滅びの国の王子と魔獣(挿絵あり)本編完結・以後番外編

結城 

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アリシア外伝・窓の外の雪 

アリシア外伝・窓の外の雪 8

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「ねぇリオン」

「……何ですか?」

 目元が不機嫌そうにゆがんだけど、気にしちゃ負けだ。

「リオンって本っっっ当にお兄ちゃんと仲良しよね~」

「えっ!? は、はいもちろんです。僕と兄様は凄く仲良しなんですっ!!」

 普段の会話ではいや~な顔しか見せないけれど、リオンは光の速さで嬉しそうに肯定した。
 そうして微かに頬を染める。

 コイツ、どんだけブラコンなのだ。
 このままじゃアブナイ道に逸れるのではないかと、段々心配になってくる。

「でもね、エルだってもうすぐ15歳でしょ? そうしたら結婚だって出来ちゃうわけで……いつまでも『兄様、兄様』って言うのもどうかなぁとオネエサンは思うのよ~」

 私のその言葉にリオンは意外そうに瞬いた。

「えっと……結婚って何歳から出来るのですか?」

「国によって違うけど、ココは確か15歳だったと思うわよ」

「そっか……早く15歳になって兄様のお嫁さんになりたいなぁ」

 夢見る少女のような瞳で呟くリオンの顔面に私は紅茶を吹いた。
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