エイジヒル妖精譚 〜幽街画廊の由々しき平穏〜

猫

エピローグ

　外のネコ騒ぎが収まり、幽街画廊に居るフルエの緊張も解けてきた。

「ダルさん、また、あのバー行こうよ。
　うさぎちゃんが待ってるからさぁ。」

「……行かんよ。
　…今日みたいな日は、ネコで興奮した低俗な客が馬鹿騒ぎをする。」

「ほぅ、消し屋さん、あなたとは気が合いそうだ。」

「…合わんさ。」

「残念です。」


「所長ーー！」

「おや、No.8703、お仕事は、完了しましたか？」


「いえ、仕事なんてしていません。
　私用で所長の名を使い、散々組合員をこき使いました。」

「ほぅ、あなたが何の為に私の名前を使ったかは知りませんが、そのことによって私も何か働いていると思われたかもしれませんねぇ。
　それは好都合です。
　それに、正直で素晴らしいですよ。」

「甘々だなおい！」

「エイさん、どうせあなたも語っていたのでしょう？　私の名前を。」

「わ、悪かったな、ごめん。」

「借りですよ。」

「分かったよ。」

「ところでNo.8703、あなた、隠し事していますよね？」

「わ、ワタシは、その　　あの　亀を飼ってます。
　フルエさんが所有予定の池です。」

「さ、サナサナさん。　怒らないであげてね。」

「フルエさん。
　あなたに迷惑をかける以上は、No.8703には、あなたのお店の手伝いをさせますので、面倒は見てもらいますよ。」

「ま、任せてよ！」

「姐さん！　お願いします。」

「任せなさい！」




「あの～、私の木漏れ日フォン返していただきにですね。」

　はなまる8703に木漏れ日フォンを奪われた、緑制服の組合員が訪ねてきた。

「おぅ君か、悪いがはなまるの木漏れ日フォンで、僕たち全員の集合写真を撮ってくれないかな？」

「構いませんが・・・」

   ダルや、サナサナがごちゃごちゃ言っているが気にしない。

「良いだろ？　はなまる。」

「仕方が無いですねぇ。」

　はなまる8703 は、自分の木漏れ日フォンを緑制服の組合員に投げて渡した。
　

～完～



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