2 / 37
小話 初日の夜/ラグの初めての×××
しおりを挟む
この世界に来て初めての夜。落とされた時がだいたい昼過ぎくらいだったので、真っ直ぐ水があるところに向かって歩き、夕暮れ間近に川辺についた。
まだ明るい内にテントを張り、歩きながら集めた枝に火をつける。
初回特典で色々なものが収納に入っていた。
その中から弁当を取り出し、温冷の二種ある無限ポットから温かい方のお茶を選び、コップに注ぐ。食べる準備が整うと
「いただきます」
と手を合わせてから弁当を食べ始めた。
お腹も満たされ、周りはすっかり夜の闇に包まれている。灯りは収納に入っていたランプの小さな光と焚き火だけ。
空には満点の星と、淡く光っている紅い月。
刷り込まれた知識によれば、この世界の月は虹月と呼ばれている。
字の如く虹、7色の色を持っている。(紅、橙、黄、緑、青、藍、紫)
春は緑 夏は紅 秋は橙 冬は青。
雨は藍 雪は紫 雷(嵐)は黄で、この日の月は半分が季節の色で、半分が天気の色に分かれる。この天気月は雲があっても見ることのできるので、綺麗な半月が見える。そして天気雨の場合は、夜の空に二色の月を見ることができる。
「綺麗だな、、、」
しばらく夜空を見上げていた。どのくらい見ていたのか、遠くの方で何かの遠吠えが聞こえたことで現実に戻り、周りを片付けてからテントへ入り休むことにした。
こうして、俺の最初の1日は終わった。
*****
ラグが生まれてすぐ、ラグのお腹がなった。
「ヨミィ~、お腹すいた~」
俺は周りを見て、近くの木の実を取り、それをラグに渡した。
ラグは匂いを嗅いでから口にした。
「うーん。あまり美味しくない。でも、クセになりそう?もう一個ちょうだい」
そう言って、結局5個食べた。ラグが木の実を食べている間にテントをたたみ収納して、周りを片付けていると、突然ラグが苦しみだした。
「痛い、お腹が痛いよ~、ヨミ、たすけて~」
俺は慌ててラグの側に行き、回復魔法をかけた。
しかし、相手は神候補。眷属でも人間の使う魔法は弾いてしまう。
だったらと、回復ポーションをかけるも効果がなかった。
「くそっ!ラグ、大丈夫か?どうすれば良いんだ!」
「いたい、いたいよ~ヨミ~」
俺はラグをそっと手に乗せ、優しくラグのお腹を撫でた。
「ラグ、ラグ。ごめんな、ごめんな」
なんとなしに謝りながらも、ふと目についた食べかけの木の実をなんとなく鑑定してみた。
ーーーー
オーリブの実(完熟)
・絞ることで食用油になる
・生で一つ食べることで微量の毒なら解毒できる。但し、食べすぎには注意!食べすぎれば逆に腹痛をおこす
・未熟のものは毒なので食べないでください。
(症状としては、腹痛、嘔吐、痺れ、呼吸困難など)
ーーーー
「・・・・・ラグ、本当ごめん。今までは鑑定しながら食用になりそうな物や薬草なんかを取っていたのに、これだけは鑑定せずに渡してしまった」
俺は反省も込めて、少しでもラグが楽になれるよう、収納から聖水を取り出し飲ませた。
聖水は唯一神にも効く特効薬。パニックになっていたことですっかりその存在を忘れていた。
聖水を飲んだことでラグはすぐに元気になった。
「ふぅ。痛いのなくなったぁ。もう、ヨミ気を付けてよ。でも痛いおもいしたからか、状態異常耐性を習得したよ」
ラグが元気になったのは喜ばしいことだけど、怪我の功名?で耐性ができたのもよかったけど、、あまりのラグの楽天的な性格に俺はなんだか気が抜けてしまった。
「そっか、よかったな。それとごめんな、痛いおもいさせて。これからは気を付けるよ」
そう言って、手の中のラグを撫でた。ラグは擽ったそうに笑いながら、
「じゃ、出発しようー!あっ、」
多分ラグは、今自分がどこにいるのかを失念していたのだろう。突然勢いよく前進しようとして、俺の手から落ちた。
俺もあまりの事にとっさの対応ができなく、ラグは地に落ちた。
そして、なぜか完全防御を習得した。
まだ明るい内にテントを張り、歩きながら集めた枝に火をつける。
初回特典で色々なものが収納に入っていた。
その中から弁当を取り出し、温冷の二種ある無限ポットから温かい方のお茶を選び、コップに注ぐ。食べる準備が整うと
「いただきます」
と手を合わせてから弁当を食べ始めた。
お腹も満たされ、周りはすっかり夜の闇に包まれている。灯りは収納に入っていたランプの小さな光と焚き火だけ。
空には満点の星と、淡く光っている紅い月。
刷り込まれた知識によれば、この世界の月は虹月と呼ばれている。
字の如く虹、7色の色を持っている。(紅、橙、黄、緑、青、藍、紫)
春は緑 夏は紅 秋は橙 冬は青。
雨は藍 雪は紫 雷(嵐)は黄で、この日の月は半分が季節の色で、半分が天気の色に分かれる。この天気月は雲があっても見ることのできるので、綺麗な半月が見える。そして天気雨の場合は、夜の空に二色の月を見ることができる。
「綺麗だな、、、」
しばらく夜空を見上げていた。どのくらい見ていたのか、遠くの方で何かの遠吠えが聞こえたことで現実に戻り、周りを片付けてからテントへ入り休むことにした。
こうして、俺の最初の1日は終わった。
*****
ラグが生まれてすぐ、ラグのお腹がなった。
「ヨミィ~、お腹すいた~」
俺は周りを見て、近くの木の実を取り、それをラグに渡した。
ラグは匂いを嗅いでから口にした。
「うーん。あまり美味しくない。でも、クセになりそう?もう一個ちょうだい」
そう言って、結局5個食べた。ラグが木の実を食べている間にテントをたたみ収納して、周りを片付けていると、突然ラグが苦しみだした。
「痛い、お腹が痛いよ~、ヨミ、たすけて~」
俺は慌ててラグの側に行き、回復魔法をかけた。
しかし、相手は神候補。眷属でも人間の使う魔法は弾いてしまう。
だったらと、回復ポーションをかけるも効果がなかった。
「くそっ!ラグ、大丈夫か?どうすれば良いんだ!」
「いたい、いたいよ~ヨミ~」
俺はラグをそっと手に乗せ、優しくラグのお腹を撫でた。
「ラグ、ラグ。ごめんな、ごめんな」
なんとなしに謝りながらも、ふと目についた食べかけの木の実をなんとなく鑑定してみた。
ーーーー
オーリブの実(完熟)
・絞ることで食用油になる
・生で一つ食べることで微量の毒なら解毒できる。但し、食べすぎには注意!食べすぎれば逆に腹痛をおこす
・未熟のものは毒なので食べないでください。
(症状としては、腹痛、嘔吐、痺れ、呼吸困難など)
ーーーー
「・・・・・ラグ、本当ごめん。今までは鑑定しながら食用になりそうな物や薬草なんかを取っていたのに、これだけは鑑定せずに渡してしまった」
俺は反省も込めて、少しでもラグが楽になれるよう、収納から聖水を取り出し飲ませた。
聖水は唯一神にも効く特効薬。パニックになっていたことですっかりその存在を忘れていた。
聖水を飲んだことでラグはすぐに元気になった。
「ふぅ。痛いのなくなったぁ。もう、ヨミ気を付けてよ。でも痛いおもいしたからか、状態異常耐性を習得したよ」
ラグが元気になったのは喜ばしいことだけど、怪我の功名?で耐性ができたのもよかったけど、、あまりのラグの楽天的な性格に俺はなんだか気が抜けてしまった。
「そっか、よかったな。それとごめんな、痛いおもいさせて。これからは気を付けるよ」
そう言って、手の中のラグを撫でた。ラグは擽ったそうに笑いながら、
「じゃ、出発しようー!あっ、」
多分ラグは、今自分がどこにいるのかを失念していたのだろう。突然勢いよく前進しようとして、俺の手から落ちた。
俺もあまりの事にとっさの対応ができなく、ラグは地に落ちた。
そして、なぜか完全防御を習得した。
10
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
BLゲームに転生した俺、クリアすれば転生し直せると言われたので、バッドエンドを目指します! 〜女神の嗜好でBLルートなんてまっぴらだ〜
とかげになりたい僕
ファンタジー
不慮の事故で死んだ俺は、女神の力によって転生することになった。
「どんな感じで転生しますか?」
「モテモテな人生を送りたい! あとイケメンになりたい!」
そうして俺が転生したのは――
え、ここBLゲームの世界やん!?
タチがタチじゃなくてネコはネコじゃない!? オネェ担任にヤンキー保健医、双子の兄弟と巨人後輩。俺は男にモテたくない!
女神から「クリアすればもう一度転生出来ますよ」という暴言にも近い助言を信じ、俺は誰とも結ばれないバッドエンドをクリアしてみせる! 俺の操は誰にも奪わせはしない!
このお話は小説家になろう、カクヨムでも掲載しています。
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
モブなので思いっきり場外で暴れてみました
雪那 由多
恋愛
やっと卒業だと言うのに婚約破棄だとかそう言うのはもっと人の目のないところでお三方だけでやってくださいませ。
そしてよろしければ私を巻き来ないようにご注意くださいませ。
一応自衛はさせていただきますが悪しからず?
そんなささやかな防衛をして何か問題ありましょうか?
※衝動的に書いたのであげてみました四話完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる