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22 旅立ちの前ー2
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貴族が飲むような高価なモノじゃないけど、飲み物と庭の果物を出し、騎士の人達の分も別のテーブルに用意した。
全員が席に着いたら
「改めて、息子を助けてくれありがとう。そして恩人に剣を向けたこと申し訳ない」
騎士の人達も一緒に頭を下げた。
「私はこの国で侯爵で、ベアトル スィートと言う。妻のリリアと息子のミカエルだ」
紹介されそれぞれ頭を下げた。今度はこっちの番
「お礼も謝罪も受けとります。俺は、ミクリと言います。右隣からトーダ、レジー、アレン、左隣がライン、パミル、セルディ、ジニーです。ミカエルくんが無事でよったですね」
本当はトーダかレジーに進行をして欲しかったんだけど、大人への不信感からかさっきから機嫌が悪い。しかもなぜか俺が真ん中だし。
皆、コミュ力あるでしょう?人見知りしないでしょう?俺はこう言うの苦手なんだよ~
チラチラとトーダを見だけど、ガン無視だ。
「ここには大人は居ないのだろうか」
食堂の入り口を見ながら侯爵さんは言った。入り口を見ると、全員がドアから覗いていた。
俺はトーダ達を見た。トーダがため息を吐き
「ミクリ、いい加減こう言う時、俺達に頼ろうとするの止めろ。お前達も、静かに出来るなら入ってこい」
ボソボソ「俺は人見知りぎみなの。皆みたいに、誰にでも簡単に接する事なんて無理」
小声で言っても狭くはないが、そこまで広くもないテーブルでは、皆に聞こえてた。トーダ達は呆れたようにため息を吐き、ミカエルくんはクスクスと笑い、侯爵夫妻は苦笑していた。
ラインが俺の肩に手を置き、
「何事もやらないと慣れない。今日はがんばれ」
と言ってきた。俺は慌てて右隣を見ると、二人も目を合わせてくれなかった。
「年長なんだから、年下にやらせないでよ」
俺がボソッと呟くと
「確かにミクリは俺達より年下だ。たがなぜか本能が違うという。だから俺達はミクリに対して対等に接してるだろう」
くっ、感の良い奴らだ。だけど俺はこういうの苦手なんだよなぁ。
代表者の俺達以外の子達は、好き好きに俺達の周りに座り、静かに飲み物と果物を食べてた。
俺は抵抗を諦めて進行役を受けた。はぁ、、
「お見苦しい所を見せ、すみません。侯爵様の質問は、大人が居ないのかと言うことですが、答えはハイです。ここにいるのはスラムの孤児だけです。一番年上がここにいるトーダで16歳、一番下があそこにいる子達で4歳です」
夫人や騎士の人達は痛ましそうに周りの子供達を見ていた。侯爵は俺を見据えて
「孤児のわりには言葉遣いが丁寧ですね。そちらのトーダという人は祖やな言葉遣いだったのに」
あー、そうですよねぇ。普通、教育がされてないと言葉遣いなんて祖や、、いやいや、トーダ達はそれなりに教育されてるはず、、
トーダを凝視したら、ニヤッと笑った。
あーー!わざと、わざと祖やな言葉遣いしてたな!
「なるほど、違和感の正体はこれだったか。ミクリが年齢より上に思えたわけだ」
レジーが一人で納得してた。くそっ、ここで元日本人の記憶が仇になるとは。
「気にしないで下さい。これが俺だと思ってくれれば良いです。それで、謝罪とお礼だけなら済みましたよね」
「そう急かさないでくれ。しかしここは不思議なところだな。暖炉も無いのにどこも暖かい」
「ええ、そうね。何を使ってるのかしら?」
「特別な仕様ですので、今は言えないですね。侯爵様、ほかのご用件はなんでしょう」
お礼と謝罪は本心だと思う。でも他の用ってのが思い当たらない。
俺が内心首を傾げていると、侯爵様は姿勢を正し
「君達は有名だと言っただろう。その時に少し気になる事を聞いてね。でも、この目で見て確信した」
侯爵の目はレジーに向けられた。
「君は、陛下の落とし子だ。10数年前、陛下のお手がついた宮中侍女が、誰にも何も言わずに居なくなった。どれだけ捜しても見付からなかった」
侯爵は苦しそうにいい、夫人は涙を流していた。
騎士の人達も辛そうにしてきた。
「もしかしてその人は」
「ああ、私の妹で、妻の親友だった。レジーと言ったね?君の母親はどうしたんだい」
皆の視線がレジーに向いた。
「・・・あの人は、弱い人だった。でもそれは当たり前だったんだな。貴族が一人で、しかも幼い子供を抱えなが生きていけるわけない。あれは俺が4~5歳の頃、辛うじて家と言える玄関前に、ボロボロになった裸のあの人が、倒れていた。起こそうと触れれば、その体は固く冷たかった。幼いながらも死んでいるとわかった。ベッドからボロボロのシーツを剥ぎ取り、あの人にかけて、家の裏に埋め、俺は家を出た」
侯爵も夫人も、騎士の人達も皆泣いていた。侯爵は、早く見つけてればと、唇を噛み締めていた。
俺達は何も言えず、ただ侯爵達が落ち着くのを待った。ミカエルとおチビたちは早い段階で飽きてきてミーナと、数名の同じく飽きた子供達と一緒に、礼拝堂の滑り台などで遊んでいる。
少しして、侯爵達の気持ちが落ち着き、
「失礼した。レジーよ、その家の場所は覚えているか」
レジーは首を振り、
「ここに来てから一度行ってみたが、無法地帯になっていたよ」
「そうか。・・・妹の亡骸だけでも家に帰したかったんだがな」
く、空気が重い。何か、何か話題はないか。
俺がおろおろと目を泳がせていると
「ミクリー、かみさまがぴかぴかしてるのー」
と、エドが食堂の入り口前で叫んだ。俺は断りをいれてから席を立ち、エドと一緒に神像の前に来た。
「あっミクリさん。レジーさん達に伝言お願いします。まず一つ目、レジーさんの母親の亡骸は、私の判断で教会前の大樹の下に移しましたと言うことと、二つ目は、レジーさんの母親からで、不甲斐ない母でごめんなさい。あなたの幸福を祈ってます。と、お兄さん達に、何も言わずに消えてごめんなさい。お兄様達に助けを求めれば、迷惑になると思って何も言わずに消えました。心配させてごめんなさい。捜してくれありがとう。侯爵家の幸福を祈ってます。って事です。よろしく」
言うだけ言って消えた。これって、侯爵達に神様の事、説明しないといけないよね?あーもー!誰か代わってくれー!
俺はイライラを頭をかきむしって落ち着かせ、落ち着いたら食堂に戻った。戻った俺の頭を見て皆驚いていた。
「ミクリ、それどうした?」
ラインが聞いてきたが
「気にしないで。少しイライラすることがあっただけだから」
気になるのか隣ってことで、俺の髪を整え始めた。俺は、大きく深呼吸をしてから
「これから話す事は、他言無用でお願いします。後ろの騎士の方達もお願いします」
俺の真剣な顔に、侯爵夫妻も騎士達も頷いた。
「信じられないかも知れませんが、俺は直接神様と対話ができます。俺はある孤児院から逃げ出した時、神様の導きでここに来ました。そして、ここは神様の加護ので守られているので、夏でも冬でも快適な温度で保たれています」
一度言葉を区切り、侯爵達を見た。驚いていたが、すぐに納得したような顔になった。柔軟な頭をしてるようだ。
「俺は神様から頼まれて、レジーやトーダ達に手を差しのべました。そして、神様からあなた達は信用出来る人達と言われましたが、俺達は大人に裏切られた経験があるため、信じきれずにいました。しかし、レジーの母親の事でさっき、神様から言付けを頼まれました。なのでこの事を伝えることで、あなた達が信用に足る人達か試そうと思ったのですが、、」
俺は思わず苦笑いしてしまった。侯爵夫妻も騎士達も真剣に俺の話を聞き、ばかにした感じはなかった。
「わかりました、あなた達を信じます」
そうして、俺は神様からの伝言を伝えた。そして、やっぱり侯爵達は涙した。
今日だけで何回泣いたかな、この人達。
全員が席に着いたら
「改めて、息子を助けてくれありがとう。そして恩人に剣を向けたこと申し訳ない」
騎士の人達も一緒に頭を下げた。
「私はこの国で侯爵で、ベアトル スィートと言う。妻のリリアと息子のミカエルだ」
紹介されそれぞれ頭を下げた。今度はこっちの番
「お礼も謝罪も受けとります。俺は、ミクリと言います。右隣からトーダ、レジー、アレン、左隣がライン、パミル、セルディ、ジニーです。ミカエルくんが無事でよったですね」
本当はトーダかレジーに進行をして欲しかったんだけど、大人への不信感からかさっきから機嫌が悪い。しかもなぜか俺が真ん中だし。
皆、コミュ力あるでしょう?人見知りしないでしょう?俺はこう言うの苦手なんだよ~
チラチラとトーダを見だけど、ガン無視だ。
「ここには大人は居ないのだろうか」
食堂の入り口を見ながら侯爵さんは言った。入り口を見ると、全員がドアから覗いていた。
俺はトーダ達を見た。トーダがため息を吐き
「ミクリ、いい加減こう言う時、俺達に頼ろうとするの止めろ。お前達も、静かに出来るなら入ってこい」
ボソボソ「俺は人見知りぎみなの。皆みたいに、誰にでも簡単に接する事なんて無理」
小声で言っても狭くはないが、そこまで広くもないテーブルでは、皆に聞こえてた。トーダ達は呆れたようにため息を吐き、ミカエルくんはクスクスと笑い、侯爵夫妻は苦笑していた。
ラインが俺の肩に手を置き、
「何事もやらないと慣れない。今日はがんばれ」
と言ってきた。俺は慌てて右隣を見ると、二人も目を合わせてくれなかった。
「年長なんだから、年下にやらせないでよ」
俺がボソッと呟くと
「確かにミクリは俺達より年下だ。たがなぜか本能が違うという。だから俺達はミクリに対して対等に接してるだろう」
くっ、感の良い奴らだ。だけど俺はこういうの苦手なんだよなぁ。
代表者の俺達以外の子達は、好き好きに俺達の周りに座り、静かに飲み物と果物を食べてた。
俺は抵抗を諦めて進行役を受けた。はぁ、、
「お見苦しい所を見せ、すみません。侯爵様の質問は、大人が居ないのかと言うことですが、答えはハイです。ここにいるのはスラムの孤児だけです。一番年上がここにいるトーダで16歳、一番下があそこにいる子達で4歳です」
夫人や騎士の人達は痛ましそうに周りの子供達を見ていた。侯爵は俺を見据えて
「孤児のわりには言葉遣いが丁寧ですね。そちらのトーダという人は祖やな言葉遣いだったのに」
あー、そうですよねぇ。普通、教育がされてないと言葉遣いなんて祖や、、いやいや、トーダ達はそれなりに教育されてるはず、、
トーダを凝視したら、ニヤッと笑った。
あーー!わざと、わざと祖やな言葉遣いしてたな!
「なるほど、違和感の正体はこれだったか。ミクリが年齢より上に思えたわけだ」
レジーが一人で納得してた。くそっ、ここで元日本人の記憶が仇になるとは。
「気にしないで下さい。これが俺だと思ってくれれば良いです。それで、謝罪とお礼だけなら済みましたよね」
「そう急かさないでくれ。しかしここは不思議なところだな。暖炉も無いのにどこも暖かい」
「ええ、そうね。何を使ってるのかしら?」
「特別な仕様ですので、今は言えないですね。侯爵様、ほかのご用件はなんでしょう」
お礼と謝罪は本心だと思う。でも他の用ってのが思い当たらない。
俺が内心首を傾げていると、侯爵様は姿勢を正し
「君達は有名だと言っただろう。その時に少し気になる事を聞いてね。でも、この目で見て確信した」
侯爵の目はレジーに向けられた。
「君は、陛下の落とし子だ。10数年前、陛下のお手がついた宮中侍女が、誰にも何も言わずに居なくなった。どれだけ捜しても見付からなかった」
侯爵は苦しそうにいい、夫人は涙を流していた。
騎士の人達も辛そうにしてきた。
「もしかしてその人は」
「ああ、私の妹で、妻の親友だった。レジーと言ったね?君の母親はどうしたんだい」
皆の視線がレジーに向いた。
「・・・あの人は、弱い人だった。でもそれは当たり前だったんだな。貴族が一人で、しかも幼い子供を抱えなが生きていけるわけない。あれは俺が4~5歳の頃、辛うじて家と言える玄関前に、ボロボロになった裸のあの人が、倒れていた。起こそうと触れれば、その体は固く冷たかった。幼いながらも死んでいるとわかった。ベッドからボロボロのシーツを剥ぎ取り、あの人にかけて、家の裏に埋め、俺は家を出た」
侯爵も夫人も、騎士の人達も皆泣いていた。侯爵は、早く見つけてればと、唇を噛み締めていた。
俺達は何も言えず、ただ侯爵達が落ち着くのを待った。ミカエルとおチビたちは早い段階で飽きてきてミーナと、数名の同じく飽きた子供達と一緒に、礼拝堂の滑り台などで遊んでいる。
少しして、侯爵達の気持ちが落ち着き、
「失礼した。レジーよ、その家の場所は覚えているか」
レジーは首を振り、
「ここに来てから一度行ってみたが、無法地帯になっていたよ」
「そうか。・・・妹の亡骸だけでも家に帰したかったんだがな」
く、空気が重い。何か、何か話題はないか。
俺がおろおろと目を泳がせていると
「ミクリー、かみさまがぴかぴかしてるのー」
と、エドが食堂の入り口前で叫んだ。俺は断りをいれてから席を立ち、エドと一緒に神像の前に来た。
「あっミクリさん。レジーさん達に伝言お願いします。まず一つ目、レジーさんの母親の亡骸は、私の判断で教会前の大樹の下に移しましたと言うことと、二つ目は、レジーさんの母親からで、不甲斐ない母でごめんなさい。あなたの幸福を祈ってます。と、お兄さん達に、何も言わずに消えてごめんなさい。お兄様達に助けを求めれば、迷惑になると思って何も言わずに消えました。心配させてごめんなさい。捜してくれありがとう。侯爵家の幸福を祈ってます。って事です。よろしく」
言うだけ言って消えた。これって、侯爵達に神様の事、説明しないといけないよね?あーもー!誰か代わってくれー!
俺はイライラを頭をかきむしって落ち着かせ、落ち着いたら食堂に戻った。戻った俺の頭を見て皆驚いていた。
「ミクリ、それどうした?」
ラインが聞いてきたが
「気にしないで。少しイライラすることがあっただけだから」
気になるのか隣ってことで、俺の髪を整え始めた。俺は、大きく深呼吸をしてから
「これから話す事は、他言無用でお願いします。後ろの騎士の方達もお願いします」
俺の真剣な顔に、侯爵夫妻も騎士達も頷いた。
「信じられないかも知れませんが、俺は直接神様と対話ができます。俺はある孤児院から逃げ出した時、神様の導きでここに来ました。そして、ここは神様の加護ので守られているので、夏でも冬でも快適な温度で保たれています」
一度言葉を区切り、侯爵達を見た。驚いていたが、すぐに納得したような顔になった。柔軟な頭をしてるようだ。
「俺は神様から頼まれて、レジーやトーダ達に手を差しのべました。そして、神様からあなた達は信用出来る人達と言われましたが、俺達は大人に裏切られた経験があるため、信じきれずにいました。しかし、レジーの母親の事でさっき、神様から言付けを頼まれました。なのでこの事を伝えることで、あなた達が信用に足る人達か試そうと思ったのですが、、」
俺は思わず苦笑いしてしまった。侯爵夫妻も騎士達も真剣に俺の話を聞き、ばかにした感じはなかった。
「わかりました、あなた達を信じます」
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