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第三章 昇格試験と国の特産物

第三十六話 vsボーンミノタウロス

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「なんか必殺技っぽいのいきなりぶっ放してきましたわね」
「魔力を気のように扱う技術をモンスターが使うなんてねぇ、達人クラスの剣士のような上位戦闘職はこの技術を扱う者がいるのは知ってるけど、私が知ってる限りでは魔物が使ってるのは初めて見るわねぇ」

 新種のアンデッドモンスターという事ですわね、やはりボス探しは正解でしたわね。

「どうやら、ここのダンジョンマスターのオリジナルのモンスターという事ですね」

 マウナさんも知らなかった骨のミノタウロス、これはどんな攻撃をしてくるか分からないから油断はできませんわね。

「油断は禁物ですわね、しかしあのような遠距離攻撃を持ってるとなると……そうですわね」

 ワタクシはどう攻略しようか考えます。

「アルティアさんはワタクシとベティさんに速度上昇の支援を! マウナさんはワタクシとベティさんがあのボーンミノタウロスに接近するまで魔法で牽制をお願いしますわ」

「――マナカ、ワタシは?」
「ナルリアちゃんはアルティアさんを守ってあげてくださいな」
「わかった」

 ナルリアちゃん張り切ってる所悪いのですがその装備では大仕事はお任せできませんのよね、ですのでアルティアさんの護衛に回ってもらいますわ。

「マ、マナカさん、ベティさん行きます!――アクセラシオン!」

 アルティアさんの速度上昇魔法がワタクシとベティさんにかかりますと身体が淡く光ります。

「さあ、ベティさん行きますわよ!」
「ちょっとちょっと盾役より先に行っちゃだめよー」

 ワタクシの方が足は速いのですが案外ベティさんも速いのですのよね――ただし両手を胸の前で左右に振る乙女走りはおやめなさい!

「その走り方はキモイので勘弁してくださいな!」
「キモイって酷いわね!」

 走って近付くワタクシとベティさん目掛けてボーンミノタウロスは先ほどと同じ地走り攻撃を行なおうと腕を振り上げますが、そこはマウナさんが見逃すことはありません。

「マナカさん! ベティさん! 左右に散ってください!」
「了解よー」
「心得ましたわ!」

 ワタクシとベティさんが左右にサイドステップしますとそこに

「――ライトニング・ジャベリン!!」

 マウナさんが手に出現した稲妻の投げ槍をボーンミノタウロス目掛けて投げますと凄まじい速度でライトニングジャベリンがボーンミノタウロス目掛けて飛んでいきます。

「風の中位魔法ですが威力なら相当なもんですよ!」

 マウナさんはそう言いつつ次の魔法の準備を始めております。
 そして稲妻の槍に気付いたボーンミノタウロスはすぐさま振り上げていた斧を降ろし稲妻の槍を受け止めますが完全には間に合わなかったようですわね。
 轟音と共に煙が立ち上ります。

「グガガガ!」

 流石にダメージを受けたようで所々黒く焦げておりますが致命傷には程遠い様子
 ボーンミノタウロスが次の行動に移る前にワタクシとベティさんがボーンミノタウロスの所に到着!

「足元御免なさいねぇ!!」

 走りながらベティさんがボーンミノタウロスの左足の腿の辺り目掛けてメイスを振り下ろしますわ、そしてワタクシもベティさんの攻撃に合わせ、飛び後ろ回し蹴りを合わせます。
 両サイドからの攻撃に反応が遅れたボーンミノタウロスはワタクシ達の攻撃を食らい横回転しながら変な吹っ飛び方をしております。

「危ないわね!」

 ベティさんが軸をずらして吹っ飛ぶボーンミノタウロスをかわします。

「仕方ないですわね、ベティさんが右足でワタクシが左の側頭部に攻撃をするから変な吹っ飛び方になるのですわね」
「しっかし、これはかなりのダメージじゃないかしらねぇ」
「そうですわね、三人の攻撃ですもの。ですがこれで終わりにはならないでしょうね」

 言ったそばから立ち上がってきましたわね、しかし右足と左側頭部はひびが入っておりますわね。

「割と効いたみたいですわね」
「アレで無傷だったら逃げるしかないわよぉ」
「ですわね」

 敵はアンデッド、痛みを感じていないのか角の部分を突き出し突進してきますわね、しかも結構早くワタクシ達も反応が遅れてしまいましたわ。
 ですがそこは流石ベティさん咄嗟にバックラーで防ぎますが踏みとどまれなかったベティさんがワタクシの方に吹っ飛んできますわ

「ちょっと踏ん張り切れないわねぇ!」
「ちょ、ちょっとベティさ……のわー!」

 ベティさんを受け止め損ねてワタクシはベティさんの下敷きになってしまいました、そしてその姿を見たボーンミノタウロスはワタクシ達に追撃をかけようと突っ込んできます、ワタクシはそれを見るとベティさんにさっさとどくように言います。

「イタタタ、ちょっとベティさん早くどいてくださいまし、敵が敵が……ちょっと!」
「あたたた、わかったわよぉ! ってヤバ!」

 ボーンミノタウロスが斧を振り上げて所で追撃がかかりますわ

「――ファイア・アロー!」

 火の矢が当たるとボーンミノタウロスがよろけたのでワタクシ達は素早く体勢を立て直します。

「お二人とも大丈夫ですか?」
「助かりましたわ」
「マウナちゃんナイスよ助かったわ」

 マウナさんもワタクシ達の方にやってまいります。

「なんてパワーなのよ! あの体勢だったといえ私がこうも簡単に吹っ飛ばされるなんてねぇ」

 そしてワタクシ達は少し間合いを取り再びボーンミノタウロスと対峙しますわ。

「さて、どうやって倒します?」
「そうですわねぇ、あまり時間はかけたくありませんわね」
「マウナちゃんの魔法でどうにかならないかしら?」

 ワタクシ達の会話に無粋にも斧を振り回し攻撃を仕掛けてくるボーンミノタウロスをワタクシが斧をかわしながら蹴り飛ばします。

「パワーは凄いし耐久力もある……突進スピードはありますが動作の一つ一つはゆっくり目ですわね」
「でも、これ流石に初心者パーティーには倒せない相手よぉ」
「ワタクシ達も初心者なのですけど……」
「何にでも例外はあるものよ」

 吹き飛んだボーンミノタウロスがこちらに向かって走ってきますわね、そして勢いをつけたまま斧を横なぎに振りぬこうとしますがベティさんがバックラーでいなします……戦斧をバックラーでいなすってアレ簡単にやっておりますが難しくないですの?

「適正は五等級といったところねぇ」

 斧をいなしながらベティさんが呟きます、ですが流石はボスですわねワタクシたちすっかり油断しておりました。

 ボーンミノタウロスが息を吸うような動作をしております実際に息はしておりませんが……そして次の瞬間!

「カァァァ! ッシャ!」

 ボーンミノタウロスの口からオレンジ色のブレスが吐き出されました、避けるにも間に合わずベティさんがモロにブレスの餌食になってしまいましたわ。

「く! な、これは厄介ね……からだ……が、痺れていく……わね」
「麻痺ブレス! 厄介な能力を隠し持っていますね」

 ボーンミノタウロスは動きを止めたベティさんをヤクザキックで蹴り飛ばしました。

「いやーん」

 メキャと結構凄い音がして吹っ飛んでいきましたわね。

「叫び声的には余裕があるようですわねぇ」
「なに……言ってるのよ……結構痛いわよ……」

 運が良いことにアルティアさんの近くに飛ばされましたわね

「アルティアさん! ベティさんの治療を」
「は、はい! ナルリアちゃんも行きましょう」
「――わかった」

 ベティさんに二人が駆け寄ります、ベティさんは二人に任せましょう
 そしてブレスが成功したことに気を良くしたのか今度はワタクシに目掛けてブレスを吹きつけようとします

「――ストーン・ウォール!」

 ワタクシは石の壁を使いブレスの直撃を避けますそして出した壁をそのままボーンミノタウロスに目掛けて蹴り倒しますわ。

「未知のモンスターはどんな攻撃を持ってるか分からないから油断できませんね」
「さっきまで油断しまくっておりましたわよ!」

 マウナさんも油断してたじゃないですか! と心の中で叫んでおきましょう。

「それでマウナさんなにか良い魔法はございます?」
「アンデッドですと闇の魔法の効果は薄いと思いますので闇の次に私の適性が高い風の上位魔法で一気に片付けたいと思います」
「了解ですわ、ワタクシが時間を稼ぎますので心意気なく詠唱しちゃってくださいな」

 石の壁から這い出してきたボーンミノタウロスが雄たけびを上げますと骨の色が徐々に赤くなっていきますわね

「ブモォォォォ!!」
「え? 第二形態?」
「あれは怒り状態というヤツじゃないかしら?」

 ボーンミノタウロスが戦斧をもって回転しだします、独楽状態ですわね。

「これはシンプルですが厄介な攻撃ですわよ!」

 ボーンミノタウロスが凄い勢いで回転しながらこちらにやってきますわね。

「危ないですわね!」

 サイドステップで攻撃をかわします。

「――ストーン・バレット!」

 石弾を撃ち込みますが回転した斧で石弾ごと粉砕しますわね。
 ワタクシがボーンミノタウロスとダンスを踊っていますと治療を終えたベティさんが再び合流します。

「なんか困った事になってるわねぇ」
「はい、これではマナカさんも近づけませんよ」
「しかも下位魔法では止められそうもありませんわよ」

 しかし、これいつ止まるんですの? この攻撃を避けながらの会話って割としんどいんですのよ。

「近付けないとなるとどうしましょうねぇ」

 ベティさんがどうしたものかと考えておりますが、良く見ると足元はお留守なんですのよね。これはいけますわよ。

 ワタクシはベティさんとマウナさんに作戦を伝えます。

「ベティさん」
「なぁに?」
「オイル持ってますわよね?」
「筋肉のキレをよく見せるアレかしら? 乙女の必需品ですもの持ってるわよ」

 以前にベティさんがボディビルダーが塗ってるようなオイルを使ってるのを見た事がありますからもしやと思ったらやはり持ってきておりますわね……ダンジョンに必要なのかは置いておきますわ。

「それをボーンミノタウロスの足元付近にばら撒いてしまいましょう、ワタクシがアイツの注意を惹きつけますのでお願いしますわよ」
「なるほど、滑って転んで失神作戦ってわねけね」
「まあ、そんなとこですわね。そしてマウナさんはこの間に魔法準備をお願いしますわ」
「分かりました」
「では、行きますわ!」

 ワタクシはストーンバレットをボーンミノタウロスに撃ち込みながら走り出します

「さあ、鬼さん手のなる方へですわよ!」

 ワタクシの声に反応したボーンミノタウロスが回転しながらワタクシのいる方へ方向を変えますわ

「食らいなさいな! ストーン・ウォール!」

 地面から壁がせせり出てきますがボーンミノタウロスは気にせず壁に突っ込んでいきます、しかし壁はあまり意味を成さず破壊されてしまいます」

「改めて巻き込まれたらと思うとゾっとしますわね……」

 ベティさんの方を見ますと道具袋から瓶を取り出しております、何故か苦悩しておりますわね、どうやらそこそこお高い品のようですわね。
 しかし、そんなこと知ったこっちゃないですわよ。ボーンミノタウロスはさらに回転を速めましたもはや回転ノコギリですわねこれ。

「――荒れ狂う風よ! 吹き荒れる風よ! 全てをなぎ倒す大いなる風よ! 我は命ずる、我に牙を向ける愚かな者に強大なる風の鉄槌を振り下ろせ!」

 詠唱なんか終わりそうなんですけど!!

「ベティさん! ワタクシの方に向かってオイルを投げてくださいまし!」

 ワタクシが叫びますとベティさんは意を決したような表情で

「さようなら私の二八〇〇リシェ!」
「地味に高いですわね!」

 そう言ってベティさんはワタクシの方に瓶を投げますわ、
 しかし投げるにしても山なりじゃないですの!
 仕方ないのでワタクシは瓶に目掛けて飛びあがりオーバーヘッドキックの要領でボーンミノタウロスの足元目掛けて瓶を蹴り飛ばします。

 瓶が割れてオイルが広がっていくとボーンミノタウロスがオイルの方に向かっていきます。
 するとオイルを踏んずけたボーンミノタウロスが凄い勢いで縦回転しながら盛大に転びます。
 ワタクシはマウナさんに目で合図するとマウナさんは頷きました

「ブモォォォ!」

 ボーンミノタウロスが悔しそうに立ち上がろうとしておりますがオイルまみれでなかなかうまく立ち上がれないようです。
 ワタクシは魔法に巻き込まれないようにステップして距離を離すとすかさずマウナさんの魔法が発動しました。

「――ゲイル・ハンマー!!」

 ズドン! と凄まじい音と共に風による大槌が振り下ろされました
 砂煙が舞い上がり辺りが見えなくなります。

「ブモモモモモ!!」
「はー、凄い威力ですわね」

 ボーンミノタウロスの断末魔の叫びが聞こえてきます、少しして砂煙が晴れてきますとそこにはクレーター状にえぐれた地面とそこにバラバラになったボーンミノタウロスがおりました。

「ふう、終わったようねぇ」

 ベティさんがそう言いながらこちらにやってきますと後ろの方からアルティアさんとナルリアちゃんもこちらに来ます。

「――むう、ワタシの出番が無かった」

 少しむくれているナルリアちゃん。
 そしてボーンミノタウロスが光の粒子となって消えていきました、そこには鍵が一つ落ちておりましたわ。

「これが宝の鍵ですか」

 マウナさんがそう言って鍵を拾いましたわ。
 お宝、ボスドロップ。うふふ、良い響きですわね。

「お宝はやはり楽しみですわねぇ」

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