323 / 437
アリシア外伝・窓の外の雪
アリシア外伝・窓の外の雪 15
しおりを挟む
「リオン、エルに何か変な事とかされてたりしないっ?」
そう言うと、リオンは首をかしげた。
「変なことですか?
突然そんなことを言われても……でもそういえば………………」
「心当たりがあるのっ!?」
叫ぶように言うと、リオンはこっくりと頷いた。
「先日兄様は『弟ちょきん』をするって言って『ぎんこうやさん』にお金を取りに来てもらっていました。
あれはいったいどういったものなのでしょうか?」
「そっちかっ!?」
「他には――――――僕が眠ろうとすると、兄様は必ず僕のベッドに入ってきて……」
「ええっ!?」
今度こそヤバイ話かっ!!
「そうしていつも僕に絵本を読んで下さいます。
小耳に挟んだところによると、絵本とは『もっと年の幼い子供』に読む本らしいのですが、変ですよねぇ。
でも、これは内緒にしておいて下さいね。
変かもしれないけど、僕は兄様の声を聞きながら眠るのをすっごく楽しみにしていますから」
……う~ん。
話を聞くと、どうも『可愛すぎる弟』を猫可愛がりしているだけで……他意は無いようである。
女装をさせたのも多分、かなりちっちゃい頃の話なのだろう。
これだけ可愛らしければ、一度ぐらい女の子の服を着せてみたくなるのは、わからなくもない。
結婚の約束をしたのもその頃と考えると、辻褄が合う。
まぁ、そんな感じで私たちは普通に仲良く話をした。
結婚の件も、一応何とか理解してもらえたようだ。
仲良くなってみると、リオンは大変可愛らしい。
こんな弟なら私も欲しいものだ。
馬鹿兄のエルになんか、もったいない良い子じゃないの。
お買い物がちゃんとできたご褒美として、リオンが欲しがってたガラス玉のブレスレットも帰る道すがら買ってやった。
リオンはとても喜んだし、出費としたらご飯を奢ってあげた事を込みにしてもたいしたものではない。
ちょっと甘いような気もするけど……ま、いいか。
私もエルのことばかり言えないな~。
帰城するともうけっこう遅い時間だったので、リオンは先に部屋に返すことにした。
これ以上遅くなると、あのブラコン兄にどんな文句を言われるかしれたものではない。
一人で王のもとに、今日買ったばかりのお茶を届けにいった。
明日の朝でも大丈夫ではあったが、良い報告は早い方がいいだろう。
そう言うと、リオンは首をかしげた。
「変なことですか?
突然そんなことを言われても……でもそういえば………………」
「心当たりがあるのっ!?」
叫ぶように言うと、リオンはこっくりと頷いた。
「先日兄様は『弟ちょきん』をするって言って『ぎんこうやさん』にお金を取りに来てもらっていました。
あれはいったいどういったものなのでしょうか?」
「そっちかっ!?」
「他には――――――僕が眠ろうとすると、兄様は必ず僕のベッドに入ってきて……」
「ええっ!?」
今度こそヤバイ話かっ!!
「そうしていつも僕に絵本を読んで下さいます。
小耳に挟んだところによると、絵本とは『もっと年の幼い子供』に読む本らしいのですが、変ですよねぇ。
でも、これは内緒にしておいて下さいね。
変かもしれないけど、僕は兄様の声を聞きながら眠るのをすっごく楽しみにしていますから」
……う~ん。
話を聞くと、どうも『可愛すぎる弟』を猫可愛がりしているだけで……他意は無いようである。
女装をさせたのも多分、かなりちっちゃい頃の話なのだろう。
これだけ可愛らしければ、一度ぐらい女の子の服を着せてみたくなるのは、わからなくもない。
結婚の約束をしたのもその頃と考えると、辻褄が合う。
まぁ、そんな感じで私たちは普通に仲良く話をした。
結婚の件も、一応何とか理解してもらえたようだ。
仲良くなってみると、リオンは大変可愛らしい。
こんな弟なら私も欲しいものだ。
馬鹿兄のエルになんか、もったいない良い子じゃないの。
お買い物がちゃんとできたご褒美として、リオンが欲しがってたガラス玉のブレスレットも帰る道すがら買ってやった。
リオンはとても喜んだし、出費としたらご飯を奢ってあげた事を込みにしてもたいしたものではない。
ちょっと甘いような気もするけど……ま、いいか。
私もエルのことばかり言えないな~。
帰城するともうけっこう遅い時間だったので、リオンは先に部屋に返すことにした。
これ以上遅くなると、あのブラコン兄にどんな文句を言われるかしれたものではない。
一人で王のもとに、今日買ったばかりのお茶を届けにいった。
明日の朝でも大丈夫ではあったが、良い報告は早い方がいいだろう。
0
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説

新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。
彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。
……あ。
音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。
しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。
やばい、どうしよう。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿

もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中

騎士団で一目惚れをした話
菫野
BL
ずっと側にいてくれた美形の幼馴染×主人公
憧れの騎士団に見習いとして入団した主人公は、ある日出会った年上の騎士に一目惚れをしてしまうが妻子がいたようで爆速で失恋する。

なぜか第三王子と結婚することになりました
鳳来 悠
BL
第三王子が婚約破棄したらしい。そしておれに急に婚約話がやってきた。……そこまではいい。しかし何でその相手が王子なの!?会ったことなんて数えるほどしか───って、え、おれもよく知ってるやつ?身分偽ってたぁ!?
こうして結婚せざるを得ない状況になりました…………。
金髪碧眼王子様×黒髪無自覚美人です
ハッピーエンドにするつもり
長編とありますが、あまり長くはならないようにする予定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる