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政実の願い
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雀が囀る早朝であった。
九戸の戦は、四日目を迎えていた。
中野修理は一人、馬を駆って長興寺を訪れた。
下馬する際、馬に大小の刀を括り付け、ここの主の掟通り帯刀せずに寺門をく
ぐった。
寺の本堂から木魚を叩く音と共に、住職による読経の声が響いてきた。
勤行が終わるまで、中野修理は待つ事にした。
四半刻が経つと、読経が止まり静けさが境内を包んだ。
「中野修理にございます」
寺の本堂の前で名乗った。
「はて。名は知らぬが、顔には覚えがあるの」
出迎えに出て来たのは、杖を突いた白髪の老いた和尚であった。
「昔は、九戸康実と名乗っておりました」
中野修理こと、康実が名乗り直した。
「政実の末の弟ごか」
和尚は、懐かしい者でも見るように目を細めた。
「こたびの戦は、御存知やに思います」
座敷に通されると、神妙な面持ちで康実が話を切り出した。
「政実は、元気か。前に会うたのは何年前じゃったかのう」
話をはぐらかすかのように、和尚が答えた。
「その九戸政実の事にございます」
康実が、言った。
「進退極まりよったか」
和尚は、半笑いだった。
「逆でございます」
冗談めく和尚に対して、康実は至極真面目な表情で言った。
「逆とは」
和尚が、問い返した。
「五万の軍勢相手に、一歩も譲りませぬ」
これまでの戦況を、康実は和尚に話して聞かせた。
「なるほど。窮しておるのは、九戸ではなく相手方だとな」
和尚は、戦の行方を観て取った。
「九戸城に立て籠る政実に、会ってはくれますまいか」
居住まいを正して、康実が頼んだ。
「儂に何を話せと」
和尚は、聞いた。
「速やかに戦を終えるように、助言して頂きとうございます」
康実は、言った。
「それは、弟としてか、それとも豊臣の使者としてか」
和尚が、質した。
「どちらでも構いませぬ」
曖昧に、康実が返答した。
「豊臣の手伝いなら、断わる」
きっぱりと、和尚は言い放った。
康実は、しばらく考えている風であった。
寺の庭から、甲高い雉の声が聞こえていた。
「この南部を、お助け下さい」
康実が、思いの丈を述べ出した。
「九戸が落ちぬなら、代わりに南部の百姓を殲滅する事など厭わぬ相手。侵略者
から、この地を守らねばなりませぬ」
南部の行く末を案じるように、康実が語った。
「かような年寄りの言う事など、聞き耳持つかの」
和尚は、承知したという顔をした。
「師の言葉であるならば」
大役を果たした康実は、安堵の声を漏らした。
午の刻過ぎであった。
中野修理こと九戸政実の末弟の康実は、薩天和尚を伴なって、豊臣の本陣にと
んぼ返りで戻った。
まずは、武者大将である堀尾吉晴への謁見となった。
現場を監督する堀尾の許可無くして、豊臣の陣には入れないからである。
「辺鄙な寺に棲むと云う怪僧か」
堀尾が、薩天和尚を低く見るような物言いをした。
「片田舎に住まう事を恥とは思わぬ。無用に京などに劣等感を持ち、故郷の誇り
を捨てて媚びへつらう田舎根性が恥なのだ」
和尚が、しらっと言った。
「ほざきおって。賊徒である政実の茶坊主の分際で」
堀尾の罵詈雑言に、和尚は無言で踵を返した。
「わざわざ御足労願った御坊に、失礼ではありませぬか」
薩天和尚の招聘を進言した津軽為信が、止めに入った。
「老いぼれた坊主を頼らずとも、豊臣は勝つ」
小馬鹿にした物言いをする堀尾に、為信はその六尺の体躯で羽交い締めにした。
「何をするっ」
首根っこを押さえられながら堀尾が言った。
「貴様っ。こんな事をして、ただで済むと思うてか」
堀尾の声は、震えていた。
「謝られよ」
為信は、いつでも首の骨を折れる体勢を取って堀尾に詫びを迫った。
和尚は、為信の目を見て本気だと知った。
「つ、詰まらぬ事を言った。許せ」
小さい声で、堀尾が呟いた。
「これは、とんだ猿芝居を見せられたものだ。儂は、南部信直殿に用があって来
たのじゃ」
と言って、和尚は陣に戻った。
津軽為信が、南部信直に取り次ぎを計った。
程なくして、北信愛を連れて南部の頭領が姿を現わした。
「この大仰な戦。元はと言えば、信直殿と政実の争いの筈じゃ。子供の喧嘩に、
弱い片方が親に加勢を頼んだようなもの」
和尚は、手厳しく言った。
「何を!」
信直の懐刀である信愛が、血相を変えて詰め寄った。
「言いたくはないが、儂には貸しがある」
和尚は、言った。
「何の事だ」
信愛が、聞き返した。
「あの時、庇ってやらねば、兎のように政実に狩られていた」
約十年前に勃発した三戸と九戸との戦で敗戦し、長興寺に落ち延びて来た一件
を和尚は持ち出した。
双方のやり取りを、信直は黙って聞いていた。
「仏門に帰依する僧侶にありながら、俗世の者の如く恩を売ろうとはっ」
都合の悪くなった信愛は、語気を強めて虚勢を張るのが精一杯であった。
「和議の条件はただ一つ。降伏するに際して、政実以外に何人たりとも咎を負わ
せぬと」
和尚は、迫った。
「九戸に与する輩を一掃するための戦ぞ。政実の身柄を押さえれば済む事では無
い」
信愛が、口角泡を飛ばした。
「たわけがっ。この戦、上手に終わらせねば、南部そのものが失われる」
和尚が、一喝した。
「それまでだ」
反駁しようとする信愛を、信直は制止した。
「はっ」
信愛は、後ろに下がった。
「和尚の提示する儀、しかと約定した」
信直は、和尚に向かって厳かに言った。
一人、薩天和尚は馬で九戸城に向かった。
城から百間の距離に迫っていた。
そろそろ、弓矢が届く範囲であった。
「止まれっ」
城の櫓から哨兵の声が聞こえてきた。
〝ホー〟
と言って、和尚は馬銜を引き馬を制止した。
「薩天が来たと、政実に伝えい」
読経で鍛えたよく通る声で、和尚が返答した。
他戸から応援で城に入った番兵は、九戸の菩提寺の僧侶である事を知らなかっ
た。
「袈裟を着た薩天と名乗る者が、九戸殿に目通りを求めてきておりますが」
同様にして伝令兵もまた、怪僧について訝しげに言った。
「和尚が」
政実は、驚いた。
杖を突き、通用門から入城して来た総白髪になった和尚の姿を見て、月日の流
れを思った。
「戦には、首を突っ込まぬ筈ではなかったのでは」
同時に、自身の寄る年波を感じながら政実が言った。
「陣中見舞いに来たのじゃて」
と言って、和尚は頭陀袋から柿を取り出して見せた。
「ほう。長興寺の柿か」
政実は、思わず相好を崩した。
「ちょうど、僧侶を探しておったところだ。椰の義父上をはじめ、戦死者の亡骸
に経を唱えて頂こう」
政実は、和尚を城内の霊場に自ら案内した。
喪に服する打ち掛けを羽織った椰の姿をはじめ、大勢の参列者が集まった。
四戸氏と他の戦死者の棺の前で、和尚が一心に経を唱えた。
葬儀が終わると、和尚は政実の付き人から別室に呼ばれた。
政実は、茶室で待っていた。
鉄瓶が火に掛けられていた。
どっかりと、和尚が政実の前に座り込んだ。
和尚は、茶の作法を知りながら敢えて無作法に対した。
作法は客をもてなすための手段であり、互いの心が通じていれば、作法そのも
のが無意味になると説いていた事を政実は思い起こしていた。
茶道については、柿を盗んだかどで政実が寺に預けられた和尚に習ったもので
あった。
山奥に住んでいるからといって、他国の者に風流を愛でる事もできぬ野卑な輩
と侮られていけないという配慮だったかもしれない。
湯が沸く間、政実は和尚が持参した柿の皮を剥き皿に盛って勧めた。
和尚は、手づかみで柿をがぶりと頬張った。
鉄瓶から湯気が立つと、政実は無言のまま和尚に茶を点てた。
戦のさなかとは思えないほどの静寂の空間だった。
政実が煎れた茶を、和尚は一気に飲み干した。
「この茶には、迷いがないの」
茶碗を返すと、和尚は言った。
「もう一服如何か」
政実が、聞いた。
「白湯を貰おう。そなたも食わぬか」
持参した柿を、和尚が勧めた。
「有難く頂こう」
子供のように、政実は柿を丸かじりにした。
「そなたは武人過ぎる」
そんな政実の様子を見ながら和尚が言った。
「我は武士ぞ」
茶碗を漱いだ水を建水に捨て、熱い湯を入れ直した後で政実は言った。
「一人の武者なれば、そなたは天下一。なれど、将としてはどうかの」
和尚は、白湯を飲みながら言った。
「ふん」
政実は、鼻で笑った。
「将とは武者を巧みに率いる者で、己が武者である必要はない。却って、武者の
心が策を妨げる」
静かに、和尚は語った。
「釈迦に説法よの」
政実は、茶碗を片付けながら言った。
「では、戦立てについて伺おう」
和尚は、話題を変えた。
「その昔、テルモピュライの戦において、ギリシャ軍は僅か三百の兵で百万のペ
ルシャ軍と戦った。百万という数が分かるか?」
和尚が、小さき子供に教えるかのように言った。
「ああ、分かる」
政実は、素直に答えた。
「三百のギリシャ兵は三日の間に渡って奮戦し、敵が予想もしない奇襲によって
大打撃を与え押し止めた」
博識の和尚は、海の向こうの古戦を解説した。
「で、三百の兵はどうなったのだ」
政実は、ある期待を持って尋ねた。
「全員、戦死した」
その期待を裏切るように、和尚が即答した。
「政実よ。定めを変えられると思っておるのか?」
和尚は、聞いた。
「定めが開かされるまで、己の最善を尽くす」
政実は、和尚に体を向き直して答えた。
「勇ましいのお」
からかうように、和尚が言った。
「戯れ言は、これまでにして頂こう」
いつまでも子供扱いする和尚に、政実はむっとした。
陽が傾き、西日が射す頃になって、和尚は本題を話し始めた。
「寺の柿を盗んだ罰として儂の下に来た時、武士にとっては誇りが一等大事だと
言っておった事を覚えておるか」
和尚の問い掛けに、政実は思い出すかのように宙を見ながら頷いた。
「そなたはそれで満足であろうが、民は同じではないぞ。戦に勝っても、国が亡
んだのでは意味が無い。民を守れぬ亡国の主に、誇りなど笑止千万」
和尚は、言った。
「三戸との戦とは異なり、仕置をするのは京に居る。相手が振り上げた拳の落と
し所を、考えてやらねばならぬ。気付いておろう。きゃつ等は、陸奥に生きる人
間を見下しておる。蝦夷地に住む者など虫けら同然、殺してもまた涌いてくると
思うておる。九戸の百姓を殺す事など屁とも思っておらぬぞ。今年は撃退しても、
来年は倍の数でやって来よう。勝つまでは決して諦めぬ」
和尚は、諭すように言った。
「ならば、尚更退けぬ」
政実が、怒気を込めた。
「この城を枕に十年でも戦うつもりであろう。その間に、各地の潜在化する反秀
吉の同調者の蜂起を惹起するが狙い」
和尚の指摘に、政実は黙ってしまった。
「図星じゃろ。あわよくば、北方より天下を押し戻そうと考えておるのだろうが、
厳しき自然の北国のここで戦が長引けば、九戸の田畑は荒廃し、邑人が飢える南
部は崩壊しよう」
畳み掛ける和尚の言葉に、政実は思案を巡らした。
「儂の茶の師が腹を切らされた」
ぽつりと、和尚が呟いた。
この年の春、秀吉は意に添わぬ茶頭に詰め腹を切らせた。
「存命であれば、関白に取り計らいを頼む事もできたやもしれぬが、今となって
はそれもかなわぬ」
若かりし頃に和尚は、千宗易に茶を指南されていたのであった。
「起きて半畳、寝て一畳、天下取っても二合半。晩年の信長が、言っておったそ
うな」
和尚は、利休と名を変える以前、宗易が最初に仕えた信長の話をした。
人はどんなに偉かろうとも、起きている時は半畳。寝そべっても精々一畳分の
存在でしかなく、たとえ天下人になっても一食は二合半が限度。あくせくと富貴
ばかりを求めても虚しいだけである。
為政者の心得を説いた。
「老いて死期を悟った者が、強引に国を纏めようと焦っておるようだ。そのよう
な世は永くは続かぬ。生き残ってさえおれば、いずこに流されようと、安倍宗任
のように他国で再起を得る機会も必ずあろう」
源氏と戦った前九年の役の後、伊予に配流された安倍宗任の事例を和尚は持ち
出した。
水軍として松浦党を名乗ったその子孫は、壇ノ浦の戦で源義経に味方し平家を
倒した。
茶室の壁に下げられた、瓢箪を描いた画の掛け軸を和尚が見た。
「末弟の康実が描いた物だ」
政実が、画を指差しながら言った。
末広がりの形の瓢箪は、除災招福として縁起の良いものとされていた。
九戸と縁を切り、今は南部信直に使えて中野修理と名乗っている康実が、政実
の五十歳を祝して描いた画であった。
「その康実殿が、儂を遣わしたのじゃ」
和尚が、言った。
「誰も戦は望んでおらぬ筈。兵を退き、開城を」
念押しするように、和尚が言った。
「我一人の身柄を差し出せば、この戦、手打ちにできると」
政実は、聞き質した。
「それは、身命に賭けて請け負う」
和尚は、凛として答えた。
開城する代わりに、政実が上洛して秀吉に直接申し開きをする場を設ける提案
をした。
事ここに至るに、南部の行く末を慮った政実はこれを受け入れた。
降伏の条件として、この戦の自分以外の責を不問に付し、奥州藤原氏のように
滅亡に追いやる事無く南部家を存続させ、また国替えなどせずに、このまま陸奥
における南部領の安堵の確約を言った。
和尚は、政実との約束を取り付けると城を出て行った。
「滅多に食えぬ薩天の柿だ。皆に振るまえ」
政実は、頭陀袋ごと椰に手渡した。
「和尚との御話は、何だったのですか」
会談を終えた政実に、次男の実親が聞いた。
「敵は我等に、降伏する気はないそうだ」
政実の皮肉に、集まっていた将兵の皆が笑った。
椰が、庖丁で小さく綺麗に切り分けて、食べ易いようにと楊枝を差した柿を盆
に載せて持って来た。
おもむろに、政実が大小の刀を腰から抜き取って床の間の鹿の角の支えに置い
た。
「まさか、兄者一人で敵陣に向かう気では。ならば、私が代わりに参ります」
毅然たる態度で、実親は言った。
「我等が幼き頃、長興寺の柿を盗みに入った時もそうだった。兄者は、いつも我
等を庇ってくれ申した。今度は、我等が兄者をお助けする番です」
三男の政則も訴えた。
「ならぬ」
目頭が熱くなるのを感じながら政実は、言った。
豊臣の陣に戻った薩天和尚は、南部信直に政実との約定を報告した。
南部を憂える政実の気持ちを推し量った信直は、懐刀の北信愛を通じて津軽為
信に告げた。
為信から伝えられた堀尾は、手柄を取られたような気分で癪に障りながらも渋
々承諾した。
軍監で総奉行の浅野長政、総指揮者である将監の蒲生氏郷も城が落ちるならと
了承した。
妻である椰は、政実に南部の向い鶴の家紋の入った紋付袴を着せる仕度を手伝
った。
「では、参る」
静かに、政実は言った。
「はい」
厳かに、椰が答えた。
これが今生の別れになるやも知れぬ事は互いに分かっていたが、この期に及ん
で敢えて口にする必要は無かった。
武士の妻として、いざという時の心得については日頃から伝えていた。
九戸の城門が開かれた。
政実は、馬に乗った。
五千の兵に見送られながら政実が、一人城を出て行った。
馬上の政実は、豊臣の陣に向かって馬に鞭を打った。
城を取り囲む豊臣方の兵達は、紋付袴姿で近付いて来る一騎の武者に弓や槍を
構えて警戒した。
「九戸政実である」
馬上から名乗ってきた敵の大将に、豊臣方は固唾を飲んで凝視した。
豊臣本陣に着くと、政実は鐙に片足を掛けて下馬した。
そして、居並ぶ敵将の前に丸腰の政実が堂々と進み出た。
「よく参られた」
浅野長政が、丁重に迎えた。
「賊将が、やっとその首を差し出してきたか」
堀尾吉晴が無礼な軽口を叩いた瞬間、政実は堀尾の脇差しを抜いて、その喉元
に刃を突き付けた。
「っ!」
咄嗟の事に、堀尾は何が起きたのか分からず動揺した。
「我は、関白と話をするために参ったのだ」
政実は、切っ先を堀尾に向けたまま諸将に迫った。
「殿下に会うだと。我等とて、一足飛びにお会いできぬ天下人ぞ」
堀尾が、言い返した。
「まずは、こたびの戦の総大将である秀次様の御許しが必定」
蒲生氏郷が、説明した。
「ならば、その御仁にお引き合せ願おう」
政実が、一歩も譲らない姿勢で要求した。
「豊臣の立場上、形だけでも虜となってもらわねばならぬ」
機転を利かせて、浅野長政が言った。
「飽く迄、逆賊としての扱いか」
抗議するように、政実は聞いた。
「和議のために参ったのではないのか」
蒲生氏郷が、言った。
「よろしかろう」
堀尾を放すと、政実は虜囚としての扱いを受け入れた。
政実は捕らえられ、投獄された。
九戸の戦は、四日目を迎えていた。
中野修理は一人、馬を駆って長興寺を訪れた。
下馬する際、馬に大小の刀を括り付け、ここの主の掟通り帯刀せずに寺門をく
ぐった。
寺の本堂から木魚を叩く音と共に、住職による読経の声が響いてきた。
勤行が終わるまで、中野修理は待つ事にした。
四半刻が経つと、読経が止まり静けさが境内を包んだ。
「中野修理にございます」
寺の本堂の前で名乗った。
「はて。名は知らぬが、顔には覚えがあるの」
出迎えに出て来たのは、杖を突いた白髪の老いた和尚であった。
「昔は、九戸康実と名乗っておりました」
中野修理こと、康実が名乗り直した。
「政実の末の弟ごか」
和尚は、懐かしい者でも見るように目を細めた。
「こたびの戦は、御存知やに思います」
座敷に通されると、神妙な面持ちで康実が話を切り出した。
「政実は、元気か。前に会うたのは何年前じゃったかのう」
話をはぐらかすかのように、和尚が答えた。
「その九戸政実の事にございます」
康実が、言った。
「進退極まりよったか」
和尚は、半笑いだった。
「逆でございます」
冗談めく和尚に対して、康実は至極真面目な表情で言った。
「逆とは」
和尚が、問い返した。
「五万の軍勢相手に、一歩も譲りませぬ」
これまでの戦況を、康実は和尚に話して聞かせた。
「なるほど。窮しておるのは、九戸ではなく相手方だとな」
和尚は、戦の行方を観て取った。
「九戸城に立て籠る政実に、会ってはくれますまいか」
居住まいを正して、康実が頼んだ。
「儂に何を話せと」
和尚は、聞いた。
「速やかに戦を終えるように、助言して頂きとうございます」
康実は、言った。
「それは、弟としてか、それとも豊臣の使者としてか」
和尚が、質した。
「どちらでも構いませぬ」
曖昧に、康実が返答した。
「豊臣の手伝いなら、断わる」
きっぱりと、和尚は言い放った。
康実は、しばらく考えている風であった。
寺の庭から、甲高い雉の声が聞こえていた。
「この南部を、お助け下さい」
康実が、思いの丈を述べ出した。
「九戸が落ちぬなら、代わりに南部の百姓を殲滅する事など厭わぬ相手。侵略者
から、この地を守らねばなりませぬ」
南部の行く末を案じるように、康実が語った。
「かような年寄りの言う事など、聞き耳持つかの」
和尚は、承知したという顔をした。
「師の言葉であるならば」
大役を果たした康実は、安堵の声を漏らした。
午の刻過ぎであった。
中野修理こと九戸政実の末弟の康実は、薩天和尚を伴なって、豊臣の本陣にと
んぼ返りで戻った。
まずは、武者大将である堀尾吉晴への謁見となった。
現場を監督する堀尾の許可無くして、豊臣の陣には入れないからである。
「辺鄙な寺に棲むと云う怪僧か」
堀尾が、薩天和尚を低く見るような物言いをした。
「片田舎に住まう事を恥とは思わぬ。無用に京などに劣等感を持ち、故郷の誇り
を捨てて媚びへつらう田舎根性が恥なのだ」
和尚が、しらっと言った。
「ほざきおって。賊徒である政実の茶坊主の分際で」
堀尾の罵詈雑言に、和尚は無言で踵を返した。
「わざわざ御足労願った御坊に、失礼ではありませぬか」
薩天和尚の招聘を進言した津軽為信が、止めに入った。
「老いぼれた坊主を頼らずとも、豊臣は勝つ」
小馬鹿にした物言いをする堀尾に、為信はその六尺の体躯で羽交い締めにした。
「何をするっ」
首根っこを押さえられながら堀尾が言った。
「貴様っ。こんな事をして、ただで済むと思うてか」
堀尾の声は、震えていた。
「謝られよ」
為信は、いつでも首の骨を折れる体勢を取って堀尾に詫びを迫った。
和尚は、為信の目を見て本気だと知った。
「つ、詰まらぬ事を言った。許せ」
小さい声で、堀尾が呟いた。
「これは、とんだ猿芝居を見せられたものだ。儂は、南部信直殿に用があって来
たのじゃ」
と言って、和尚は陣に戻った。
津軽為信が、南部信直に取り次ぎを計った。
程なくして、北信愛を連れて南部の頭領が姿を現わした。
「この大仰な戦。元はと言えば、信直殿と政実の争いの筈じゃ。子供の喧嘩に、
弱い片方が親に加勢を頼んだようなもの」
和尚は、手厳しく言った。
「何を!」
信直の懐刀である信愛が、血相を変えて詰め寄った。
「言いたくはないが、儂には貸しがある」
和尚は、言った。
「何の事だ」
信愛が、聞き返した。
「あの時、庇ってやらねば、兎のように政実に狩られていた」
約十年前に勃発した三戸と九戸との戦で敗戦し、長興寺に落ち延びて来た一件
を和尚は持ち出した。
双方のやり取りを、信直は黙って聞いていた。
「仏門に帰依する僧侶にありながら、俗世の者の如く恩を売ろうとはっ」
都合の悪くなった信愛は、語気を強めて虚勢を張るのが精一杯であった。
「和議の条件はただ一つ。降伏するに際して、政実以外に何人たりとも咎を負わ
せぬと」
和尚は、迫った。
「九戸に与する輩を一掃するための戦ぞ。政実の身柄を押さえれば済む事では無
い」
信愛が、口角泡を飛ばした。
「たわけがっ。この戦、上手に終わらせねば、南部そのものが失われる」
和尚が、一喝した。
「それまでだ」
反駁しようとする信愛を、信直は制止した。
「はっ」
信愛は、後ろに下がった。
「和尚の提示する儀、しかと約定した」
信直は、和尚に向かって厳かに言った。
一人、薩天和尚は馬で九戸城に向かった。
城から百間の距離に迫っていた。
そろそろ、弓矢が届く範囲であった。
「止まれっ」
城の櫓から哨兵の声が聞こえてきた。
〝ホー〟
と言って、和尚は馬銜を引き馬を制止した。
「薩天が来たと、政実に伝えい」
読経で鍛えたよく通る声で、和尚が返答した。
他戸から応援で城に入った番兵は、九戸の菩提寺の僧侶である事を知らなかっ
た。
「袈裟を着た薩天と名乗る者が、九戸殿に目通りを求めてきておりますが」
同様にして伝令兵もまた、怪僧について訝しげに言った。
「和尚が」
政実は、驚いた。
杖を突き、通用門から入城して来た総白髪になった和尚の姿を見て、月日の流
れを思った。
「戦には、首を突っ込まぬ筈ではなかったのでは」
同時に、自身の寄る年波を感じながら政実が言った。
「陣中見舞いに来たのじゃて」
と言って、和尚は頭陀袋から柿を取り出して見せた。
「ほう。長興寺の柿か」
政実は、思わず相好を崩した。
「ちょうど、僧侶を探しておったところだ。椰の義父上をはじめ、戦死者の亡骸
に経を唱えて頂こう」
政実は、和尚を城内の霊場に自ら案内した。
喪に服する打ち掛けを羽織った椰の姿をはじめ、大勢の参列者が集まった。
四戸氏と他の戦死者の棺の前で、和尚が一心に経を唱えた。
葬儀が終わると、和尚は政実の付き人から別室に呼ばれた。
政実は、茶室で待っていた。
鉄瓶が火に掛けられていた。
どっかりと、和尚が政実の前に座り込んだ。
和尚は、茶の作法を知りながら敢えて無作法に対した。
作法は客をもてなすための手段であり、互いの心が通じていれば、作法そのも
のが無意味になると説いていた事を政実は思い起こしていた。
茶道については、柿を盗んだかどで政実が寺に預けられた和尚に習ったもので
あった。
山奥に住んでいるからといって、他国の者に風流を愛でる事もできぬ野卑な輩
と侮られていけないという配慮だったかもしれない。
湯が沸く間、政実は和尚が持参した柿の皮を剥き皿に盛って勧めた。
和尚は、手づかみで柿をがぶりと頬張った。
鉄瓶から湯気が立つと、政実は無言のまま和尚に茶を点てた。
戦のさなかとは思えないほどの静寂の空間だった。
政実が煎れた茶を、和尚は一気に飲み干した。
「この茶には、迷いがないの」
茶碗を返すと、和尚は言った。
「もう一服如何か」
政実が、聞いた。
「白湯を貰おう。そなたも食わぬか」
持参した柿を、和尚が勧めた。
「有難く頂こう」
子供のように、政実は柿を丸かじりにした。
「そなたは武人過ぎる」
そんな政実の様子を見ながら和尚が言った。
「我は武士ぞ」
茶碗を漱いだ水を建水に捨て、熱い湯を入れ直した後で政実は言った。
「一人の武者なれば、そなたは天下一。なれど、将としてはどうかの」
和尚は、白湯を飲みながら言った。
「ふん」
政実は、鼻で笑った。
「将とは武者を巧みに率いる者で、己が武者である必要はない。却って、武者の
心が策を妨げる」
静かに、和尚は語った。
「釈迦に説法よの」
政実は、茶碗を片付けながら言った。
「では、戦立てについて伺おう」
和尚は、話題を変えた。
「その昔、テルモピュライの戦において、ギリシャ軍は僅か三百の兵で百万のペ
ルシャ軍と戦った。百万という数が分かるか?」
和尚が、小さき子供に教えるかのように言った。
「ああ、分かる」
政実は、素直に答えた。
「三百のギリシャ兵は三日の間に渡って奮戦し、敵が予想もしない奇襲によって
大打撃を与え押し止めた」
博識の和尚は、海の向こうの古戦を解説した。
「で、三百の兵はどうなったのだ」
政実は、ある期待を持って尋ねた。
「全員、戦死した」
その期待を裏切るように、和尚が即答した。
「政実よ。定めを変えられると思っておるのか?」
和尚は、聞いた。
「定めが開かされるまで、己の最善を尽くす」
政実は、和尚に体を向き直して答えた。
「勇ましいのお」
からかうように、和尚が言った。
「戯れ言は、これまでにして頂こう」
いつまでも子供扱いする和尚に、政実はむっとした。
陽が傾き、西日が射す頃になって、和尚は本題を話し始めた。
「寺の柿を盗んだ罰として儂の下に来た時、武士にとっては誇りが一等大事だと
言っておった事を覚えておるか」
和尚の問い掛けに、政実は思い出すかのように宙を見ながら頷いた。
「そなたはそれで満足であろうが、民は同じではないぞ。戦に勝っても、国が亡
んだのでは意味が無い。民を守れぬ亡国の主に、誇りなど笑止千万」
和尚は、言った。
「三戸との戦とは異なり、仕置をするのは京に居る。相手が振り上げた拳の落と
し所を、考えてやらねばならぬ。気付いておろう。きゃつ等は、陸奥に生きる人
間を見下しておる。蝦夷地に住む者など虫けら同然、殺してもまた涌いてくると
思うておる。九戸の百姓を殺す事など屁とも思っておらぬぞ。今年は撃退しても、
来年は倍の数でやって来よう。勝つまでは決して諦めぬ」
和尚は、諭すように言った。
「ならば、尚更退けぬ」
政実が、怒気を込めた。
「この城を枕に十年でも戦うつもりであろう。その間に、各地の潜在化する反秀
吉の同調者の蜂起を惹起するが狙い」
和尚の指摘に、政実は黙ってしまった。
「図星じゃろ。あわよくば、北方より天下を押し戻そうと考えておるのだろうが、
厳しき自然の北国のここで戦が長引けば、九戸の田畑は荒廃し、邑人が飢える南
部は崩壊しよう」
畳み掛ける和尚の言葉に、政実は思案を巡らした。
「儂の茶の師が腹を切らされた」
ぽつりと、和尚が呟いた。
この年の春、秀吉は意に添わぬ茶頭に詰め腹を切らせた。
「存命であれば、関白に取り計らいを頼む事もできたやもしれぬが、今となって
はそれもかなわぬ」
若かりし頃に和尚は、千宗易に茶を指南されていたのであった。
「起きて半畳、寝て一畳、天下取っても二合半。晩年の信長が、言っておったそ
うな」
和尚は、利休と名を変える以前、宗易が最初に仕えた信長の話をした。
人はどんなに偉かろうとも、起きている時は半畳。寝そべっても精々一畳分の
存在でしかなく、たとえ天下人になっても一食は二合半が限度。あくせくと富貴
ばかりを求めても虚しいだけである。
為政者の心得を説いた。
「老いて死期を悟った者が、強引に国を纏めようと焦っておるようだ。そのよう
な世は永くは続かぬ。生き残ってさえおれば、いずこに流されようと、安倍宗任
のように他国で再起を得る機会も必ずあろう」
源氏と戦った前九年の役の後、伊予に配流された安倍宗任の事例を和尚は持ち
出した。
水軍として松浦党を名乗ったその子孫は、壇ノ浦の戦で源義経に味方し平家を
倒した。
茶室の壁に下げられた、瓢箪を描いた画の掛け軸を和尚が見た。
「末弟の康実が描いた物だ」
政実が、画を指差しながら言った。
末広がりの形の瓢箪は、除災招福として縁起の良いものとされていた。
九戸と縁を切り、今は南部信直に使えて中野修理と名乗っている康実が、政実
の五十歳を祝して描いた画であった。
「その康実殿が、儂を遣わしたのじゃ」
和尚が、言った。
「誰も戦は望んでおらぬ筈。兵を退き、開城を」
念押しするように、和尚が言った。
「我一人の身柄を差し出せば、この戦、手打ちにできると」
政実は、聞き質した。
「それは、身命に賭けて請け負う」
和尚は、凛として答えた。
開城する代わりに、政実が上洛して秀吉に直接申し開きをする場を設ける提案
をした。
事ここに至るに、南部の行く末を慮った政実はこれを受け入れた。
降伏の条件として、この戦の自分以外の責を不問に付し、奥州藤原氏のように
滅亡に追いやる事無く南部家を存続させ、また国替えなどせずに、このまま陸奥
における南部領の安堵の確約を言った。
和尚は、政実との約束を取り付けると城を出て行った。
「滅多に食えぬ薩天の柿だ。皆に振るまえ」
政実は、頭陀袋ごと椰に手渡した。
「和尚との御話は、何だったのですか」
会談を終えた政実に、次男の実親が聞いた。
「敵は我等に、降伏する気はないそうだ」
政実の皮肉に、集まっていた将兵の皆が笑った。
椰が、庖丁で小さく綺麗に切り分けて、食べ易いようにと楊枝を差した柿を盆
に載せて持って来た。
おもむろに、政実が大小の刀を腰から抜き取って床の間の鹿の角の支えに置い
た。
「まさか、兄者一人で敵陣に向かう気では。ならば、私が代わりに参ります」
毅然たる態度で、実親は言った。
「我等が幼き頃、長興寺の柿を盗みに入った時もそうだった。兄者は、いつも我
等を庇ってくれ申した。今度は、我等が兄者をお助けする番です」
三男の政則も訴えた。
「ならぬ」
目頭が熱くなるのを感じながら政実は、言った。
豊臣の陣に戻った薩天和尚は、南部信直に政実との約定を報告した。
南部を憂える政実の気持ちを推し量った信直は、懐刀の北信愛を通じて津軽為
信に告げた。
為信から伝えられた堀尾は、手柄を取られたような気分で癪に障りながらも渋
々承諾した。
軍監で総奉行の浅野長政、総指揮者である将監の蒲生氏郷も城が落ちるならと
了承した。
妻である椰は、政実に南部の向い鶴の家紋の入った紋付袴を着せる仕度を手伝
った。
「では、参る」
静かに、政実は言った。
「はい」
厳かに、椰が答えた。
これが今生の別れになるやも知れぬ事は互いに分かっていたが、この期に及ん
で敢えて口にする必要は無かった。
武士の妻として、いざという時の心得については日頃から伝えていた。
九戸の城門が開かれた。
政実は、馬に乗った。
五千の兵に見送られながら政実が、一人城を出て行った。
馬上の政実は、豊臣の陣に向かって馬に鞭を打った。
城を取り囲む豊臣方の兵達は、紋付袴姿で近付いて来る一騎の武者に弓や槍を
構えて警戒した。
「九戸政実である」
馬上から名乗ってきた敵の大将に、豊臣方は固唾を飲んで凝視した。
豊臣本陣に着くと、政実は鐙に片足を掛けて下馬した。
そして、居並ぶ敵将の前に丸腰の政実が堂々と進み出た。
「よく参られた」
浅野長政が、丁重に迎えた。
「賊将が、やっとその首を差し出してきたか」
堀尾吉晴が無礼な軽口を叩いた瞬間、政実は堀尾の脇差しを抜いて、その喉元
に刃を突き付けた。
「っ!」
咄嗟の事に、堀尾は何が起きたのか分からず動揺した。
「我は、関白と話をするために参ったのだ」
政実は、切っ先を堀尾に向けたまま諸将に迫った。
「殿下に会うだと。我等とて、一足飛びにお会いできぬ天下人ぞ」
堀尾が、言い返した。
「まずは、こたびの戦の総大将である秀次様の御許しが必定」
蒲生氏郷が、説明した。
「ならば、その御仁にお引き合せ願おう」
政実が、一歩も譲らない姿勢で要求した。
「豊臣の立場上、形だけでも虜となってもらわねばならぬ」
機転を利かせて、浅野長政が言った。
「飽く迄、逆賊としての扱いか」
抗議するように、政実は聞いた。
「和議のために参ったのではないのか」
蒲生氏郷が、言った。
「よろしかろう」
堀尾を放すと、政実は虜囚としての扱いを受け入れた。
政実は捕らえられ、投獄された。
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