26 / 33
二人のあいつ、そして距離の話。
2−9
しおりを挟む
入って入ってと促してごちゃごちゃした部屋の奥へと進んだ。
文房具が入っている箱から、以前まで血液がついていたであろうカッターナイフを取り出し、白鳥に渡す。
俺はどうしても不器用なので、すぐに怪我をするのだ。まぁそれ以外にも血液がつく理由はあるのだが。
箱の開封をあいつに全部託して、落ちたテープなどのゴミを捨てる。
散らかっている空のダンボールを拾い、玄関の方へ持ち出す。俺はしばらくそんな作業を続けた。
なんとか今日中に家電をすべて箱から出し終える事ができた。
ただ、取り扱い説明書が難解でそれ以上がなかなか進まない。
どうしたものかと頭を抱えていると、白鳥が横から入ってきて「とりあえずやってみれば?俺も手伝うから。」と言ってくれた。ほんとに頼れるやつだと思う。
冷蔵庫を立てて、変な形のコンセントにプラグを刺すところまで出来た。電源をつけて初期設定をするところはよく解らなかったので白鳥に手伝ってもらった。
そんな感じで、大半を白鳥に任せたまま家電の設置を終えた。まさか今日中に終わるとは思ってなかったもので、大変助かっている。
ただ、それでも家電の数はそこそこあったので、すでに終電は取り逃しているような時間だし、夕方からぶっ通しで作業していたのでお腹が空いている。
そこで俺は、ついこの間購入した即席麺をキッチンの棚から二人分取り出してお湯を沸かし始めた。もちろんさっき取り付けた電気ケトルで。
普通に鍋で沸かすより早いんだなぁと最近の科学技術に感心してしまった。いや、俺が古に生きていただけなんだが。危ない。時かけおじさんになるところだった。
さっさと間食を済ませて俺と白鳥は家の近くにある24時間営業のスーパーで買い出しをした。
白鳥はご飯を俺に任せて自分の欲しい物を買いに行った。
俺は、白鳥の食の好みを把握していないので
とりあえず今日の昼食と被らないようにサラダの類の惣菜を買って無人レジに向かった。
バーコードを読み取ってると、
走ってきたのか息が荒い白鳥が「これも追加していい?」とビール缶の6本セットを差し出してきた。
俺の飲む予定はないが、白鳥が飲む分には問題ないので一緒に会計をした。
帰宅して、ダンボール改め新しい折りたたみの机の上に買ってきた惣菜とマグカップに入れた俺の飲み水を置いた。
「「カンパーイ」」と小さく号令をかけ、マグカップと缶ビールを合わせた。
俺はマスクを外したくなかったので、そのまま机にコップを置いたがあいつはクイッとビールを煽るように飲んだ。
文房具が入っている箱から、以前まで血液がついていたであろうカッターナイフを取り出し、白鳥に渡す。
俺はどうしても不器用なので、すぐに怪我をするのだ。まぁそれ以外にも血液がつく理由はあるのだが。
箱の開封をあいつに全部託して、落ちたテープなどのゴミを捨てる。
散らかっている空のダンボールを拾い、玄関の方へ持ち出す。俺はしばらくそんな作業を続けた。
なんとか今日中に家電をすべて箱から出し終える事ができた。
ただ、取り扱い説明書が難解でそれ以上がなかなか進まない。
どうしたものかと頭を抱えていると、白鳥が横から入ってきて「とりあえずやってみれば?俺も手伝うから。」と言ってくれた。ほんとに頼れるやつだと思う。
冷蔵庫を立てて、変な形のコンセントにプラグを刺すところまで出来た。電源をつけて初期設定をするところはよく解らなかったので白鳥に手伝ってもらった。
そんな感じで、大半を白鳥に任せたまま家電の設置を終えた。まさか今日中に終わるとは思ってなかったもので、大変助かっている。
ただ、それでも家電の数はそこそこあったので、すでに終電は取り逃しているような時間だし、夕方からぶっ通しで作業していたのでお腹が空いている。
そこで俺は、ついこの間購入した即席麺をキッチンの棚から二人分取り出してお湯を沸かし始めた。もちろんさっき取り付けた電気ケトルで。
普通に鍋で沸かすより早いんだなぁと最近の科学技術に感心してしまった。いや、俺が古に生きていただけなんだが。危ない。時かけおじさんになるところだった。
さっさと間食を済ませて俺と白鳥は家の近くにある24時間営業のスーパーで買い出しをした。
白鳥はご飯を俺に任せて自分の欲しい物を買いに行った。
俺は、白鳥の食の好みを把握していないので
とりあえず今日の昼食と被らないようにサラダの類の惣菜を買って無人レジに向かった。
バーコードを読み取ってると、
走ってきたのか息が荒い白鳥が「これも追加していい?」とビール缶の6本セットを差し出してきた。
俺の飲む予定はないが、白鳥が飲む分には問題ないので一緒に会計をした。
帰宅して、ダンボール改め新しい折りたたみの机の上に買ってきた惣菜とマグカップに入れた俺の飲み水を置いた。
「「カンパーイ」」と小さく号令をかけ、マグカップと缶ビールを合わせた。
俺はマスクを外したくなかったので、そのまま机にコップを置いたがあいつはクイッとビールを煽るように飲んだ。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
王道にはしたくないので
八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉
幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。
これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。
学園の天使は今日も嘘を吐く
まっちゃ
BL
「僕って何で生きてるんだろ、、、?」
家族に幼い頃からずっと暴言を言われ続け自己肯定感が低くなってしまい、生きる希望も持たなくなってしまった水無瀬瑠依(みなせるい)。高校生になり、全寮制の学園に入ると生徒会の会計になったが家族に暴言を言われたのがトラウマになっており素の自分を出すのが怖くなってしまい、嘘を吐くようになる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿です。文がおかしいところが多々あると思いますが温かい目で見てくれると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる