19 / 61
第二章 オバさん冒険する編
18話 店でもはじめんべ?
しおりを挟む
魔女学校を卒業して一週間がたった。
(あらー、困ったわねぇ。魔女の雑貨屋さんを営業しようとしたけど、お金が足りないわ)
「うーん、あと十万リシェ足りないわー」
アンジェリカが家計簿とにらめっこしながら呟いた。
十万リシェとか言われても価値が分からないだろう。一リシェは十円だと思ってほしい。
そしてこの世界の一般的な家庭の一か月の収入は平均で九〇〇〇から一〇〇〇〇リシェである。そしてコッペパンの平均相場が五リシェである。
それを踏まえて十万リシェとなると、かなり高額である。
頭を抱える主を見つけリヴァイアさんがやってきた。
「主よ頭を抱えて何をしているのだ? パリパリ」
「あら? リヴァイアさん」
リヴァイアサンは手に持った海苔を食べていた。
だから、コイツどこに口があるんだよ!
「オバさんね魔女学校出たから、魔女の雑貨屋を開きたいのよ」
「ふむ」
「それで家の一部を改築したかったのだけれど、これが結構お金がかかるみたい、要するにお金が足りないのよね」
アンジェリカの話を聞くと顎に手を当て考えるリヴァイアサン……コイツの顎ってどこ?
「ふむ、大金を稼げる仕事を探せばよいのではないか?」
しごく普通でもっともな答えが返ってきた。ほんとコイツ見た目に反して意見は普通なんだよな。
「そうなのだけど、オバさんを雇ってくれる高額のお仕事なんて無いわよー。オバさん頭もあまり良くないもの、貴族の家のお仕事とか無理よー」
アンジェリカの収入は近所の漁業組合のお手伝いをして、時給七〇リシェ貰っているのであった、パートだね。
リヴァイアサンは首を振ると、こういった。
「いや、そうではない。この街にもあったであろう。マーシャが生業にしていたアレが」
「マーシャちゃん? マーシャちゃんって魔女になる前は……踊り子だったかしら? いや、でもそれこそオバさんには無理よー」
「え?」
マーシャが魔女学園に来る前の仕事は踊り子ではない、アンジェリカはそういった細かい事は覚えない主義なのだ。
「違うであろうが、冒険者だ。我も詳しい仕組みは知らぬが。ちまちまパートしてるよりは稼げぬか?」
リヴァイアサンが冒険者の事を話すと、アンジェリカも手をポンと叩いたオバさんらしい反応である。
「そういえばメルリカさんが、特典で魔女だとランクの上の依頼がどうとか言ってたわね」
「いっておったな」
少し悩むアンジェリカ……約二秒ほど悩む。
「そうねえ、明日にでも冒険者ギルドに行ってみようかしら?」
「そうするとよい」
――
――――
翌日、アンジェリカはリヴァイアサンと共に、冒険者ギルドへと向かったのであった。
冒険者ギルドは町の近くに大きなダンジョンや、遺跡などがある場所にあることが多い。
アンジェリカはギルドの建物を見ると呟いた。
「この街に数十年住んでるけど、冒険者ギルドっていった事が無いわねぇ」
ま、何十年住んでようが、必要ないと行かない場所なんていくらでもあるよな。
アンジェリカの見ていたギルドの建物は、石造りの割と大きな建物である、なんか市役所っぽいが気にしてはダメであろう
「そうであろうな、冒険者でなければ来る必要性はほとんどないからな」
「とりあえず入ってみましょう」
アンジェリカは躊躇うことなく戸を開け入っていった。
建物の中は人がそれなりにおり活気づいていた。
「にぎわっているな」
「そうね」
アンジェリカ達は建物の中をぐるっと見回す、すると周りがざわついた。
どうやらアンジェリカとリヴァイアサンを遠巻きに見ているようだ、おばさんが来るようなところではないためだろうか? 物珍しそうに見ている人が多い。
「あら? やはりオバさんが来るのは珍しいのかしら?」
「かもしれんな」
いや、よく見てみよう。どうやらアンジェリカでなくリヴァイアサンの方を見ているようだ。
それはそうだ、オバさんよりはどうみても魚の尻尾の方が珍しい。
「あぁ、私じゃなくて、リヴァイアさんを見てるのね」
「む? 我か……まあ、この姿には威厳も何もないからなあ」
威厳とか関係ないから、上下魚の尻尾が歩いてたら誰でも見るだろ。
アンジェリカは珍しそうに周りを見る、カウンターには職員らしき人物が三名ほどと鎧やローブなどで装備を整えた数名の冒険者達がいた。
「あそこで聞いてみるのがいいわね」
「そうするといい」
アンジェリカはカウンターに向かうと、丁度空いた職員に尋ねる。
「ちょっといいかしら」
「はい、なんでしょう?」
アンジェリカが話しかけたのは中年の男性職員である。体格の良いちょび髭のオヤジだった。
「オバさんね、お金が必要になったからここにきたのよ」
「は、はあ? でしたら銀行にいかれては?」
オバちゃんの説明は要領を得ないことが多い、いきなりカウンターに来て金が要るとか言われても困る。
「違うのよ、お店を作るにお金が足りないからね。オバさん働こうと思ったのよ。冒険者になればここでお仕事貰えるのよね?」
最初から冒険者になりに来たと言えばいいのに……
「なるほど、冒険者ライセンスの発行ですね?」
「ええ、ええ。それよ多分」
「では、少々お待ちください」
男性職員は席を立ち奥へと向かった。
「オバさんもこの歳で冒険者デビューよ」
「主よそんなこと威張られても困るぞ」
したり顔で語るアンジェリカ、呆れた顔で(?)返すリヴァイアサン。
そうこうしてると職員が戻ってきた。
「こちらに記入を、これが登録書になりますので」
「え? 冒険者って書類に記入するだけなの?」
この世界の冒険者はぶっちゃけ、文字さえかければバカでもなれるのであった。しかし稼げるかは別問題である。
「さて、いくつか注意事項があります」
「はいはい、なにかしら?」
「まず、登録についてですが登録料が必要となります、登録料は一〇〇〇リシェとなっております。すぐにお支払いいただいてもよろしいですし、最初の依頼料からの天引きでも構いません。あとは依頼仲介料として、報酬から五パーセントの手数料を頂くことになっております」
説明が長いので省略。
簡単に説明すると
『冒険者は全部で九つのランクに解れている事。銅等級から始まり一番上が金等級、そして銅でも松竹梅と別れており、松が一番上となる。銅の梅が一番低く金の松が一番上となる』
『一定期間、まったくの依頼達成が無い場合は冒険者資格が失効する。しばらく依頼が受けられない場合は申請する事』
『法律違反者は資格剥奪のうえ永久的に冒険者には戻れない』『依頼が達成できない場合はすみやかに申請すること、その場合は違約金の支払いが発生する。この処置は無茶な依頼を受けないようにするための処置である』なんかまだあるけど割合!
「以上となります」
「うんうん、三分の一は覚えたわよ」
「まあ、またその時に聞いてください」
そしてなんやかんやで手続きは進んでいった。
「はい、これで終了となります。こちらがアジャルタ様の冒険者証明書です、無くさないようお願いします」
冒険者証、正直見た感じは運転免許証のようなものであるため、氏名と顔写真まであるのだった。簡易マジックアイテムであるため不正利用は一応できないようになっている。裏の面の特徴の場所に『魔女』と書かれていた。
「うんうん、オバさんこの歳になって、まさか冒険者になるなんてねぇ」
証明書を見ながらうんうんと頷いていた。
リヴァイアサンがアンジェリカに話しかけた。
「何か浸ってるところ悪いが、依頼を探さなくて良いのか?」
「おっと、そうね。あの掲示板から探すのね」
アンジェリカは掲示板へと向かうのであった。
さあ、これでオバさん冒険者アンジェリカ・アジャルタが誕生したのであった……
(あらー、困ったわねぇ。魔女の雑貨屋さんを営業しようとしたけど、お金が足りないわ)
「うーん、あと十万リシェ足りないわー」
アンジェリカが家計簿とにらめっこしながら呟いた。
十万リシェとか言われても価値が分からないだろう。一リシェは十円だと思ってほしい。
そしてこの世界の一般的な家庭の一か月の収入は平均で九〇〇〇から一〇〇〇〇リシェである。そしてコッペパンの平均相場が五リシェである。
それを踏まえて十万リシェとなると、かなり高額である。
頭を抱える主を見つけリヴァイアさんがやってきた。
「主よ頭を抱えて何をしているのだ? パリパリ」
「あら? リヴァイアさん」
リヴァイアサンは手に持った海苔を食べていた。
だから、コイツどこに口があるんだよ!
「オバさんね魔女学校出たから、魔女の雑貨屋を開きたいのよ」
「ふむ」
「それで家の一部を改築したかったのだけれど、これが結構お金がかかるみたい、要するにお金が足りないのよね」
アンジェリカの話を聞くと顎に手を当て考えるリヴァイアサン……コイツの顎ってどこ?
「ふむ、大金を稼げる仕事を探せばよいのではないか?」
しごく普通でもっともな答えが返ってきた。ほんとコイツ見た目に反して意見は普通なんだよな。
「そうなのだけど、オバさんを雇ってくれる高額のお仕事なんて無いわよー。オバさん頭もあまり良くないもの、貴族の家のお仕事とか無理よー」
アンジェリカの収入は近所の漁業組合のお手伝いをして、時給七〇リシェ貰っているのであった、パートだね。
リヴァイアサンは首を振ると、こういった。
「いや、そうではない。この街にもあったであろう。マーシャが生業にしていたアレが」
「マーシャちゃん? マーシャちゃんって魔女になる前は……踊り子だったかしら? いや、でもそれこそオバさんには無理よー」
「え?」
マーシャが魔女学園に来る前の仕事は踊り子ではない、アンジェリカはそういった細かい事は覚えない主義なのだ。
「違うであろうが、冒険者だ。我も詳しい仕組みは知らぬが。ちまちまパートしてるよりは稼げぬか?」
リヴァイアサンが冒険者の事を話すと、アンジェリカも手をポンと叩いたオバさんらしい反応である。
「そういえばメルリカさんが、特典で魔女だとランクの上の依頼がどうとか言ってたわね」
「いっておったな」
少し悩むアンジェリカ……約二秒ほど悩む。
「そうねえ、明日にでも冒険者ギルドに行ってみようかしら?」
「そうするとよい」
――
――――
翌日、アンジェリカはリヴァイアサンと共に、冒険者ギルドへと向かったのであった。
冒険者ギルドは町の近くに大きなダンジョンや、遺跡などがある場所にあることが多い。
アンジェリカはギルドの建物を見ると呟いた。
「この街に数十年住んでるけど、冒険者ギルドっていった事が無いわねぇ」
ま、何十年住んでようが、必要ないと行かない場所なんていくらでもあるよな。
アンジェリカの見ていたギルドの建物は、石造りの割と大きな建物である、なんか市役所っぽいが気にしてはダメであろう
「そうであろうな、冒険者でなければ来る必要性はほとんどないからな」
「とりあえず入ってみましょう」
アンジェリカは躊躇うことなく戸を開け入っていった。
建物の中は人がそれなりにおり活気づいていた。
「にぎわっているな」
「そうね」
アンジェリカ達は建物の中をぐるっと見回す、すると周りがざわついた。
どうやらアンジェリカとリヴァイアサンを遠巻きに見ているようだ、おばさんが来るようなところではないためだろうか? 物珍しそうに見ている人が多い。
「あら? やはりオバさんが来るのは珍しいのかしら?」
「かもしれんな」
いや、よく見てみよう。どうやらアンジェリカでなくリヴァイアサンの方を見ているようだ。
それはそうだ、オバさんよりはどうみても魚の尻尾の方が珍しい。
「あぁ、私じゃなくて、リヴァイアさんを見てるのね」
「む? 我か……まあ、この姿には威厳も何もないからなあ」
威厳とか関係ないから、上下魚の尻尾が歩いてたら誰でも見るだろ。
アンジェリカは珍しそうに周りを見る、カウンターには職員らしき人物が三名ほどと鎧やローブなどで装備を整えた数名の冒険者達がいた。
「あそこで聞いてみるのがいいわね」
「そうするといい」
アンジェリカはカウンターに向かうと、丁度空いた職員に尋ねる。
「ちょっといいかしら」
「はい、なんでしょう?」
アンジェリカが話しかけたのは中年の男性職員である。体格の良いちょび髭のオヤジだった。
「オバさんね、お金が必要になったからここにきたのよ」
「は、はあ? でしたら銀行にいかれては?」
オバちゃんの説明は要領を得ないことが多い、いきなりカウンターに来て金が要るとか言われても困る。
「違うのよ、お店を作るにお金が足りないからね。オバさん働こうと思ったのよ。冒険者になればここでお仕事貰えるのよね?」
最初から冒険者になりに来たと言えばいいのに……
「なるほど、冒険者ライセンスの発行ですね?」
「ええ、ええ。それよ多分」
「では、少々お待ちください」
男性職員は席を立ち奥へと向かった。
「オバさんもこの歳で冒険者デビューよ」
「主よそんなこと威張られても困るぞ」
したり顔で語るアンジェリカ、呆れた顔で(?)返すリヴァイアサン。
そうこうしてると職員が戻ってきた。
「こちらに記入を、これが登録書になりますので」
「え? 冒険者って書類に記入するだけなの?」
この世界の冒険者はぶっちゃけ、文字さえかければバカでもなれるのであった。しかし稼げるかは別問題である。
「さて、いくつか注意事項があります」
「はいはい、なにかしら?」
「まず、登録についてですが登録料が必要となります、登録料は一〇〇〇リシェとなっております。すぐにお支払いいただいてもよろしいですし、最初の依頼料からの天引きでも構いません。あとは依頼仲介料として、報酬から五パーセントの手数料を頂くことになっております」
説明が長いので省略。
簡単に説明すると
『冒険者は全部で九つのランクに解れている事。銅等級から始まり一番上が金等級、そして銅でも松竹梅と別れており、松が一番上となる。銅の梅が一番低く金の松が一番上となる』
『一定期間、まったくの依頼達成が無い場合は冒険者資格が失効する。しばらく依頼が受けられない場合は申請する事』
『法律違反者は資格剥奪のうえ永久的に冒険者には戻れない』『依頼が達成できない場合はすみやかに申請すること、その場合は違約金の支払いが発生する。この処置は無茶な依頼を受けないようにするための処置である』なんかまだあるけど割合!
「以上となります」
「うんうん、三分の一は覚えたわよ」
「まあ、またその時に聞いてください」
そしてなんやかんやで手続きは進んでいった。
「はい、これで終了となります。こちらがアジャルタ様の冒険者証明書です、無くさないようお願いします」
冒険者証、正直見た感じは運転免許証のようなものであるため、氏名と顔写真まであるのだった。簡易マジックアイテムであるため不正利用は一応できないようになっている。裏の面の特徴の場所に『魔女』と書かれていた。
「うんうん、オバさんこの歳になって、まさか冒険者になるなんてねぇ」
証明書を見ながらうんうんと頷いていた。
リヴァイアサンがアンジェリカに話しかけた。
「何か浸ってるところ悪いが、依頼を探さなくて良いのか?」
「おっと、そうね。あの掲示板から探すのね」
アンジェリカは掲示板へと向かうのであった。
さあ、これでオバさん冒険者アンジェリカ・アジャルタが誕生したのであった……
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
前略、旦那様……幼馴染と幸せにお過ごし下さい【完結】
迷い人
恋愛
私、シア・エムリスは英知の塔で知識を蓄えた、賢者。
ある日、賢者の天敵に襲われたところを、人獣族のランディに救われ一目惚れ。
自らの有能さを盾に婚姻をしたのだけど……夫であるはずのランディは、私よりも幼馴染が大切らしい。
「だから、王様!! この婚姻無効にしてください!!」
「My天使の願いなら仕方ないなぁ~(*´ω`*)」
※表現には実際と違う場合があります。
そうして、私は婚姻が完全に成立する前に、離婚を成立させたのだったのだけど……。
私を可愛がる国王夫婦は、私を妻に迎えた者に国を譲ると言い出すのだった。
※AIイラスト、キャラ紹介、裏設定を『作品のオマケ』で掲載しています。
※私の我儘で、イチャイチャどまりのR18→R15への変更になりました。 ごめんなさい。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる