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アリシア外伝・窓の外の雪
アリシア外伝・窓の外の雪 14
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*お詫び
投稿予約の不備で毎日更新になっていませんでした。
申し訳ありません。
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さて、リオンはいったい『少女』なのか『少年』なのか。
「ねえ…………ちょっと聞きたいんだけど、アレはちゃんと付いているのよね?」
「アレ? アレっ、て何ですか?」
リオンが首をかしげる。
ええっ!?
聞き返してくるか、普通???
「だからっつ! その……え~っと……股間についてるアレよ!」
「こかん? 何ですかソレ? 知らない言葉です」
リオンはそう言ってまた、可愛らしく首をかしげる。
はぁあ!?
知らないぃぃぃ???
オマエ、もうすぐ13歳だろうがっ!!
あのクソ兄は、いったいどういう育て方をしてきたんだよっ!!
「あ、足と足の間の事よ。
なんか…………その……ブラブラしたものってちゃんとついているの?」
「はぁ、まあそうですね。ついていますね。
そっか~。名前なんて気にしたことも無かったけど、アレは『こかん』というのですね。勉強になりました!!」
リオンは真顔でそう言って、得心したように頷く。
「違う違う!!
あれは金○……って何言わせんのよっ!! うら若き乙女にっ!!」
「え? 言わせてなんかいませんよ。
自分で勝手に言っておいて、何を怒っているのですか?
あっ! 兄様が言ってらしたコーネンキショウガイってヤツですか?
大変ですね」
違うわっ!!!!!
エルのヤツ、何故そんなつまらんことだけは詳しく教えてやがるんだっ!!
もっと他に教えるべきことがあるだろうっ。この糞がっ!!
……ぜいぜい。
それにしても何という奴だ。○玉も知らないとは……。
だいたい、あの年頃の兄弟で二人暮らししていたら、エロ話なんか満載なはずなのに、どうもそういった雰囲気が無い。
「あのね、女の子にはリオンみたいなのはついてないの。
親は○玉がついてる子にはズボンをはかせて、○玉がついてない子にはスカートをはかせるのっ」
内心『超トホホ』だったが、私は相手を3歳児だと思うことにして懇切丁寧に教えた。
チクショウ。
こんなうら若い身で○玉を連発するような羽目になるなんて。
それもこれも、みぃぃ~んな、あの馬鹿兄のせいだっ。
「でも、僕の武術の師は、男性でしたがそんなものはついていませんでした。
兄様は師のことを『おっさん』と言ってらしたから、師はきっと男性のはずなのですが……」
リオンが首をかしげた。
「ついてないなら、男っぽい女性だったんじゃない?
武術をやっているなら『普段は男装』って人もいるかも。
でも、胸のあたりが少しふくらんでたりはしなかった?」
そう言うと、リオンはハッとしたように何かもごもご言った。
「そういえば……兄様は師に会ったことがなかったかも……」
「え?」
「いえなんでもありません。
なんだかアリシアさんのおっしゃる通りのような気がしてきました」
言ってますますうなだれる。
「確かに師は胸のあたりがかなりふくらんでいました。女性だったのでしょう。
でもまったく胸が無くても『すかぁと』をはいてる女性も多いですし、ずぼんをはいた男性でもたまに胸がふくらんでいるのでそう気にしていませんでした。
でも胸が大きいことも、女の人の特徴の一つなのですね……」
「ええ、そうだけど」
兄も相当なアホだが、武術の師とやらも中々アレな人だったようだ。
男装するのはいいけれど、本当の性別ぐらい、ちゃんと弟子に教えておけよ。
「でもっ! 師の話によると、子供の頃はふくらんでいなかったそうなのです。
だから『お前も大人になったらふくらむんじゃないか?』とおっしゃっていました。
きっと僕の胸もそのうちふくらむのですよ。
そうしたら、僕も女の子になれますか?
僕と顔のよく似ていた師が『女性』なら、僕だって大人になったら女の人になれるかも……。
それにね、兄様は僕にすかぁとを着せてくださったことがあるのです。
きっと僕には『女性』になれる見込みがあるのですよ」
「そんなものはないっっっつ!!!」
私はイライラして身を乗り出して叫んだ。
なんというとんでもない師だ。
何も知らない、幼いリオンにテキトーなことばかり吹き込んで。
そしてエルめ~。
優しい兄の振りして……弟を女装させるような変態だったとは!!
そんなことしてるから、リオンは男女の区別があやふやになったまま育っちゃったのよっ。
……ハッ!!
女の子たちの告白を全て断っていたのは、もしやそういう変態趣味のため?
やたらリオンにべたべたしているとは思っていたけど、弟を女装させた上でたぶらかし、『結婚』を餌にあんなことやこんなことをしてたのかもっ!!
許せん。
この私が成敗してくれるっ!!!
投稿予約の不備で毎日更新になっていませんでした。
申し訳ありません。
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さて、リオンはいったい『少女』なのか『少年』なのか。
「ねえ…………ちょっと聞きたいんだけど、アレはちゃんと付いているのよね?」
「アレ? アレっ、て何ですか?」
リオンが首をかしげる。
ええっ!?
聞き返してくるか、普通???
「だからっつ! その……え~っと……股間についてるアレよ!」
「こかん? 何ですかソレ? 知らない言葉です」
リオンはそう言ってまた、可愛らしく首をかしげる。
はぁあ!?
知らないぃぃぃ???
オマエ、もうすぐ13歳だろうがっ!!
あのクソ兄は、いったいどういう育て方をしてきたんだよっ!!
「あ、足と足の間の事よ。
なんか…………その……ブラブラしたものってちゃんとついているの?」
「はぁ、まあそうですね。ついていますね。
そっか~。名前なんて気にしたことも無かったけど、アレは『こかん』というのですね。勉強になりました!!」
リオンは真顔でそう言って、得心したように頷く。
「違う違う!!
あれは金○……って何言わせんのよっ!! うら若き乙女にっ!!」
「え? 言わせてなんかいませんよ。
自分で勝手に言っておいて、何を怒っているのですか?
あっ! 兄様が言ってらしたコーネンキショウガイってヤツですか?
大変ですね」
違うわっ!!!!!
エルのヤツ、何故そんなつまらんことだけは詳しく教えてやがるんだっ!!
もっと他に教えるべきことがあるだろうっ。この糞がっ!!
……ぜいぜい。
それにしても何という奴だ。○玉も知らないとは……。
だいたい、あの年頃の兄弟で二人暮らししていたら、エロ話なんか満載なはずなのに、どうもそういった雰囲気が無い。
「あのね、女の子にはリオンみたいなのはついてないの。
親は○玉がついてる子にはズボンをはかせて、○玉がついてない子にはスカートをはかせるのっ」
内心『超トホホ』だったが、私は相手を3歳児だと思うことにして懇切丁寧に教えた。
チクショウ。
こんなうら若い身で○玉を連発するような羽目になるなんて。
それもこれも、みぃぃ~んな、あの馬鹿兄のせいだっ。
「でも、僕の武術の師は、男性でしたがそんなものはついていませんでした。
兄様は師のことを『おっさん』と言ってらしたから、師はきっと男性のはずなのですが……」
リオンが首をかしげた。
「ついてないなら、男っぽい女性だったんじゃない?
武術をやっているなら『普段は男装』って人もいるかも。
でも、胸のあたりが少しふくらんでたりはしなかった?」
そう言うと、リオンはハッとしたように何かもごもご言った。
「そういえば……兄様は師に会ったことがなかったかも……」
「え?」
「いえなんでもありません。
なんだかアリシアさんのおっしゃる通りのような気がしてきました」
言ってますますうなだれる。
「確かに師は胸のあたりがかなりふくらんでいました。女性だったのでしょう。
でもまったく胸が無くても『すかぁと』をはいてる女性も多いですし、ずぼんをはいた男性でもたまに胸がふくらんでいるのでそう気にしていませんでした。
でも胸が大きいことも、女の人の特徴の一つなのですね……」
「ええ、そうだけど」
兄も相当なアホだが、武術の師とやらも中々アレな人だったようだ。
男装するのはいいけれど、本当の性別ぐらい、ちゃんと弟子に教えておけよ。
「でもっ! 師の話によると、子供の頃はふくらんでいなかったそうなのです。
だから『お前も大人になったらふくらむんじゃないか?』とおっしゃっていました。
きっと僕の胸もそのうちふくらむのですよ。
そうしたら、僕も女の子になれますか?
僕と顔のよく似ていた師が『女性』なら、僕だって大人になったら女の人になれるかも……。
それにね、兄様は僕にすかぁとを着せてくださったことがあるのです。
きっと僕には『女性』になれる見込みがあるのですよ」
「そんなものはないっっっつ!!!」
私はイライラして身を乗り出して叫んだ。
なんというとんでもない師だ。
何も知らない、幼いリオンにテキトーなことばかり吹き込んで。
そしてエルめ~。
優しい兄の振りして……弟を女装させるような変態だったとは!!
そんなことしてるから、リオンは男女の区別があやふやになったまま育っちゃったのよっ。
……ハッ!!
女の子たちの告白を全て断っていたのは、もしやそういう変態趣味のため?
やたらリオンにべたべたしているとは思っていたけど、弟を女装させた上でたぶらかし、『結婚』を餌にあんなことやこんなことをしてたのかもっ!!
許せん。
この私が成敗してくれるっ!!!
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