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75 質問会
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数日ぶりに訪れた穴だけれど一見何も変わらずにポッカリとまるくあちら側が見えるだけで変化があるようには感じられなかった。
「ナツ、ソッとな、ソッと木の枝でもって表面を撫でてみぃ、決して触らんよう注意するんじゃぞ? 安定しとらんかったら黒焦げになるやも知れんのじゃから慎重にな」
「ん、わかった、慎重にするってば」
ヨウタロウさんの助言に従ってそこら辺に転がってた木の枝でそっと穴の表面を撫でてみる。
すると穴は枝の動きに従って波紋を表面に発生させた。
「おお、スゴい」
粘度の高い水が張られているみたいな感触がする。
面白がって穴の表面をかき混ぜていたら木の枝の先端が炭に変わって焼け落ちてしまった。ううむ、どうやら数日が経過しても結界は荒ぶったままで落ち着いてはいないようだ。
さて、どうしたものか…
全員で結界の前で座り込んでいたら結界の反対側の景色に変化があった。
何人かのひとがこちらに向かって歩いてきているのだ。
結界は透明度が高いとは言え四六時中流動しているので向こう側がキレイに見透せる訳ではない、しばらく待ってようやく誰なのかが判明した。
「やぁ、吹田さん、怪我の容態はどう?」
そう、現れたのは誰あろう異種属調査室室長吹田刑部そのヒトであった。
「んん、僕も散々な目に遭いはしたけれどそちらも相当だったようだね」
「まぁねぁ、けどこっちはこっちで何とかやっているよ。じいちゃんの親友のヨウタロウさんにこっちに来て早々に助けられたしね」
「ほう、お爺さんの親友… その黒いヒツジがそうなのかね?」
「そうだよ、カイチって幻獣でヨウタロウって名前なんだ。あ、ヨウタロウってのはじいちゃんが着けた名前だそうだよ」
「なるほど、ではお爺さんを連れてこよう。久々の再会ならば積もる話もあるだろうしな。
おい、キミ、家に行ってお爺さんを連れてきてくれないか?」
吹田さんにくっついていた黒服のひとりにそう声を掛けると黒服は吹田さんにサッとアタマを下げ神社から駆け去っていった。
「それにそちらの女の子… 確かゆまは君だったかな? 彼女も初対面だよね。はじめまして、わたしは吹田刑部、内閣調査室の異種属調査室室長を勤めている者だ。
SNSで何度か書き込みをした事があったけど、おぼえているかな?」
「あ… あー! G.Fukitaってハンドルネームの… おぼえてます、おぼえてます。アオちゃんについてしつこく質問を送ってきてたヒトよね?」
「おっ! おぼえてくれてたのかい、光栄だね」
「…あんまりいい印象じゃなかったけどね。ゆまはよ、まぁヨロシクね、ナッちゃんとは夫婦の関係です」
「…そうか、ヨロシク」
おおっ! ゆまは姉ちゃんのギャグ(?)も華麗にスルー。さすがは吹田さんだ。
そして吹田さんの聞き取りが始まった。
Q 今は何処に住んでるの?
A 今はヨウタロウさんが紹介してくれたトロールの集落にお世話になっています。
Q トロールの集落? 危険は無いの? トロールってヒトの女性を襲って孕ませるって言うけれど?
A ゆまは姉ちゃんが襲われた事はない。女性のトロールもちゃんと居て集落の男女比もおよそ50:50、けど娯楽が少ないから住むには少々退屈かな。
Q トロールの他にも集落を作って暮らしている種族は居る? 具体的にはエルフとかドワーフ、獣人とか。
A ここから随分と離れた森の外に出れば居るらしい。けど彼らは好戦的で国ごとに別れて戦争に明け暮れているそうなので会いに行こうとは今は思っていない。
トロールはかなり温厚な種族… っと言うよりも何事にも淡白な性格で住んでると寺院にでも居るのかと錯覚してしまう程。
Q 森の外に出るにはどれくらいかかるの? 外には何が広がってるの?
A それはヨウタロウさんも詳しくは知らないって、砂漠とか山脈とかがあるらしいけど、それは海を越えた向こう側らしい。
Q そっかー、エルフとかも居るんだ。言ってみたいなー、ってか穴を越えたら僕もそっちへ行けるんだよね? 行くよ! 行っちゃうよ! ヨウタロウさんにお願いしてトロールの集落に僕もお世話になるって伝えてよ。
A それはやめた方がいい! 行くよりも先に逝く事になるから。今現在穴は安定してなくって無理矢理通り抜けようすると結界の働きで黒焦げになっちゃうそうで、僕らもそれで帰れないんだし。
トロールの集落にお世話になっているのもじいちゃんの家に帰るまでの仮宿を借りている状態だから。結界が通れるようになったら直ぐにそっちへと戻る予定なんで。
Q なんでさー、勿体ない! 勿体ないよー! 異世界に往くだなんて得難い経験なんだからもっと堪能した方がいいよ。街に行って冒険者になったりさ、こっちの商品を売り捌く商人になったっていい。そちらで経験した事はきっとキミの人生をより素晴らしいモノにするハズだよ!
Q う、うーん、そうかなー…言われて見ればそんな気がしないでもないけれど、突然こっちへ飛ばされたからそこまで考えもしなかったよ。ゆまは姉ちゃんとアオちゃんはどう思う?
A ナッちゃんの思う通りにするといいわ。わたしはナッちゃんに着いていくだけだから。
A キューキュー、キュックルルルルー(ぼくもゆまはおねえちゃんとおんなじかんがえだよ。ナッちゃんがおもったとおりにするのがいいとおもうよ。
A そっか、ふたりともアリガトウ。少し考えてみるよ。
あ、吹田さん、そろそろ日も暮れて来たんで僕ら集落に帰らなきゃ。質問がまだあるんならまた来るから…
Q あ、じゃぁこれが今日最後の質問にするね。キマイラはどうなったの? やっつけたらしいってのは山田たちからおおよそは聞いたけれど遺体とかは埋葬したの?
A 埋葬? はしていないと思う。キマイラはミルメコレオになってヨウタロウさんの角でひと突きされて息絶えてそこらの草むらに放り投げられた。たぶんそこら辺に転がってるんじゃない?
あ、最後は安らかな表情をしていたよ。
「ほうっ」と吹田さんをはじめ穴の向こう側にいた全員から溜め息が洩れた。
どうやらみんなキマイラの逝く末が気になっていたみたいだ。気になってたんなら真っ先に訊いて欲しかったな。何だか後回しにするからキマイラの件なんて忘れ去られているかと思っていたよ。
こうして第一回の穴越しの質問会は終了した。
結局じいちゃんとヨウタロウさんの再開は次回に持ち越されたけれど、ヨウタロウさんは「まぁ、また会える機会はあるじゃろう。今まで何十年も無沙汰だったんじゃ、ここで数日延びたとて慌てはせんよ」と余裕しゃくしゃくだった。
「ナツ、ソッとな、ソッと木の枝でもって表面を撫でてみぃ、決して触らんよう注意するんじゃぞ? 安定しとらんかったら黒焦げになるやも知れんのじゃから慎重にな」
「ん、わかった、慎重にするってば」
ヨウタロウさんの助言に従ってそこら辺に転がってた木の枝でそっと穴の表面を撫でてみる。
すると穴は枝の動きに従って波紋を表面に発生させた。
「おお、スゴい」
粘度の高い水が張られているみたいな感触がする。
面白がって穴の表面をかき混ぜていたら木の枝の先端が炭に変わって焼け落ちてしまった。ううむ、どうやら数日が経過しても結界は荒ぶったままで落ち着いてはいないようだ。
さて、どうしたものか…
全員で結界の前で座り込んでいたら結界の反対側の景色に変化があった。
何人かのひとがこちらに向かって歩いてきているのだ。
結界は透明度が高いとは言え四六時中流動しているので向こう側がキレイに見透せる訳ではない、しばらく待ってようやく誰なのかが判明した。
「やぁ、吹田さん、怪我の容態はどう?」
そう、現れたのは誰あろう異種属調査室室長吹田刑部そのヒトであった。
「んん、僕も散々な目に遭いはしたけれどそちらも相当だったようだね」
「まぁねぁ、けどこっちはこっちで何とかやっているよ。じいちゃんの親友のヨウタロウさんにこっちに来て早々に助けられたしね」
「ほう、お爺さんの親友… その黒いヒツジがそうなのかね?」
「そうだよ、カイチって幻獣でヨウタロウって名前なんだ。あ、ヨウタロウってのはじいちゃんが着けた名前だそうだよ」
「なるほど、ではお爺さんを連れてこよう。久々の再会ならば積もる話もあるだろうしな。
おい、キミ、家に行ってお爺さんを連れてきてくれないか?」
吹田さんにくっついていた黒服のひとりにそう声を掛けると黒服は吹田さんにサッとアタマを下げ神社から駆け去っていった。
「それにそちらの女の子… 確かゆまは君だったかな? 彼女も初対面だよね。はじめまして、わたしは吹田刑部、内閣調査室の異種属調査室室長を勤めている者だ。
SNSで何度か書き込みをした事があったけど、おぼえているかな?」
「あ… あー! G.Fukitaってハンドルネームの… おぼえてます、おぼえてます。アオちゃんについてしつこく質問を送ってきてたヒトよね?」
「おっ! おぼえてくれてたのかい、光栄だね」
「…あんまりいい印象じゃなかったけどね。ゆまはよ、まぁヨロシクね、ナッちゃんとは夫婦の関係です」
「…そうか、ヨロシク」
おおっ! ゆまは姉ちゃんのギャグ(?)も華麗にスルー。さすがは吹田さんだ。
そして吹田さんの聞き取りが始まった。
Q 今は何処に住んでるの?
A 今はヨウタロウさんが紹介してくれたトロールの集落にお世話になっています。
Q トロールの集落? 危険は無いの? トロールってヒトの女性を襲って孕ませるって言うけれど?
A ゆまは姉ちゃんが襲われた事はない。女性のトロールもちゃんと居て集落の男女比もおよそ50:50、けど娯楽が少ないから住むには少々退屈かな。
Q トロールの他にも集落を作って暮らしている種族は居る? 具体的にはエルフとかドワーフ、獣人とか。
A ここから随分と離れた森の外に出れば居るらしい。けど彼らは好戦的で国ごとに別れて戦争に明け暮れているそうなので会いに行こうとは今は思っていない。
トロールはかなり温厚な種族… っと言うよりも何事にも淡白な性格で住んでると寺院にでも居るのかと錯覚してしまう程。
Q 森の外に出るにはどれくらいかかるの? 外には何が広がってるの?
A それはヨウタロウさんも詳しくは知らないって、砂漠とか山脈とかがあるらしいけど、それは海を越えた向こう側らしい。
Q そっかー、エルフとかも居るんだ。言ってみたいなー、ってか穴を越えたら僕もそっちへ行けるんだよね? 行くよ! 行っちゃうよ! ヨウタロウさんにお願いしてトロールの集落に僕もお世話になるって伝えてよ。
A それはやめた方がいい! 行くよりも先に逝く事になるから。今現在穴は安定してなくって無理矢理通り抜けようすると結界の働きで黒焦げになっちゃうそうで、僕らもそれで帰れないんだし。
トロールの集落にお世話になっているのもじいちゃんの家に帰るまでの仮宿を借りている状態だから。結界が通れるようになったら直ぐにそっちへと戻る予定なんで。
Q なんでさー、勿体ない! 勿体ないよー! 異世界に往くだなんて得難い経験なんだからもっと堪能した方がいいよ。街に行って冒険者になったりさ、こっちの商品を売り捌く商人になったっていい。そちらで経験した事はきっとキミの人生をより素晴らしいモノにするハズだよ!
Q う、うーん、そうかなー…言われて見ればそんな気がしないでもないけれど、突然こっちへ飛ばされたからそこまで考えもしなかったよ。ゆまは姉ちゃんとアオちゃんはどう思う?
A ナッちゃんの思う通りにするといいわ。わたしはナッちゃんに着いていくだけだから。
A キューキュー、キュックルルルルー(ぼくもゆまはおねえちゃんとおんなじかんがえだよ。ナッちゃんがおもったとおりにするのがいいとおもうよ。
A そっか、ふたりともアリガトウ。少し考えてみるよ。
あ、吹田さん、そろそろ日も暮れて来たんで僕ら集落に帰らなきゃ。質問がまだあるんならまた来るから…
Q あ、じゃぁこれが今日最後の質問にするね。キマイラはどうなったの? やっつけたらしいってのは山田たちからおおよそは聞いたけれど遺体とかは埋葬したの?
A 埋葬? はしていないと思う。キマイラはミルメコレオになってヨウタロウさんの角でひと突きされて息絶えてそこらの草むらに放り投げられた。たぶんそこら辺に転がってるんじゃない?
あ、最後は安らかな表情をしていたよ。
「ほうっ」と吹田さんをはじめ穴の向こう側にいた全員から溜め息が洩れた。
どうやらみんなキマイラの逝く末が気になっていたみたいだ。気になってたんなら真っ先に訊いて欲しかったな。何だか後回しにするからキマイラの件なんて忘れ去られているかと思っていたよ。
こうして第一回の穴越しの質問会は終了した。
結局じいちゃんとヨウタロウさんの再開は次回に持ち越されたけれど、ヨウタロウさんは「まぁ、また会える機会はあるじゃろう。今まで何十年も無沙汰だったんじゃ、ここで数日延びたとて慌てはせんよ」と余裕しゃくしゃくだった。
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