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同期以上恋人未満
第5話
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その日は、本当に楽しくて大切にされているような錯覚を覚えてしまった。
ねえ?涼真?
私は同期以上?
そう問いかけたい気持ちを、今の関係を壊すのが怖くて聞くことはできなかった。
「じゃあ、ちな。また明日な」
車が私のマンションの前につくと、涼真はさわやかな笑みを浮かべて私を見た。
「涼真、本当にありがとう。すごく楽しかった」
イルミネーションも、イルカショーもどれもすごくきれいで、楽しくて私は興奮冷めやらぬまま、涼真の顔を見た。
「楽しんでくれてよかった」
そう言った優しい瞳に、私はまたもやドキッとする。
どれだけドキッとさせれば気が済むんだろう……。
私は、そんな事をおもいつつ慌てて視線を逸らすと、ドアをあけるためにノブに手をかけた。
「あ、忘れてた」
そう言った涼真に、私は何か忘れたのかとくるりと頭を後ろに向け……。
え?
向けたと同時に、目の前にいっぱいに広がった涼真のきれいな顔と、それと同時に温かく触れた涼真の唇。
え……?
キス……された?
「おやすみ。ちな」
蕩けるような視線が私を見ていた、恥ずかしくなるのを通り過ぎて、何が起きているかわからず、私は呆然と涼真を見つめ返していた。
「おやすみ……」
それだけの言葉を口にすると、私は何も考えられないまま車を降りた。
あれ?
今のはなに?
これも練習?
そんな事がグルグルと頭をめぐる。
スタスタとマンションへと入り、エレベーターに乗り込んで一人になって、初めて今のキスが、現実のものと分かり、私は真っ赤になってエレベーターの中で座り込んだ。
ねえ?涼真?
私は同期以上?
そう問いかけたい気持ちを、今の関係を壊すのが怖くて聞くことはできなかった。
「じゃあ、ちな。また明日な」
車が私のマンションの前につくと、涼真はさわやかな笑みを浮かべて私を見た。
「涼真、本当にありがとう。すごく楽しかった」
イルミネーションも、イルカショーもどれもすごくきれいで、楽しくて私は興奮冷めやらぬまま、涼真の顔を見た。
「楽しんでくれてよかった」
そう言った優しい瞳に、私はまたもやドキッとする。
どれだけドキッとさせれば気が済むんだろう……。
私は、そんな事をおもいつつ慌てて視線を逸らすと、ドアをあけるためにノブに手をかけた。
「あ、忘れてた」
そう言った涼真に、私は何か忘れたのかとくるりと頭を後ろに向け……。
え?
向けたと同時に、目の前にいっぱいに広がった涼真のきれいな顔と、それと同時に温かく触れた涼真の唇。
え……?
キス……された?
「おやすみ。ちな」
蕩けるような視線が私を見ていた、恥ずかしくなるのを通り過ぎて、何が起きているかわからず、私は呆然と涼真を見つめ返していた。
「おやすみ……」
それだけの言葉を口にすると、私は何も考えられないまま車を降りた。
あれ?
今のはなに?
これも練習?
そんな事がグルグルと頭をめぐる。
スタスタとマンションへと入り、エレベーターに乗り込んで一人になって、初めて今のキスが、現実のものと分かり、私は真っ赤になってエレベーターの中で座り込んだ。
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