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32、架空の小説つくりました
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フランスとイングランドの複雑な関係はとても予想できない。それはおいといてフランス大勝利で終わった世界。お告げなのか本人に芽生えたカリスマ性なのかもはやわからぬ。「もうだめだ、降伏するしかない」イングランドの指揮官が次々と投降する展開。戦意を喪失したイングランドとの和平が成立した世界。追い出されたイングランド兵士が不平分子になる。フランスの平原での戦闘はどんなもんだろうかと思えた。原野の執筆した小説を読む。やたら長い。イングランドが大敗した。捕虜がたくさん出た。捕虜が拷問されてジャンヌが衝撃を受けたのはミシュレ著「ジャンヌ・ダルク」にもあった場面だ。意気消沈した聖女は和平に向けて乗り出すという回りくどい展開。史実でも結構よく泣くジャンヌ。「なかなかよくできている」脚本家の吉竹が書いたものも混ぜる。混ぜて俺も脚色することにした。イングランド残党はフランス軍と会戦後、数日で降伏した。ジャンヌたちの尽力で英兵の捕虜も許されるがその思考の過程を丁寧に描かないと駄目なのだ。前段でイングランド兵にもいい人がいることを認識したジャンヌたち。吉竹は途中から絡んできたわりには俺たち(?)が悩んできたテーマをよく理解しているなと思った。電話で吉竹と話し合う。「ジャンヌが重臣たちを和平に向けて説得する場面が鍵だな」「ジャンヌ自身の心境の変化をうまく表現できるせりふだな」山下将軍みたいなフランス軍の幹部が欲しいなと語る吉竹。「それはおかしいだろ。山下将軍は別に好戦的ではないんだぞ」「物の例えだよ。話の聞かない感じを山下将軍のような感じで表現したかったんだ」「だから違うって」「わかってるわかってる」なぜかコーションが「平和が訪れました」といって重臣を説得する嫌な展開で大勢が決した筋書き。それは無茶苦茶だ。「いや、コーションだからこそこの平和には意義がある」「ふわあっ」ため息とも笑いともつかない。ご都合主義だがこの場面には奴が適任な気もしてきた。とにかくイギリスは大きな代償を払って上にこの先ばら戦争が起こるんだろ。途方に暮れる。吉竹は少年時代のつらい経験をつづったオリジナル脚本が受けて売れっ子の脚本家の仲間入りを果たした。彼に安く依頼できるのは俺だけかもしれない。
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