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宮殿の洗礼 1
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アドリーシャの膝の上で、小鳥がぴいぴい鳴いている。
その都度向かいに腰掛けたイルディオスが指で弾こうとするので、アドリーシャは慌てて手のひらを立てて小鳥を庇ってやっていた。
「若い娘の膝に甘えて逃げるなど、情けないと思わないのか」
「お前がアドリーシャの膝に甘えたいから羨んでいるのだろう」
口と嘴がひと度開くと、一事が万事こんな調子である。
思わずこぼれたため息に、一人と一羽がぴくりと動きを止めてアドリーシャを見つめた。
「お二人は仲がよろしいですね。息もぴったり合っていらっしゃいます」
黒い小鳥がふっくりと羽根を膨らませて、ふしゅりとすぼんだ。
アドリーシャが指の腹で優しく柔らかい毛を撫でるように掻いてやると、小鳥は気持ちよさそうに目を細める。そんな小鳥をじっとりとした目で見たイルディオスが、顎で窓を示した。
「もうすぐ宮殿に着くぞ。アロ、可及的速やかに消えろ」
「うるさい奴だ。アドリーシャなら連れて行ってくれるさ」
「茶会に喋る小鳥を同伴できるか、阿呆」
「アロ様。申し訳ないのですが、やはりお茶会にはお連れできかねます。御身の輝きはそれ程までに強うございます」
羽根を撫でながら語りかけると、小鳥はむうと短く唸って頭を擦りつけてくる。
求められるままに黒く艶を帯びた小鳥を撫でることしばし。ふわりとアドリーシャの膝の上に浮かんだ小鳥は、わざとイルディオスの顔をぴしりと羽根の先ではたくと、とろけるように消え失せる。
「……ッ、の、鳥畜生が」
「殿下、お言葉が過ぎます」
アドリーシャが窘めると、イルディオスは唇をひん曲げた。
ふいと窓の外を見る横顔は、今日も涼やかで麗しい。宮殿に出仕するときのイルディオスはいつも略式の軍礼装で、かっちりとした襟の高い外衣に付けられた略式の徽章や飾緒が端正な顔立ちを引き立ていて大層見栄えがする。長い銀の髪はただ後ろで纏めているだけなのに、肩先からさらりと流れ落ちる様子は画家が丹念に引いた線のようだ。
……イルディオスと共に暗がりに閉じ込められてから一週間が経った今日は、グレイシアが主催するお茶会の日だ。
あの日現れた黒い鳥は、ひとしきりふたりの頭上を旋回すると、突然姿を消した。
困惑したイルディオスとアドリーシャは、一度、自分たちに起こった不可思議な出来事を理解することを諦めたのだが――黒い鳥はそう間を開けることなくふたりの前に現れた。
そうしてアロと名乗り、しばしば気まぐれに訪れるようになったのである。
「アドリは、本当にあいつが弟神だと思うのか? 魔の類いではなく?」
「弟神が、このヴァルダノに自身と見紛う翼を持つ魔がいることをお許しになるとは思えません。それに、ご存じでしょう? 弟神の御名は、古語で理想を意味するイディアロ神です」
アロと名乗った小鳥が、おそらく弟神そのひとであると頭では納得しているのだろう。イルディオスも、それ以上違うとは言わなかった。
(……弟神は、殿下に関心がおありのようだった)
イルディオスの力は、美しい翼の形となってうつつに顕れる。
翼は、ヴァルダノの唯一神たる弟神の神威の象徴だ。力ある者としてイルディオスが敬意を持たれて尊重されていることに、力の発現の仕方は無関係ではない。
兄殺しの運命について思考をめぐらせていたアドリーシャは、透明なまなざしを感じて顔を上げる。わずかに温度を持つそれはゆるやかにアドリーシャの輪郭をたどり、髪の筋やドレスの袖口を撫ぜた。星を湛えた瞳のせいだろうか。イルディオスのまなざしは、いつもアドリーシャに不可思議な心地良さを与える。
「出掛けにアロが現れたせいで、言いそびれてしまっていたな。今日のドレスもよく似合っている」
この頃、イルディオスはアドリーシャの服装をよく褒めてくれる。
毎回似たような褒め言葉だとユニカは不満そうだが、アドリーシャには、彼のそうした不器用さが好ましく思われた。だって、ほかの誰かに洗練された口説を捧げたことがあるよりずっといい。
アドリーシャが礼を言うと、イルディオスはしばし言葉を選ぶように沈黙を咀嚼した。
「アドリーシャが宮殿に来るのは初めてだったな。俺といることで、何かとうるさく言われてしまうだろう。何の非もないのにさも非があるように責め立てられるなど、理不尽でしかない。でも、俺の翼がすべてを覆い尽くせるわけでもない」
差し伸べられたまなざしを前に、アドリーシャは口にしかけた言葉を飲み込んだ。
「君が気にしないと言ってくれることは知っている。でも、伝えておきたかった。
アドリーシャは、きちんと遇されるに値する娘だ。もし俺が隣にいないときに誰かに何かを言われたら、どうかそのことを思い出してほしい」
アドリーシャは、心以外のものはすべて与えられたもので構築された娘だ。
果実としての運命も、伯爵家の生まれという身分も、アドリーシャをアドリーシャたらしめる思考を支える教育だってそう。安心して眠れる寝室や綺麗なドレスに食事も、みんな与えられたものでしかない。アドリーシャが本当の意味で自身の手で勝ち取ったものなんて、どこにもない。
けれど、イルディオスは、いつだってちっぽけなアドリーシャが彼女という娘であろうとすることを、誰よりも強く肯定してくれる。
だから、アドリーシャは願うように思うのだ。たとえ恋や愛で結ばれなかったとしても、イルディオスの真心にふさわしく在りたいと。
礼儀に適った挨拶や謙遜は難なく口にできるのに、こういうとき、アドリーシャの唇は言葉を選ぶのをためらった。
はいと頷くと、イルディオスはいつものように、何かされたらそいつの顔や特徴をよく覚えておくようにと言った。アドリーシャが進んでイルディオスの権力を当てにしようとはしない娘であることは承知の上で、そう言い続けてくれるのもまた、彼なりの優しさだった。
王妃が王太子の花嫁探しのためにお茶会を開くのは、ヴァルダノの慣例行事と言ってもいい。
成人の宴に先駆けて招かれれば、王妃から評価を受けた娘と目される。殊に、長らく社交界を取り仕切るグレイシアは広く敬愛される王妃であったから、王太子の花嫁とまでは望まずとも、娘に箔を付けさせたいと期待する家門は多かった。
王太子の花嫁捜しのために開かれるお茶会に招かれた娘の家門は、急いで仕立屋や宝石商を呼びつけるものだから、誰が招かれたのかは自ずと知れ渡る。
アドリーシャは取り立てて目立ったことはしなかったが、屋敷を訪れた王妃の伝令が宮殿でアドリーシャの贈り物を褒めた話が伝わったことで、王弟の果実が王妃のお茶会に招かれたことは周知のこととなっていた。
お茶会が開かれる小広間へ向かうには、宮殿で一番長い回廊を通る必要がある。
神世に近しい時代の王が寵姫を招き入れるために輝石を砕いて造らせたと伝わる白い回廊には、図案化された花や月、光が描かれており、夏の光を受けてきらきらと輝く。
愛する寵姫を披露するための舞台として誂えられた回廊は、観覧に適した場所である。
ゆったりとした足取りで進むふたりには、わざわざ宮殿に駆けつけたのだろう貴族から警護を務める近衛騎士団、興味をそそられたのだろう女官まで、さまざまに品定めをする視線が差しのばされた。
成人の宴前にお茶会に招かれる娘は、皆この洗礼を受ける習いだ。
……もしかしなくとも、グレイシアは成人の宴の前に、アドリーシャに数多くの視線に晒されることに慣れさせたかったのかもしれない。
透明な棘が肌を刺す感覚に、アドリーシャは浅く息をする。
一歩進む度に、遠巻きにこちらを観察しひそひそと喋り立てる人々の粘ついた視線が、肌にひったりと纏わりつく。
――ヒュミラ伯爵夫人の若い頃によく似ているじゃないか。王弟殿下のお手つきなのが残念だな。
――いやだこと。あんな清らかげな顔で、王弟殿下を誑かしているんだわ。
――貴族から果実が出るとは、なんと穢らわしい。
ひそりと立つお喋りも、理由のない蔑みも。あるいは舌舐めずりするような好色な視線や、単純な軽侮、もしくは国一の婿がねの隣に居座っている卑しい娘への妬心。
悪意と侮蔑に満ちた品定めのまなざしが怖くないと言えば、嘘になる。研ぎ澄まされた悪意は、いともやすやすと心の柔らかいところまでたどり着いてしまうものだから。
アドリーシャは楚々とした足取りでイルディオスにエスコートされながら、淡い笑みを崩さない。
微笑みは淑女の武装だ。淡い笑みを浮かべて、冷たい視線などそよ風のようにしか感じないと示すのは、貴族男性が思っているよりも習練が必要で、大方の娘にとっては難しいことである。
皮肉なことに、果実となったことで、アドリーシャには十二分に慣れる機会があった。
特に示し合わせたわけではないが、イルディオスもアドリーシャも、一度も互いを見なかった。
一度でも視線を交わせば、下卑た邪推の付け入る隙を与えてしまうとわかっていたから。
回廊の端にたどり着くと、近衛騎士は丁重な仕種で扉を押し広げてふたりを迎え入れる。扉が閉ざされると、ふたりに纏わりついていた視線は断ち切られた。
その都度向かいに腰掛けたイルディオスが指で弾こうとするので、アドリーシャは慌てて手のひらを立てて小鳥を庇ってやっていた。
「若い娘の膝に甘えて逃げるなど、情けないと思わないのか」
「お前がアドリーシャの膝に甘えたいから羨んでいるのだろう」
口と嘴がひと度開くと、一事が万事こんな調子である。
思わずこぼれたため息に、一人と一羽がぴくりと動きを止めてアドリーシャを見つめた。
「お二人は仲がよろしいですね。息もぴったり合っていらっしゃいます」
黒い小鳥がふっくりと羽根を膨らませて、ふしゅりとすぼんだ。
アドリーシャが指の腹で優しく柔らかい毛を撫でるように掻いてやると、小鳥は気持ちよさそうに目を細める。そんな小鳥をじっとりとした目で見たイルディオスが、顎で窓を示した。
「もうすぐ宮殿に着くぞ。アロ、可及的速やかに消えろ」
「うるさい奴だ。アドリーシャなら連れて行ってくれるさ」
「茶会に喋る小鳥を同伴できるか、阿呆」
「アロ様。申し訳ないのですが、やはりお茶会にはお連れできかねます。御身の輝きはそれ程までに強うございます」
羽根を撫でながら語りかけると、小鳥はむうと短く唸って頭を擦りつけてくる。
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「……ッ、の、鳥畜生が」
「殿下、お言葉が過ぎます」
アドリーシャが窘めると、イルディオスは唇をひん曲げた。
ふいと窓の外を見る横顔は、今日も涼やかで麗しい。宮殿に出仕するときのイルディオスはいつも略式の軍礼装で、かっちりとした襟の高い外衣に付けられた略式の徽章や飾緒が端正な顔立ちを引き立ていて大層見栄えがする。長い銀の髪はただ後ろで纏めているだけなのに、肩先からさらりと流れ落ちる様子は画家が丹念に引いた線のようだ。
……イルディオスと共に暗がりに閉じ込められてから一週間が経った今日は、グレイシアが主催するお茶会の日だ。
あの日現れた黒い鳥は、ひとしきりふたりの頭上を旋回すると、突然姿を消した。
困惑したイルディオスとアドリーシャは、一度、自分たちに起こった不可思議な出来事を理解することを諦めたのだが――黒い鳥はそう間を開けることなくふたりの前に現れた。
そうしてアロと名乗り、しばしば気まぐれに訪れるようになったのである。
「アドリは、本当にあいつが弟神だと思うのか? 魔の類いではなく?」
「弟神が、このヴァルダノに自身と見紛う翼を持つ魔がいることをお許しになるとは思えません。それに、ご存じでしょう? 弟神の御名は、古語で理想を意味するイディアロ神です」
アロと名乗った小鳥が、おそらく弟神そのひとであると頭では納得しているのだろう。イルディオスも、それ以上違うとは言わなかった。
(……弟神は、殿下に関心がおありのようだった)
イルディオスの力は、美しい翼の形となってうつつに顕れる。
翼は、ヴァルダノの唯一神たる弟神の神威の象徴だ。力ある者としてイルディオスが敬意を持たれて尊重されていることに、力の発現の仕方は無関係ではない。
兄殺しの運命について思考をめぐらせていたアドリーシャは、透明なまなざしを感じて顔を上げる。わずかに温度を持つそれはゆるやかにアドリーシャの輪郭をたどり、髪の筋やドレスの袖口を撫ぜた。星を湛えた瞳のせいだろうか。イルディオスのまなざしは、いつもアドリーシャに不可思議な心地良さを与える。
「出掛けにアロが現れたせいで、言いそびれてしまっていたな。今日のドレスもよく似合っている」
この頃、イルディオスはアドリーシャの服装をよく褒めてくれる。
毎回似たような褒め言葉だとユニカは不満そうだが、アドリーシャには、彼のそうした不器用さが好ましく思われた。だって、ほかの誰かに洗練された口説を捧げたことがあるよりずっといい。
アドリーシャが礼を言うと、イルディオスはしばし言葉を選ぶように沈黙を咀嚼した。
「アドリーシャが宮殿に来るのは初めてだったな。俺といることで、何かとうるさく言われてしまうだろう。何の非もないのにさも非があるように責め立てられるなど、理不尽でしかない。でも、俺の翼がすべてを覆い尽くせるわけでもない」
差し伸べられたまなざしを前に、アドリーシャは口にしかけた言葉を飲み込んだ。
「君が気にしないと言ってくれることは知っている。でも、伝えておきたかった。
アドリーシャは、きちんと遇されるに値する娘だ。もし俺が隣にいないときに誰かに何かを言われたら、どうかそのことを思い出してほしい」
アドリーシャは、心以外のものはすべて与えられたもので構築された娘だ。
果実としての運命も、伯爵家の生まれという身分も、アドリーシャをアドリーシャたらしめる思考を支える教育だってそう。安心して眠れる寝室や綺麗なドレスに食事も、みんな与えられたものでしかない。アドリーシャが本当の意味で自身の手で勝ち取ったものなんて、どこにもない。
けれど、イルディオスは、いつだってちっぽけなアドリーシャが彼女という娘であろうとすることを、誰よりも強く肯定してくれる。
だから、アドリーシャは願うように思うのだ。たとえ恋や愛で結ばれなかったとしても、イルディオスの真心にふさわしく在りたいと。
礼儀に適った挨拶や謙遜は難なく口にできるのに、こういうとき、アドリーシャの唇は言葉を選ぶのをためらった。
はいと頷くと、イルディオスはいつものように、何かされたらそいつの顔や特徴をよく覚えておくようにと言った。アドリーシャが進んでイルディオスの権力を当てにしようとはしない娘であることは承知の上で、そう言い続けてくれるのもまた、彼なりの優しさだった。
王妃が王太子の花嫁探しのためにお茶会を開くのは、ヴァルダノの慣例行事と言ってもいい。
成人の宴に先駆けて招かれれば、王妃から評価を受けた娘と目される。殊に、長らく社交界を取り仕切るグレイシアは広く敬愛される王妃であったから、王太子の花嫁とまでは望まずとも、娘に箔を付けさせたいと期待する家門は多かった。
王太子の花嫁捜しのために開かれるお茶会に招かれた娘の家門は、急いで仕立屋や宝石商を呼びつけるものだから、誰が招かれたのかは自ずと知れ渡る。
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お茶会が開かれる小広間へ向かうには、宮殿で一番長い回廊を通る必要がある。
神世に近しい時代の王が寵姫を招き入れるために輝石を砕いて造らせたと伝わる白い回廊には、図案化された花や月、光が描かれており、夏の光を受けてきらきらと輝く。
愛する寵姫を披露するための舞台として誂えられた回廊は、観覧に適した場所である。
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成人の宴前にお茶会に招かれる娘は、皆この洗礼を受ける習いだ。
……もしかしなくとも、グレイシアは成人の宴の前に、アドリーシャに数多くの視線に晒されることに慣れさせたかったのかもしれない。
透明な棘が肌を刺す感覚に、アドリーシャは浅く息をする。
一歩進む度に、遠巻きにこちらを観察しひそひそと喋り立てる人々の粘ついた視線が、肌にひったりと纏わりつく。
――ヒュミラ伯爵夫人の若い頃によく似ているじゃないか。王弟殿下のお手つきなのが残念だな。
――いやだこと。あんな清らかげな顔で、王弟殿下を誑かしているんだわ。
――貴族から果実が出るとは、なんと穢らわしい。
ひそりと立つお喋りも、理由のない蔑みも。あるいは舌舐めずりするような好色な視線や、単純な軽侮、もしくは国一の婿がねの隣に居座っている卑しい娘への妬心。
悪意と侮蔑に満ちた品定めのまなざしが怖くないと言えば、嘘になる。研ぎ澄まされた悪意は、いともやすやすと心の柔らかいところまでたどり着いてしまうものだから。
アドリーシャは楚々とした足取りでイルディオスにエスコートされながら、淡い笑みを崩さない。
微笑みは淑女の武装だ。淡い笑みを浮かべて、冷たい視線などそよ風のようにしか感じないと示すのは、貴族男性が思っているよりも習練が必要で、大方の娘にとっては難しいことである。
皮肉なことに、果実となったことで、アドリーシャには十二分に慣れる機会があった。
特に示し合わせたわけではないが、イルディオスもアドリーシャも、一度も互いを見なかった。
一度でも視線を交わせば、下卑た邪推の付け入る隙を与えてしまうとわかっていたから。
回廊の端にたどり着くと、近衛騎士は丁重な仕種で扉を押し広げてふたりを迎え入れる。扉が閉ざされると、ふたりに纏わりついていた視線は断ち切られた。
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