25 / 45
24 何の魔道具を作ってもらおう
しおりを挟む
俺はいそいそと部屋へ戻ると、紙とペンを取り出した。
「ふっふっふっ、な~にを作ってもらおっかっな?」
俺は鼻歌まじりに考えた。後ろで、ルージュとシュシュが残念なものを見る目で俺を見ていた。
(やっぱり、デジタル式の時計は外せないよね、目覚まし付きで。鐘の音で時間を知らせるって、たまにわからなくなってルージュ達に聞いてるし、多分魔術課の人達は集中しすぎて聞こえてないと思う。あとは、携帯かな?転移魔法があるから、用があると転移で移動してるけど、携帯があればより時間短縮になるし、獣人には必要でしょう)
ーーーー
・数字化した時計(手乗りサイズと備えつけられるサイズ)
特定の時間になると音で知らせる機能があるとなおよい
・個人が携帯できる通信機と共有できる通信機
通信機同士で登録できる機能があれば、一つの通信機で多くの通信機と通話できるようになる
出来れば手紙のように、文字も送れるとなおよい
・水がお湯になる蛇口?
兎に角、水とお湯に切り替えられるようにしてほしい
ーーーー
(いざってなるとなかなか思い付かないな。前世ではあって当たり前すぎて、何があったかな?)
「うーん。まぁ、一気に頼むのなんだし、最初はこのくらいでいいかな?ルージュ、シュシュ。もう一度二人の所に行くよ」
二人の仕事場に行き、紙を渡して
「一応ここにも、様々な素材が置いてあるけど、無い素材や足りない素材があれば俺の所へ来て。取りに行くから!」
「は?」 「え?」
ウサギ獣人の二人もルージュ達も驚きの声をあげた。
「ルイス殿下?聞き間違えでなければ、素材の調達にルイス殿下本人が行くと、仰いました?」
「うん。そう言ったよ?だって二人は俺の専属なんだよ?これ以上お城の素材を使うのは違うよね?」
俺の考えに皆はポカンとした顔をしていた。
「俺が調合する薬草なんかも、自分で採取しに行くよ?もちろん、ルージュ達も付いてくるでしょう?」
「・・陛下に知らせてきます」
そう言って、シュシュは転移していった。
あれ?なんか認識の齟齬がある?
無言で俺達が互いに見つめあっていると、シュシュが父上を連れて戻ってきた。
「あっ、父上。何だか皆との認識に違いがあるみたいなんですが」
俺は父上を確認してすぐに聞いた。
父上は疲れた顔をして
「ルイ。シュシュから聞いたが、俺もそんな話は聞いてない。ルイがどうしても、お城で共有している素材を使えないと遠慮するのなら、騎士団に頼んで取ってきてもらう事も出来る。ルイ自身が行く必要はない」
ここでも立ちはだかるか、王族の身分!
「嫌です。行きます。騎士団の皆さんを信じてない訳じゃないけど、自分の目で確かめたいです。それに、他にも知らなかったものが見つかるかも知れないじゃないですか」
子供特有の感情に任せて、駄々をこねないように、冷静になろうしたら、いつも以上に丁寧な言葉遣いになった。
父上と見つめ合うこと数分。父上はため息を吐いて
「ルージュ達三人に加え、護衛騎士を10人つけるなら許可しよう。もし、かすり傷でも負うようなら中止にする」
「なっ!かすり傷はないです!それは横暴です!断固抗議します!」
俺は尻尾を逆立てもう抗議した。
父上は少し怯んだ。こういう時、母様と同じ猫獣人なのはいいね。母様に激甘な父上には効果的だ。
「うっ。なら、大きな怪我をしたら中止だ」
『陛下』
父上の残念ぐあいに、俺以外の皆は肩を落とした。
周りの空気にいたたまれなくなった父上は、
「ルイ、くれぐれも気を付けるのだぞ」
と言って、さっさと転移していった。
「父上の許可も取ったし、さっそく薬草取りに行こう。何か必要な素材ある?取ってくるよ」
俺は改めて二人に聞いた。
二人は互いを見てから
「いいえ、今のところ大丈夫です。ここにある材料で作ってみて、もし足りなかったり無い場合はお伝えします」
とセドリックが言った。
「うん、わかった。じゃお願いね」
そう言って二人の仕事場を後にした。
二人の仕事場って長いから、これからはただの仕事場でいいか。
そして、念のために調合場を覗いて見た。
仕事場もそうだけど、空いていた部屋は全て使っている。3部屋ぶち抜きの部屋はとても広い。
「なんか、ここを一人で使うのって勿体無い気がする」
「我々もお手伝いするんです。使えば狭く感じるかも知れませんよ」
俺が怯んでいるとルージュが苦笑して言った。
山に行く前に、騎士団の訓練所に顔を出して、第3と第4の団長に説明して後5人の護衛を選んでもらった。
そして城門も出たあたりで、ルージュが
「ルイス殿下。もうお昼も過ぎているのであまり奥には行けませんからね」
と注意してきた。
「仕方ないか。今日は目についた薬草を時間いっぱい採取する。仕分けは明日かな。じゃ、時間が勿体無いから出発」
今日は護衛を10人も付けなくても良かったんじゃ、ってくらいお城から近い場所での採取になった。
そして、空が茜色になるまで黙々と、薬草を採取した。ルージュ達が。
「ルージュ、シュシュありがとう。そういえばジュジュを連れてこなかったけど、、休みを返上してまで付き合わすのは違うよな?このことは父上と相談だな。さぁ、戻ろうか」
採取した薬草を調合場に保管して、急遽護衛してくれた5人にも、お礼を言って解散した。
「ふっふっふっ、な~にを作ってもらおっかっな?」
俺は鼻歌まじりに考えた。後ろで、ルージュとシュシュが残念なものを見る目で俺を見ていた。
(やっぱり、デジタル式の時計は外せないよね、目覚まし付きで。鐘の音で時間を知らせるって、たまにわからなくなってルージュ達に聞いてるし、多分魔術課の人達は集中しすぎて聞こえてないと思う。あとは、携帯かな?転移魔法があるから、用があると転移で移動してるけど、携帯があればより時間短縮になるし、獣人には必要でしょう)
ーーーー
・数字化した時計(手乗りサイズと備えつけられるサイズ)
特定の時間になると音で知らせる機能があるとなおよい
・個人が携帯できる通信機と共有できる通信機
通信機同士で登録できる機能があれば、一つの通信機で多くの通信機と通話できるようになる
出来れば手紙のように、文字も送れるとなおよい
・水がお湯になる蛇口?
兎に角、水とお湯に切り替えられるようにしてほしい
ーーーー
(いざってなるとなかなか思い付かないな。前世ではあって当たり前すぎて、何があったかな?)
「うーん。まぁ、一気に頼むのなんだし、最初はこのくらいでいいかな?ルージュ、シュシュ。もう一度二人の所に行くよ」
二人の仕事場に行き、紙を渡して
「一応ここにも、様々な素材が置いてあるけど、無い素材や足りない素材があれば俺の所へ来て。取りに行くから!」
「は?」 「え?」
ウサギ獣人の二人もルージュ達も驚きの声をあげた。
「ルイス殿下?聞き間違えでなければ、素材の調達にルイス殿下本人が行くと、仰いました?」
「うん。そう言ったよ?だって二人は俺の専属なんだよ?これ以上お城の素材を使うのは違うよね?」
俺の考えに皆はポカンとした顔をしていた。
「俺が調合する薬草なんかも、自分で採取しに行くよ?もちろん、ルージュ達も付いてくるでしょう?」
「・・陛下に知らせてきます」
そう言って、シュシュは転移していった。
あれ?なんか認識の齟齬がある?
無言で俺達が互いに見つめあっていると、シュシュが父上を連れて戻ってきた。
「あっ、父上。何だか皆との認識に違いがあるみたいなんですが」
俺は父上を確認してすぐに聞いた。
父上は疲れた顔をして
「ルイ。シュシュから聞いたが、俺もそんな話は聞いてない。ルイがどうしても、お城で共有している素材を使えないと遠慮するのなら、騎士団に頼んで取ってきてもらう事も出来る。ルイ自身が行く必要はない」
ここでも立ちはだかるか、王族の身分!
「嫌です。行きます。騎士団の皆さんを信じてない訳じゃないけど、自分の目で確かめたいです。それに、他にも知らなかったものが見つかるかも知れないじゃないですか」
子供特有の感情に任せて、駄々をこねないように、冷静になろうしたら、いつも以上に丁寧な言葉遣いになった。
父上と見つめ合うこと数分。父上はため息を吐いて
「ルージュ達三人に加え、護衛騎士を10人つけるなら許可しよう。もし、かすり傷でも負うようなら中止にする」
「なっ!かすり傷はないです!それは横暴です!断固抗議します!」
俺は尻尾を逆立てもう抗議した。
父上は少し怯んだ。こういう時、母様と同じ猫獣人なのはいいね。母様に激甘な父上には効果的だ。
「うっ。なら、大きな怪我をしたら中止だ」
『陛下』
父上の残念ぐあいに、俺以外の皆は肩を落とした。
周りの空気にいたたまれなくなった父上は、
「ルイ、くれぐれも気を付けるのだぞ」
と言って、さっさと転移していった。
「父上の許可も取ったし、さっそく薬草取りに行こう。何か必要な素材ある?取ってくるよ」
俺は改めて二人に聞いた。
二人は互いを見てから
「いいえ、今のところ大丈夫です。ここにある材料で作ってみて、もし足りなかったり無い場合はお伝えします」
とセドリックが言った。
「うん、わかった。じゃお願いね」
そう言って二人の仕事場を後にした。
二人の仕事場って長いから、これからはただの仕事場でいいか。
そして、念のために調合場を覗いて見た。
仕事場もそうだけど、空いていた部屋は全て使っている。3部屋ぶち抜きの部屋はとても広い。
「なんか、ここを一人で使うのって勿体無い気がする」
「我々もお手伝いするんです。使えば狭く感じるかも知れませんよ」
俺が怯んでいるとルージュが苦笑して言った。
山に行く前に、騎士団の訓練所に顔を出して、第3と第4の団長に説明して後5人の護衛を選んでもらった。
そして城門も出たあたりで、ルージュが
「ルイス殿下。もうお昼も過ぎているのであまり奥には行けませんからね」
と注意してきた。
「仕方ないか。今日は目についた薬草を時間いっぱい採取する。仕分けは明日かな。じゃ、時間が勿体無いから出発」
今日は護衛を10人も付けなくても良かったんじゃ、ってくらいお城から近い場所での採取になった。
そして、空が茜色になるまで黙々と、薬草を採取した。ルージュ達が。
「ルージュ、シュシュありがとう。そういえばジュジュを連れてこなかったけど、、休みを返上してまで付き合わすのは違うよな?このことは父上と相談だな。さぁ、戻ろうか」
採取した薬草を調合場に保管して、急遽護衛してくれた5人にも、お礼を言って解散した。
137
お気に入りに追加
360
あなたにおすすめの小説
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
転生して異世界の第7王子に生まれ変わったが、魔力が0で無能者と言われ、僻地に追放されたので自由に生きる。
黒ハット
ファンタジー
ヤクザだった大宅宗一35歳は死んで記憶を持ったまま異世界の第7王子に転生する。魔力が0で魔法を使えないので、無能者と言われて王族の籍を抜かれ僻地の領主に追放される。魔法を使える事が分かって2回目の人生は前世の知識と魔法を使って領地を発展させながら自由に生きるつもりだったが、波乱万丈の人生を送る事になる
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界に転生した俺は農業指導員だった知識と魔法を使い弱小貴族から気が付けば大陸1の農業王国を興していた。
黒ハット
ファンタジー
前世では日本で農業指導員として暮らしていたが国際協力員として後進国で農業の指導をしている時に、反政府の武装組織に拳銃で撃たれて35歳で殺されたが、魔法のある異世界に転生し、15歳の時に記憶がよみがえり、前世の農業指導員の知識と魔法を使い弱小貴族から成りあがり、乱世の世を戦い抜き大陸1の農業王国を興す。
スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!!
僕は異世界転生してしまう
大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった
仕事とゲームで過労になってしまったようだ
とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた
転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった
住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる
◇
HOTランキング一位獲得!
皆さま本当にありがとうございます!
無事に書籍化となり絶賛発売中です
よかったら手に取っていただけると嬉しいです
これからも日々勉強していきたいと思います
◇
僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました
毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます
末っ子神様の世界に転生した何の取り柄のない平凡な俺がちょっとだけ神様の手伝いをする
チョッキリ
ファンタジー
小説で、転生者や転移者が料理する飯テロや内政チートがよく書かれてるが、世の中そんなスーパーな人は一握りしかいない。凝った料理なんてそれこそ好きだから作れるのであって、普通は混ぜて焼くだけだ。食べ物は惣菜ですませ、流されるように生きてきた俺には、無理な事。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる