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1 “事故転生”と名付けましょう

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約束通りこの日、俺は前世の記憶を思い出した。

よく晴れた7歳の誕生日。この世界では7歳の誕生日の朝に、天啓を受ける。
俺は朝目覚めた時に、天啓と共に前世の記憶を思いだした。

今の地球では死後は、異世界転生を望む人達が多いため、交流のある異世界の神様の世界の魂と交換することで、異世界転生を可能にした。

その転生の事で、地球に来ていた姉妹の神様の姉のやらかしで俺は死んだ。しかも、異世界の神様のやらかしで死んだため、俺は地球の輪廻から外れた。

その後なんやかんやあって、異世界の姉神様の知り合いの別の異世界の神様を紹介され、その神様の世界に転生することになった。

地球の神様から、餞別に地球での色々な知識が分かるスキルを授けてもらい、異世界の姉妹の神様からも、お詫びとして妹神様からは、医術のスキルを、姉神様からは、薬師のスキルをもらった。
なんでも、薬師と医術を司る神様なんだとか。

そして、知識のスキルに興味を持った、転生する世界の神様が、

「ふむ。では、この知識スキルに俺の世界の知識も入れとくか。転生先もあそこにすれば、、、ようやく、時代が動きそうだな」

なにやら一人で納得していた。そして俺に

「では、俺の世界へ案内しよう。それと、色々さわりがあるため、記憶が戻るのは7歳になる」

こうして、俺は期せずして異世界転生することになった。こんなの事故転生だ。

目が覚めた途端にこの情報量、この日俺は熱を出して、3日寝込んだ。

熱も下がり、改めて自分の状況を確認した。

頭にはふわふわのケモ耳。
お尻には艶々のしっぽ。

そう、この世界は獣人のみの世界。
そして俺は、いわゆる猫獣人というやつだ。

父親は赤い髪に、赤い瞳の竜人。
母親は銀の髪と耳に、紫の瞳の猫獣人。

兄姉がいて、兄が二人、姉が二人だ。
兄姉は竜人で、兄達が母親の髪色と父親の瞳の色を、姉達が父親の髪色と母親の瞳の色を受け継いでいる。
そして俺は、銀混じりの赤髪に、赤紫の瞳。
父親と母親両方の色受け継いでいる。

そしてなんと父親は一国の王。つまり、俺は王子様に生まれ変わっていた。

この世界は5つ国がある。

獅子獣人が治めているビースク国

鳥獣人が治めているファルコ国

象獣人が治めているエレファン国

幻の国と言われるくらい、小さいラビー国を治めている兎獣人

そしてこの4つ国の中央に、父親の竜人が治めているドラグ国がある。

そして、この世界は番としか子供は出来ないし、発情もしない。しかも、必ずしも番が異性とは限らない。だからお城のあちこちで、男同士や女同士でイチャイチャしているのをよく見かけていた。

いちゃつくのはいいけど、ちゃんと仕事はしてね。って感じだ。

話がだいぶそれだが、確認の再開だ。

父親の名前は、ライドッシュ ドラグ(125)

母親の名前は、ルナミーナ ドラグ(120)

長男の名前は、アッシュ ドラグ(10)

長女の名前は、エレーナ ドラグ(10)

次男の名前は、リード ドラグ(9)

次女の名前は、セレナ ドラグ(9)

そして俺、ルイス ドラグ(7)

竜人は見た目、ほぼ人間と変わらないが、耳はエルフみたいに尖っている。(この世界にエルフはいないけど)翼も鳥獣人みたいに常に背中に生えている訳ではない。

そして竜人は長寿で、平均で2万年生きる。他の獣人と番になれば番同士寿命を共有する為、先立たれることはない。普通の獣人は、平均五百年だ。

なにより竜人はチートだ。体は頑丈で、状態異常は完全無効。魔法も全魔法使えるし、魔力も無尽蔵。竜人でおバカな人は誰一人としていないくらい、賢い人ばかり。唯一獣化出来るのも、竜人の特徴だ。

なんで俺は竜人じゃなかったんだろう?
しかし、その竜人のみが出来る獣化は俺も出来るみたいだ。

ステータスが見れる訳じゃないけど、天啓とは、己の能力が分かる事らしい。

文字に表すとすれば、俺のステータスはこうだ。

ーーーー
ルイス ドラグ(7)

猫獣人

地球の神の加護、他の世界の薬師の神の加護、他の世界の医術の神の加護、主神の加護

知識スキル、薬師スキル、医術スキル、獣化、状態異常耐性、身体強化、全魔法、魔力無限、etc

番の気配あり。

ーーーー

何だかんだと、竜人の特性も引き継いでいた。

俺の確認作業が終わったタイミングで、ドアがノックされた。

「どうぞ」

と声をかければ、勢いよくドアが開けられ、ビックリしている俺を見て、そのままどっかに行ってしまった。

俺はベッドから降りて、ドアを閉めた。
しかし、またすぐにドアが開けられた。

(え?足音も何も聞こえなかったけど)

再び俺が驚いて固まっていると

「あールイ!目が覚めたのね。良かったわ」

と、母様

「誕生日の朝に寝込んだまま、一度も起きないから心配したぞ」

と、父上

「「ルイ、もう大丈夫か(なの)」」

と、下の双子のリード兄上とセレナ姉様

「とんだ誕生日になったな」

と、アッシュ兄上

「本当に心配したよ。大丈夫か?」

と、レーナ姉上。レーナ姉上はなぜか男口調で、振る舞いも男らしいく、女性に大変人気がある。

家族にもみくちゃにされながらも、

「ご心配かけました。もう大丈夫だよ。天啓で、脳が処理しきれなくて熱が出ただけだから」

前世の家族の事はよく覚えてない。だけど、今みたいにとても温かな家族だったように思う。

これからどんな事があるのかわからないけど、この温もりだけは手放したくないな。
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