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外伝 お披露目会
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これは僕のお披露目会の時の話。
僕は物凄く早くに起こされた。それでも半分は夢の中の状態の僕をキャロさんがお風呂に入れ、その後は体のマッサージを兼ねての肌のお手入れ、この時には僕は完全に寝てしまった。だって気持ちいいだもん。前世でエステしたことなかったけど、こんなに気持ちいいものなんだ。
「アルジャーノン様起きてください。髪がセット出来ません。それに着替えもあるんですよ。時間がありません」
キャロさんの声にまだ眠い目をこすり、起きると
鏡に物凄い美形が写っていた。後ろにキャロさんがいるから、これは僕なんだろう。
「あ?え?な、何で?今までこんな事しなかったよね?」
混乱している僕の頭をがっちり掴み、髪をセットしながら、
「アルジャーノン様がお誕生日パーティーの時に余計な事をおっしゃったからです。奥様とカティーティア様が張り切っておられましたよ」
え?あれだけの事で?わざわざかつらまで作って長髪にするの?
「さぁ、立ってください。正装に着替えますよ」
力は入ってないので痛くはなかったが、有無を言わせず立ち上がらされた。
僕はキャロさんの操り人形になりながら着替えさせられた。
ちなみに僕の身支度は、お風呂も含めてキャロさんのみ。父様似の僕を案じて決まったこととキャロさんに聞いた。
準備されていた朝食を摘まみつつ、キャロさんの操り人形になり、ようやく着替え終わった姿を見ると、
「キャロさん、僕お披露目会行きたくない」
「確かにこれは、危ないですね。旦那様にアルジャーノン様の護衛を増やしてもらわなければ」
僕は顔を引きつって、お披露目会の参加を拒否したのに、キャロさんは護衛を増やす事で対応しようとしていた。
最後の抵抗でキャロさんにしがみつきふんばったがキャロさんはなんの抵抗もなく歩いてる。しかも「正装にシワがよります。しゃんとしてください」と言うしまつ。
目の前は階段なので仕方なく自分で歩いた。
階段を下りると、全員が揃っていた。どうやら僕が最後だったようだ。
皆僕の姿に固まっていたが、さすがに自分の姿を見慣れてる父様は
「キャロの伝言を聞いたが、これ程とは。ポール、彼を呼べ。まだ侍従としては力不足でも、護衛には適してるだろう」
「はい。だたいまお連れします」
ポールさんがそう言って連れてきたのはなんと、アルファさんだった。アルファさんは僕を見て一瞬固まったが、すぐに復活して
「お久しぶりです、アルジャーノン様。本日、護衛を仰せつかりました、アルファです」
俺はキャロさんを見た。その意図をくみ
「彼は今、サンガ家で侍従の勉強中です。いつまでも家庭教師だけでは生活出来ませんからね。家庭教師として雇う時に、身元も人柄も確認済みなので二つ返事で旦那様がお決めになりました」
父様、二つ返事って。あれ?ちぃ兄様や姉さま、それに僕の魔法の先生は?
「ちぃ兄様たちと僕の魔法の先生はどうなるの?」
「レイナルド様達にはもう教える所はないそうです。アルジャーノン様はもうバンバン魔法使ってますよね?本来は使えないはずなんですが」
後半なんか含んでない?仕方ないよ、前世チートが火を吹いたんだよ。じゃ僕、魔法の勉強免除ってこと?僕の思考を読んだように、
「魔法の座学はありますよ。アルファはアルジャーノン様の侍従兼護衛になる事は決まってますので。なので今日、護衛としてアルジャーノン様に付くのですから」
「お話は尽きないようですが、続きは馬車の中でお願いします。時間が押してます」
ポールさんの言葉に全員動いた。僕のお披露目会なので、兄様達はお留守番。行くのは、父様と母様、僕とカスミさん。キャロさんにアルファさん。父様と母様の侍従、侍女と少数の護衛。家の使用人は全員が戦える使用人なので、他の貴族家よりも少ない人数で行動する。
馬車の中で父様達にキャロさんとアルファさんそれに、カスミさんから絶対に離れないよう何度も言われた。母様なんて、着飾るのは失敗だったと言っていた。
僕の姿が悪いってことじゃなく、いつも以上にキレイに整えられたので拐われないかの心配でだ。
カスミさんは緊張から青い顔をしていると思ったけど、緊張もあるだろうけど馬車に酔ってた。
僕は酔い止めの魔法をカスミさんに使った。いまにも吐きそうだったからね。ここで吐かれたら皆の衣装が汚れちゃうからね。
そんなこんなで馬車は何事もなく王城についた。
今日ほど途中で馬車を襲ってくれないかと願った事はない。皆強し、アルファさんもいるし、いざとなれば僕も出るつもりだったので、襲われても誰も怪我はしないと核心出来たから。
襲われたことを理由にお披露目会に行けなくなったと、なれば良かったのに。残念
王城に着き、馬車を降りるとまだ外にいた貴族達から注目された。今すぐ帰りたい!という顔を奥に押し込め、貴族特有のアルカイックスマイルをすると、
「アルジャーノン様は旦那様のように無表情でお願いします。陛下には笑顔を忘れずに」
キャロさんが僕の耳元でささやいた。父様を見ると、前の父様に戻ったような冷たい無表情をしていた。ポールさんに言わせれば
「前のように出来てないのは、嬉しくもありますが、複雑ですね」
との事だった。ポールさん大丈夫です。父様の表情の微細な変化はポールさん達にしか分からないので!
チラチラ見られながらもようやく僕達の番がきた。いざ行かん、戦場(会場)へ!
僕は物凄く早くに起こされた。それでも半分は夢の中の状態の僕をキャロさんがお風呂に入れ、その後は体のマッサージを兼ねての肌のお手入れ、この時には僕は完全に寝てしまった。だって気持ちいいだもん。前世でエステしたことなかったけど、こんなに気持ちいいものなんだ。
「アルジャーノン様起きてください。髪がセット出来ません。それに着替えもあるんですよ。時間がありません」
キャロさんの声にまだ眠い目をこすり、起きると
鏡に物凄い美形が写っていた。後ろにキャロさんがいるから、これは僕なんだろう。
「あ?え?な、何で?今までこんな事しなかったよね?」
混乱している僕の頭をがっちり掴み、髪をセットしながら、
「アルジャーノン様がお誕生日パーティーの時に余計な事をおっしゃったからです。奥様とカティーティア様が張り切っておられましたよ」
え?あれだけの事で?わざわざかつらまで作って長髪にするの?
「さぁ、立ってください。正装に着替えますよ」
力は入ってないので痛くはなかったが、有無を言わせず立ち上がらされた。
僕はキャロさんの操り人形になりながら着替えさせられた。
ちなみに僕の身支度は、お風呂も含めてキャロさんのみ。父様似の僕を案じて決まったこととキャロさんに聞いた。
準備されていた朝食を摘まみつつ、キャロさんの操り人形になり、ようやく着替え終わった姿を見ると、
「キャロさん、僕お披露目会行きたくない」
「確かにこれは、危ないですね。旦那様にアルジャーノン様の護衛を増やしてもらわなければ」
僕は顔を引きつって、お披露目会の参加を拒否したのに、キャロさんは護衛を増やす事で対応しようとしていた。
最後の抵抗でキャロさんにしがみつきふんばったがキャロさんはなんの抵抗もなく歩いてる。しかも「正装にシワがよります。しゃんとしてください」と言うしまつ。
目の前は階段なので仕方なく自分で歩いた。
階段を下りると、全員が揃っていた。どうやら僕が最後だったようだ。
皆僕の姿に固まっていたが、さすがに自分の姿を見慣れてる父様は
「キャロの伝言を聞いたが、これ程とは。ポール、彼を呼べ。まだ侍従としては力不足でも、護衛には適してるだろう」
「はい。だたいまお連れします」
ポールさんがそう言って連れてきたのはなんと、アルファさんだった。アルファさんは僕を見て一瞬固まったが、すぐに復活して
「お久しぶりです、アルジャーノン様。本日、護衛を仰せつかりました、アルファです」
俺はキャロさんを見た。その意図をくみ
「彼は今、サンガ家で侍従の勉強中です。いつまでも家庭教師だけでは生活出来ませんからね。家庭教師として雇う時に、身元も人柄も確認済みなので二つ返事で旦那様がお決めになりました」
父様、二つ返事って。あれ?ちぃ兄様や姉さま、それに僕の魔法の先生は?
「ちぃ兄様たちと僕の魔法の先生はどうなるの?」
「レイナルド様達にはもう教える所はないそうです。アルジャーノン様はもうバンバン魔法使ってますよね?本来は使えないはずなんですが」
後半なんか含んでない?仕方ないよ、前世チートが火を吹いたんだよ。じゃ僕、魔法の勉強免除ってこと?僕の思考を読んだように、
「魔法の座学はありますよ。アルファはアルジャーノン様の侍従兼護衛になる事は決まってますので。なので今日、護衛としてアルジャーノン様に付くのですから」
「お話は尽きないようですが、続きは馬車の中でお願いします。時間が押してます」
ポールさんの言葉に全員動いた。僕のお披露目会なので、兄様達はお留守番。行くのは、父様と母様、僕とカスミさん。キャロさんにアルファさん。父様と母様の侍従、侍女と少数の護衛。家の使用人は全員が戦える使用人なので、他の貴族家よりも少ない人数で行動する。
馬車の中で父様達にキャロさんとアルファさんそれに、カスミさんから絶対に離れないよう何度も言われた。母様なんて、着飾るのは失敗だったと言っていた。
僕の姿が悪いってことじゃなく、いつも以上にキレイに整えられたので拐われないかの心配でだ。
カスミさんは緊張から青い顔をしていると思ったけど、緊張もあるだろうけど馬車に酔ってた。
僕は酔い止めの魔法をカスミさんに使った。いまにも吐きそうだったからね。ここで吐かれたら皆の衣装が汚れちゃうからね。
そんなこんなで馬車は何事もなく王城についた。
今日ほど途中で馬車を襲ってくれないかと願った事はない。皆強し、アルファさんもいるし、いざとなれば僕も出るつもりだったので、襲われても誰も怪我はしないと核心出来たから。
襲われたことを理由にお披露目会に行けなくなったと、なれば良かったのに。残念
王城に着き、馬車を降りるとまだ外にいた貴族達から注目された。今すぐ帰りたい!という顔を奥に押し込め、貴族特有のアルカイックスマイルをすると、
「アルジャーノン様は旦那様のように無表情でお願いします。陛下には笑顔を忘れずに」
キャロさんが僕の耳元でささやいた。父様を見ると、前の父様に戻ったような冷たい無表情をしていた。ポールさんに言わせれば
「前のように出来てないのは、嬉しくもありますが、複雑ですね」
との事だった。ポールさん大丈夫です。父様の表情の微細な変化はポールさん達にしか分からないので!
チラチラ見られながらもようやく僕達の番がきた。いざ行かん、戦場(会場)へ!
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