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守護天使は進むべき道をささやいてくれるのか
何もせずにあきらめられないから
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弁護士見習いとしてヤング弁護士事務所で働きはじめたステラはめまぐるしい日々を送っていた。
暑さからのがれるため裕福な人達は夏の間イリアトスから脱出し避暑地ですごすため、夏は弁護士事務所にとって閑散期といえた。
そのおかげで弁護士が時間をさきやすいのと、高等学校の卒業がこの時期なことから夏から弁護士見習いをはじめる人は多かった。
ヤング・シニアは「歳で暑さが体にこたえる。あとはまかせた」とジュニアにステラを押しつけ避暑地へいってしまい、ヤング・ジュニアがしぶしぶステラの面倒をみていた。
ヤング・ジュニアとステラは顧客の屋敷を訪問したあと、事務所に帰る前に休憩するためカフェにはいった。
注文をしジュニアがステラに先ほど訪問した顧客のための仕事に必要な指示をだしたあと、「大丈夫か?」とたずねた。
「何がですか?」
「……顧客に女のくせに弁護士のまねごとして目障りだといわれただろう?」
ステラがジュニアの補佐をする事務員ではなく弁護士見習いだと知った顧客からののしられた。
「おどろきはしましたが、女だからと見下されるのは初めてじゃないですし」
ジュニアが痛ましげな表情になった。
ジュニアはステラが弁護士見習いになるのを反対したが、シニアがステラを見習いにすることを決めたあとは、現実をつきつけることは忘れないが見習いとして扱ってくれた。
ジュニアはステラが女であるため苦労するとさんざんいってきたが、自分の目の前で女だからとさげずまれる女性の姿を見たことがなかったのかもしれない。
「俺はショックだった。俺も女性より男性の方が能力が高いと思ってる。それに女性と男性で出来ることもちがえば、役割もちがう。
だから本音をいえばステラのように弁護士になりたいという女性は自分の能力を過大評価しすぎで、自分のことも世の中のことも何も分かってないと思ってる。
だからあの顧客がいったことは俺の本音ともいえる。でもあのように面と向かって女性にいったりしない。職業柄、自分の評判は大切だからな。
悪意むきだしのあの顧客の態度を見てショックだった。俺にあんな失礼な態度をしたことないし、よい人だと思ってたからな」
ジュニアがかすかに頭を横にふっていた。
ジュニアは恵まれた環境で育っている。弁護士という人から一目をおかれる職業につく父がいるので、人からののしられるようなことなどこれまでほとんどなかっただろう。
「もし自分の娘にあんな態度をとられたらと思って怒りをおぼえた。
自分でも矛盾してると思う。心の中では女性を下に見てるのにな」
ステラはジュニアに申し訳ないと思う。もしステラが見習いとして一緒にいかなければ、ジュニアが間接的に顧客からののしられるようなことにはならなかっただろう。
「すみません、私のせいで」
「いや、ステラのせいじゃない。これはもっと大きな問題なんだ。人としてというか――。急に哲学的な言い方してうさんくさいよな」
ジュニアが苦笑する。
「ジュニアは私を見習いにしたくなかったのにシニアが決めてしまったので仕方なく受け入れ、本来なら見るはずもなかったものを見ることになってしまったんです。
事務所の厄介者なのは分かってます。本当に申し訳ありません。
ジュニアが前にいった通り、私を見習いにしたことで事務所はいろいろな損失をうけます。
あの方はジュニアを信頼されているので他の弁護士にかえることはされないでしょうが、女を雇ってるあやしい弁護士事務所と敬遠されるかもしれない。
シニアのやさしさにつけこみ本当に申し訳ありませんでした」
ステラがあやまるとジュニアが手で口元をおおった。
もっと強硬にシニアに反対していればときっと後悔しているのだろう。ステラは心苦しかった。
「ステラ、いまからいうことは絶対に口外するな。とくにオヤジに知っていることを悟らせないでほしい」
ジュニアはそのようにいったが、いうことをためらっているのか黙ったままだ。
「オヤジがステラを見習いにしたのは妹への贖罪からだ」
ステラはヤング家にジュニアの上に姉二人がいることは知っていたが、妹がいることは知らなかった。話題になったことがまったくない。
「妹は弁護士になりたがっていた。しかし女性ではなれないからとオヤジがあきらめるようにいっていた。
でもあいつは『じゃあ女性を受け入れない現状を変えればいいんでしょう』といった」
ジュニアの目にうっすら涙がうかんでいることにステラは気付いた。
「妹は流行病で十六歳の時に亡くなった。オヤジが―― オヤジがいったよ。
『こんなことになるなら頭ごなしに駄目だといわず、無駄な希望をもたせることになったとしても応援してやればよかった』ってね。
オヤジが無料相談をしだしたのは妹が亡くなったあとからだ。妹が人のために何かできるようになりたいから弁護士になりたいといった。
弁護士が知っている法で人を救うことができる。妹の遺志をオヤジがついだ」
ジュニアがこぼれ落ちそうになっている涙を指でぬぐった。シニアだけでなくジュニアにとっても彼女の死は深い傷になっているのだろう。
「もし妹が生きていたらあのような扱いをされつづけたかもしれないと思うと胸が痛い。
俺はやっぱり反対だ。弁護士になれたとしても女性というだけでさげずまれ、まともな顧客を得られないかもしれない。
ステラ、女性として尊敬される職業の教師にもどれ。それがステラが一番やりたいことではなくてもだ。子供達を育てること、立派に教育することは人を助けることと同じだ。だからわざわざつらい道を選ぶな」
ジュニアがこれまでになく強い視線でステラをみつめた。
ジュニアがステラのことを大切に思ってくれているからこその言葉だと痛いほど分かる。
「ジュニア、ありがとうございます。私のことを心配してくれて」
ステラはジュニアの気持ちがうれしかった。
「ジュニアはもし明日死ぬとしたら何が心残りですか?」
ジュニアは目を大きく見開いたまま何もいわないのでステラは話をつづけた。
「私はノルン行きが駄目になった時にもし明日死ぬとしたらと考えて、ノルンに行きたかったと一番に思ったんです。いま同じ問いを自分にしたら弁護士になりたかったなんです。
やらずに後悔したくない。あの時からそう思うようになりました。それまでは自分に出来ないことがあると仕方ないとしか思ってませんでした。
庶民には裕福な人達とちがい選択肢がない生き方が当たり前だと思ってました。
望んでも叶わないことを考えて失望するのが嫌で、自分にも選択肢があることを見ないようにしてました。
でもあの時、望んで叶わないとしてもただあきらめたくない。そのように強く思ったんです。
教師はやりがいがある仕事です。もし自分に選択肢があると考えなかったら、教師見習いとしていまも働いているはずです。
でも私にも選択肢がある。自分が歩む道を選ぶことができると知りました。
だから何もせずにあきらめてしまえば一生ものすごく後悔すると思うんです。だから――。
自分のわがままでしかないのは分かっています。それでもあきらめたくない。そう思ってしまうんです」
しばらく何もいわず沈黙していたジュニアが「馬鹿だなあ……」とつぶやいた。
ジュニアはそろそろ戻るかとステラをうながしカフェをでた。
「ステラ、そこまでいうなら俺はもう何もいわない。だが年長者としてひとつだけいっておく」
ジュニアが大きく息をすったあとステラと視線をあわせた。
「これから痛い目たくさんみるぞ。普通に生きていたらすることのない苦労をする。ついでに結婚できないかもしれないぞ」
ステラは最後の言葉に笑ってしまった。
「私みたいなかわいげのない女と結婚したいという男性がいるとは思ってませんよ。結婚できないことはすでに覚悟してます。
結婚をさけるために修道女になろうと考えたこともあるので結婚できなくても問題ありません」
「神をなめすぎだ。結婚したくないから修道女になろうなんて、神に対する冒涜もいいところだ。いますぐ懺悔してこい」
ジュニアが笑う。
ステラが選んだ道はけわしい。しかし心配してくれる人がいて、力をかしてくれる人がいる。だから頑張れる。ステラはそう思った。
暑さからのがれるため裕福な人達は夏の間イリアトスから脱出し避暑地ですごすため、夏は弁護士事務所にとって閑散期といえた。
そのおかげで弁護士が時間をさきやすいのと、高等学校の卒業がこの時期なことから夏から弁護士見習いをはじめる人は多かった。
ヤング・シニアは「歳で暑さが体にこたえる。あとはまかせた」とジュニアにステラを押しつけ避暑地へいってしまい、ヤング・ジュニアがしぶしぶステラの面倒をみていた。
ヤング・ジュニアとステラは顧客の屋敷を訪問したあと、事務所に帰る前に休憩するためカフェにはいった。
注文をしジュニアがステラに先ほど訪問した顧客のための仕事に必要な指示をだしたあと、「大丈夫か?」とたずねた。
「何がですか?」
「……顧客に女のくせに弁護士のまねごとして目障りだといわれただろう?」
ステラがジュニアの補佐をする事務員ではなく弁護士見習いだと知った顧客からののしられた。
「おどろきはしましたが、女だからと見下されるのは初めてじゃないですし」
ジュニアが痛ましげな表情になった。
ジュニアはステラが弁護士見習いになるのを反対したが、シニアがステラを見習いにすることを決めたあとは、現実をつきつけることは忘れないが見習いとして扱ってくれた。
ジュニアはステラが女であるため苦労するとさんざんいってきたが、自分の目の前で女だからとさげずまれる女性の姿を見たことがなかったのかもしれない。
「俺はショックだった。俺も女性より男性の方が能力が高いと思ってる。それに女性と男性で出来ることもちがえば、役割もちがう。
だから本音をいえばステラのように弁護士になりたいという女性は自分の能力を過大評価しすぎで、自分のことも世の中のことも何も分かってないと思ってる。
だからあの顧客がいったことは俺の本音ともいえる。でもあのように面と向かって女性にいったりしない。職業柄、自分の評判は大切だからな。
悪意むきだしのあの顧客の態度を見てショックだった。俺にあんな失礼な態度をしたことないし、よい人だと思ってたからな」
ジュニアがかすかに頭を横にふっていた。
ジュニアは恵まれた環境で育っている。弁護士という人から一目をおかれる職業につく父がいるので、人からののしられるようなことなどこれまでほとんどなかっただろう。
「もし自分の娘にあんな態度をとられたらと思って怒りをおぼえた。
自分でも矛盾してると思う。心の中では女性を下に見てるのにな」
ステラはジュニアに申し訳ないと思う。もしステラが見習いとして一緒にいかなければ、ジュニアが間接的に顧客からののしられるようなことにはならなかっただろう。
「すみません、私のせいで」
「いや、ステラのせいじゃない。これはもっと大きな問題なんだ。人としてというか――。急に哲学的な言い方してうさんくさいよな」
ジュニアが苦笑する。
「ジュニアは私を見習いにしたくなかったのにシニアが決めてしまったので仕方なく受け入れ、本来なら見るはずもなかったものを見ることになってしまったんです。
事務所の厄介者なのは分かってます。本当に申し訳ありません。
ジュニアが前にいった通り、私を見習いにしたことで事務所はいろいろな損失をうけます。
あの方はジュニアを信頼されているので他の弁護士にかえることはされないでしょうが、女を雇ってるあやしい弁護士事務所と敬遠されるかもしれない。
シニアのやさしさにつけこみ本当に申し訳ありませんでした」
ステラがあやまるとジュニアが手で口元をおおった。
もっと強硬にシニアに反対していればときっと後悔しているのだろう。ステラは心苦しかった。
「ステラ、いまからいうことは絶対に口外するな。とくにオヤジに知っていることを悟らせないでほしい」
ジュニアはそのようにいったが、いうことをためらっているのか黙ったままだ。
「オヤジがステラを見習いにしたのは妹への贖罪からだ」
ステラはヤング家にジュニアの上に姉二人がいることは知っていたが、妹がいることは知らなかった。話題になったことがまったくない。
「妹は弁護士になりたがっていた。しかし女性ではなれないからとオヤジがあきらめるようにいっていた。
でもあいつは『じゃあ女性を受け入れない現状を変えればいいんでしょう』といった」
ジュニアの目にうっすら涙がうかんでいることにステラは気付いた。
「妹は流行病で十六歳の時に亡くなった。オヤジが―― オヤジがいったよ。
『こんなことになるなら頭ごなしに駄目だといわず、無駄な希望をもたせることになったとしても応援してやればよかった』ってね。
オヤジが無料相談をしだしたのは妹が亡くなったあとからだ。妹が人のために何かできるようになりたいから弁護士になりたいといった。
弁護士が知っている法で人を救うことができる。妹の遺志をオヤジがついだ」
ジュニアがこぼれ落ちそうになっている涙を指でぬぐった。シニアだけでなくジュニアにとっても彼女の死は深い傷になっているのだろう。
「もし妹が生きていたらあのような扱いをされつづけたかもしれないと思うと胸が痛い。
俺はやっぱり反対だ。弁護士になれたとしても女性というだけでさげずまれ、まともな顧客を得られないかもしれない。
ステラ、女性として尊敬される職業の教師にもどれ。それがステラが一番やりたいことではなくてもだ。子供達を育てること、立派に教育することは人を助けることと同じだ。だからわざわざつらい道を選ぶな」
ジュニアがこれまでになく強い視線でステラをみつめた。
ジュニアがステラのことを大切に思ってくれているからこその言葉だと痛いほど分かる。
「ジュニア、ありがとうございます。私のことを心配してくれて」
ステラはジュニアの気持ちがうれしかった。
「ジュニアはもし明日死ぬとしたら何が心残りですか?」
ジュニアは目を大きく見開いたまま何もいわないのでステラは話をつづけた。
「私はノルン行きが駄目になった時にもし明日死ぬとしたらと考えて、ノルンに行きたかったと一番に思ったんです。いま同じ問いを自分にしたら弁護士になりたかったなんです。
やらずに後悔したくない。あの時からそう思うようになりました。それまでは自分に出来ないことがあると仕方ないとしか思ってませんでした。
庶民には裕福な人達とちがい選択肢がない生き方が当たり前だと思ってました。
望んでも叶わないことを考えて失望するのが嫌で、自分にも選択肢があることを見ないようにしてました。
でもあの時、望んで叶わないとしてもただあきらめたくない。そのように強く思ったんです。
教師はやりがいがある仕事です。もし自分に選択肢があると考えなかったら、教師見習いとしていまも働いているはずです。
でも私にも選択肢がある。自分が歩む道を選ぶことができると知りました。
だから何もせずにあきらめてしまえば一生ものすごく後悔すると思うんです。だから――。
自分のわがままでしかないのは分かっています。それでもあきらめたくない。そう思ってしまうんです」
しばらく何もいわず沈黙していたジュニアが「馬鹿だなあ……」とつぶやいた。
ジュニアはそろそろ戻るかとステラをうながしカフェをでた。
「ステラ、そこまでいうなら俺はもう何もいわない。だが年長者としてひとつだけいっておく」
ジュニアが大きく息をすったあとステラと視線をあわせた。
「これから痛い目たくさんみるぞ。普通に生きていたらすることのない苦労をする。ついでに結婚できないかもしれないぞ」
ステラは最後の言葉に笑ってしまった。
「私みたいなかわいげのない女と結婚したいという男性がいるとは思ってませんよ。結婚できないことはすでに覚悟してます。
結婚をさけるために修道女になろうと考えたこともあるので結婚できなくても問題ありません」
「神をなめすぎだ。結婚したくないから修道女になろうなんて、神に対する冒涜もいいところだ。いますぐ懺悔してこい」
ジュニアが笑う。
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