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第二章 オバさん冒険する編
29話 報告と報酬と
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あの後もモンスターに数度出くわすが、アンジェリカ達の敵ではないのでそこまで問題は無く帰還した。
しかし、外はすっかり暗くなっていた。
「あー、こいつはキャンプッスねぇ。まあ予定よりかなり早く終わったしいいとするっすね」
ゼノとリノが手早く準備を開始した。
慣れたもので手際よく準備を進めていく、そして意外な事にアンジェリカも食事の準備を手際よく進めている。
「オバさんも食事の準備をするわよー」
パパっと今ある食材を確認すると、いくつかの食材を取り出し調理していく。
「イワシのパイを作るには窯が無いわねぇ」
「それはイランと言っておろうが」
「残念ねぇ、仕方ないわねぇ。この材料だとスープになるわねぇ」
簡易キッチンセットで火をおこし鍋をかけ切った具材を入れていく、アンジェリカは調理の手際は良いのであった。
「良い匂いがしますね」
準備に区切りがついたリノがアジャルタの方にやってきた。
「オバさん一人暮らしだから家事は得意なのよー」
「そうなんですか?」
「ええ、そうなのよ。息子は兵士になると言って王都に行っちゃったし。旦那はもう死んでるのよ」
衝撃の事実! アンジェリカに息子がいた!
ゼノ達も準備を終え集まってくる、少ししてアンジェリカが鍋を持ってやってきた。
「さぁ、干し肉と乾燥させた海藻のスープよー」
こうして、食事をとりつつ一日が終わるのであった。
――
――――
朝になると、火を消し街に向かって再出発するのであった。
帰りの道中は問題なく進んでいく、そして昼を過ぎたころ街へと付いた。
「やっと戻ってきたわねぇ、もう何日も離れてた気分よー」
「大げさっすねぇ、まだ二日っすよ。普通ならもう少しかかるところっすよ」
「オバさん最近まで普通のオバさんだったのよ」
「ま、それもそっすね。最近まで普通のオバさんだった人が、行き成りリッチ倒せるから怖いッスけどね」
街中に入ると報告の為にギルドへと向かった。
相変わらずの賑わいを見せるギルドであった、アンジェリカ達は報告の為にカウンターへと向かう。
ルーシアがわたわたとしながらも仕事をこなしていた、となりでは最初にアンジェリカの相手をしてくれたオッサンの職員も黙々と業務をこなしている。
「んじゃま、受付するっす」
そういってマーシャは受付へと並ぶと、アンジェリカも後についていく。
中年男性の職員の手が空いたのでそちらへと向かった。
「依頼達成の手続きお願いするっすよ」
マーシャはそう言うと依頼証と幾つかの袋を手渡した。
「拝見します」
すると職員は渡されたものをテキパキと確認していった。
「なんと、ふむふむ。これは少し特殊な案件ですな、ギルドマスターに確認を取ってきます。少々お待ちください」
職員は荷物をもって奥へと消えていった。
「さーて、報酬が楽しみねぇ」
「まあ、ダンジョンは微妙だったすけど、そこまで悪くはない報酬はあるはずっすよ」
一〇分ほど待ったところで職員が戻ってきた。
椅子に座ると、マーシャ達を呼ぶ。
「お? 確認が終わったようっすね」
今度は全員で職員の元へと向かった。
職員が一枚の紙を手渡す。
「申し訳ありません、こちらは本部からの直の依頼となります、そのためすぐに依頼達成の報酬をお渡しできないのです」
「あら? そうなの」
「はい、ですので此方の紙、依頼達成証もって後日……そうですね三日後こちらにお越しください」
男性職員から依頼達成証を受け取ると、皆でギルドの外に出た。
「まあ、わかってはいたけど、ギルドの直の依頼は毎回報酬支払までに時間がかかるよな」
「そうだね、手続きが面倒なんだって聞いたことがあるね」
ゼノリノ兄妹からするに毎回待たされるようだった。
「こればっかは仕方ないっすねー」
アタマの後ろで両手を組んだマーシャが苦笑いしながら、二人の言葉に相槌を打った。
アンジェリカは疑問に思ったことを三人に尋ねる。
「待たされるって、大体何日くらいなのかしら?」
アンジェリカがそう尋ねる。
「そうだなぁ、一番長い時で一週間だったから三日なら平均的じゃないですかね」
ゼノが、何度か受けた事のあるギルド依頼を思いだすようにして答えた。
「そうなのねぇ、それじゃあ仕方ないわねぇ」
「まあ、アジャルタさんの目標額に近い報酬はあるお思うっすよ」
「楽しみねぇ」
そう言いながら、ギルドを後にする一行。
ギルドを出て少しするとアンジェリカが三人に尋ねた。
「そう言えば、マーシャちゃん達はこれからどうするのかしら?」
アンジェリカの問いに三人は少し考える。
一分ほどしてからマーシャが口を開いた。
「そっすねぇ、とりあえず二日ほどはこの街を見て回るっすね、その後はこの街の近場にある海底ダンジョンに籠るのは有りかなあって話はしてたっすね」
「ああ、ここのダンジョンは未開エリアもまだあるみたいだしな」
マーシャとゼノがそう言ったのに頷くリノであった、するとアンジェリカが再び三人に尋ねた。
「あなた達は今宿にいるのよね?」
「そうですけど」
「どれくらいこの街にいるのかしら?」
アンジェリカのこの質問に対して、リノがマーシャの方を向く。
「……そっすね、海底ダンジョンをメインにしばらく活動となると、少なくとも半年から一年近くいることになるっすね」
「そうですね、私たちはこれといって決まった所で活動してませんので、別にこの街で一年ほどいても構わないですしね」
マーシャとリノの言葉を聞いたアンジェリカは少し考えると、三人に提案をする。
「だったら、ここにいる間はオバさんの家に来ない?」
「ふむ、あの家は無駄に部屋が余っているからな」
リヴァイアサンがアンジェリカに続けてそういった。
「そうなのよオバさんのお家、もう息子も旦那もいないし下宿の人たちもいなくなっちゃったから、オバさんとリヴァイアさんだけで住むには広いのよ」
アンジェリカの家は元々は漁師たちの下宿もやっていたので、そこそこ広いのであった。そして一角にある作業場を店にしようと考えていたのであった。
「んえ? いいんすか? ゼノとかいびきうるさいっすよ?」
「いびきなんてしてねぇよ! てかいつも宿は別室だろうが!」
「兄さん、歯ぎしりも凄いよね」
「嘘だ!」
実ににぎやかである、そんな三人を微笑みつつ見ているアンジェリカであった。
そしてギルドの通りを抜け大通りに差し掛かったころ、マーシャがアンジェリカに話しかける
「アジャルタさん、先ほどの話は一度姉さんとも話し合ってから返事するっす」
「ええ、それがいいわ」
「はい、結果は三日後の報酬を受け取る日って事でいっすかね?」
「構わないわよ」
大通りに出るとマーシャ達とアンジェリカは分かれて帰路に就いた。
――
――――
「はぁ、数日空けただけなのに、随分久しぶりに感じるわねぇ」
「本格的なダンジョン攻略は初だったからな
アンジェリカは荷物を置き、お茶を淹れる。そして自分の分とリヴァイアサンの分のお茶を持ってくるとリヴァイアサンの前にカップを置き、自分も椅子に座る。
「とりあえずはお店の資金の問題はどうにかなったわねぇ」
「そうだな」
「三日後が楽しみねぇ」
こうして、アンジェリカ最初の本格ダンジョン攻略は終わるのであった。
しかし、外はすっかり暗くなっていた。
「あー、こいつはキャンプッスねぇ。まあ予定よりかなり早く終わったしいいとするっすね」
ゼノとリノが手早く準備を開始した。
慣れたもので手際よく準備を進めていく、そして意外な事にアンジェリカも食事の準備を手際よく進めている。
「オバさんも食事の準備をするわよー」
パパっと今ある食材を確認すると、いくつかの食材を取り出し調理していく。
「イワシのパイを作るには窯が無いわねぇ」
「それはイランと言っておろうが」
「残念ねぇ、仕方ないわねぇ。この材料だとスープになるわねぇ」
簡易キッチンセットで火をおこし鍋をかけ切った具材を入れていく、アンジェリカは調理の手際は良いのであった。
「良い匂いがしますね」
準備に区切りがついたリノがアジャルタの方にやってきた。
「オバさん一人暮らしだから家事は得意なのよー」
「そうなんですか?」
「ええ、そうなのよ。息子は兵士になると言って王都に行っちゃったし。旦那はもう死んでるのよ」
衝撃の事実! アンジェリカに息子がいた!
ゼノ達も準備を終え集まってくる、少ししてアンジェリカが鍋を持ってやってきた。
「さぁ、干し肉と乾燥させた海藻のスープよー」
こうして、食事をとりつつ一日が終わるのであった。
――
――――
朝になると、火を消し街に向かって再出発するのであった。
帰りの道中は問題なく進んでいく、そして昼を過ぎたころ街へと付いた。
「やっと戻ってきたわねぇ、もう何日も離れてた気分よー」
「大げさっすねぇ、まだ二日っすよ。普通ならもう少しかかるところっすよ」
「オバさん最近まで普通のオバさんだったのよ」
「ま、それもそっすね。最近まで普通のオバさんだった人が、行き成りリッチ倒せるから怖いッスけどね」
街中に入ると報告の為にギルドへと向かった。
相変わらずの賑わいを見せるギルドであった、アンジェリカ達は報告の為にカウンターへと向かう。
ルーシアがわたわたとしながらも仕事をこなしていた、となりでは最初にアンジェリカの相手をしてくれたオッサンの職員も黙々と業務をこなしている。
「んじゃま、受付するっす」
そういってマーシャは受付へと並ぶと、アンジェリカも後についていく。
中年男性の職員の手が空いたのでそちらへと向かった。
「依頼達成の手続きお願いするっすよ」
マーシャはそう言うと依頼証と幾つかの袋を手渡した。
「拝見します」
すると職員は渡されたものをテキパキと確認していった。
「なんと、ふむふむ。これは少し特殊な案件ですな、ギルドマスターに確認を取ってきます。少々お待ちください」
職員は荷物をもって奥へと消えていった。
「さーて、報酬が楽しみねぇ」
「まあ、ダンジョンは微妙だったすけど、そこまで悪くはない報酬はあるはずっすよ」
一〇分ほど待ったところで職員が戻ってきた。
椅子に座ると、マーシャ達を呼ぶ。
「お? 確認が終わったようっすね」
今度は全員で職員の元へと向かった。
職員が一枚の紙を手渡す。
「申し訳ありません、こちらは本部からの直の依頼となります、そのためすぐに依頼達成の報酬をお渡しできないのです」
「あら? そうなの」
「はい、ですので此方の紙、依頼達成証もって後日……そうですね三日後こちらにお越しください」
男性職員から依頼達成証を受け取ると、皆でギルドの外に出た。
「まあ、わかってはいたけど、ギルドの直の依頼は毎回報酬支払までに時間がかかるよな」
「そうだね、手続きが面倒なんだって聞いたことがあるね」
ゼノリノ兄妹からするに毎回待たされるようだった。
「こればっかは仕方ないっすねー」
アタマの後ろで両手を組んだマーシャが苦笑いしながら、二人の言葉に相槌を打った。
アンジェリカは疑問に思ったことを三人に尋ねる。
「待たされるって、大体何日くらいなのかしら?」
アンジェリカがそう尋ねる。
「そうだなぁ、一番長い時で一週間だったから三日なら平均的じゃないですかね」
ゼノが、何度か受けた事のあるギルド依頼を思いだすようにして答えた。
「そうなのねぇ、それじゃあ仕方ないわねぇ」
「まあ、アジャルタさんの目標額に近い報酬はあるお思うっすよ」
「楽しみねぇ」
そう言いながら、ギルドを後にする一行。
ギルドを出て少しするとアンジェリカが三人に尋ねた。
「そう言えば、マーシャちゃん達はこれからどうするのかしら?」
アンジェリカの問いに三人は少し考える。
一分ほどしてからマーシャが口を開いた。
「そっすねぇ、とりあえず二日ほどはこの街を見て回るっすね、その後はこの街の近場にある海底ダンジョンに籠るのは有りかなあって話はしてたっすね」
「ああ、ここのダンジョンは未開エリアもまだあるみたいだしな」
マーシャとゼノがそう言ったのに頷くリノであった、するとアンジェリカが再び三人に尋ねた。
「あなた達は今宿にいるのよね?」
「そうですけど」
「どれくらいこの街にいるのかしら?」
アンジェリカのこの質問に対して、リノがマーシャの方を向く。
「……そっすね、海底ダンジョンをメインにしばらく活動となると、少なくとも半年から一年近くいることになるっすね」
「そうですね、私たちはこれといって決まった所で活動してませんので、別にこの街で一年ほどいても構わないですしね」
マーシャとリノの言葉を聞いたアンジェリカは少し考えると、三人に提案をする。
「だったら、ここにいる間はオバさんの家に来ない?」
「ふむ、あの家は無駄に部屋が余っているからな」
リヴァイアサンがアンジェリカに続けてそういった。
「そうなのよオバさんのお家、もう息子も旦那もいないし下宿の人たちもいなくなっちゃったから、オバさんとリヴァイアさんだけで住むには広いのよ」
アンジェリカの家は元々は漁師たちの下宿もやっていたので、そこそこ広いのであった。そして一角にある作業場を店にしようと考えていたのであった。
「んえ? いいんすか? ゼノとかいびきうるさいっすよ?」
「いびきなんてしてねぇよ! てかいつも宿は別室だろうが!」
「兄さん、歯ぎしりも凄いよね」
「嘘だ!」
実ににぎやかである、そんな三人を微笑みつつ見ているアンジェリカであった。
そしてギルドの通りを抜け大通りに差し掛かったころ、マーシャがアンジェリカに話しかける
「アジャルタさん、先ほどの話は一度姉さんとも話し合ってから返事するっす」
「ええ、それがいいわ」
「はい、結果は三日後の報酬を受け取る日って事でいっすかね?」
「構わないわよ」
大通りに出るとマーシャ達とアンジェリカは分かれて帰路に就いた。
――
――――
「はぁ、数日空けただけなのに、随分久しぶりに感じるわねぇ」
「本格的なダンジョン攻略は初だったからな
アンジェリカは荷物を置き、お茶を淹れる。そして自分の分とリヴァイアサンの分のお茶を持ってくるとリヴァイアサンの前にカップを置き、自分も椅子に座る。
「とりあえずはお店の資金の問題はどうにかなったわねぇ」
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