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第4章 鳥篭の外へ
7.鳥篭の外へ
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「う……それは……そのだな……え~っと……」
リオンはこう見えて男の子だから、生足を見せても別にはしたなくは無いはず。
しかし、
「俺がドキドキするからやめてくれっ!!」
と言うのも、いかがなものだろう?
「と、とにかく駄目なものは駄目!!
それからリオンは男の子なんだから、やっぱりこの服は取りやめだ!!
はい、こっち!!」
言いながら、再び地味な男の子服を押し付ける。
「……そ、そうなのですか……?
見た事もない色がついていて、凄く綺麗なのですけど、兄様がそうおっしゃるなら……」
リオンは、あらかさまに残念そうに服に手をかけた。
本当は、女の子用の服の方が良かったようだ。
それは良いのだが、
うわっ!!
俺は思わず大声を上げそうになって、噛み殺した。
リオンは人前で服を脱ぐことに特に抵抗はないようだが、そんなに堂々と脱がれると……俺が大変困る。
再び目のやり場に困って視線をあさっての方向に飛ばすが、ドキドキが止まらない。
「……それで『おとこのこ』とはどういう意味ですか?
何かの所属……もしくは、職業を表す言葉でしょうか?」
リオンは女の子用の服を脱ぎながら、俺に聞いた。
……うっ!!
まさか、そこまでもの知らずとは……。
クロスⅦは、一体どういう教育をこいつにしてきたのだ。
神学や、小難しい魔道の知識はやたらとあるのに。
「男の子っていうのは……その……」
「その?」
「男らしくて、……えっと、色々ついてて……」
「何がですか?」
可愛らしく首をかしげて無邪気に聞いてくる弟に、俺は言葉に詰まってしまった。
女の子にしか見えない、超絶に可愛らしい子に、具体的に『何がついているのか』述べられる奴がいたら、カオを見てみたい。
少なくとも、俺には無理だ。無理すぎる。
でも、リオンはまあるい瞳をキラキラさせて、俺の言葉を待っている。
さぁ、どうする俺っ!! どうするんだっ!!!
「えっと……足を出すところが二本『ついてる』………ズボンを履くのが男で……」
考え抜いて、苦しい説明を搾り出してみた。
専属の教師が14人もいた俺なのに、出せる答えはコレかよ。トホホ。
「『ずぼん』ってもしかしてコレですか?」
リオンが、さっき渡したズボンを示して聞く。
どうやら神官服以外、着たこともなければ見たこともないらしい。
俺と会っていた時は常に目隠しをしていたし、この地下神殿ではクロスⅦと常に二人きり。
なら、仕方の無いことなのかもしれない。
「そうそれ! それがズボン。
さっきの女の子服じゃ、可愛すぎて悪い奴にさらわれそうだから、やっぱりズボンをはかなきゃなっ!!」
そう明るく言うと、リオンは神妙な顔をした。
「……外の世界って、やっぱり怖いのですね。
僕、これでも魔獣を操る神官魔道士としての仮継承式は済ませましたし、クロスⅦに『強さだけなら歴代1』と言われていたのに……僕をさらえるような人が、外にはいっぱい居るのですね」
リオンは、ブルっと小さく震えた。
……いや、冷静に考えると、多分俺より強そうなお前をさらえるような奴は、いないかも……。
まあそれはともかく、リオンに再び男の子の服を着せて、本当に惜しかったが髪は短く切った。(涙)
そうすると、何とかぎりぎり男の子に見えるようになった。(多分)
「さあ行こう」
さっきの人攫い発言ですっかりおびえてしまった弟の手をとると、この忌まわしい部屋から出て、紋章を使い、鍵をきちんとかけなおす。
もしクロスⅦの死体が発見されたら、大変な事になるからだ。
リオンはこう見えて男の子だから、生足を見せても別にはしたなくは無いはず。
しかし、
「俺がドキドキするからやめてくれっ!!」
と言うのも、いかがなものだろう?
「と、とにかく駄目なものは駄目!!
それからリオンは男の子なんだから、やっぱりこの服は取りやめだ!!
はい、こっち!!」
言いながら、再び地味な男の子服を押し付ける。
「……そ、そうなのですか……?
見た事もない色がついていて、凄く綺麗なのですけど、兄様がそうおっしゃるなら……」
リオンは、あらかさまに残念そうに服に手をかけた。
本当は、女の子用の服の方が良かったようだ。
それは良いのだが、
うわっ!!
俺は思わず大声を上げそうになって、噛み殺した。
リオンは人前で服を脱ぐことに特に抵抗はないようだが、そんなに堂々と脱がれると……俺が大変困る。
再び目のやり場に困って視線をあさっての方向に飛ばすが、ドキドキが止まらない。
「……それで『おとこのこ』とはどういう意味ですか?
何かの所属……もしくは、職業を表す言葉でしょうか?」
リオンは女の子用の服を脱ぎながら、俺に聞いた。
……うっ!!
まさか、そこまでもの知らずとは……。
クロスⅦは、一体どういう教育をこいつにしてきたのだ。
神学や、小難しい魔道の知識はやたらとあるのに。
「男の子っていうのは……その……」
「その?」
「男らしくて、……えっと、色々ついてて……」
「何がですか?」
可愛らしく首をかしげて無邪気に聞いてくる弟に、俺は言葉に詰まってしまった。
女の子にしか見えない、超絶に可愛らしい子に、具体的に『何がついているのか』述べられる奴がいたら、カオを見てみたい。
少なくとも、俺には無理だ。無理すぎる。
でも、リオンはまあるい瞳をキラキラさせて、俺の言葉を待っている。
さぁ、どうする俺っ!! どうするんだっ!!!
「えっと……足を出すところが二本『ついてる』………ズボンを履くのが男で……」
考え抜いて、苦しい説明を搾り出してみた。
専属の教師が14人もいた俺なのに、出せる答えはコレかよ。トホホ。
「『ずぼん』ってもしかしてコレですか?」
リオンが、さっき渡したズボンを示して聞く。
どうやら神官服以外、着たこともなければ見たこともないらしい。
俺と会っていた時は常に目隠しをしていたし、この地下神殿ではクロスⅦと常に二人きり。
なら、仕方の無いことなのかもしれない。
「そうそれ! それがズボン。
さっきの女の子服じゃ、可愛すぎて悪い奴にさらわれそうだから、やっぱりズボンをはかなきゃなっ!!」
そう明るく言うと、リオンは神妙な顔をした。
「……外の世界って、やっぱり怖いのですね。
僕、これでも魔獣を操る神官魔道士としての仮継承式は済ませましたし、クロスⅦに『強さだけなら歴代1』と言われていたのに……僕をさらえるような人が、外にはいっぱい居るのですね」
リオンは、ブルっと小さく震えた。
……いや、冷静に考えると、多分俺より強そうなお前をさらえるような奴は、いないかも……。
まあそれはともかく、リオンに再び男の子の服を着せて、本当に惜しかったが髪は短く切った。(涙)
そうすると、何とかぎりぎり男の子に見えるようになった。(多分)
「さあ行こう」
さっきの人攫い発言ですっかりおびえてしまった弟の手をとると、この忌まわしい部屋から出て、紋章を使い、鍵をきちんとかけなおす。
もしクロスⅦの死体が発見されたら、大変な事になるからだ。
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