お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞

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王都を出る乗合馬車に乗っていたけど、女の一人旅、色々なトラブルが寄ってきたため早々に馬車を降り、今は徒歩で森を歩いている。

「はぁ、はぁ、はぁ」

冷遇されていたとしても元貴族令嬢。体力はなかった。

魔物に出くわせば、植物魔法で木の中に潜り込み難を逃れ、近くに適した木がない場合は、土魔法で自身の周りを固めた。

(私の固有魔法がこの二つで良かったと初めて思えたわ)

いくら魔物でも、生き物を殺したことなどない私は攻撃できる魔法より、身を守る魔法のほうがあっていた。

辺りが暗くなる前に、一本の大木を見つけたので

「一晩お世話になりますね」

そう言って大木に触れ、魔法を発動した。
そうすると、スッと手が木の幹に入っていった。

そのまま私は足を進め、完全に木の中に入っていった。

木に影響のない程度に魔法で空間を確保して、あらかじめ用意していた干肉にかじりついた。

「ぐっ、固い」

行儀は悪いが、噛みきれるようになるまでしゃぶることにした。


時間をかけて一切れの干肉を食べ終わり、お腹が満たされたら眠気が襲ってきて、それに抗うことなく私は眠りについた。
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