1 / 27
ヒロイン、貴族になる
しおりを挟む「────アンネリーゼッ! その指輪はわたくしが殿下からいただいたものよ。返しなさい」
歴史を感じる煌びやかな玄関ホールに似合わない、絹を切り裂く悲鳴が響いた。
叫び声の主は豪奢な金の髪が乱れることも構わず、必死の形相で先を歩いていた少女を睨みつけた。
数拍後。
アンネリーゼと呼ばれた少女が、ゆったりともったいぶって振り向いた。
「お姉様?」
桃色の髪の少女は新緑の瞳をパチリと瞬く。
”仕草の一つ一つ、頭の先から影に至るまでなんと愛らしいことか”少女をとりまく男たちは口々にそう褒めそやした。
事実、なんと愛らしいことか。きょとんとした顔は愛玩動物かのように無邪気でさえある。
だがしかし。今はその仕草には違和感がある。
少女の態度は、取り乱した様子の令嬢とは対照的で落ち着き払ってさえいたからだ。
少女の庇護欲をそそる華奢な体躯にあった小ぶりな手にあったのは、それはそれは見事な指輪。
まさしく”それ”が、争いの種となったものだった。
指輪の輝きを認めると同時に、令嬢の金の髪が逆立つように揺れた。
背丈も体つきも大人びた女性らしい曲線を描く令嬢は、少女とは何もかもが正反対だった。
高位貴族としての矜持、重圧、責任。どれも持たない小さな手が、なんだか今日に限って許せないのだと侍女に弱音を吐いたことを令嬢は思い出していた。
令嬢は自身の手を蜘蛛のような手だと自虐的に言うこともあった。そんな令嬢の手を温め、指輪を贈った婚約者の記憶が令嬢の表情を歪ませる。
「言うことを聞きなさい!!」
「……そんなに怖いお顔をしないでくださいませ」
もうあと一歩で届くという時に、令嬢の手が空を切った。
令嬢の睨み上げるような視線を受けた少女の新緑の瞳が、蠱惑的に細められたことに気付いた者は他にいるだろうか。
「この宝石はお姉様に似合わないのですから、いいじゃない」
少女の目の前に立つ金の髪の令嬢には、ありありとその様が見えた。
この少女の振る舞いは無邪気で、周囲に甘え、衝動的だ。それすらも愛らしいと言ったのは誰だったか。
令嬢の目に少女の本質は愛玩動物なんてものには見えていなかった。例えれば狡猾な蛇なのだ。油断すれば一飲みにされる。もちろん蜘蛛も。
小さく囁かれた言葉が耳に入ったのはきっと近くに立つ令嬢だけ。
しかし、令嬢は少女の挑発には乗ってこない。
生まれながらにして高位貴族の令嬢である彼女は、怒りを内に押し隠した。身に余るほどの怒りに、逆に冷静さを取り戻したのだ。
「アンネリーゼ、今なら許します。お父様にも、ユリウス様にも言いません。今すぐ、それをわたくしに返しなさい。アンネリーゼ・シュベルト」
その堂々とした姿はまさしく王族の婚約者という出で立ちで、圧倒されるような力があった。
「いやよ。私、これが気に入ったの。……だから、」
しかし、少女の瞳には宝石しか映っていない。
うっとりとした様子で頬を寄せ、視線をドロリと流す。
「この殿下からのプレゼントを、どうかこの可愛い妹にくださいな?」
その表情の、仕草の愛らしいこと。
しかし、これは金の髪の令嬢の超えてはならない一線だった。
「あなたって子は……お父様や皆さまから愛されるだけでは足りないというの!? わたくしから婚約者まで奪おうとするなんて……!」
令嬢の手が少女の方へと伸ばされる。
しかし、二人のうち片方だけが運命の手の隙間から零れ落ちていくように
豪奢なドレスが花のように舞い、花弁のように
揺れ、落ちた。
階段から滑り落ちた身体がふわりと浮く。
誰の手も間に合わない。
手を伸ばす令嬢の指先は、奈落の底へ落ち行く少女には届かない。
上質なベルベットのような手触りの桃色の髪が、ふわりと浮かぶ。
その溺れるような髪の中で、少女は不敵に笑った。
*************
ちなみに今回の物語の主人公は、ヒロイン偏差値75の私の方である。
ピンクブロンド色の髪に若葉色の瞳が愛らしい! 妖精と見紛うほど可愛らしさが止まらない、そう我こそが! この物語のヒロインである。
私のヒロイン史の始まりは、やはり”村一番のべっぴんさん”に君臨していた頃からである。
旅の商隊が通りがかる街道の傍にあるだけの、なんでもない小さな村だった。通りすがりの様々な村や街を見てきた商人が、私を見かけて二度見三度見で「これはまたべっぴんな子どもだ」と驚くほどだったそうだ。
それはもう、立てばべっぴん・座ればべっぴん・歩く姿はべっぴんさんだったと聞く。
いつ、どこから見ても隙なしのべっぴんさんである。
───冒頭から飛ばしているが着いてきているだろうか。
私の輝かしい肩書が”何の変哲もない村一番のべっぴんさん”で終わらなかったのは、またもや通りがかった商隊の中に紛れていた魔術師が私の内なる魔力に気付いたからだった。
当時6歳になろうかという頃だった。
その衝撃は小さな村をあっという間に駆け巡り、村一番のべっぴんさんは貴族の子だったのか!と、私と小さな初恋を育んでいたはずの村長の息子(有望株1位)が息を切らしながらそう教えてくれた。
そう。魔力がある=貴族の血、という図式がある世界なのだ。
基本的に、この大陸では平民はもちろん貴族に至っても、ほとんどの人間に魔力はない。
しかし、貴族の中でも一握りだけ魔力を持つ人間がいる。と、魔術師が教えてくれた。
私としては急にスポットライトを浴びて、驚き恥ずかし瞳をウルウルさせて「わ、私が主人公!?☆」なんていう気分では無い。
何かと私を担いで歩く父や、私の髪を結うのが趣味な母、そしてまだ幼く可愛い盛りの弟や妹たちが実の家族ではなかったことが衝撃で、間違いなく浴びたのはスポットライトではなく冷や水だった。それも滝つぼが出来るほどの。観光地にでもしてほしい。
観光地化する前にあれよあれよとなにがどうしてそうなったのか、私は貴族に引き取られることとなったのだ。
突然の朗報に生き別れの高貴な身分の実の父母が涙を流しながら立派な馬車で迎えに来て涙の再会。いざ!お貴族様の住まう高貴な場所へ!というわけでもなく。
”立派な荷馬車”に単身で乗り込み、育った村や家族、そして初恋との別れを経験したのだった。
荷馬車はガタゴトと景色をゆっくりと変え、私の涙を乾かすには十分な旅路だった。
というか、貴族の家に迎えられるというのに御者との二人旅で、やることが多かった。寂しいと泣いている時間も無く、同じぐらいの子どもがいると言っていた御者に「見つかってしまうとは、お嬢ちゃんも運が悪かったな」と不吉なことを言われ頭をぐりぐりと撫でまわされていたが、それどころではなかったことは覚えている。
そして後からわかったのだが、私が最初にお世話になったのは下級貴族の男爵家だった。
小さな村で育った私には上級も下級もわかるはずもないが、平民とは明らかに違う大きさのお屋敷に圧倒された。
口を開けてお屋敷を眺める私が乗った荷馬車は正面ではなく裏口へ入った。もちろん当時は裏口も立派な入口に見えていた。
御者は屋敷の中へ入っていき、使用人長という人を呼んでくると言っていた。
待っている間、キョロキョロと好奇心で荷馬車から顔を出せば、私に注がれる大人たちの嫌な視線に思わず荷馬車の影へ隠れる。
ここでやっと、なんてところに来てしまったのだと後悔したもんだ。
子どもらしくぷるぷると怯え隠れていると、ひょこりと小さな頭がこちらを覗きに来た。
好奇心旺盛な目の色に一瞬怯んだが「なんだ、化け物じゃなくて女の子じゃないの」「ほんとに?噓じゃない?牙ははえてない?」と、どうやら怖いもの見たさでやってきた子どもたちがコソコソと言い合いを始めていた。
男爵家には使用人の子どももおり、同年代の子どもたちに連れられ一足先に男爵家の敷地にのこのこと連れられたのが運命の分かれ道だった。
ザバン!!と水が勢いよく跳ねる音がした。
私の手を引く年長の子どもたちは呆れたように視線を投げた。
それにつられて私も水音の方へ視線を流す。
井戸の周りに男の子が数人と、中心に犬……のように見えたが、ずぶぬれの子どもが丸くうずくまっていた。
何が起きているのかわからず、呆然と立ち止まると急かすように手を引かれた。
「あの子はこの間入ってきた新入りなの。どんくさいからあいつらに絡まれるのよ、関わると面倒だからあっちに行こう」
そんなことを言われても行けるわけがない。
つい数日前まで暮らしていた村の皆はケンカをすることがあっても、こんな一方的な暴力なんて無縁だったのだ。
だから、何が起きているのか理解が追いつかなかったのかもしれない。
早く立ち去ろうと言われるが、どうして置いて行けると言うのだろうか。
かと言って、かばいに行けるほどの勇気もなく、ただただ呆けたように眺めるしか出来なかった。
呆然と立ちすくむ私の視線の先で、ずぶぬれの子どもがゆらりと顔を上げた。
濡れた白い顔がこちらを見て、湖面のような青い目と視線がぶつかった。一瞬、村の近くにある湖とそっくりだと思い、やっぱりそれより前にどこかで見たことがある色だとそんな気がした。
しかしその色を思い出す前に、青はすぐに下された。諦めたように、力なく、地面に落ちて。額が地にこすり付けられる。
────ぐわりと頭に血が上る。
『なに諦めてるのよ!』そう、頭の中に別の人間の声が流れる。
何この声、そう一瞬意識が逸れて次に気付けばうずくまった子どもに覆いかぶさっていた。背中からかかる水の冷たさが腕の下の温もりを引き立たせた。
父さんや母さんや村のみんなが着せてくれた一張羅がびちゃびちゃだ。身体の下で諦めたような目をしていた子どもが小さく跳ねた。
「なんだお前!」
顔に張り付いた髪を避けながら、水をかけていた悪ガキたちを睨み上げる。
「はっ……はあ!?女にかばわれてやんの!」
「どけよ!水をかけられたいのか!?」
キャンキャンと騒がしい悪ガキたちなんて放っておいて、ずぶぬれの子を起こそうとするがパシンと手を弾かれた。
「迷惑だ。どこかに行けよ」
細く、高い声だった。
冬の冷えた水をいつからかけられていたのか、近くで見れば唇は紫色になってカタカタと震えている。
どうやら男の子のようだが、その顔は人形のように整っている。血の気が引いていて本当に作り物のようだ。身体も細く、恐らく私と同い年ぐらいだろう。
弾かれた手なんて気にならないほど、食い入るようにこの少年から目が離せなかった。
「そうだぞ、あっち行け!」
「お前も新入りか?だったら覚えとけよ。使用人見習いのボスはオレだ。そこの生意気な新入りに、どっちが上か叩きこんでるところだから邪魔すんな」
キャンキャンと騒がしい悪ガキたちの声がどこか遠く聞こえていた。
私に無視されたのが気に食わなかったのか、焦れた悪ガキの不躾な手が私に触れる瞬間のことだった。
────指の先からクシャミが出たような感覚だった。
そして次の瞬間にどっと身体が重くなり、自分の身体を支えきれずずぶ濡れの少年の方へと傾く。何もしていないのに息が切れたように空気が足りなかった。
荒い息をそのままに、ゆっくりと顔をあげれば。悪ガキが自分の顔を必死に引っ掻いている。周囲にいた子どもたちが何事かと固まって動けないでいた。
そして子どもたちの悲鳴。
なんだこれ、と口から出る前に思い出す。
「───あぁ、これがいわゆる転生ってやつね」
頭の中を整理している傍ら、悪ガキは未だ苦しそうに顔を引っ掻いてもがいている。
”魔術”を使って、悪ガキの顔面に水を薄く貼り付けているのだ。感覚的には息も吸えず溺れているようだろう。
思ったよりも早く自然と水が流れ落ち、舌打ちが出る。
その音に背中を預けていた少年がビクリと身体を揺らした。
のそりと立ち上がったつもりだったが、ずぶ濡れの少年が立たせてくれたようだ。
新鮮な空気に勢いよくむせ、息を吸ったりまだ顔を引っ掻いている悪ガキを見下ろし
「どっちが上か、わかった?」
ヒッとまるで化け物でも見たかのように怯える悪ガキに向かって、勝利宣言をする。
まるで前世の天才魔術師だった頃のように、不敵に笑った。
2
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。
1.戦災の魔界姫は正体を隠し敵国騎士の愛人候補になる1 ★月読教改革編★
喧騒の花婿
恋愛
魔界にある倭国は、
敵国の天界国に戦で負けてしまう。
倭国の竜神女王は天界国の捕虜となり
高い茨の塔に幽閉されていた。
そして戦で崩御されたと思われている
菫王女は兄弟たちと別れ
敵国である天界国に潜入し
母親を救うため士官として
その機会を伺うことになる……
これは始まりの話です。
★1・月読教改革編★は6章で終わります。
★2・陰陽師当主編★に続きます。
★IF番外編√は
本筋以外の騎士と恋愛したら
という、もしも√を書いています。
本編とは異なる設定ですので、
ご了承下さる方はお気を付けて
読んで下さると幸いです。
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
バイトの時間なのでお先に失礼します!~普通科と特進科の相互理解~
スズキアカネ
恋愛
バイト三昧の変わり者な普通科の彼女と、美形・高身長・秀才の三拍子揃った特進科の彼。
何もかもが違う、相容れないはずの彼らの学園生活をハチャメチャに描いた和風青春現代ラブコメ。
◇◆◇
作品の転載転用は禁止です。著作権は放棄しておりません。
DO NOT REPOST.
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。
【完結】異世界転移したら騎士団長と相思相愛になりました〜私の恋を父と兄が邪魔してくる〜
伽羅
恋愛
愛莉鈴(アリス)は幼馴染の健斗に片想いをしている。
ある朝、通学中の事故で道が塞がれた。
健斗はサボる口実が出来たと言って愛莉鈴を先に行かせる。
事故車で塞がれた道を電柱と塀の隙間から抜けようとすると妙な違和感が…。
気付いたら、まったく別の世界に佇んでいた。
そんな愛莉鈴を救ってくれた騎士団長を徐々に好きになっていくが、彼には想い人がいた。
やがて愛莉鈴には重大な秘密が判明して…。
当て馬令息の婚約者になったので美味しいお菓子を食べながら聖女との恋を応援しようと思います!
朱音ゆうひ
恋愛
「わたくし、当て馬令息の婚約者では?」
伯爵令嬢コーデリアは家同士が決めた婚約者ジャスティンと出会った瞬間、前世の記憶を思い出した。
ここは小説に出てくる世界で、当て馬令息ジャスティンは聖女に片思いするキャラ。婚約者に遠慮してアプローチできないまま失恋する優しいお兄様系キャラで、前世での推しだったのだ。
「わたくし、ジャスティン様の恋を応援しますわ」
推しの幸せが自分の幸せ! あとお菓子が美味しい!
特に小説では出番がなく悪役令嬢でもなんでもない脇役以前のモブキャラ(?)コーデリアは、全力でジャスティンを応援することにした!
※ゆるゆるほんわかハートフルラブコメ。
サブキャラに軽く百合カップルが出てきたりします
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5753hy/ )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる