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24 何の魔道具を作ってもらおう

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俺はいそいそと部屋へ戻ると、紙とペンを取り出した。

「ふっふっふっ、な~にを作ってもらおっかっな?」

俺は鼻歌まじりに考えた。後ろで、ルージュとシュシュが残念なものを見る目で俺を見ていた。

(やっぱり、デジタル式の時計は外せないよね、目覚まし付きで。鐘の音で時間を知らせるって、たまにわからなくなってルージュ達に聞いてるし、多分魔術課の人達は集中しすぎて聞こえてないと思う。あとは、携帯かな?転移魔法があるから、用があると転移で移動してるけど、携帯があればより時間短縮になるし、獣人には必要でしょう)

ーーーー
・数字化した時計(手乗りサイズと備えつけられるサイズ) 

特定の時間になると音で知らせる機能があるとなおよい

・個人が携帯できる通信機と共有できる通信機

通信機同士で登録できる機能があれば、一つの通信機で多くの通信機と通話できるようになる

出来れば手紙のように、文字も送れるとなおよい

・水がお湯になる蛇口?

兎に角、水とお湯に切り替えられるようにしてほしい

ーーーー

(いざってなるとなかなか思い付かないな。前世ではあって当たり前すぎて、何があったかな?)

「うーん。まぁ、一気に頼むのなんだし、最初はこのくらいでいいかな?ルージュ、シュシュ。もう一度二人の所に行くよ」

二人の仕事場に行き、紙を渡して

「一応ここにも、様々な素材が置いてあるけど、無い素材や足りない素材があれば俺の所へ来て。取りに行くから!」

「は?」 「え?」

ウサギ獣人の二人もルージュ達も驚きの声をあげた。

「ルイス殿下?聞き間違えでなければ、素材の調達にルイス殿下本人が行くと、仰いました?」

「うん。そう言ったよ?だって二人は俺の専属なんだよ?これ以上お城の素材を使うのは違うよね?」

俺の考えに皆はポカンとした顔をしていた。

「俺が調合する薬草なんかも、自分で採取しに行くよ?もちろん、ルージュ達も付いてくるでしょう?」

「・・陛下に知らせてきます」

そう言って、シュシュは転移していった。
あれ?なんか認識の齟齬がある?

無言で俺達が互いに見つめあっていると、シュシュが父上を連れて戻ってきた。

「あっ、父上。何だか皆との認識に違いがあるみたいなんですが」

俺は父上を確認してすぐに聞いた。
父上は疲れた顔をして

「ルイ。シュシュから聞いたが、俺もそんな話は聞いてない。ルイがどうしても、お城で共有している素材を使えないと遠慮するのなら、騎士団に頼んで取ってきてもらう事も出来る。ルイ自身が行く必要はない」

ここでも立ちはだかるか、王族の身分!

「嫌です。行きます。騎士団の皆さんを信じてない訳じゃないけど、自分の目で確かめたいです。それに、他にも知らなかったものが見つかるかも知れないじゃないですか」

子供特有の感情に任せて、駄々をこねないように、冷静になろうしたら、いつも以上に丁寧な言葉遣いになった。

父上と見つめ合うこと数分。父上はため息を吐いて

「ルージュ達三人に加え、護衛騎士を10人つけるなら許可しよう。もし、かすり傷でも負うようなら中止にする」

「なっ!かすり傷はないです!それは横暴です!断固抗議します!」

俺は尻尾を逆立てもう抗議した。
父上は少し怯んだ。こういう時、母様と同じ猫獣人なのはいいね。母様に激甘な父上には効果的だ。

「うっ。なら、大きな怪我をしたら中止だ」

『陛下』

父上の残念ぐあいに、俺以外の皆は肩を落とした。

周りの空気にいたたまれなくなった父上は、

「ルイ、くれぐれも気を付けるのだぞ」

と言って、さっさと転移していった。

「父上の許可も取ったし、さっそく薬草取りに行こう。何か必要な素材ある?取ってくるよ」

俺は改めて二人に聞いた。

二人は互いを見てから

「いいえ、今のところ大丈夫です。ここにある材料で作ってみて、もし足りなかったり無い場合はお伝えします」

とセドリックが言った。

「うん、わかった。じゃお願いね」

そう言って二人の仕事場を後にした。
二人の仕事場って長いから、これからはただの仕事場でいいか。

そして、念のために調合場を覗いて見た。

仕事場もそうだけど、空いていた部屋は全て使っている。3部屋ぶち抜きの部屋はとても広い。

「なんか、ここを一人で使うのって勿体無い気がする」

「我々もお手伝いするんです。使えば狭く感じるかも知れませんよ」

俺が怯んでいるとルージュが苦笑して言った。

山に行く前に、騎士団の訓練所に顔を出して、第3と第4の団長に説明して後5人の護衛を選んでもらった。

そして城門も出たあたりで、ルージュが

「ルイス殿下。もうお昼も過ぎているのであまり奥には行けませんからね」

と注意してきた。

「仕方ないか。今日は目についた薬草を時間いっぱい採取する。仕分けは明日かな。じゃ、時間が勿体無いから出発」

今日は護衛を10人も付けなくても良かったんじゃ、ってくらいお城から近い場所での採取になった。

そして、空が茜色になるまで黙々と、薬草を採取した。ルージュ達が。

「ルージュ、シュシュありがとう。そういえばジュジュを連れてこなかったけど、、休みを返上してまで付き合わすのは違うよな?このことは父上と相談だな。さぁ、戻ろうか」

採取した薬草を調合場に保管して、急遽護衛してくれた5人にも、お礼を言って解散した。
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