい、あえて訛りをなおさずイリアトス訛りで話していた。
ソフィアが孫の話をしたあと、アレックスに「そういえば二人の恋物語の脚本書いてるの?」とからかうように聞いた。
以前三人で話した時にソフィアが、アレックスがステラを追いかけてニウミールに来たことを芝居にしたらどうだというと、アレックスが「すでに書きはじめてます」と臆面もなくいった。
「最後の部分はできたんですが、初めの方はまだです」
「最後? 何で最後はできてるの?」
アレックスが脚本を書くときに最初から順番に書くこともあるが、思いついた部分から書くことも多いという話をした。
「へえ、そういうもんなんだね。最初から書いていくもんだと思ってたわ」
感心したようにソフィアがいう。
「国を横断して好きな人に会いにきたって場面は盛りあがるところだから書きやすいけど、好きだと告白できない情けない場面を書くのがつらいんですよね」
アレックスが愚痴る。友人だった時はステラにとくに好意をしめすような言葉をいわなかったアレックスだが、恋人になってからはうっとうしいほど好きだという言動をする。
うれしいが恥ずかしいのでほどほどにしてほしいというと、
「ステラは俺がどれだけ絶望したか分かってない。ニウミールに行くのをイザベラから知らされ、そのあとステラから手紙もこなくて、この世の終わりかと思うほど落ち込んだ。
もう二度とあんな思いをしたくない。だから好きだという気持ちはしっかりあらわす。これだけはゆずれない」きっぱりいわれた。
アレックスのいうことは分かるが、ところかまわずステラを追いかけてきたと人に話すのはやめてほしかった。
ステラが姉のように思っているレベッカが、恋人や夫婦という関係にならないと分からないことがあるといっていたが、たしかにこのようなアレックスの行動は友達でいた時にはなかったことだ。
仕事だけでなく資格試験の勉強をしなくてはならないステラはいつも時間におわれている。
しかし夏は顧客が避暑で町をはなれるため弁護士事務所は閑散期で、アレックスも大学が始まるまで時間があったので二人はよく会っていた。
友人であった時とちがい、会えば会うほどもっと会いたいと思う。会えない時にアレックスのことを考える。何かあればアレックスに一番に話を聞いてもらいたいと思う。気がつくとアレックスのことばかり考えている。
イリアトスをはなれ、もう会えないと思っていたアレックスが目の前にいる。ときどき本当に現実なのだろうかと思うことがある。
アレックスと一緒にいられることを幸せだと思うのと同時に、この幸せが長くつづかないのではとこわくなる。
失いたくない。でもいつか失ってしまうかもしれない。
自分がアレックスにふさわしいとは思えない。だからいつ失っても大丈夫なように覚悟しておかなくてはと思う。
「恋だね」ソフィアがつぶやいた。
「うちは子供達は結婚してるし、孫達は結婚なんてまだまだな歳だし、なんか二人をみてると『若い頃は惚れたはれたでいろいろあるよね』なんて年寄り臭い感想もっちゃうわ。
二人と状況はまったくちがうけど、私も結婚する時はいろいろあったのよ。夫は隣国出身だったし、私の若い頃はまだ恋愛結婚はめずらしかったからね」
アレックスが興味津々でソフィアと夫について質問し、ステラもソフィアが駆け落ちのように結婚したことをはじめて知った。
「父とはもともと反りがあわなかったし、結婚を反対する父を説得できるなんて思わなかったからさっさと家をでたわよ。二人をみてると夫と恋人だった頃のことを思い出す」
ソフィアが「うっかりしてたけどすっかり遅くなったね」アレックスに帰るようにいう。
「ここは恋人同士が二人きりになる時間を、すこしつくるという配慮があるべき場面じゃないですか?」
アレックスの言葉にソフィアが吹き出す。
「芝居ならそうかもしれないけど、若い未婚女性をあずかってる大家としては、ステラの評判を落とすようなことはさせられないからさっさと帰れだね。
それと恋には障害があった方が燃えるというもんでしょう?」
にやりとしたソフィアに、アレックスが「おっしゃる通り」といって笑う。
ソフィアがステラのとなりに並びアレックスを送り出した。
カフェにはいるとアレックスが大学の友人と一緒にいるのが目に入る。ステラはため息をつきそうになるのをこらえ、笑顔で二人のテーブルに近付いた。
「あっ! 一途ちゃんおそかったね。一途ちゃんに挨拶してから帰ろうと思ってまってた」
にこにことステラに挨拶するのは、アレックスの大学の演劇部、部長のチャールズだ。
移籍した大学でも演劇部にはいったアレックスはチャールズに気に入られ、チャールズはなぜかステラにも会いたがった。
「早く行けよ」
アレックスが不機嫌にいうと、チャールズが笑いながら「じゃあ、また明日。一途くん」手をひらひらとふり帰っていった。
ステラがコーヒーを注文したあと沈黙がおりる。
アレックスはステラが「一途ちゃん」とよばれるのを嫌っているのを知っている。きっと場をやわらげながらあやまろうと考えている最中だろう。
ステラが「一途ちゃん」、アレックスが「一途くん」とよばれるようになったのは、アレックスが演劇部の新入生歓迎会で酔っ払いニウミールにきた成り行きを話したからだ。
はじめてチャールズに会った時に、
「……一途ちゃん、背が高いね」なぜかがっかりしたような表情でいわれた。
一途ちゃんというのが何のことか分からなかったが、ステラの聞き間違えか、相手の言い間違えだろうとその時は思った。
背が高いとはよくいわれるが、背が高いことでなぜがっかりした顔をされたのかは謎だった。
アレックスがステラのことを小柄というはずはないので、勘違いしたとしてもがっかりされることとは思えない。
他の部員と会った時もがっかりしたような微妙な顔をされ、ステラがなぜだろうと思っていたら、「国を横断してというから……」とつぶやいた部員の言葉で、ようやくステラの容姿にがっかりしているのだと気付いた。
「そりゃそうよね。イリアトスからニウミールまで来たんだから、さぞ見目うるわしい女の子にちがいないと想像をふくらませるよね。アレックスの恋人がイザベラだったらみんな納得したはず」
ステラがそのようにいうとアレックスが、
「それをいうなら俺だって残念な容姿だし。それこそ『お前ら、自分の面みてから人のこといえ』だよ。あいつらが演劇部の貴公子、フーゴみたいな学園の女子全員がファンですみたいな顔だったら話は別だけど」と笑う。
ステラは彼らと毎日会うわけでもないので気にしていないが、人の顔をみてあからさまにがっかりされるのは気分がよくない。
「一途くんと一途ちゃんってあだ名、学園のフィールドホッケー部にいた十年に一度の『逸材くん』みたいで格好よくないか?」
――格好よいと思うの!? ステラは感覚のちがいに声がでそうになったがぐっとこらえた。
ステラがアレックスに一途ちゃんとよばれるのは嫌だといった時に、アレックスがしょんぼりしながら「俺の気持ちを否定されてるみたいでさびしい」といった。
ステラはそれ以上強くいえず、アレックスの大学の人達と頻繁に会うわけでもないので、そのことについて追求しないことにした。
「遅れてごめんね」
ステラがあやまるとアレックスがほっとしたように、それほど待っていないから大丈夫だといった。
仕事帰りに一緒にご飯を食べることになっていたが、帰り際に明日必要な書類の清書が間に合わないと事務員のシャーロットに泣きつかれた。清書するのを手伝ったので遅れてしまった。
食堂の閉店時間を考えると中途半端な時間になってしまったので、カフェで軽食を食べることにした。
アレックスが演劇部の話をする。アレックスは新しい大学で脚本を書くのではなく、チャールズについて演出の手伝いをしていた。
ステラが理由をきくと、すでに演劇部で誰が脚本をかくのか、演出は誰がするのか、主演になるのは誰かといったことは決まっているので、新参者はおとなしくしておくと殊勝なことをいった。
アレックスらしくないなと思っていたら、「さすがに卒業までの一年で下克上するのはきつい」といい、状況をくつがえす気があったことを知り、アレックスらしいと笑った。
「チャールズ、腹立つほどいい演出するんだよなあ。脚本自体は平凡でつまんないから、おもしろくない芝居になりそうだと思ってたけど、あいつの演出がすごかった」
大学の新学年を祝う会で発表された演劇部の芝居について、アレックスはチャールズの演出を絶賛した。
さきほどステラに一途ちゃんといったチャールズは、アレックスを大いに刺激する存在らしい。
イリアトスの大学ではアレックスの二学年上の先輩が良い脚本を書く人で、負けてはいられないと闘志をもやしていた。ニウミールでもアレックスは楽しい演劇活動を送れそうだと安心する。
アレックスと二人でステラの下宿先へ向かっていると、大家のソフィアと下宿先への通り道で鉢合わせた。ソフィアは近所に住む長女の家から帰ってきたところで、アレックスにお茶でもとすすめる。
ソフィアはアレックスに対しステラの母親がわりのように接しており、初めてアレックスを紹介したときにアレックスを質問攻めにした。
「ステラはアレックスと話してる時はイリアトス訛りになるから、ステラがあっちの出身なのを思い出すのよね」
イリアトスとニウミールは言葉にそれぞれ訛りがあり、ニウミールでイリアトスの訛りはあまり歓迎されない。
そのためステラは早々にニウミール訛りで話すようになり、いまでは誰もステラのことをイリアトス出身だと気付かなくなっている。
しかしアレックスは「あのイリアトス訛りかって覚えてもらいやすいだろう?」といい、あえて訛りをなおさずイリアトス訛りで話していた。
ソフィアが孫の話をしたあと、アレックスに「そういえば二人の恋物語の脚本書いてるの?」とからかうように聞いた。
以前三人で話した時にソフィアが、アレックスがステラを追いかけてニウミールに来たことを芝居にしたらどうだというと、アレックスが「すでに書きはじめてます」と臆面もなくいった。
「最後の部分はできたんですが、初めの方はまだです」
「最後? 何で最後はできてるの?」
アレックスが脚本を書くときに最初から順番に書くこともあるが、思いついた部分から書くことも多いという話をした。
「へえ、そういうもんなんだね。最初から書いていくもんだと思ってたわ」
感心したようにソフィアがいう。
「国を横断して好きな人に会いにきたって場面は盛りあがるところだから書きやすいけど、好きだと告白できない情けない場面を書くのがつらいんですよね」
アレックスが愚痴る。友人だった時はステラにとくに好意をしめすような言葉をいわなかったアレックスだが、恋人になってからはうっとうしいほど好きだという言動をする。
うれしいが恥ずかしいのでほどほどにしてほしいというと、
「ステラは俺がどれだけ絶望したか分かってない。ニウミールに行くのをイザベラから知らされ、そのあとステラから手紙もこなくて、この世の終わりかと思うほど落ち込んだ。
もう二度とあんな思いをしたくない。だから好きだという気持ちはしっかりあらわす。これだけはゆずれない」きっぱりいわれた。
アレックスのいうことは分かるが、ところかまわずステラを追いかけてきたと人に話すのはやめてほしかった。
ステラが姉のように思っているレベッカが、恋人や夫婦という関係にならないと分からないことがあるといっていたが、たしかにこのようなアレックスの行動は友達でいた時にはなかったことだ。
仕事だけでなく資格試験の勉強をしなくてはならないステラはいつも時間におわれている。
しかし夏は顧客が避暑で町をはなれるため弁護士事務所は閑散期で、アレックスも大学が始まるまで時間があったので二人はよく会っていた。
友人であった時とちがい、会えば会うほどもっと会いたいと思う。会えない時にアレックスのことを考える。何かあればアレックスに一番に話を聞いてもらいたいと思う。気がつくとアレックスのことばかり考えている。
イリアトスをはなれ、もう会えないと思っていたアレックスが目の前にいる。ときどき本当に現実なのだろうかと思うことがある。
アレックスと一緒にいられることを幸せだと思うのと同時に、この幸せが長くつづかないのではとこわくなる。
失いたくない。でもいつか失ってしまうかもしれない。
自分がアレックスにふさわしいとは思えない。だからいつ失っても大丈夫なように覚悟しておかなくてはと思う。
「恋だね」ソフィアがつぶやいた。
「うちは子供達は結婚してるし、孫達は結婚なんてまだまだな歳だし、なんか二人をみてると『若い頃は惚れたはれたでいろいろあるよね』なんて年寄り臭い感想もっちゃうわ。
二人と状況はまったくちがうけど、私も結婚する時はいろいろあったのよ。夫は隣国出身だったし、私の若い頃はまだ恋愛結婚はめずらしかったからね」
アレックスが興味津々でソフィアと夫について質問し、ステラもソフィアが駆け落ちのように結婚したことをはじめて知った。
「父とはもともと反りがあわなかったし、結婚を反対する父を説得できるなんて思わなかったからさっさと家をでたわよ。二人をみてると夫と恋人だった頃のことを思い出す」
ソフィアが「うっかりしてたけどすっかり遅くなったね」アレックスに帰るようにいう。
「ここは恋人同士が二人きりになる時間を、すこしつくるという配慮があるべき場面じゃないですか?」
アレックスの言葉にソフィアが吹き出す。
「芝居ならそうかもしれないけど、若い未婚女性をあずかってる大家としては、ステラの評判を落とすようなことはさせられないからさっさと帰れだね。
それと恋には障害があった方が燃えるというもんでしょう?」
にやりとしたソフィアに、アレックスが「おっしゃる通り」といって笑う。
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