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うちの子は素直ですか?
うちの子は素直ですか? 6
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「みほちゃん飲んでるー?」
飲んでますよ。ウーロン茶。
「全然たべてなくなーい?」
食べてますよ。枝豆。
「ウエーイ!」
「……ぅぇーぃ」
ここは居酒屋。ウエーイの村。突然、異世界転移した訳ではないので落ち着いてほしい。
なぜピチピチ未成年の私が居酒屋でウエーイに絡まれ、ウエーイされているか説明する。
私たちは大学部に進学し、親友であり心の友でありベストフレンドフォーエバーの優子とは学部が分かれてしまった。その優子から離れ安定して気軽に人に話しかけられない孤高のボッチである私は一人で授業を受けるべく座っていた。そんな私に話しかけてくれた外部入学の明るいコミュ力おばけのユナチンが現れたことから、この物語は始まる。
ユナチンの本名はわからない。聞く機会を失ったまま、親睦を深めるためユナチンと食事に行くはずが居酒屋にいるというわけだ。
おやぁ?
もしかして私が気付かなかっただけで、いつの間にかウエーイの国へ召喚されたのか? あなたは聖女です! なんちゃって!
「あれ? みほちゃん、酔っちゃった?」
「お酒弱いのー? かわいいね~」
確かに、ぽーーっとしてきたような気がする。聖なる力を使いすぎて魔力が枯渇し、イケメンとのキスでまりょくきょうきゅうをおこなわなけr……いやいや、まてまて。落ち着け。ここは都内某所の居酒屋だ。魔力などない。んん!? これウーロン茶じゃなくてウーロンハイなの!?
焦って同じ未成年であるユナチンの様子を見ると、ビール片手にウエーイしていた。なんてことだ。せっかくお友達が出来たと思ったのに……! 裏切られた聖女は怖いんだぞ! と、内に秘めた聖なるパワーでウエーイを殲滅する妄想にふけっていたら
ウエーイその1、その2が介抱してあげると言い出した。
古今東西、古より、こういう場合の「介抱」は絶対に受け入れてはならぬとなっている!!
「いえ、だいじょうぶです」
「心配だなー。優しくするから俺に任せておいて」
「いえ、ほんとうに、だいじょぶです。かーります」
帰ります、だ! しっかりしろ自分! いよいよ本当に酔いが回ってきたようで舌は回っていないのに、視界がまわり始めた。これはやばい。スマホで助けを呼ぼうにもカバンが揺れてスマホがどこだかわからない。これ、は、まずい……
「──探したよ」
……だれだぁ?
ウエーイその1、その2の見分けもつかなけりゃ、誰に探されていたのかもわからない。
「だれだぁ? なっちゃん? 来てくれたの?」
「こんにちは~↑やだぁ! すごいイケメン~! ミポリンの知り合い~?」
ミポリンとは私のことだ。なんて浮かれたあだ名だろうと、私も思う。
「帰ろう」
落ち着く声の主は私の手を握ると優しく手を引いた。この手は安心できる……気がする……。
もう目蓋が開かなくなってしまった。手の主はそれに気づくと、おんぶをしてくれた。落ち着く背中だ。困ったときに助けてくれたことに感激して首に抱き着いてしまった。ありがとう。助けてもらえなかったら私もウェーイの一員になっていたかもしれない……と記憶があるのはここまでだ。
次に目を覚ましたのは薄暗い室内だった。いつの間にか寝ていたようで、ふと気づくとベットの上で眠っていた。
とりあえず、地面や屋外じゃなさそうで安心した。
いやいやまさかウローン茶とウーロンハイを間違えて飲むとは迂闊だった。
モゾ、と動くと後ろから手が伸びて来た。あの手の感覚にホッとする。
顎を掴まれ、後ろを向かされる。唇が重なり、水を注がれた。そのまま舌が割り入り、舌をくすぐられた。
「……んぅ、水」
キスをしながら、唇の主は手を伸ばしペットボトルを引き寄せた。そのボトルを渡してくれるのかと思ったら、水は相手の唇の中に吸い込まれ、また唇が私の唇に重なった。
食べられてしまうのではないかと思った。
唇の端から飲み込めなかった水が零れ、伝い落ちる。その道筋を追うように舌が伝い降りていく。
「ふ、」
どうやらまだ酔っているようで、うまく体が動かない。
なのに感覚は鋭く、舌の感覚を追ってしまう。
きもちいい。
ふわふわと気持ちよさを享受する。
あの手が、わき腹を撫で上へ上へとのぼってきた。
その感覚にすら期待で興奮した。
息が、乱れる。
飲んでますよ。ウーロン茶。
「全然たべてなくなーい?」
食べてますよ。枝豆。
「ウエーイ!」
「……ぅぇーぃ」
ここは居酒屋。ウエーイの村。突然、異世界転移した訳ではないので落ち着いてほしい。
なぜピチピチ未成年の私が居酒屋でウエーイに絡まれ、ウエーイされているか説明する。
私たちは大学部に進学し、親友であり心の友でありベストフレンドフォーエバーの優子とは学部が分かれてしまった。その優子から離れ安定して気軽に人に話しかけられない孤高のボッチである私は一人で授業を受けるべく座っていた。そんな私に話しかけてくれた外部入学の明るいコミュ力おばけのユナチンが現れたことから、この物語は始まる。
ユナチンの本名はわからない。聞く機会を失ったまま、親睦を深めるためユナチンと食事に行くはずが居酒屋にいるというわけだ。
おやぁ?
もしかして私が気付かなかっただけで、いつの間にかウエーイの国へ召喚されたのか? あなたは聖女です! なんちゃって!
「あれ? みほちゃん、酔っちゃった?」
「お酒弱いのー? かわいいね~」
確かに、ぽーーっとしてきたような気がする。聖なる力を使いすぎて魔力が枯渇し、イケメンとのキスでまりょくきょうきゅうをおこなわなけr……いやいや、まてまて。落ち着け。ここは都内某所の居酒屋だ。魔力などない。んん!? これウーロン茶じゃなくてウーロンハイなの!?
焦って同じ未成年であるユナチンの様子を見ると、ビール片手にウエーイしていた。なんてことだ。せっかくお友達が出来たと思ったのに……! 裏切られた聖女は怖いんだぞ! と、内に秘めた聖なるパワーでウエーイを殲滅する妄想にふけっていたら
ウエーイその1、その2が介抱してあげると言い出した。
古今東西、古より、こういう場合の「介抱」は絶対に受け入れてはならぬとなっている!!
「いえ、だいじょうぶです」
「心配だなー。優しくするから俺に任せておいて」
「いえ、ほんとうに、だいじょぶです。かーります」
帰ります、だ! しっかりしろ自分! いよいよ本当に酔いが回ってきたようで舌は回っていないのに、視界がまわり始めた。これはやばい。スマホで助けを呼ぼうにもカバンが揺れてスマホがどこだかわからない。これ、は、まずい……
「──探したよ」
……だれだぁ?
ウエーイその1、その2の見分けもつかなけりゃ、誰に探されていたのかもわからない。
「だれだぁ? なっちゃん? 来てくれたの?」
「こんにちは~↑やだぁ! すごいイケメン~! ミポリンの知り合い~?」
ミポリンとは私のことだ。なんて浮かれたあだ名だろうと、私も思う。
「帰ろう」
落ち着く声の主は私の手を握ると優しく手を引いた。この手は安心できる……気がする……。
もう目蓋が開かなくなってしまった。手の主はそれに気づくと、おんぶをしてくれた。落ち着く背中だ。困ったときに助けてくれたことに感激して首に抱き着いてしまった。ありがとう。助けてもらえなかったら私もウェーイの一員になっていたかもしれない……と記憶があるのはここまでだ。
次に目を覚ましたのは薄暗い室内だった。いつの間にか寝ていたようで、ふと気づくとベットの上で眠っていた。
とりあえず、地面や屋外じゃなさそうで安心した。
いやいやまさかウローン茶とウーロンハイを間違えて飲むとは迂闊だった。
モゾ、と動くと後ろから手が伸びて来た。あの手の感覚にホッとする。
顎を掴まれ、後ろを向かされる。唇が重なり、水を注がれた。そのまま舌が割り入り、舌をくすぐられた。
「……んぅ、水」
キスをしながら、唇の主は手を伸ばしペットボトルを引き寄せた。そのボトルを渡してくれるのかと思ったら、水は相手の唇の中に吸い込まれ、また唇が私の唇に重なった。
食べられてしまうのではないかと思った。
唇の端から飲み込めなかった水が零れ、伝い落ちる。その道筋を追うように舌が伝い降りていく。
「ふ、」
どうやらまだ酔っているようで、うまく体が動かない。
なのに感覚は鋭く、舌の感覚を追ってしまう。
きもちいい。
ふわふわと気持ちよさを享受する。
あの手が、わき腹を撫で上へ上へとのぼってきた。
その感覚にすら期待で興奮した。
息が、乱れる。
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