異世界に転生した俺は今もふもふに包まれている

第1もふもふ

ハプニングと出会い

俺の名前は優木 陸ゆうき りく。
中学3年生だ。
俺は趣味で動物のぬいぐるみなどのもふもふした物を集めている。
友達にはよく「女みたい」と笑われるが、男がそういう物好きじゃいけないのだろうか…。

「陸兄ちゃん、早く出かけよう？」

これは弟の春樹はるき。
母に似て比較的タレ目な俺と違い、父に似たツリ目。
しかも２つ年下とは思えないほどの高身長なのだ。

「あぁ、今行くよ」

今日は家族のみんなで海に行く約束をしているのだ。


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海についた。

「なぁ兄ちゃん！どっちの方が泳ぐのが速いか対決しようぜ？」
「おう！」

俺と春樹は小学校に通っている間、スイミングスクールに通っていたため、泳ぎには自信があった。

「よーい…スタート！」

弟の合図で同時に飛び出す。
最近まで習っていたとはいえ、スピードでは俺の方が早い。

(勝ったな)

油断したのが悪かったのだろうか…。
俺が息継ぎをしようと顔を上げた時…


俺の身長ほどある波が来たのだ…。

「っ！？」
「兄ちゃん！！」

そのまま俺は波に飲み込まれ、酸欠になり意識を失った…。

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どれほど時間が経っただろうか…。
気がつくと俺は砂浜に打ち上げられていて、春樹や俺の両親が見当たらなかった。

「どこだ…ここ…」

見慣れた風景とはかけ離れた砂浜。
おかしな木が生えているが、真後ろは岩場だ。
すると、少し遠くから、

「え…君は…」

という声が聞こえた。
後ろを振り返って俺は驚いた。

「えっ…獣人…？」