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外伝・アルフレッド王編・夢の国の果て
アルフレッド王編・夢の国の果て 2
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父上……あんた、浮気がしたかっただけだろう。
美人と遊びたかっただけだろう。
大人って汚い。
為政者とすればまぁまぁだと思っていた父上だが、まさかこんなに馬鹿だったとは。
僕は本当にガッカリした。
以降、優しかった正妃様は鬼女となった。
まぁそうだろう。
わが国は貧しいので、父上が手をつけるのは宮廷で働く身分低い美女ばかり。
身分はあれど、美しくはなかった正妃様にとってそれは酷くつらいことだったに違いない。
何とか一人のお子……それも男子に恵まれはしたが、王は『義務は果たした』とばかりに益々正妃様の元には寄り付かなくなった。
そうしてお金のあまりかからない庶民の美女たちに手を出しまくり、子を産ませまくったのだ。
これで鬼女にならない方がどうかしている。
鬼女になったのは正妃さまだけではない。
妾妃や他の愛人たちも同様だ。
わが国は貧しい。
そのため子をなして初めて妾妃の地位を与えられるのだが、いくら貧しい小国とはいえ『その地位』は魅力的だ。
見目の悪い正妃様を内心馬鹿にするようなアホ女ばかりが王の寵を競い、まともで美しい女は毒を盛られて無知な順に抹殺されていった。
そんな状況を作り出したアホ父ではあったが、僕のことは大変可愛がってくれた。
多分、学問が飛びぬけて出来たからだろう。
その代わり、鬼女となった王妃様や他の妾妃たちからは憎まれた。
王妃様たちのお子は、そろいも揃って頭がとても悪かったからだろう。
僕はあの年頃には読み書きが出来た。それなりに厚い本も読めた。
しかし他のお子達は文字を読むどころか、食事中にきちんと座っていられるかさえ怪しい。
いや、まだみんな幼児なのだから将来はわからない。
遅咲きの英雄、遅咲きの天才を記した本は多い。
お子達もそうなる可能性が無いとはいえない。
……が、周りの環境が最悪だ。
各母たちが極端に甘やかすあの環境のままなら10年後には、
『可愛いげのあるちっちゃい馬鹿』
から、
『救いようの無い大っきな馬鹿』
……にランクアップすること間違いなしだ。
当時子供であった僕にでもその因果がわかるのに、王妃様たちには僕が、
『努力もしないのに勉学が出来る天才児』
に見えたらしく、一方的に妬まれた。
ふ……冗談じゃないよ。僕は凡人だ。
努力はした。死ぬほどした。
あんたらに殺されずに済む知恵を身につけるために。
それでも僕の『王位継承権』が低いうちは良かった。
時々毒が盛られることはあったけど、他の妾妃のお子たちも同様だったし、盛り方も安易なものがほとんどだったから、母様から授けられた知恵や本から得た知識だけで十分回避することができた。
しかし、14歳の誕生日に状況は一変した。
父は正妃様のお子を継承者からはずし、僕を次期王位継承者として指名したのだ。
ああ、父上なんて事をっ!!
そのとき僕は……父は『ただの馬鹿』じゃなくて『物凄く馬鹿』なのだと、確信した。
美人と遊びたかっただけだろう。
大人って汚い。
為政者とすればまぁまぁだと思っていた父上だが、まさかこんなに馬鹿だったとは。
僕は本当にガッカリした。
以降、優しかった正妃様は鬼女となった。
まぁそうだろう。
わが国は貧しいので、父上が手をつけるのは宮廷で働く身分低い美女ばかり。
身分はあれど、美しくはなかった正妃様にとってそれは酷くつらいことだったに違いない。
何とか一人のお子……それも男子に恵まれはしたが、王は『義務は果たした』とばかりに益々正妃様の元には寄り付かなくなった。
そうしてお金のあまりかからない庶民の美女たちに手を出しまくり、子を産ませまくったのだ。
これで鬼女にならない方がどうかしている。
鬼女になったのは正妃さまだけではない。
妾妃や他の愛人たちも同様だ。
わが国は貧しい。
そのため子をなして初めて妾妃の地位を与えられるのだが、いくら貧しい小国とはいえ『その地位』は魅力的だ。
見目の悪い正妃様を内心馬鹿にするようなアホ女ばかりが王の寵を競い、まともで美しい女は毒を盛られて無知な順に抹殺されていった。
そんな状況を作り出したアホ父ではあったが、僕のことは大変可愛がってくれた。
多分、学問が飛びぬけて出来たからだろう。
その代わり、鬼女となった王妃様や他の妾妃たちからは憎まれた。
王妃様たちのお子は、そろいも揃って頭がとても悪かったからだろう。
僕はあの年頃には読み書きが出来た。それなりに厚い本も読めた。
しかし他のお子達は文字を読むどころか、食事中にきちんと座っていられるかさえ怪しい。
いや、まだみんな幼児なのだから将来はわからない。
遅咲きの英雄、遅咲きの天才を記した本は多い。
お子達もそうなる可能性が無いとはいえない。
……が、周りの環境が最悪だ。
各母たちが極端に甘やかすあの環境のままなら10年後には、
『可愛いげのあるちっちゃい馬鹿』
から、
『救いようの無い大っきな馬鹿』
……にランクアップすること間違いなしだ。
当時子供であった僕にでもその因果がわかるのに、王妃様たちには僕が、
『努力もしないのに勉学が出来る天才児』
に見えたらしく、一方的に妬まれた。
ふ……冗談じゃないよ。僕は凡人だ。
努力はした。死ぬほどした。
あんたらに殺されずに済む知恵を身につけるために。
それでも僕の『王位継承権』が低いうちは良かった。
時々毒が盛られることはあったけど、他の妾妃のお子たちも同様だったし、盛り方も安易なものがほとんどだったから、母様から授けられた知恵や本から得た知識だけで十分回避することができた。
しかし、14歳の誕生日に状況は一変した。
父は正妃様のお子を継承者からはずし、僕を次期王位継承者として指名したのだ。
ああ、父上なんて事をっ!!
そのとき僕は……父は『ただの馬鹿』じゃなくて『物凄く馬鹿』なのだと、確信した。
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