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偽りの姫は秘書官見習いをはじめる 3
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それからは、空を駆ける矢のように時間が過ぎていった。
リリーシャはきちんと定刻で部屋に帰されたが、それでも毎日くたくたになって寝台に倒れ込んだ。
強制的にその場に置かれることで慣れてはきたが、母語ではない環境で仕事をするのは結構頭に負担がかかる。何より、幾分手加減されているにせよレイデーアが仕事に求める基準は高かった。
レイデーアの執務室で働き始めて一週間が経つと、リリーシャには幾つかの飴が与えられ、少しだけ余裕ができた。敏いアーディレイによって仕事の領域を広げられたので、すぐにリリーシャはまた頭をぐるぐると働かせる状態に戻ってしまったが。
常にそのくり返しなものだから、リリーシャには湿っぽく落ち込んでいる暇はなかった。
毎日レイデーアの執務室と部屋とを往復して、マノアに最低限の世話を焼かれながら寝落ちするのがせいぜいだったのだ。リガードのことを一度も考えなかったといえば嘘になるが、目の前のことに忙殺されていれば、少なくともずっと憂鬱な気持ちでいることはなかった。
そうして三月が経つ頃には、リリーシャはレイデーアに倣って粧うことをやめた。
単純に部屋と執務室を往復するだけの身には必要なかったし、朝はぎりぎりまで寝たいと思ったからだが、リーデンバーグの王太子との一件以来ドレスを一切身につけなくなったというレイデーアの代わりにリリーシャの世話をすることで心を慰めていたらしいマノアは、たいへん嘆いた。
その嘆きは、リリーシャが給金を使って古着で簡素なドレスを支度して欲しいと告げた時にはより一層深くなった。装わせがいのある素材がもったいないとマノアは随分渋ったものの、レイデーアのお古はお古と言えども上等なものだったからインクが付かないか気になってしまうとリリーシャが言うと、袖が膨らんでいない小綺麗なドレスを数枚用意してくれた。
ドレスの袖口に気を払わなくともよくなったことで、リリーシャの仕事はより速さを増した。
遠慮がちに自ら残業を申し出たリリーシャに、レイデーアはしばし考えたが、まあよかろうと頷いた。そうして、マノア同伴ではあるが他部署への遣いとしてもリリーシャを使うようになった。
その小さくも大きな変化は、リリーシャに少しは頼りにされているのだという実感を与え、いっそう仕事に励ませることとなった。
「リリーシャ、ちょっといいか」
「はい、殿下」
そんなある日のこと。
レイデーアに声をかけられたリリーシャは、書類から顔を上げた。たとえ化粧っ気がなく簡素なドレスに身を包んでいたとしても、その静かな仕種には目を惹くような品があった。
仕事に夢中になっていて気づかなかったが、レイデーアの机の前に五人の男が並んでいる。
レイデーアが自分に声をかけた意図がわからずに瞬いたリリーシャは、まばゆい微笑を浴びて目を細めた。この頃は随分と神秘にも馴染んだつもりでいたが、レイデーアが機嫌がよいときの不意打ちの発光には、いまだに慣れることができないでいる。
「リリーシャ。こちら、右から騎士団長のルドン、近衛副隊長のジルーシャ、宰相の子息であるアスコット伯爵、次期ディティエ侯爵のサルヴィエ、王都の商家の次男坊である書記官のダディトだ。みな今回の戦で功績を挙げた者達だし、そこそこ地位もある。そして大事なことに、許嫁も馴染みの娼婦もいない」
レイデーアはぽかんとしているリリーシャの様子に首を傾げて、それからこう続けた。
「どうだ、好みのやつはいるか? 政務にも慣れてきたようだし、そろそろお前の伴侶を決めようかと思ってな」
あ……とリリーシャは呟いて、こちらを見ている男たちの顔を呆然と眺めた。どの顔も、お遣い先や執務室で見たことのあるものだった。
「それで、私をお遣いに出しておいでだったのですね」
「うん。リリーシャは美人だからな、歩かせることで伴侶を募ってみた。ひとまず私が五人選別したが、まだまだ志願者はいるぞ。こやつらが気に入らなくても次がある」
あけすけなレイデーアのことばに、リリーシャは笑ってしまった。
そうして、ゆるゆると合わせた唇をたわめる。
――いったい、何を期待していたのだろう。
レイデーアの執務室で少しは役に立てるようになって、忙しくも毎日が楽しくて。つい、夢を見てしまった。レイデーアには、そんな力がある。
だって、誰よりも先に立って歩むレイデーアは、周囲に夢を見させてしまうほどに眩い。
リリーシャとそう変わらない年頃の娘だというのに、既に王と政務を二分しているレイデーアは誰よりも為政者に相応しかった。彼女は優秀で勤勉で、もっと休んでもいいのにと思ってしまうくらいに働き通しだった。アーデンフロシアの人々が、いまだかつてない女王の誕生を心待ちにしているのも頷ける。
――ガネージュにも、こんな王がいたならよかった。
リリーシャはレイデーアの目映さに照らされるうちに、そう思わずにはいられなかった。母の王子様は優しい人だったが、よい為政者かと言われれば違ったから。
あと少し。あと少しの間戦が起こらず、せめて譲位が済んでいたら。リガードなら、レイデーアとまったく同じではなくともいい王様になれるはずだった。そうしたら、ガネージュとアーデンフロシアは友好関係を結べただろう。もっとよりよい国になって、土地も暮らしも人の心も荒みはしなかっただろう。
もし、もし。いけないとは思いつつ、リリーシャはそんなふうに甘い夢を見てしまった。
叶うことなら、このままレイデーアの傍で夢を見ていたかった。
そうしていたならば、リガードを支える未来をひそかに夢見ていた頃の自分を慰められるような気がしていた。
レイデーアにはまったく関係のない、リリーシャの至極勝手な思い込みだ。
輝きを放つ人の傍で、夢を見るように仰ぎ見ることしかできないでいるちっぽけなリリーシャらしい、ひどく勝手な我が儘だ。そう、分かっていたのに。
「私……殿下のお役に立てていませんか」
ぽつりとこぼした呟きに、レイデーアは瞬いた。
「まさか! リリーシャはよく働いているぞ。三月でこんなに使い出のある者に成長をするとは思っていなかった。私はリリーシャの頑張りを見逃したりしない。リリーシャは、きちんと私に自分の能力を証明して見せた。だから、私は約束を果たさねばならない。お前の兄と約束したのだ。お前をきちんとした男に嫁がせると」
リリーシャは首を振った。何度も、何度も。
結わえていたはずの銀の髪がほどけて、はらはらと散る。レイデーアがくれた髪留めが音を立てて床に転がった。
自分のように化粧をやめてしまったリリーシャにレイデーアがくれたこれも、伴侶捜しのためだったのだろうか。繊細な彫刻で女神が愛するものだという花が形作られたそれをもらったとき、リリーシャは嬉しくて飛び上がってしまいそうだったのに。
(私、知らないうちにこんなに我が儘になっていただなんて)
リリーシャは顔を覆った。あの美しい金の瞳に、歪んだ顔を見られたくなかった。
「わ、私は、この三月ばかり能力を証明してきました。アーデンフロシアに来るまでは働いたことがありませんでした。だって、そんなことは女性に許されていませんもの。ガネージュでは、殿下やほかのお部屋にいた女性の文官の方のように、政務に勤しむ女性はいませんでした。私は……もう、家の中に大人しく留まっていることはできません。殿下が、仕事の楽しさを教えて下さったのです。なのに、なのに……」
小さく唸って口ごもるリリーシャは、泣いてしまわないよう必死だった。
(泣いてはだめ。泣かないと、決めたのに)
そう思ったとき、顔を覆っていたリリーシャの手のひらは不意に掴まれて、あっさり両脇へと広げられてしまう。リリーシャの前に立っているのは、ほかでもないレイデーアその人だった。
リリーシャはきちんと定刻で部屋に帰されたが、それでも毎日くたくたになって寝台に倒れ込んだ。
強制的にその場に置かれることで慣れてはきたが、母語ではない環境で仕事をするのは結構頭に負担がかかる。何より、幾分手加減されているにせよレイデーアが仕事に求める基準は高かった。
レイデーアの執務室で働き始めて一週間が経つと、リリーシャには幾つかの飴が与えられ、少しだけ余裕ができた。敏いアーディレイによって仕事の領域を広げられたので、すぐにリリーシャはまた頭をぐるぐると働かせる状態に戻ってしまったが。
常にそのくり返しなものだから、リリーシャには湿っぽく落ち込んでいる暇はなかった。
毎日レイデーアの執務室と部屋とを往復して、マノアに最低限の世話を焼かれながら寝落ちするのがせいぜいだったのだ。リガードのことを一度も考えなかったといえば嘘になるが、目の前のことに忙殺されていれば、少なくともずっと憂鬱な気持ちでいることはなかった。
そうして三月が経つ頃には、リリーシャはレイデーアに倣って粧うことをやめた。
単純に部屋と執務室を往復するだけの身には必要なかったし、朝はぎりぎりまで寝たいと思ったからだが、リーデンバーグの王太子との一件以来ドレスを一切身につけなくなったというレイデーアの代わりにリリーシャの世話をすることで心を慰めていたらしいマノアは、たいへん嘆いた。
その嘆きは、リリーシャが給金を使って古着で簡素なドレスを支度して欲しいと告げた時にはより一層深くなった。装わせがいのある素材がもったいないとマノアは随分渋ったものの、レイデーアのお古はお古と言えども上等なものだったからインクが付かないか気になってしまうとリリーシャが言うと、袖が膨らんでいない小綺麗なドレスを数枚用意してくれた。
ドレスの袖口に気を払わなくともよくなったことで、リリーシャの仕事はより速さを増した。
遠慮がちに自ら残業を申し出たリリーシャに、レイデーアはしばし考えたが、まあよかろうと頷いた。そうして、マノア同伴ではあるが他部署への遣いとしてもリリーシャを使うようになった。
その小さくも大きな変化は、リリーシャに少しは頼りにされているのだという実感を与え、いっそう仕事に励ませることとなった。
「リリーシャ、ちょっといいか」
「はい、殿下」
そんなある日のこと。
レイデーアに声をかけられたリリーシャは、書類から顔を上げた。たとえ化粧っ気がなく簡素なドレスに身を包んでいたとしても、その静かな仕種には目を惹くような品があった。
仕事に夢中になっていて気づかなかったが、レイデーアの机の前に五人の男が並んでいる。
レイデーアが自分に声をかけた意図がわからずに瞬いたリリーシャは、まばゆい微笑を浴びて目を細めた。この頃は随分と神秘にも馴染んだつもりでいたが、レイデーアが機嫌がよいときの不意打ちの発光には、いまだに慣れることができないでいる。
「リリーシャ。こちら、右から騎士団長のルドン、近衛副隊長のジルーシャ、宰相の子息であるアスコット伯爵、次期ディティエ侯爵のサルヴィエ、王都の商家の次男坊である書記官のダディトだ。みな今回の戦で功績を挙げた者達だし、そこそこ地位もある。そして大事なことに、許嫁も馴染みの娼婦もいない」
レイデーアはぽかんとしているリリーシャの様子に首を傾げて、それからこう続けた。
「どうだ、好みのやつはいるか? 政務にも慣れてきたようだし、そろそろお前の伴侶を決めようかと思ってな」
あ……とリリーシャは呟いて、こちらを見ている男たちの顔を呆然と眺めた。どの顔も、お遣い先や執務室で見たことのあるものだった。
「それで、私をお遣いに出しておいでだったのですね」
「うん。リリーシャは美人だからな、歩かせることで伴侶を募ってみた。ひとまず私が五人選別したが、まだまだ志願者はいるぞ。こやつらが気に入らなくても次がある」
あけすけなレイデーアのことばに、リリーシャは笑ってしまった。
そうして、ゆるゆると合わせた唇をたわめる。
――いったい、何を期待していたのだろう。
レイデーアの執務室で少しは役に立てるようになって、忙しくも毎日が楽しくて。つい、夢を見てしまった。レイデーアには、そんな力がある。
だって、誰よりも先に立って歩むレイデーアは、周囲に夢を見させてしまうほどに眩い。
リリーシャとそう変わらない年頃の娘だというのに、既に王と政務を二分しているレイデーアは誰よりも為政者に相応しかった。彼女は優秀で勤勉で、もっと休んでもいいのにと思ってしまうくらいに働き通しだった。アーデンフロシアの人々が、いまだかつてない女王の誕生を心待ちにしているのも頷ける。
――ガネージュにも、こんな王がいたならよかった。
リリーシャはレイデーアの目映さに照らされるうちに、そう思わずにはいられなかった。母の王子様は優しい人だったが、よい為政者かと言われれば違ったから。
あと少し。あと少しの間戦が起こらず、せめて譲位が済んでいたら。リガードなら、レイデーアとまったく同じではなくともいい王様になれるはずだった。そうしたら、ガネージュとアーデンフロシアは友好関係を結べただろう。もっとよりよい国になって、土地も暮らしも人の心も荒みはしなかっただろう。
もし、もし。いけないとは思いつつ、リリーシャはそんなふうに甘い夢を見てしまった。
叶うことなら、このままレイデーアの傍で夢を見ていたかった。
そうしていたならば、リガードを支える未来をひそかに夢見ていた頃の自分を慰められるような気がしていた。
レイデーアにはまったく関係のない、リリーシャの至極勝手な思い込みだ。
輝きを放つ人の傍で、夢を見るように仰ぎ見ることしかできないでいるちっぽけなリリーシャらしい、ひどく勝手な我が儘だ。そう、分かっていたのに。
「私……殿下のお役に立てていませんか」
ぽつりとこぼした呟きに、レイデーアは瞬いた。
「まさか! リリーシャはよく働いているぞ。三月でこんなに使い出のある者に成長をするとは思っていなかった。私はリリーシャの頑張りを見逃したりしない。リリーシャは、きちんと私に自分の能力を証明して見せた。だから、私は約束を果たさねばならない。お前の兄と約束したのだ。お前をきちんとした男に嫁がせると」
リリーシャは首を振った。何度も、何度も。
結わえていたはずの銀の髪がほどけて、はらはらと散る。レイデーアがくれた髪留めが音を立てて床に転がった。
自分のように化粧をやめてしまったリリーシャにレイデーアがくれたこれも、伴侶捜しのためだったのだろうか。繊細な彫刻で女神が愛するものだという花が形作られたそれをもらったとき、リリーシャは嬉しくて飛び上がってしまいそうだったのに。
(私、知らないうちにこんなに我が儘になっていただなんて)
リリーシャは顔を覆った。あの美しい金の瞳に、歪んだ顔を見られたくなかった。
「わ、私は、この三月ばかり能力を証明してきました。アーデンフロシアに来るまでは働いたことがありませんでした。だって、そんなことは女性に許されていませんもの。ガネージュでは、殿下やほかのお部屋にいた女性の文官の方のように、政務に勤しむ女性はいませんでした。私は……もう、家の中に大人しく留まっていることはできません。殿下が、仕事の楽しさを教えて下さったのです。なのに、なのに……」
小さく唸って口ごもるリリーシャは、泣いてしまわないよう必死だった。
(泣いてはだめ。泣かないと、決めたのに)
そう思ったとき、顔を覆っていたリリーシャの手のひらは不意に掴まれて、あっさり両脇へと広げられてしまう。リリーシャの前に立っているのは、ほかでもないレイデーアその人だった。
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