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ゆらゆらと揺れる

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水の中にただようように、ゆらゆらと揺れる。

『クリスティーナ。私は君を大切にするよ。絶対に後悔なんてさせない』

ああ。これはあの時の

『俺はティーナにそんな顔をさせるために兄上に譲ったんじゃない』

ゆらゆらと揺れ、ぼやける

ごぽりと身体の中の空気が抜け、息苦しさに眉を寄せる。
それから逃げようと、明るいところを目指し上へ上へともがく。

『知りたいんだ。どうしたらクリスティーナを悲しませないのか』

『でもティーナは苦しそうだ』


──その日、私は夢を見た。

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感想 3

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