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4 許可、ゲットです
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場所は、父様の執務室。
部屋には、父様と、父様の侍従兼執事長のポールさん、僕とキャロさんの四人。
父様と僕は、机を挟んで向かい合う形で座り、ポールさんとキャロさんは、それぞれの主人の後ろに立っている。
父様は、用意された紅茶を一口飲んでから
「アル、話とは何だ?」
僕は緊張から、俯いていた。
父様からの問いかけに、少し顔を上げたら、意図せずして上目遣いになってしまった。
しかし、これは行ける!とあざとく考え、そのままをキープして、
「魔法の練習がしたいです」
僕の答えに父様が何か言う前に、少し上げていた顔を完全に上げ、父様の目を見て続けざまに
「分かってます。本来は、七歳から魔法を学ぶと言うことは。そして、今僕のすべき事は、文字の読み書きを習得する事だと言うことも。ただ魔法の練習と言っても、体内の魔力の動かしかたと操作を習いたいのです。父様、どうかお願いします」
机に頭をぶつける勢いで頭を下げた。
というか、キャロさんが咄嗟に僕の頭を支えなければ、確実に打っていた。
ポールさんも、間に合わないと分かっていても、動いてくれた。
父様も席を立ち、手を前に伸ばしてくれていた。
三者三様に胸を撫で下ろし、父様はソファに座り直し、ポールさんも佇まいを直し、冷めてしまった父様の紅茶を入れ直し、僕の前にあるジュースも代えようとしてくれたけど、それは僕が断った。
元日本人特有の、もったいない精神だ。
キャロさんにお礼を言って佇まいを直し、父様に向き直った。
父様はしばらく考えるように目を閉じ、結論を出したのか閉じていた目を開いた。
じっと僕を見つめた後、一つ息を吐き
「明日から午前中は、レイとカティ二人と共に魔法の勉強をしなさい。二人と家庭教師の方には私から伝えとく」
「ありが「ただし、魔法の基礎。魔力操作のみとする。異議は認めない」
許可を貰えてお礼を言おうとしたら、被せるように言葉を遮られた。
しかし、僕が望んでいたのは魔力操作なのだから、異議があるわけない。
今まで一番の笑顔で、
「父様、ありがとうございます。お忙しい中、お時間を割いてもらいありがとうございます。それではこれで、失礼します」
と、お礼をいい退出の挨拶をして、スキップしそうなほど、足取り軽く執務室を後にした。
「あれ程の笑顔は、赤ん坊の時以来か?なぜか子供達は物心付く頃になると、私と接する時、顔が強ばっている気がするのだが、ポールどう思う」
ポールは、呆れた顔を隠そうともせず、
「それはもちもん、旦那様の顔が怖いからですよ。私たち古くからいる使用人や奥様は馴れたもので、その無表情からでも旦那様の感情を読み取れますが、日の浅い使用人やお子様方には、その無表情は威圧感がありますからね。これを機に、表情筋を動かし、笑顔の練習でもするといいですよ」ニッコリ
笑顔でも十分威圧できると思ったが、ポールには口で勝てないので、心に止めとくだけにした。
部屋には、父様と、父様の侍従兼執事長のポールさん、僕とキャロさんの四人。
父様と僕は、机を挟んで向かい合う形で座り、ポールさんとキャロさんは、それぞれの主人の後ろに立っている。
父様は、用意された紅茶を一口飲んでから
「アル、話とは何だ?」
僕は緊張から、俯いていた。
父様からの問いかけに、少し顔を上げたら、意図せずして上目遣いになってしまった。
しかし、これは行ける!とあざとく考え、そのままをキープして、
「魔法の練習がしたいです」
僕の答えに父様が何か言う前に、少し上げていた顔を完全に上げ、父様の目を見て続けざまに
「分かってます。本来は、七歳から魔法を学ぶと言うことは。そして、今僕のすべき事は、文字の読み書きを習得する事だと言うことも。ただ魔法の練習と言っても、体内の魔力の動かしかたと操作を習いたいのです。父様、どうかお願いします」
机に頭をぶつける勢いで頭を下げた。
というか、キャロさんが咄嗟に僕の頭を支えなければ、確実に打っていた。
ポールさんも、間に合わないと分かっていても、動いてくれた。
父様も席を立ち、手を前に伸ばしてくれていた。
三者三様に胸を撫で下ろし、父様はソファに座り直し、ポールさんも佇まいを直し、冷めてしまった父様の紅茶を入れ直し、僕の前にあるジュースも代えようとしてくれたけど、それは僕が断った。
元日本人特有の、もったいない精神だ。
キャロさんにお礼を言って佇まいを直し、父様に向き直った。
父様はしばらく考えるように目を閉じ、結論を出したのか閉じていた目を開いた。
じっと僕を見つめた後、一つ息を吐き
「明日から午前中は、レイとカティ二人と共に魔法の勉強をしなさい。二人と家庭教師の方には私から伝えとく」
「ありが「ただし、魔法の基礎。魔力操作のみとする。異議は認めない」
許可を貰えてお礼を言おうとしたら、被せるように言葉を遮られた。
しかし、僕が望んでいたのは魔力操作なのだから、異議があるわけない。
今まで一番の笑顔で、
「父様、ありがとうございます。お忙しい中、お時間を割いてもらいありがとうございます。それではこれで、失礼します」
と、お礼をいい退出の挨拶をして、スキップしそうなほど、足取り軽く執務室を後にした。
「あれ程の笑顔は、赤ん坊の時以来か?なぜか子供達は物心付く頃になると、私と接する時、顔が強ばっている気がするのだが、ポールどう思う」
ポールは、呆れた顔を隠そうともせず、
「それはもちもん、旦那様の顔が怖いからですよ。私たち古くからいる使用人や奥様は馴れたもので、その無表情からでも旦那様の感情を読み取れますが、日の浅い使用人やお子様方には、その無表情は威圧感がありますからね。これを機に、表情筋を動かし、笑顔の練習でもするといいですよ」ニッコリ
笑顔でも十分威圧できると思ったが、ポールには口で勝てないので、心に止めとくだけにした。
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