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出会い編
その手の中 2 ※
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性急に手を動かされ、下半身から急激にせりあがって来る波に、カイルは身をよじった。慣れない快感に抗う術がわからずに肩を押し返すようにするが、観念しろと言われて、唇を噛んで耐える。
「煽ったお前が悪い」
「なっ!煽ってない、って!……んっ、あ」
「無自覚か?なおさらたちが悪いな」
片眉を跳ね上げたアルフレートは、ふと思い立ったように手の動きを止めた。その手がカイルの先走りで濡れているのに気付いてカイルはぎこちなく視線を外した。
「テオドールは気が利く」
アルフレートは、カイルが持ってきた荷から小さなブリキ缶を取り出すと蓋をあける。中にあるクリームを指にとり、彼はカイルの後孔に施した。
つぷり、と指が潜りこんでくる。その違和感に「く」と呻くとなだめるように額に口付けられた。
「テオ、班長は、……、こういう目的で使えって持たせてくれたわけじゃないっ、て」
「私の手に塗り込んだと言えばいい。――ああ、今、そうしているか?」
「――は、うっ……」
指の節が潜りこんだナカでわずかに引っかかって、背筋にぞくりとした感覚が這い上がる。
「#お前のと私のでほぐしてもいいが、時間がかかるし疲弊するだろ。こっちの方が早い」
「だか、ら!言い方がいちいち、いやらし……」
「お前が恥じらうのが面白くてな」
「ばか、アルフ……んっ、くっ」
嬌声が止まらなくなりそうで、カイルは左手で口を押さえた。
「誰もいない。声を我慢するな。聞かせろ」
「……あん、たはいいかもしれないけどっ、俺の声は――聞こえる、か、ら。んっ、あ!」
半分魔族のカイルはドラゴンの言葉がわかる。逆も然りだ。
ヒロイたちにと訴えるとアルフレートは、じゃあ、頑張って堪えろ、と実に楽しげに言う。
カイルは耐えきれずにびくりと肩を震わせくぐもった悲鳴をあげた。
圧迫感だけだった感触が、ある一点に触れると、とたんに、具合がおかしくなる。
カイルの反応を見たアルフレートが「ここか」と澄ました声で言って、何度も指の腹で押してきて、カイルの口元から抑えきれない声が溢れる。
「ん、んっ、――あっ……あ、あ、あ、ん!くっ、ああっ」
じゅぷ、と卑猥な音がして指がずっ、と奥まで差し込まれる快感をやり過ごすために両脚を閉じようとするのをアルフレートは許してくれないばかりか、一度引き抜くとまた深くさして、抽送を繰り返した。
動かされるたびに細かく刻んだような悲鳴が喉から漏れるのが、我慢が出来ない。
気持ちいい。空気に無防備にさらされた下半身熱が集まって物欲しそうに勃ちあがり、恥ずかしくて逃げてしまいたくてたまらないのに、ずっと続けて欲しい。
いいや、ずっとじゃない、もっと、だ。
――ふ、と指の動きが止まって、カイルが薄目をあけてアイスブルーの瞳を、自覚なく赤い潤んだ瞳で見上げた刹那――
「――う、あ」
「きついか?」
指が二本に増やされる。力を込めてしまったせいで、余計に指の形を感じてカイルは呻いた。
「きつく、ない――」
「そうか」
きついかなんて聞いてくるくせに、気遣ってなんかないんじゃないかとカイルは多少恨みがましい気分で美貌の上司を見上げた。
だって、アルフレートの指は少しも容赦をしない。抗議しようと目に力をこめたけれど、また指の本数が増やされて、集まる熱に翻弄されて、喘ぐしかできない。
ぐちゅぐちゅと水音が聞こえて、合間に途切れ途切れに、自分の息遣いとおさえた悲鳴が聞こえる。ナカから来る快感にたまらなく中心が熱くなる。
「――ん、あっ――ま、ってアルフ、も、出る」
「待たない……カイル、いい子だ。力を抜け」
緋色の髪がすこし汗ばんだ額にかかって、気だるげな表情のアルフレートが顔を寄せて深く口づけ、指の動きが早くなる。
「あっ――ああ、ん!」
カイルはアルフレートの首にかじりつきながら、短い悲鳴を上げて精を放った。
「煽ったお前が悪い」
「なっ!煽ってない、って!……んっ、あ」
「無自覚か?なおさらたちが悪いな」
片眉を跳ね上げたアルフレートは、ふと思い立ったように手の動きを止めた。その手がカイルの先走りで濡れているのに気付いてカイルはぎこちなく視線を外した。
「テオドールは気が利く」
アルフレートは、カイルが持ってきた荷から小さなブリキ缶を取り出すと蓋をあける。中にあるクリームを指にとり、彼はカイルの後孔に施した。
つぷり、と指が潜りこんでくる。その違和感に「く」と呻くとなだめるように額に口付けられた。
「テオ、班長は、……、こういう目的で使えって持たせてくれたわけじゃないっ、て」
「私の手に塗り込んだと言えばいい。――ああ、今、そうしているか?」
「――は、うっ……」
指の節が潜りこんだナカでわずかに引っかかって、背筋にぞくりとした感覚が這い上がる。
「#お前のと私のでほぐしてもいいが、時間がかかるし疲弊するだろ。こっちの方が早い」
「だか、ら!言い方がいちいち、いやらし……」
「お前が恥じらうのが面白くてな」
「ばか、アルフ……んっ、くっ」
嬌声が止まらなくなりそうで、カイルは左手で口を押さえた。
「誰もいない。声を我慢するな。聞かせろ」
「……あん、たはいいかもしれないけどっ、俺の声は――聞こえる、か、ら。んっ、あ!」
半分魔族のカイルはドラゴンの言葉がわかる。逆も然りだ。
ヒロイたちにと訴えるとアルフレートは、じゃあ、頑張って堪えろ、と実に楽しげに言う。
カイルは耐えきれずにびくりと肩を震わせくぐもった悲鳴をあげた。
圧迫感だけだった感触が、ある一点に触れると、とたんに、具合がおかしくなる。
カイルの反応を見たアルフレートが「ここか」と澄ました声で言って、何度も指の腹で押してきて、カイルの口元から抑えきれない声が溢れる。
「ん、んっ、――あっ……あ、あ、あ、ん!くっ、ああっ」
じゅぷ、と卑猥な音がして指がずっ、と奥まで差し込まれる快感をやり過ごすために両脚を閉じようとするのをアルフレートは許してくれないばかりか、一度引き抜くとまた深くさして、抽送を繰り返した。
動かされるたびに細かく刻んだような悲鳴が喉から漏れるのが、我慢が出来ない。
気持ちいい。空気に無防備にさらされた下半身熱が集まって物欲しそうに勃ちあがり、恥ずかしくて逃げてしまいたくてたまらないのに、ずっと続けて欲しい。
いいや、ずっとじゃない、もっと、だ。
――ふ、と指の動きが止まって、カイルが薄目をあけてアイスブルーの瞳を、自覚なく赤い潤んだ瞳で見上げた刹那――
「――う、あ」
「きついか?」
指が二本に増やされる。力を込めてしまったせいで、余計に指の形を感じてカイルは呻いた。
「きつく、ない――」
「そうか」
きついかなんて聞いてくるくせに、気遣ってなんかないんじゃないかとカイルは多少恨みがましい気分で美貌の上司を見上げた。
だって、アルフレートの指は少しも容赦をしない。抗議しようと目に力をこめたけれど、また指の本数が増やされて、集まる熱に翻弄されて、喘ぐしかできない。
ぐちゅぐちゅと水音が聞こえて、合間に途切れ途切れに、自分の息遣いとおさえた悲鳴が聞こえる。ナカから来る快感にたまらなく中心が熱くなる。
「――ん、あっ――ま、ってアルフ、も、出る」
「待たない……カイル、いい子だ。力を抜け」
緋色の髪がすこし汗ばんだ額にかかって、気だるげな表情のアルフレートが顔を寄せて深く口づけ、指の動きが早くなる。
「あっ――ああ、ん!」
カイルはアルフレートの首にかじりつきながら、短い悲鳴を上げて精を放った。
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