431 / 437
再会小話5 だから、幸せに1
再会小話5 だから、幸せに2
しおりを挟む
かつてワタシが囚われていた、エルシオン城。
真っ先に探したそこは、巨大レジャーランドとなっており、ワタシの本体を見つけることは出来なかった。
次に探したのが、アースラが昔荒らした廟や遺跡。
ここもその一つだ。
目の前にひっそりと建つこの聖廟の大きさは、庶民の家ほどしかない。
偉人の聖廟としてはかなり小さい方だろう。
……が、これが中々の堅牢さな上、ばっちりと結界が張ってある。
おまけに普通の人間には見ることすら出来ない。
ワタシの体を隠すなら、ぴったりの場所だ。
アースラが得意としていた封印破りの術の痕跡をさっきから忌々しく眺めていたのだが、ワタシが開けることは中々難しそうだった。
糞アースラの趣味は墓荒らし。
多種多様の技を用いては器用に踏み込んでいたようだが、荒らしたあとは、ご丁寧にもきちんと閉じて封印を施している。
それも、開ける前よりもはるかに厳重に。
再び開けるには、魔族ですらかなりの技量が必要と思われる。
もちろんこんな封印、元の体の頃のワタシであれば、難なく開けられたことだろう。
ワタシの種族は強大な魔力に恵まれているため、大抵のことは『力』で押せば何とかなるのだ。
だがその分、細かいことは全く苦手。
一方、人間の範疇でしか魔力を持っていなかったアースラは、細かい粘着質な術は得意中の得意だった。
ヤツの陰険さをもって、ねちねちとかけた術を一つずつ解析して封印を解いていくのは、陽気で健全なワタシには到底無理と思われる。
かと言って力押ししたら、封印を破壊するより早く、愛娘の体のほうが壊れてしまうだろう。
くッ…………アースラめっ。どこまでも忌々しいヤツだッ!!
死後何百年もたった今ですら、このワタシを苦しめ続けるとは……!!
だが、このまま突っ立っていても始まらない。
バスケットを手にしたまま、目の前の遺跡をにらみつけ、決意する。
――――――ワタシは、どうしても『自分の体』を取り戻さねばならぬのだ。
そのためになら、どんな困難にも打ち勝ってみせるともッ!!
真っ先に探したそこは、巨大レジャーランドとなっており、ワタシの本体を見つけることは出来なかった。
次に探したのが、アースラが昔荒らした廟や遺跡。
ここもその一つだ。
目の前にひっそりと建つこの聖廟の大きさは、庶民の家ほどしかない。
偉人の聖廟としてはかなり小さい方だろう。
……が、これが中々の堅牢さな上、ばっちりと結界が張ってある。
おまけに普通の人間には見ることすら出来ない。
ワタシの体を隠すなら、ぴったりの場所だ。
アースラが得意としていた封印破りの術の痕跡をさっきから忌々しく眺めていたのだが、ワタシが開けることは中々難しそうだった。
糞アースラの趣味は墓荒らし。
多種多様の技を用いては器用に踏み込んでいたようだが、荒らしたあとは、ご丁寧にもきちんと閉じて封印を施している。
それも、開ける前よりもはるかに厳重に。
再び開けるには、魔族ですらかなりの技量が必要と思われる。
もちろんこんな封印、元の体の頃のワタシであれば、難なく開けられたことだろう。
ワタシの種族は強大な魔力に恵まれているため、大抵のことは『力』で押せば何とかなるのだ。
だがその分、細かいことは全く苦手。
一方、人間の範疇でしか魔力を持っていなかったアースラは、細かい粘着質な術は得意中の得意だった。
ヤツの陰険さをもって、ねちねちとかけた術を一つずつ解析して封印を解いていくのは、陽気で健全なワタシには到底無理と思われる。
かと言って力押ししたら、封印を破壊するより早く、愛娘の体のほうが壊れてしまうだろう。
くッ…………アースラめっ。どこまでも忌々しいヤツだッ!!
死後何百年もたった今ですら、このワタシを苦しめ続けるとは……!!
だが、このまま突っ立っていても始まらない。
バスケットを手にしたまま、目の前の遺跡をにらみつけ、決意する。
――――――ワタシは、どうしても『自分の体』を取り戻さねばならぬのだ。
そのためになら、どんな困難にも打ち勝ってみせるともッ!!
0
お気に入りに追加
118
あなたにおすすめの小説


思い込み激しめな友人の恋愛相談を、仕方なく聞いていただけのはずだった
たけむら
BL
「思い込み激しめな友人の恋愛相談を、仕方なく聞いていただけのはずだった」
大学の同期・仁島くんのことが好きになってしまった、と友人・佐倉から世紀の大暴露を押し付けられた名和 正人(なわ まさと)は、その後も幾度となく呼び出されては、恋愛相談をされている。あまりのしつこさに、八つ当たりだと分かっていながらも、友人が好きになってしまったというお相手への怒りが次第に募っていく正人だったが…?

目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。
彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。
……あ。
音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。
しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。
やばい、どうしよう。
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭



ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる