59 / 114
第四章 再建準備編
第五十八話 いいか? まずは家だそして技術屋だ
しおりを挟む無事に魔王領についたワタクシ達は早速、優先順位の高い建物を相談で決めその作成及び技術を習得する者を集い作業にかかります。
やはり優先は住宅関連となりますわね。
王都を中心に東西南北に拠点となる街を造る事となりました、しかし一気に出来るわけでもなくまずは北と西から取り掛かる事となりました。各都市には住居スペースはもちろん作るのですが、北は住宅メインでコルリスの街へ通じるため宿場町も必要と判断ですわ。
西は中央都市に近い位置に青豆畑南側に味噌醤油の倉を造ります、そして西の海沿いに港を造る事になります。
予定では南には娯楽関連、東には鉱山になる山があるので工業地区とする予定ですわよ。
そして、また嬉しいお知らせですわ住人が増えましたのよ。
エルフにドワーフと言った亜人に獣人がメインでやってきましたわ。
うさ耳の女性獣人に犬耳猫耳。あらあらまあまあ、より取り見取りだなコノヤロウですわ。
そしてこの世界では獣人にも二パターンあるそうですわね、人に動物の特徴を持つパーツが付いているタイプの獣人と、犬や猫が二足歩行してるような見た目の獣人の二種類ですわね。
バウスさんは前者ですわね。
そしてドワーフ! 製造においてこれほど凶悪な存在はおりませんわね、まさにファンタジー界の匠! コルリス武器屋の親父もガラス工房の親父もドワーフでしたわね。
技術屋を雇う事も考えた方がよろしいですわね。
軌道に乗ってきましたわねー。
住人が増えるのなら、国営の木造三階建てのアパート造りますわよー!
色々と話し合った結果、大工の皆様と建築技術者の希望者を中心に各地に移動して作業開始して頂きましたわ。
大工の皆様も得意分野が色々あるようで、道の整備が得意な方もおられたのでインフラ整備の方もお願いしておきますわ、とりあえずは王都から都市に繋がる大通りから作っていきますわよ。
ワタクシは次の計画に着手すべく行動を開始しますわ
「次は技術者ですわね。道具もなるべくなら自国で生産したいですわよね」
「コルリスの武器屋とこないだのガラス屋かしらぁ?」
ワタクシの呟きにベティさんが反応しました。
「そうですわね、今のところはその辺りにしかツテはありませんわね」
ワタクシがそう言った後にベティさんが面白そうな提案をしてきましたわ。
「そうそう、マナカちゃんは魔法の道具に興味はあるかしら?」
「魔法の道具ですの?」
「ええ、そういった道具の研究をしてる子にならアテがあるわよぉ」
この魔王領にあった重さを半分にする道具袋みたいなヤツかしら? どちらにせよ面白いですわね。
「面白そうですわね、詳しく聞いてもよろしいかしら?」
「いいわよー」
――
――――
ベティさんの話はこんな感じでしたわ
元々はとある貴族お抱えの錬金術師だったが、その貴族が失脚したので田舎に引っ越し一人で研究に没頭するようになったそうですわ。
それでその錬金術師はいまコルリスから西に一日ほど向かった場所の小さな村に住んでるそうですわね。
「その時は魔法の道具の作成やエロ大根の研究をしてたわねぇ」
「へー、良く分かりませんが凄そうですわ……は? 最後何ておっしゃいました?」
確か最後にエロ大根って言いませんでした?
ワタクシとベティさんが会話をしていたところ、マウナさんもやってまいしました。
「途中からですがお話を聞かせていただきました、面白そうな話ですね」
「マウナさんも興味があって?」
「ええ、とても」
ならば次はやはり技術者の確保ですわね。
ワタクシはその旨を伝え、技術者確保と盗賊狩りを進める事といたしましたわ。
今回は三つのグループに分かれて行動となりましたわ。
ワタクシとベティさんを中心としたグループはベティさんの知り合いをスカウトに、マウナさん、アルティアさんを中心としたグループはガラス工房に向かいます。
そして米田中尉を中心としたグループが近隣の盗賊退治を実行することになりましたわ。
明日を準備にあてて明後日から皆さん出発することとなりましたわ。
「では、明後日に出発しますわよー」
「「「了解」」」
――
――――
今回は大工の受け入れや今後の課題を詰め解散としましたわ。
そしてナルリアちゃんがワタクシの所にサッカーボールほどの大きさをした、丸い謎の物体を二個持ってきましたわ。
「――マナカ、盗賊たちがこんなの持ってた」
「なんですのこれ? 何か虫の卵っぽいですわね」
このサイズの卵から生まれる虫なんてどんなサイズなんですの?
ワタクシ達がナニコレと言ってる物を見たマウナさんが教えてくれましたわ。
「それはキャピラータの卵ですね、割と珍しい魔物の卵です」
「――キャピラータ!」
「どんな魔物ですの?」
名前からして虫ですわよね、しかも芋虫っぽいですわね。これでゲジだったら泣きますわよ。
「馬ほどのサイズになる芋虫の魔物です、基本的に温厚な性格で小さいころから飼えば人にも懐きますよ」
「――凄い! マナカこれ飼おう」
「そうですわね、面白そうですしいいですわよ」
「意外にも足が速く馬より速く走れる個体もいますし、力もとても強く馬の三倍くらいの力があるので昔は農業にも使われていました」
「ハラショーですわ」
巻き舌で発音するのですわよ。
これを育てれば色々使えそうですわね、そして個体数を増やしていきましょう。
「最近は数が減ってきたので使われることは減りましたからね。それもあってか卵は割と高値で売れるんですよ」
「へー、そうなんですのね」
「――マナカこれどうしよう?」
ワタクシ少し考えてから。
「そうですわね、王都に小屋でも作ってもらいましょう」
「――うはー、元気に育てよ!」
ナルリアちゃんは大喜びしてますわね。
「この個体を人工的に増やすことは可能ですの?」
「どうでしょう? 無理ではないと思いますよ」
「うふふ、なら試す価値はありますわね」
ワタクシは馬以外にも移動や作業にこの魔物が使えないかを考えますわ。
もし、増やすことができるなら国営のバスを引かせたり、色々な荷運びにも使えそうですわよね。
「――名前は何にしよう?」
ナルリアちゃんは名前を考えながらニコニコしておりますわね、尊いですわ!
そしてナルリアちゃんは卵に自分の名前を書いております……そしてもう一つの卵にはワタクシの名前を書いておりますわね。
「マナカさんは何を考えてるんです?」
「この魔物を増やして荷運びなどに使おうと考えておりますのよ」
「キャピラータの養殖ですか、やってみる価値はありますね」
「でしょ?」
マウナさんは納得すると。
「では、他にも卵が無いか探しましょう。あとゴブリン達にこの卵の世話もさせましょう」
「ええ、お願いしますわね」
「小屋が出来るまでは城の中庭で卵を保管しましょう」
マウナさんがそう言うと使い魔を使い何かの指示を出しました。
そしてワタクシとナルリアちゃんに。
「では中庭に向かいましょう」
そう言って中にはの方に向かっていきましたわ。
ワタクシ達も付いていくと中庭にゴブリン達が藁を持ってきておりましたわ。
「では、ここに置いておきましょう」
マウナさんがゴブリン達に何かを話しかけております、どうやら世話の支持のようですわね。
ゴブリン達も頷いておりますわね。
ワタクシとナルリアちゃんは卵をゴブリン達に任せると、明日の準備へと移ることとしましたわ。
――
――――
そして出発の日になりましたわ。
ベティさんとナルリアちゃん、そして今回はサティさんが同行しますわー!
「皆さま、おはようございます」
サティさんがメイド服ではなくマントのついた冒険者っぽい服装でワタクシ達の前に現れますわ。
「サティさんもごきげんよう」
「――ごきげんよう」
「あら? サティさんその格好も似あってるわねぇ」
サティさんは恭しく頭を下げますわ。
さて、それではワタクシ達は準備も整ったので出発するといたしましょう。
こうしてワタクシ達はベティさんの知り合いの錬金術師? に会いに出発しました。
0
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説
神よ願いを叶えてくれ
まったりー
ファンタジー
主人公の世界は戦いの絶えない世界だった、ある時他の世界からの侵略者に襲われ崩壊寸前になってしまった、そんな時世界の神が主人公を世界のはざまに呼び、世界を救いたいかと問われ主人公は肯定する、だが代償に他の世界を100か所救いなさいと言ってきた。
主人公は世界を救うという願いを叶えるために奮闘する。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる