257 / 437
リオン編 分かれ道
リオン編 分かれ道4
しおりを挟む
机の上に地図が広げてあったので掴み、穴の空いた壁から下に飛び降りる。
風をまとっているので、普通の人間のように怪我をすることはない。
僕の名を叫ぶ、王の声が聞こえた。
でも急いでいるので、聞こえないフリをした。
どうせ止めようとするに決まっているし、今止められたら兄さんに危険が及ぶ。
それに、修理代を請求されてもすぐには払えそうも無い。
一括は無理そうだから、分割払いかなぁ?
店のお客さんにも時々分割払いを希望する方がいたけれど、中々大変そうだった。
しかも逃げ得など、王は絶対に許さない。
悶々と考えながら、夜の街を走り続ける。
え~っと、僕のお給金が月に約20万YEENだから、2割の4万YEENずつ払うとして……うう、いったい何十年かかるのだろうか?
考えながらも、時々地図をチェックする。
幸い敵のボスが泊まっているというホテルの近くまでは、兄と遊びに行ったことがある。
地図だって、昔は上手く読めなかったけど、今はちゃんと読める。
2時間ほど走ってたどり着いたホテルは、堅牢そうな石造りの建物だった。
でも地下神殿の壁と違い、何の魔的処理もしていない。
これなら壊すのは、造作も無いことだ。
ただ僕は、うっかり大切なことを忘れていた。
もうっ!
僕のウッカリさん!!
……なんて馬鹿アリシアみたいに、一人ツッコミを入れている場合ではない。
作戦はすべて聞いていたが、聞いてるだけだったので『ボスの顔』がわからない。
ううっ。
なんで僕はこう、肝心なところが抜けているのだろうか?
一人静かに落ち込んでみる。
こんなだから、兄やアルフレッド王は心配して僕に『大切な仕事』を任せてくれないのかなぁ?
あの暗殺者たちは、僕を笑ったのかなぁ?
……でもまぁいいや。
ボスの顔なんてわからなくても、この任務は果たすことが出来る。
どうせこのホテルには『敵側の人間』しか居ないのだ。
一人残らず抹殺すれば、その中にボスも居るに違いない。
風をまとっているので、普通の人間のように怪我をすることはない。
僕の名を叫ぶ、王の声が聞こえた。
でも急いでいるので、聞こえないフリをした。
どうせ止めようとするに決まっているし、今止められたら兄さんに危険が及ぶ。
それに、修理代を請求されてもすぐには払えそうも無い。
一括は無理そうだから、分割払いかなぁ?
店のお客さんにも時々分割払いを希望する方がいたけれど、中々大変そうだった。
しかも逃げ得など、王は絶対に許さない。
悶々と考えながら、夜の街を走り続ける。
え~っと、僕のお給金が月に約20万YEENだから、2割の4万YEENずつ払うとして……うう、いったい何十年かかるのだろうか?
考えながらも、時々地図をチェックする。
幸い敵のボスが泊まっているというホテルの近くまでは、兄と遊びに行ったことがある。
地図だって、昔は上手く読めなかったけど、今はちゃんと読める。
2時間ほど走ってたどり着いたホテルは、堅牢そうな石造りの建物だった。
でも地下神殿の壁と違い、何の魔的処理もしていない。
これなら壊すのは、造作も無いことだ。
ただ僕は、うっかり大切なことを忘れていた。
もうっ!
僕のウッカリさん!!
……なんて馬鹿アリシアみたいに、一人ツッコミを入れている場合ではない。
作戦はすべて聞いていたが、聞いてるだけだったので『ボスの顔』がわからない。
ううっ。
なんで僕はこう、肝心なところが抜けているのだろうか?
一人静かに落ち込んでみる。
こんなだから、兄やアルフレッド王は心配して僕に『大切な仕事』を任せてくれないのかなぁ?
あの暗殺者たちは、僕を笑ったのかなぁ?
……でもまぁいいや。
ボスの顔なんてわからなくても、この任務は果たすことが出来る。
どうせこのホテルには『敵側の人間』しか居ないのだ。
一人残らず抹殺すれば、その中にボスも居るに違いない。
0
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説

新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。


思い込み激しめな友人の恋愛相談を、仕方なく聞いていただけのはずだった
たけむら
BL
「思い込み激しめな友人の恋愛相談を、仕方なく聞いていただけのはずだった」
大学の同期・仁島くんのことが好きになってしまった、と友人・佐倉から世紀の大暴露を押し付けられた名和 正人(なわ まさと)は、その後も幾度となく呼び出されては、恋愛相談をされている。あまりのしつこさに、八つ当たりだと分かっていながらも、友人が好きになってしまったというお相手への怒りが次第に募っていく正人だったが…?


目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。
彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。
……あ。
音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。
しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。
やばい、どうしよう。
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる