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1 終わりから始まる

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 いつもの日常。朝仕事に行き、夜家に帰る。仕事場と家の往復のみで、娯楽なんてない。休日は一日中、家でゴロゴロとスマホで異世界モノの小説や、マンガを読むだけ。たまに、飲み物や食べ物を買うため、コンビニに行く程度。

 そんな俺、御厨 冬夜。彼女いない歴=年齢(27)。そんな日常が突然終わりを迎えた。
その日は少し、仕事にトラブルがあり残業したので、帰りがいつもより遅くなった。しかも雨まで降ってきた。目に付いたコンビニで傘を買おうと、お店に入ったとき、背中に衝撃が走った。

 しかも、そのままぶつかってきた人は、俺を押し退けお店に入ると、手にしている血の付いたナイフを振り回していた。お店の中はパニックで悲鳴や怒号が行き交ってた。お店から逃げ出す人もいた。そのナイフを見て、恐る恐る手を背中に回すと、ヌルっとした感触がした。

「は?、あ?、マジかよ、、こんなマンガみたいなこと、現実で、、しかも、俺が、、なんて、、」

 血に染まった手を見て、現実を認識したらたっていられなくなり、その場に倒れた。周りの音も聞こえなくなり、目も暗くなってきた。

(ああ、俺。死ぬのか。こんなマンガみたいな死に方なら、異世界転生、できるかな?なんて、、な)

 死ぬ直前なのに、そんなことを思いながら完全に闇に閉ざされた。



「もしも~し、起きてくださ~い!おーい、早く起きないと、異世界転生出来なくなっちゃいますよ~。魂、消滅しちゃいますよ~」

 物騒な言葉に飛び起きた、、つもりだったが、何か違和感?俺は体を見渡そうとした。視線は動くが体が見当たらない。

「?ああ、今のあなたは魂の状態なので、体はありませんよ」

 俺がキョロキョロしていたら、前から声がした。声がした方を見ると、藍色の髪に、青い瞳の爽やかイケメンがいた。年は18~20位だろうか?とりあえず今言えるのは、イケメン爆ぜろ!

「ワハハハ、いきなり爆ぜろですが、過激ですね?私はあなた達で言う所の神様です。御厨 冬夜さん。突然の事で混乱してると思いますが、あなたはもう死にました。覚えてますか?」

 そう言えば、傘を買おうとコンビニに寄って、それで、、ああ、後から刺されたんだ。そっか、やっぱ死んだのか

「あれ、思ったより冷静?まぁ、暴れられるよりはマシですね。それでですね、今の御厨さんの状況なんですが、今、地球では異世界転生って流行っているんですよね?」

「まぁ、流行ってるっていえば、流行ってるけど」

 うんうん、と神様は頷くと

「あちらの死者の魂の多くが、異世界転生したいと訴えるので、その中から適当に数人選んで交流のある異世界の神と地球の神で話し合い、地球と異世界の魂を交換する事で、人口の数合わせをすると決まったのですが」

 神様は一度言葉を区切ると、少し言いにくそうに

「地球の神様は基本、無殺生でしょう?どんな極悪人でも地獄行きにするだけ。でも、救いの無い魂というのはあるもの。そういうのは、異世界の魂との交換に紛らせて、こちらで消滅させるんですよ。私達の世界は不要な魂は、消滅待ったなしなので。大勢いる地球の神様の中で、御厨さんの担当になった神と交流のある世界は、私達の父が創造神として造った5つの世界。5つの世界は父の子、つまり私と兄姉が管理してるですが、私達が選ばなかった魂は父が消滅させるので、、、起きてくれて良かったです。危なかったですね」

 長々と何の話かと思えば、もしかして俺、消滅の危機だったの?
俺の考えてることが分かるのか、タイミングよく、神様は頷いた。

「勝手に、転生は出来ないなからね。私は末っ子なので、兄君達が選ばなかった、もしくは地球の魂が拒否した場合、ここまで来るのだけど、まぁ、拒否る魂は稀で、ほとんどは余り物が私の所に来ますね」

 つまり俺は、あれか?余り物ってことか?まぁ、何の取り柄もない、詰まらない男だけどさ。でもさ、仮にも神様なら、もう少し言い方どうにかならない?

「あっ、気に触っちゃいました?ごめんね。ただ君の場合は、なかなか起きなかったからって理由だね。取り柄とか能力で選んでる訳じゃないよ」

 まぁ、そういう事にしときましょ?で?俺はあんたの世界に行くのか?

「会話を面倒がらないでくださいよ。そうですね、もう兄君や姉君達の所は定員になったので。御厨さんには、私の世界に転生か消滅か選べます」

「誰が好き好んで消滅選ぶんですか!もちろん転生でお願いします」

 消滅を選ぶ奇特な人、居るのかねぇ?

「極たまに居ますよ?前世散々だったらもう生まれ変わるのも嫌!って人。まぁ、消滅と見せかけて、記憶を消して転生されるんですがね」

 神様が騙すような事していいんですか?

「クスクス。さて、転生においての注意事項を説明しますね。まず、転生先は選べません。私も手を加えられません。このガチャに入って頂き、落ちた所が転生先です。運が良ければ、王族になれますよ」

 悪ければどうなるんだ?

「・・・私の世界はまだ、貧富差が激しいので、最悪は、、、スラムの孤児ですかね?」

 てへっと言いそうな顔が、しかも様になるのが余計腹ただしい!王侯貴族は面倒そうだから平民が、普通の平民がいいなぁ

「御厨さんの運次第ですね」

 運ねぇ、ガチャの引き弱いんだよなぁ。無課金でしか引かないからかもだけど、欲しいものが来た試しがない。嫌な予感しかしないなあ

「あまり悪い事ばかり考えてると、そうなっちゃうので、いいこと考えましょう!さぁ、時間がありません。入ってください」

 俺は渋々ガチャの中に入った。これもこれで普通では体験出来る事ではないな。

「では、御厨さん。よい人生を!転生者の方は教会に来てくれたら私と直接お話出来ますので、出来る範囲内でお助けしますよ。行ってらっしゃい」

 こうして俺は、異世界転生をした。転生先は予想通りだったが
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