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恋人は難しい
第3話
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ふんわりとしたシーツの感触と、涼真の素肌の熱に私はホッと息を吐きだした。
「あったかい……」
「ああ、ちな柔らかくて、温かくて気持ちいい」
はずかしげもなくそう言うと、涼真は私を抱きしめた。
「ちな、好きだよ。ちな、俺が守るから、会社で俺たちの事ばらしてもいい?」
私としては、内緒にされていたことの方が不安だったし、この性格や、それなりの仕事のポジションにいることもあり、同僚や女の子たちの悪口など怖くなかった。
「もちろん。いいよ」
「よかった。ちなに風当たりが強くなるのが嫌だったけど、ちなに男が寄るのも嫌だし、もう、ちな以外の女の子の相手をして、ちなに嫌な思いもさせたくない」
上から見下ろされるようにして言われた涼真の言葉に、こんな私のわがままを理解していてくれたことがわかり嬉しかった。
「うん、私も涼真は私のものだっていいたい。いつも、ヤキモチ焼いて嫌な態度ばかりとってごめん」
謝った私に、涼真は優しく微笑んでるキスをくれる。
「ちな、ちな」
甘く涼真の口から洩れる、涼真だけが呼ぶ名前が心地が良い。
深くなるキスに、もう何も考えられず、ただ涼真が触れているところが熱を持つ。
寒い部屋で、どちらのものかわからない熱が混ざり合う。
私の中で涼真が触れていないところはないというぐらい、涼真は大切に私に触れて、全身にキスを落とす。
もう何も考えることができず、ただ涼真に縋りつく私を、涼真はきつく抱きしめてくれた。
ようやく心も体も涼真の物になれたような気がした。そして何度目かの快感の波に意識を手放した。
「ちな!ちなそろそろ起きろよ」
デジャヴかと思うその声に、私は小さく体を動かした。
あれ?
そっと目を開けると、あの時と違うのは、目の前に優しい涼真の顔があることだった。
「おはよう」
チュッとリップ音を立てて、キスをされて一気に目が覚めた。
「おはよう……」
最後は声にならず、何も身に着けていない自分に恥ずかしくなってシーツにもぐりこんだ。
「なあ?お腹すかない?」
そういえば昨日、買ってきた食事も食べずにベッドに入ってしまった事を思い出す。
そしてそのまま私は眠ってしまったのだろう。
「起きてればよっかたのに……」
小さく言った私に、涼真は少しムッとした表情をするとまた私を抱きしめた。
「冷たい事言うなよ。せっかくの朝をちなと一緒に過ごそうと思ったのに。朝起きていないと寂しくないの?」
「うそ、嬉しい。目を開けたら涼真がいることがすごくうれしかったよ」
そう言った私を見て、涼真は小さくため息をついた。
「やばい。素直なちなも可愛い。拗ねてるちなも可愛いけど……。そんなことより飯よりちなだな」
「へ?」
1人でブツブツ言っている、涼真の言葉の意味が解らず問いかけた私に、涼真はにやりと口角を上げた。
「これは、煽ったちなが悪いからな。もう少しご飯はあとな」
そう言うと、涼真はまた私をベッドの中へと引きずりこんだ。
「え?もう朝!明るい!恥ずかしい!ねえ……」
私のそんな言葉など、まるで聞こえないと言った涼真に、私は諦めて涼真の首に腕を回した。
「あったかい……」
「ああ、ちな柔らかくて、温かくて気持ちいい」
はずかしげもなくそう言うと、涼真は私を抱きしめた。
「ちな、好きだよ。ちな、俺が守るから、会社で俺たちの事ばらしてもいい?」
私としては、内緒にされていたことの方が不安だったし、この性格や、それなりの仕事のポジションにいることもあり、同僚や女の子たちの悪口など怖くなかった。
「もちろん。いいよ」
「よかった。ちなに風当たりが強くなるのが嫌だったけど、ちなに男が寄るのも嫌だし、もう、ちな以外の女の子の相手をして、ちなに嫌な思いもさせたくない」
上から見下ろされるようにして言われた涼真の言葉に、こんな私のわがままを理解していてくれたことがわかり嬉しかった。
「うん、私も涼真は私のものだっていいたい。いつも、ヤキモチ焼いて嫌な態度ばかりとってごめん」
謝った私に、涼真は優しく微笑んでるキスをくれる。
「ちな、ちな」
甘く涼真の口から洩れる、涼真だけが呼ぶ名前が心地が良い。
深くなるキスに、もう何も考えられず、ただ涼真が触れているところが熱を持つ。
寒い部屋で、どちらのものかわからない熱が混ざり合う。
私の中で涼真が触れていないところはないというぐらい、涼真は大切に私に触れて、全身にキスを落とす。
もう何も考えることができず、ただ涼真に縋りつく私を、涼真はきつく抱きしめてくれた。
ようやく心も体も涼真の物になれたような気がした。そして何度目かの快感の波に意識を手放した。
「ちな!ちなそろそろ起きろよ」
デジャヴかと思うその声に、私は小さく体を動かした。
あれ?
そっと目を開けると、あの時と違うのは、目の前に優しい涼真の顔があることだった。
「おはよう」
チュッとリップ音を立てて、キスをされて一気に目が覚めた。
「おはよう……」
最後は声にならず、何も身に着けていない自分に恥ずかしくなってシーツにもぐりこんだ。
「なあ?お腹すかない?」
そういえば昨日、買ってきた食事も食べずにベッドに入ってしまった事を思い出す。
そしてそのまま私は眠ってしまったのだろう。
「起きてればよっかたのに……」
小さく言った私に、涼真は少しムッとした表情をするとまた私を抱きしめた。
「冷たい事言うなよ。せっかくの朝をちなと一緒に過ごそうと思ったのに。朝起きていないと寂しくないの?」
「うそ、嬉しい。目を開けたら涼真がいることがすごくうれしかったよ」
そう言った私を見て、涼真は小さくため息をついた。
「やばい。素直なちなも可愛い。拗ねてるちなも可愛いけど……。そんなことより飯よりちなだな」
「へ?」
1人でブツブツ言っている、涼真の言葉の意味が解らず問いかけた私に、涼真はにやりと口角を上げた。
「これは、煽ったちなが悪いからな。もう少しご飯はあとな」
そう言うと、涼真はまた私をベッドの中へと引きずりこんだ。
「え?もう朝!明るい!恥ずかしい!ねえ……」
私のそんな言葉など、まるで聞こえないと言った涼真に、私は諦めて涼真の首に腕を回した。
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