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7 お城の探検ー午後の部ー(1)
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騎士団の食堂を出て、そのまま騎士団の訓練場へ
騎士団は第1から交代でお昼を取るので、まだお昼の時間ではない、第3護衛騎士団の訓練場にお邪魔した。
竜人、獣人、男女関係なく、剣を交えていた。怒号も飛び交っている。
「すごい、、、」
あまりの練習風景に言葉が出なかった。
これを表す言葉など「すごい」以外思い付かない。
「ルイス殿下。この訓練は別に第3だけではありません。全ての護衛騎士団や巡回騎士団でも同じような訓練をしています。我々は、王族の、そして国民の盾であり剣です。その誇りを持って我々はこの制服を着ています。命に変えてもお守りいたします」
団長の言葉はとても重い。さっきのレーナ姉上の言葉と同じくらい重い。俺は、自分が王族に産まれたことを、どこか他人事のように思っていたのかもしれない。
俺は、訓練場から団長に目線を移し
「団長、無茶な事だと分かっていますが、これだけは言わせてください。どんな状況だろうと、必ず生きて戻ってきてください。誰かの命を守ることができるのは、生きているからこそです。死んでしまえば、誰も守れません。相手の命と同じくらい、自分の命を、仲間の命を大事にしてください」
「ルイス殿下は無茶を言いますね」
団長は困った顔をして言った。
あれ程の怒号が響いていたのに、今はとても静かだ。不思議に思い訓練場に目を向けると、全員が整列してこっちを見ていた。
俺は少し後退り、アッシュ兄上達を見た。すると、とても優しい目で俺を見ていた。
俺が困惑していると、俺達の護衛をしていた団長と騎士達が訓練場の騎士達の前に立ち、騎士の礼を取ると
「出来うる限り我々はいかなる時も生きて殿下方の元へ戻ります!殿下方の命同様、己の命も仲間の命も守る事を、ここに殿下方に誓います!」
『誓います!』
いや、ここまで重いものはいらなかった。ただ軽く、「善処します」で良かった。だって、本当に無茶な事を言った自覚あるから。
本音では、誰かが死ぬのは嫌だけど、それが自分のせいならなおさら。
でも、団長達の仕事はそういうことも含まれている。それを覚悟の上で護衛騎士団にいる。
下手したら、侮辱するな!と言われるかもと思っていた。だって、盾であり剣であることが誇りだと言っていたから。
「ほら、ルイ。団長達がルイの言葉を待っているよ?」
アッシュ兄上に急かされ、
「その誓い、しかと受け取った」
『はっ!』
そのあとは、第3のお昼の時間まで訓練を見学した。
次は騎獣舎。
え?竜人は普通に飛べるし、獣化もできるだろうって?獣人なんだから体力あるし、足も早いだろうって?確かにそうだけど、皆が皆がそうじゃない。
人間だって、足の早い人と遅い人。体力のある人とない人など様々いるでしょう?それと同じ。
竜人でも獣人でも色々なのだ。
ということで、騎獣舎。
そこにいるのは、ユニコーンとペガサスを足したような馬。ユニコーンの角よりはやや短い。ユニコーンやペガサスといえば白色だけど、ここにいるのは、白は勿論、黒に茶色など普通の馬のように様々な色がいる。
この馬は、ユースという魔獣。だけど、とても大人しいので、騎獣として飼育している。
野生のユースにあっても、襲ってはこないので討伐はされない。
しかし、ここで驚きの事実が判明する。
「ルイス、この魔獣ちゃんと見えてる?」
アッシュ兄上の言葉に首を傾げると
「魔獣は天啓前だと見えないし、魔力が弱いと見えない魔獣もいるからね。だから、ここの魔獣が全部見えてるかなって」
え?え!天啓前だと見えないのは、なんとなく予想していたけど、魔力が弱くても見えないの?
「えっと、目視できるだけで、、1、2、3、、、15頭見えます。合ってますか?」
俺が不安気にアッシュ兄上を見上げると
「うん。ちゃんと見えてるね」
俺の他にも、護衛の騎士達と飼育係の人達もほっとした。
ほっとしたついでに、俺は知識スキルを試す事にした。
スキルを発動して、ユースを見る。
ーーーー
ユース 角と翼のある馬の魔獣。
大変大人しい性格な為、実力はあるのに狩られる立場にいる。
その為、野生の数はそれほど多くない。
角は定期的に生え替わる。
羽は換毛期に抜ける。
角は固いので武器の芯としての素材になる。
羽は軽く、保温性もあるので素材になる。
ーーーー
角は薬にならないのか。ユニコーンの角と言えば、万能薬の材料と思ったのに。
ここではユースと戯れ、ちょうどユースの赤ちゃんが、2ヵ月前に産まれたいうことで、赤ちゃんにも会えた。後半月程で乳離れをするとのことで、とてもタイミングが良かった。
次に行く前に騎士団の食堂へ戻り、一休み。
「次はどこ行くの?」
ジュースを飲みながら、アッシュ兄上に聞くと
「うーん、後見学できるところどこだっけ?」
アッシュ兄上は自分の侍従のトーチカに聞いた。
「医術局と図書室と宝物庫ですね。どこも離れにあるので、転移での移動になります」
「ルイはどこから行きたい?」
アッシュ兄上の後ろに控えていたトーチカから言われた場所を心の中で復唱しながら、
「気になるのは宝物庫かな?」
ということで次は、宝物庫。どんなお宝があるのかな?
騎士団は第1から交代でお昼を取るので、まだお昼の時間ではない、第3護衛騎士団の訓練場にお邪魔した。
竜人、獣人、男女関係なく、剣を交えていた。怒号も飛び交っている。
「すごい、、、」
あまりの練習風景に言葉が出なかった。
これを表す言葉など「すごい」以外思い付かない。
「ルイス殿下。この訓練は別に第3だけではありません。全ての護衛騎士団や巡回騎士団でも同じような訓練をしています。我々は、王族の、そして国民の盾であり剣です。その誇りを持って我々はこの制服を着ています。命に変えてもお守りいたします」
団長の言葉はとても重い。さっきのレーナ姉上の言葉と同じくらい重い。俺は、自分が王族に産まれたことを、どこか他人事のように思っていたのかもしれない。
俺は、訓練場から団長に目線を移し
「団長、無茶な事だと分かっていますが、これだけは言わせてください。どんな状況だろうと、必ず生きて戻ってきてください。誰かの命を守ることができるのは、生きているからこそです。死んでしまえば、誰も守れません。相手の命と同じくらい、自分の命を、仲間の命を大事にしてください」
「ルイス殿下は無茶を言いますね」
団長は困った顔をして言った。
あれ程の怒号が響いていたのに、今はとても静かだ。不思議に思い訓練場に目を向けると、全員が整列してこっちを見ていた。
俺は少し後退り、アッシュ兄上達を見た。すると、とても優しい目で俺を見ていた。
俺が困惑していると、俺達の護衛をしていた団長と騎士達が訓練場の騎士達の前に立ち、騎士の礼を取ると
「出来うる限り我々はいかなる時も生きて殿下方の元へ戻ります!殿下方の命同様、己の命も仲間の命も守る事を、ここに殿下方に誓います!」
『誓います!』
いや、ここまで重いものはいらなかった。ただ軽く、「善処します」で良かった。だって、本当に無茶な事を言った自覚あるから。
本音では、誰かが死ぬのは嫌だけど、それが自分のせいならなおさら。
でも、団長達の仕事はそういうことも含まれている。それを覚悟の上で護衛騎士団にいる。
下手したら、侮辱するな!と言われるかもと思っていた。だって、盾であり剣であることが誇りだと言っていたから。
「ほら、ルイ。団長達がルイの言葉を待っているよ?」
アッシュ兄上に急かされ、
「その誓い、しかと受け取った」
『はっ!』
そのあとは、第3のお昼の時間まで訓練を見学した。
次は騎獣舎。
え?竜人は普通に飛べるし、獣化もできるだろうって?獣人なんだから体力あるし、足も早いだろうって?確かにそうだけど、皆が皆がそうじゃない。
人間だって、足の早い人と遅い人。体力のある人とない人など様々いるでしょう?それと同じ。
竜人でも獣人でも色々なのだ。
ということで、騎獣舎。
そこにいるのは、ユニコーンとペガサスを足したような馬。ユニコーンの角よりはやや短い。ユニコーンやペガサスといえば白色だけど、ここにいるのは、白は勿論、黒に茶色など普通の馬のように様々な色がいる。
この馬は、ユースという魔獣。だけど、とても大人しいので、騎獣として飼育している。
野生のユースにあっても、襲ってはこないので討伐はされない。
しかし、ここで驚きの事実が判明する。
「ルイス、この魔獣ちゃんと見えてる?」
アッシュ兄上の言葉に首を傾げると
「魔獣は天啓前だと見えないし、魔力が弱いと見えない魔獣もいるからね。だから、ここの魔獣が全部見えてるかなって」
え?え!天啓前だと見えないのは、なんとなく予想していたけど、魔力が弱くても見えないの?
「えっと、目視できるだけで、、1、2、3、、、15頭見えます。合ってますか?」
俺が不安気にアッシュ兄上を見上げると
「うん。ちゃんと見えてるね」
俺の他にも、護衛の騎士達と飼育係の人達もほっとした。
ほっとしたついでに、俺は知識スキルを試す事にした。
スキルを発動して、ユースを見る。
ーーーー
ユース 角と翼のある馬の魔獣。
大変大人しい性格な為、実力はあるのに狩られる立場にいる。
その為、野生の数はそれほど多くない。
角は定期的に生え替わる。
羽は換毛期に抜ける。
角は固いので武器の芯としての素材になる。
羽は軽く、保温性もあるので素材になる。
ーーーー
角は薬にならないのか。ユニコーンの角と言えば、万能薬の材料と思ったのに。
ここではユースと戯れ、ちょうどユースの赤ちゃんが、2ヵ月前に産まれたいうことで、赤ちゃんにも会えた。後半月程で乳離れをするとのことで、とてもタイミングが良かった。
次に行く前に騎士団の食堂へ戻り、一休み。
「次はどこ行くの?」
ジュースを飲みながら、アッシュ兄上に聞くと
「うーん、後見学できるところどこだっけ?」
アッシュ兄上は自分の侍従のトーチカに聞いた。
「医術局と図書室と宝物庫ですね。どこも離れにあるので、転移での移動になります」
「ルイはどこから行きたい?」
アッシュ兄上の後ろに控えていたトーチカから言われた場所を心の中で復唱しながら、
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