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そうだ、エルシオンランドに行こう!(再会編2)
そうだ、エルシオンランドに行こう!(再会編2)7
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今、神殿跡は立派な結婚式場となっている。
地下とはいえ、天井が高く広いので少し手を加えれば荘厳な会場へと様変わりさせられるようだ。
しかもフリー結婚式の時にはチケットのみで誰でも入場、参加できるようになっている。
多分、将来の顧客を掴むための宣伝も兼ねているのだろう。
カップルや子供たちがキラキラした眼差しで花嫁たちを見つめている。
今日も前回同様、フリー結婚式をやっていた。
祭壇前の200人席は式の関係者しか入れないが、その周りは誰でも入って祝福できる。
全面貸切ももちろん出来るが、料金は倍ほどになるので大抵の者ははフリー結婚式の方を選ぶようだ。
「……素敵ですねぇ、兄様」
リオンがうっとりと言う。
「そういえばお前らって結婚式はやったのか?」
兄妹婚―――――特に異母兄妹婚まで含めるなら、認める国はそこそこある。
しかし、男×男を認める国は無かったはずだ。
「やりましたよ、46回ほど」
「エッ!?」
「新居を決めるための旅をしながら、気に入った教会を見つける度結婚式をしていたら、この回数になったんだ。
良いじゃないか。リオンは可愛いぃ~から何度でも花嫁姿を見たいよなぁ?」
エルが目じりを下げて同意を求めてくる。
本当に病的なブラコン・アホ男である。
「兄様のタキシード姿だって、何回見ても素敵です❤
ねっ! ヴァティールさん?」
今度はリオンが頬を染めながら同意を求めてくる。
……駄目だこいつら。
確かにリオンのあの見た目なら、神父もまさか『男』だとは思うまいが、46回もか。
もう一生やってろ。
バカップルに呆れつつも、そろそろ昼時になったのでランチに行くことにした。
厳密にはワタシは食事を必要としない。
大気中にあふれる気を吸収することが出来るからだ。
そうは言っても食事は楽しい。
特に人間の肉体を借りているときの食事は、人間同様の味覚となるので美味いのだ。
前回来た時は外庭に並ぶお洒落な屋台で食ったが、今回は無料チケットがあるのでエルたちと共に城で一番の高級レストランに行った。
最上階にあるために大きな窓からは青空に映える町並みが見えて、とても美しい。
しかしワタシは、こういうかしこまった席は落ち着かない。
初代エルシオン王妃――――――アースラの妹でもあるリリーシャの体を借りていたとき、糞アースラに人界のマナーを叩き込まれたが、嫌な思い出しかない。
当時の悔しさが蘇る。
くっそ~!!
アースラめっ!!
憎しみを込めて肉を切っていたが、口に入れるととろけるようにウマイ。
昔アースラに練習させられたときは、筋張った得体の知れない肉しか出なかったが、これなら楽しく食べられそうだ。
バクバク食べていると、リオンがにっこりと微笑んでワタシを見た。
そうして軽く頭を下げる。
「先日はうちの兄が失礼な申し出を致しまして、本当に申し訳ありませんでした」
うっ!
もしかしてアノ件か!?
しまった、すっかり忘れてた……。
まさかリオンに逆恨みされていないだろうなァ?
地下とはいえ、天井が高く広いので少し手を加えれば荘厳な会場へと様変わりさせられるようだ。
しかもフリー結婚式の時にはチケットのみで誰でも入場、参加できるようになっている。
多分、将来の顧客を掴むための宣伝も兼ねているのだろう。
カップルや子供たちがキラキラした眼差しで花嫁たちを見つめている。
今日も前回同様、フリー結婚式をやっていた。
祭壇前の200人席は式の関係者しか入れないが、その周りは誰でも入って祝福できる。
全面貸切ももちろん出来るが、料金は倍ほどになるので大抵の者ははフリー結婚式の方を選ぶようだ。
「……素敵ですねぇ、兄様」
リオンがうっとりと言う。
「そういえばお前らって結婚式はやったのか?」
兄妹婚―――――特に異母兄妹婚まで含めるなら、認める国はそこそこある。
しかし、男×男を認める国は無かったはずだ。
「やりましたよ、46回ほど」
「エッ!?」
「新居を決めるための旅をしながら、気に入った教会を見つける度結婚式をしていたら、この回数になったんだ。
良いじゃないか。リオンは可愛いぃ~から何度でも花嫁姿を見たいよなぁ?」
エルが目じりを下げて同意を求めてくる。
本当に病的なブラコン・アホ男である。
「兄様のタキシード姿だって、何回見ても素敵です❤
ねっ! ヴァティールさん?」
今度はリオンが頬を染めながら同意を求めてくる。
……駄目だこいつら。
確かにリオンのあの見た目なら、神父もまさか『男』だとは思うまいが、46回もか。
もう一生やってろ。
バカップルに呆れつつも、そろそろ昼時になったのでランチに行くことにした。
厳密にはワタシは食事を必要としない。
大気中にあふれる気を吸収することが出来るからだ。
そうは言っても食事は楽しい。
特に人間の肉体を借りているときの食事は、人間同様の味覚となるので美味いのだ。
前回来た時は外庭に並ぶお洒落な屋台で食ったが、今回は無料チケットがあるのでエルたちと共に城で一番の高級レストランに行った。
最上階にあるために大きな窓からは青空に映える町並みが見えて、とても美しい。
しかしワタシは、こういうかしこまった席は落ち着かない。
初代エルシオン王妃――――――アースラの妹でもあるリリーシャの体を借りていたとき、糞アースラに人界のマナーを叩き込まれたが、嫌な思い出しかない。
当時の悔しさが蘇る。
くっそ~!!
アースラめっ!!
憎しみを込めて肉を切っていたが、口に入れるととろけるようにウマイ。
昔アースラに練習させられたときは、筋張った得体の知れない肉しか出なかったが、これなら楽しく食べられそうだ。
バクバク食べていると、リオンがにっこりと微笑んでワタシを見た。
そうして軽く頭を下げる。
「先日はうちの兄が失礼な申し出を致しまして、本当に申し訳ありませんでした」
うっ!
もしかしてアノ件か!?
しまった、すっかり忘れてた……。
まさかリオンに逆恨みされていないだろうなァ?
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