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15 微かな希望

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突然だけど、ステータスを確認しようと思う。

ーーーーー
ヨミ

・神の育成者
   神候補 ラグレット 
       レティオット 

・ラグレットの眷属
・レティオットの準眷属

・眷属共鳴

・全魔法

・言語理解、収納、各技術習得、鑑定
ーーーーー
ラグレット 25/100

・育成者 ヨミ

・眷属共鳴
  完全防御(物理、魔法)
  状態異常耐性 
  精神耐性
  念話
  魔法共有
  
・固有魔法
  浄化
  人化 
ーーーーー
レティオット 23/100

育成者 ヨミ (眷属ヴァイオレット)

固有魔法
 魂化
 人化
 蛇眼

神属共有
 念話
 神眼
 魔法共有
ーーーーー

ラグ達のレベル?っていうのかな?が上がる基準がわからん!しかも(良)←これがなくなってるのはなんで?まぁ、色々と分からない事はあるけど

「ラグ達、人化出来るの?まさかそのまま手のひらサイズって事ないよね?」

俺の言葉にレティが呆れたように

「そんなわけないでしょう?でも、アリアちゃんやフレッド君くらいの幼い子供の姿ではあるわね」

「でも、まだ僕達自身がちゃんとしたイメージが出来てないから、正確にはまだ人化は出来ないよ」

レティの後にラグが追加で補足した。

レティに関しては、譲り受けた時に確認してなかったので、なにが変わっているのかは分からない。

「レティ、この神眼って何が出来るんだ?」

「これは、鑑定眼の上位互換で、眷属ではない神も鑑定できるわよ。ちなみに、ワタシのみが使える蛇眼は色々と出来るのよ。いろいろとね」

うん、深掘りはやめておこう。

「確認はこのくらいでいいかな。あっ、そう言えば、ラグの固有(神)魔法は植物だったけど、レティは何なんだ?」

「ワタシは闇よ」

期待を裏切らない魔法だね。

と、これは馬車の中での会話だ。なぜ馬車なのかというと

アケルの街を出ることにして、西に向かうことを伝えたら、そこまで送ると数名の騎士と馬車を用意してくれた。

そこまではと断ったけど、妻と娘を助けてくれたお礼だと押しきられてしまった。その為、馬車の中で確認作業中なのだ。

セドリックさん達のお忍び用の馬車なので、家紋も無くどこにでもある、でもしっかりとした作りの馬車だ。

しかも、数名の騎士がいることで行き交う人が興味津々で見てくる。その為早々に窓のカーテンは閉めた。

でも閉めていても外の様子はわかる。なぜか?それはレティの蛇眼を共有してもらっているからだ。だから蛇眼に関しては深掘りしてはいけない。

順調にそして少し駆け足で10日。無事テンティヴ国の西の国境の街、ブルムに着いた。本当はアケルの西側の隣の街で降ろしてもらう予定だったけど、俺達がそれよりも先に行く予定だと感づいた騎士の一人が、門の中にあるパコでセドリックさんにメールをして、目的地まで送れと追加の命令を受け取っていたのだ。

それでも一貴族家の騎士が、許可もなく国境を越えることは出来ないので、ブルムで騎士達とお別れだ。

俺からも、パコを借りてメールをセドリックさんにしてお礼を伝えた。もちろん、ここまで護衛してくれた騎士達にもお礼を言った。

「ここまでありがとうございました。帰りは焦らずゆっくりとお帰りください」

騎士達は空の馬車を伴って帰っていった。

俺は露店の果物や野菜、出来合いものなどを買いながらこの街を素通りするべく、門に向かった。

何事もなく無事門を通り街道へ出た。

「なぁ、未だに纏わりついているこの気配って、やっぱあれなの?」

しばらく無言で歩き、人通りが無くなった辺りで俺はポケットからラグとレティを出して話しかけた。

念話でもよかったんだけど、会話に集中して変顔をするかも知れなかったので、ここまで話すのを我慢していた。

「ええ、邪神に落ちかけているわね。しかも2柱」

「1柱は抵抗をしているみたいだけど、もう1柱は、、、自ら邪心を生み出していて危険な状態だよ」

二匹の会話を聞いて驚いた。そして2柱と聞いて、青とピンクの二人を思い浮かべてしまった。

「何が出来るか分からないけど、取り敢えず行ってみるか。お前らも仲間が邪神になるのは避けたいだろうしな」

そう決意して、俺は転移することにした。土地勘もない所へ転移するのは、もしかしたら沢山の人がいる真ん中に転移するかもしれないので俺的にはあまりしたくないけど、どうやら時間がないようなので腹を括るしかない。

「そんな怖い顔しなくても、ワタシ達がサポートするから大丈夫よ。ワタシ達を信じなさい」

俺はラグとレティを見た。可愛らしい姿をしていても中身は神候補。その潜在能力は計り知れない。

「ラグ、レティ。頼むな」

「任せてよ!」

「ふふ、お安いご用よ」

ラグは小さい胸を張り、レティはぴるぴると尻尾を揺らした。

転移するために念には念を入れ、街道から外れ森に身を隠すように入り、ラグが植物を操り俺達の周りを囲った。

ラグ達に聞き、マップから目的地を定め集中した。そしてラグ達の協力の元、無事目的地の街の街道外れに転移した。

大陸の西の国、イムシ。そしてここはイムシの王都、カビセラ。

神眼か、もしくはまたレティの蛇眼か。俺の目には粘りのある闇が薄く広がって見えた。そして、手が震えているのがわかる。

「大丈夫よ。ヨミがこれに飲み込まれない限り、ヨミもワタシ達も落ちることはないわ」

そう言って、励ましてくれているレティの体も震えている。ラグも震えながらもポケットから顔を出し、しっかりと前を向いている。今まではポケットで丸まって震えているだけだったのに

神候補といえど、神が放つ邪心は体も心も重くする。その為、なかなか足が動かなかった。その時

『落ちたくない、、憎い、、、邪神に落ちたくない、、、憎い憎い、、、おち』

俺はラグとレティを見た。だってここにいる神候補は自ら邪心を生み出していると言っていた。でも

「どうやら、ワタシ達の存在を感じたのね。その為、落ちかけていた理性が戻って抵抗し始めた。でも、、」

レティの表情は暗かった。しかし

「大丈夫。まだ間に合う。行こう、ヨミ、レティ」

いつにないラグの力強い言葉に、俺は気合いで足を動かし、門へ向かった。
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