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第一話
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私が十四歳の時。
父は私に告げた。
「マーガレット、お前が王太子殿下の妃となることが決定した。明日から妃教育が始まる、心して臨め。いいな?」
「は、はい!」
返事はしたものの、私は内心呆気に取られていた。
事が大きすぎていまいちピンとこない。
これは夢なのだろうかとも思った。
しかし幸か不幸か夢などではなく、翌日から立派な妃となるための教育が始まった。
王宮から派遣された教育係の指導の元、友達と遊ぶ時間さえも勉強の時間へと変わる。
それから時が過ぎ四年後。
教育を終えた私は家族の元を離れ、王宮で暮らすこととなった。
これからは王太子妃として王太子殿下と一緒に暮らすのだ。
王太子殿下の名前はハンバル。
心優しく、素直な方だと聞いていた。
私が王宮の一際豪華な部屋で待っていると、ハンバルは現れた。
男性にしては少し長い白銀の髪に、痩せた薄い体。
青く透き通るような瞳が私と床を交互に見つめている。
加えて女性のように綺麗な顔立ちをしていた。
ハンバルは私の前に立つと、手を差し出してきた。
「えっと……そ、その……よ、よろしくね……」
暗く、そして自信なさそうに言葉を発するハンバルに一瞬頭の中が真っ白になる。
しかし私はすぐに気を持ち直すと、カーテシーをしてハンバルの手に自分の手を添えた。
「お初にお目にかかります王太子殿下。マーガレット・ハワードでございます。よろしくお願い致します」
「う、うん……」
ハンバルは噂に聞いていた通り気が弱く、剣の腕前もお世辞には優れたものとはいえなかった。
しかしその威張らない性格ゆえ、若者を中心に多くの人に慕われていた。
時間が経つにつれ、私はそんな穏やかな彼のことがどんどん好きになっていった。
しかし初夜を果たした半年後、事件は起こる。
いつまで経っても生まれない子に、国王陛下が腹を立てたのだ。
もちろん私にもハンバルの体にも異常はない。
こればかりは待つしかないような気もするが、陛下はそれが耐えられないらしい。
「これは一体どういうことだ!!まさかお前たちは間違った妃を連れてきたのではあるまいな!?」
陛下は廊下に響き渡るような大声で、連日のように家臣たちを怒鳴りつけていた。
「そ、そんなことは……陛下の望む通り公爵家の娘を……体に異常がなく金色の髪の娘を王太子妃として連れて……」
「じゃあなぜまだ妊娠すらしていないのだ!とっくに初夜は終えたのだろう!?歴代の妃達は皆半年以内に妊娠をしているのだぞ!納得のいく説明をしてみろ!!」
「そ、それは……」
不測の事態にざわつく王宮内。
……それから三か月後のことだった。
側妃としてララ・アンドルトが王宮にやってきたのは……
父は私に告げた。
「マーガレット、お前が王太子殿下の妃となることが決定した。明日から妃教育が始まる、心して臨め。いいな?」
「は、はい!」
返事はしたものの、私は内心呆気に取られていた。
事が大きすぎていまいちピンとこない。
これは夢なのだろうかとも思った。
しかし幸か不幸か夢などではなく、翌日から立派な妃となるための教育が始まった。
王宮から派遣された教育係の指導の元、友達と遊ぶ時間さえも勉強の時間へと変わる。
それから時が過ぎ四年後。
教育を終えた私は家族の元を離れ、王宮で暮らすこととなった。
これからは王太子妃として王太子殿下と一緒に暮らすのだ。
王太子殿下の名前はハンバル。
心優しく、素直な方だと聞いていた。
私が王宮の一際豪華な部屋で待っていると、ハンバルは現れた。
男性にしては少し長い白銀の髪に、痩せた薄い体。
青く透き通るような瞳が私と床を交互に見つめている。
加えて女性のように綺麗な顔立ちをしていた。
ハンバルは私の前に立つと、手を差し出してきた。
「えっと……そ、その……よ、よろしくね……」
暗く、そして自信なさそうに言葉を発するハンバルに一瞬頭の中が真っ白になる。
しかし私はすぐに気を持ち直すと、カーテシーをしてハンバルの手に自分の手を添えた。
「お初にお目にかかります王太子殿下。マーガレット・ハワードでございます。よろしくお願い致します」
「う、うん……」
ハンバルは噂に聞いていた通り気が弱く、剣の腕前もお世辞には優れたものとはいえなかった。
しかしその威張らない性格ゆえ、若者を中心に多くの人に慕われていた。
時間が経つにつれ、私はそんな穏やかな彼のことがどんどん好きになっていった。
しかし初夜を果たした半年後、事件は起こる。
いつまで経っても生まれない子に、国王陛下が腹を立てたのだ。
もちろん私にもハンバルの体にも異常はない。
こればかりは待つしかないような気もするが、陛下はそれが耐えられないらしい。
「これは一体どういうことだ!!まさかお前たちは間違った妃を連れてきたのではあるまいな!?」
陛下は廊下に響き渡るような大声で、連日のように家臣たちを怒鳴りつけていた。
「そ、そんなことは……陛下の望む通り公爵家の娘を……体に異常がなく金色の髪の娘を王太子妃として連れて……」
「じゃあなぜまだ妊娠すらしていないのだ!とっくに初夜は終えたのだろう!?歴代の妃達は皆半年以内に妊娠をしているのだぞ!納得のいく説明をしてみろ!!」
「そ、それは……」
不測の事態にざわつく王宮内。
……それから三か月後のことだった。
側妃としてララ・アンドルトが王宮にやってきたのは……
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